1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | 結晶質シリカ(石英) (Quartz) | ||
製品コード | H27-B-071 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 窯業原料、ケイ酸ソーダ原料、鋳物鋳型用 (化学工業日報社) |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H28.03.18、政府向けGHS分類ガイダンス(H25年度改訂版(ver1.1))を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1A | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (呼吸器、免疫系、腎臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、免疫系、腎臓の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 | |||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 結晶質シリカ(石英) | ||
別名 | 結晶質‐石英、結晶質二酸化ケイ素‐石英 、無水ケイ酸 | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | O2Si (60.084) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 14808-60-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-548 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | データなし | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | この製品自体は、燃焼しない。 周辺火災に応じて適切な消火剤を用いる。 | ||
使ってはならない消火剤 | データなし | ||
特有の危険有害性 | 加熱により容器が爆発するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、周辺火災に応じて適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 作業者は適切な保護具( 「8 . ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏洩物を掃き集めて空容器に回収する。 危険でなければ漏れを止める。 すべての発火源を速やかに取除く( 近傍での喫煙、火花や火炎の禁止) 。