1.化学物質等及び会社情報 | |||
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化学物質等の名称 | 2‐エチルヘキサン酸、(2-Ethylhexanoic acid ) | ||
製品コード | 21K1-051 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | 塩ビ安定剤,塗料・インキ乾燥剤,可塑剤原料 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H21.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)を使用 |
物理化学的危険性 | 火薬類 | 分類対象外 |
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可燃性・引火性ガス | 分類対象外 | |
可燃性・引火性エアゾール | 分類対象外 | |
支燃性・酸化性ガス類 | 分類対象外 | |
高圧ガス | 分類対象外 | |
引火性液体 | 区分外 | |
可燃性固体 | 分類対象外 | |
自己反応性化学品 | 分類対象外 | |
自然発火性液体 | 区分外 | |
自然発火性固体 | 分類対象外 | |
自己発熱性化学品 | 分類できない | |
水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | |
酸化性液体 | 分類対象外 | |
酸化性固体 | 分類対象外 | |
有機過酸化物 | 分類対象外 | |
金属腐食性物質 | 分類できない | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
急性毒性(経皮) | 区分4 | |
急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | |
急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | |
急性毒性(吸入:粉じん) | 分類対象外 | |
急性毒性(吸入:ミスト) | 分類できない | |
皮膚腐食性・刺激性 | 区分1 | |
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分2 | |
呼吸器感作性 | 分類できない | |
皮膚感作性 | 分類できない | |
生殖細胞変異原性 | 分類できない | |
発がん性 | 分類できない | |
生殖毒性 | 区分1B | |
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分2(呼吸器) | |
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 分類できない | |
吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | |
環境に対する有害性 | 水生環境急性有害性 | 区分3 |
水生環境慢性有害性 | 区分3 |
ラベル要素 | |||
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絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 皮膚に接触すると有害 | ||
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 | |||
強い眼刺激 | |||
生殖能または胎児への悪影響のおそれ | |||
呼吸器の障害のおそれ | |||
水生生物に有害 | |||
長期的影響により水生生物に有害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
適切な個人用保護具を使用すること。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
【応急措置】 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
皮膚に付着した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
汚染された衣類をすべて脱ぐこと。 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | |||
皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | |||
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
皮膚に付着した場合、眼に入った場合、飲み込んだ場合、吸入した場合は、直ちに医師に連絡すること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露した時、または気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
【保管】 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 2‐エチルヘキサン酸 | ||
別名 | 2‐エチルカプロン酸、(2-Ethylcaproic accid) | ||
分子式 (分子量) | C8H16O2(144.2) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 149-57-5 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | (2)-608 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石鹸で洗うこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | |||
目に入った場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入 : 咳 | ||
皮膚 : 発赤 | |||
眼 : 発赤、痛み | |||
経口摂取 : 腹痛、灼熱感、下痢 | |||
最も重要な兆候及び症状 | 眼、皮膚、気道を刺激する。 | ||
応急措置をする者の保護 | データなし | ||
医師に対する特別注意事項 | データなし | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。 | ||
激しく加熱すると燃焼する。 | |||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
容器が熱に晒されているときは、移動させない。 | |||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 危険でなければ漏れを止める。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
皮膚と接触しないこと。 | |||
眼に入れないこと。 | |||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
混触危険物質 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定(2008年度版) | ||
ACGIH | TWA 5mg/m3(インハラブル粒子および蒸気として) (2008年度版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特徴臭 | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -59℃ : ICSC (J) (2005) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 227℃ : ICSC (J) (2005) | ||
引火点 | 118℃ (O.C.) : ICSC (J) (2005) | ||
自然発火温度 | 371℃ : ICSC (J) (2005) | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | 0.8〜6vol% (空気中) : ICSC (J) (2005) | ||
蒸気圧 | 4Pa (20℃) : ICSC (J) (2005) | ||
蒸気密度 | 5 (空気=1) : ICSC (J) (2005) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 0.90 (水=1) : ICSC (J) (2005) | ||
溶解度 | 水 : 0.14g/100ml : ICSC (J) (2005) | ||
オクタノール・水分配係数 | log P = 2.64 : ICSC (J) (2005) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 強力な還元剤であり、酸化剤と反応する。 加熱すると分解し、刺激性ヒュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 刺激性ヒューム | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットを用いた経口投与試験のLD50値は1,600-3,200 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))、1,600 mg/kg(Patty(5th, 2001))、3,640 mg/kg、3,270 mg/kg、2,043 mg/kg(IUCLID(2000))との記述がある。GLP準拠試験のLD50値2,043 mg/kgが区分外の範囲にあり、また区分外に存在するデータが多い。LD50値2,043 mg/kgは国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 | ||
経皮 | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値1,140 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))1,260 mg/kg(Patty(5th, 2001))、またウサギを用いた経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg (IUCLID(2000))との記述がある。OECD TG準拠で区分外相当の結果があるが、List1の情報源に区分4に相当するデータが複数個あるので、区分4とした。 | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 | |
吸入(蒸気): | 20℃の飽和蒸気圧濃度が0.23 mg/Lの液体である。ラットを用いた8時間吸入ばく露試験で「飽和蒸気に8時間ばく露しても1匹も死ななかった」(ACGIH(7th, 2001))との記述より、蒸気基準を適用すると4時間換算LC50値は>0.46 mg/Lで、区分を特定できないので、分類できない。 | ||
吸入(ミスト): | 20℃の飽和蒸気圧濃度が0.23 mg/Lの液体である。ラットを用いた6時間吸入ばく露試験で「2.36 mg/Lに6時間ばく露しても1匹も死ななかった」(Patty(5th, 2001))との記述より、ミスト基準を適用すると、4時間換算LC50値>3.54 mg/Lとなる。区分を特定できないので、分類できない。 | ||
皮膚腐食性・刺激性 | Patty(5th, 2001)に、モルモットに24時間経皮投与した試験(1955年)では「非希釈液はslight な浮腫, 紅斑, 壊死 だが、20%希釈液では浮腫はないか very slightな浮腫 、slight to moderateな発赤」との記述、6匹のウサギに非希釈液を4時間投与した試験(1986年)でも「5匹にslightな壊死とそれに続くslight to moderateな痂皮の形成」との記述がある。さらにIUCLID(2000)に、ウサギの4時間皮膚刺激試験で「corrosive」との記述が3件あり、1件は上述の1986年のウサギの試験結果である。一方、IUCLID(2000)にウサギを用いた皮膚刺激試験(OECD TG 404、GLP)で「not irritating」との記述があるが、一次文献は企業レポートなので希釈条件は不明である。1955年のデータでモルモットに用量依存的なデータがあり、さらにIUCLID(2000)に回復性に関する記述はないが、「corrosive」と評価されたデータが3件あることは無視できないので、区分1とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | ACGIH(7th, 2001)に「ウサギの眼損傷に関する2件の研究結果より、本物質を10段階の分類で5に評価した」との記述がある。IUCLID(2000) には、ウサギの眼に希釈液を滴下した眼刺激性試験結果で「5%ではirritating、1%ではonly trace injury」との記述と、ウサギの眼刺激性・腐食性試験(OECD TG 405、GLP)で「not irritating」との記述がある。一方、ヒト事例として「結膜損傷が1例あるが、迅速に治癒した」(Patty(5th, 2001))との記述もある。OECD TG準拠の試験は企業データで希釈率が不明なので、細区分せずに「区分2」とした。 なお、別のウサギを用いた眼刺激性試験について、ACGIH(7th, 2001)には「severe corneal necrosis」と記述されているが、IUCLID(2000)では「irritating」、Patty(5th, 2001)では「severe corneal irritation」と評価が分かれている。このデータは情報源により評価が分かれており、一次文献J. Ind. Hyg. Toxicol. 26 (1944)には「Range Finding Testなので、精度は十分でない」との記述もあるので採用しない。 | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データがないので分類できない。 | ||
皮膚感作性:データがないので分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | in vivo試験のデータがないので分類できない。 なお、in vitro変異原性試験では、CHO培養細胞を用いた染色体異常試験と姉妹染色分体交換試験でともに「陽性」(NTP DB(Access on January 2009))との記述、ネズミチフス菌を用いたAmes試験で「陰性」(Patty(5th, 2001))との記述がある。 | ||
発がん性 | 主要な国際的評価機関による評価がなく、データもないので分類できない。 | ||
生殖毒性 | 妊娠6-19日のラットにNa塩として100-600 mg/kgで飲水経口投与した試験で「高用量では母動物に体重減少が見られそれ以下では影響がなかったが、胎児には用量依存的に内反足、多指、腓骨欠如などの骨格異常がみられた」(Patty(5th, 2001))旨の記述があった。この試験の一次文献 (Fundam. Appl. Toxicol. 19(1992))を精査したところ、「骨格奇形の見られた一腹あたりの胎児数はコントロール群に比べ用量依存的に増加しているが、内反足が最も重大な骨格奇形である」と記述され、この試験についてNTP-CERHR(2000)は「内反足の他に統計的に有意な増加を示した奇形はなかった。骨格変異として波状肋骨は、全ての投与群で増加していた」と記述している。さらに、Na塩として100-600 mg/kgで、雌ラットは交配前の2週間から妊娠期と授乳期、雄ラットは交配前の10週間飲水投与した試験で「最高用量群の雌に摂餌量と体重の減少が見られた以外に影響はほとんど見られず、雄の精巣上体、精巣、前立腺、精嚢と非妊娠雌の卵巣、子宮、膣に病理組織学的な変化は見られなかった。しかし、最高用量群の雄と交配すると、受胎は遅延し一腹あたりの児数が減少した」(ACGIH(7th, 2001)、Patty(5th, 2001))との記述がある。以上より、区分1Bとした。 なお、Patty(5th, 2001)とACGIH(7th, 2001)には、妊娠7日と8日のマウスに昼と夜1回ずつ(R)体、(S)体、ラセミ体の各ナトリウム塩を腹腔内投与した試験で「(S)体では催奇形性も胎児毒性も見られないが、(R)体は外脳の高い発生率を示し、ラセミ体は両者の中間程度の影響を示した」旨の記述があり、胎児毒性の程度の差を本物質がラセミ体であることと関連付けている。 EU分類はRepr. Cat. 3; R63(EU-AnnexJ)である。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | ACGIH(7th, 2001)に、ラットの経口致死量を求める試験で「一過性の衰弱が見られた」旨の記述と、ラットに飽和蒸気圧以上の濃度で吸入ばく露した試験で、区分2のガイダンス値範囲内で「臨床兆候は見られなかった」旨の記述がある。一方、List 2の情報源であるHSDB(2008)のヒト影響の項には「吸入による喉頭と気管支の浮腫や痙攣、化学性肺炎、肺水腫が致命的である可能性」との記述があるなので区分2(呼吸器系)とした。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | ラットとマウスを用いた13週間混餌投与試験で、区分2のガイダンス値の範囲外で「ラットとマウスともに体重、体重増加、摂餌量がわずかに低下し、肝細胞肥大と肝臓の好酸球増加がみられた。マウスでは、近位尿細管の細胞質における好塩基球増加、マウス雄に前胃の表皮肥厚と過角化症がみられた」(Patty(5th, 2001))との記述がある。経口経路では重大な影響はみられていないが、吸入経路、経皮経路での影響が不明なので、分類できない。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データがないので分類できない。 | ||
12.環境影響情報 | |||
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水生環境急性有害性 | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=85.4mg/L(IUCLID、2000)から、区分3とした。 | ||
水生環境慢性有害性 | 急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.64(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性が不明であることから、区分3とした。 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | |||
---|---|---|---|
国際規制 | |||
海上規制情報 | 該当しない | ||
航空規制情報 | 該当しない | ||
UN No. | 該当しない | ||
国内規制 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 | ||
海上規制情報 | 該当しない | ||
航空規制情報 | 該当しない | ||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | ||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | |||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | |||
重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | |||
15.適用法令 | |||
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労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||
海洋汚染防止法 | 有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1) | ||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 新規指定化学物質(第1種)(平成20年11月21日公布、平成21年10月1日施行、PRTR:平成22年4月1日把握開始、平成23年4月1日届出開始)2-エチルヘキサン酸(政令番号:1-51) | ||
16.その他の情報 | |||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 |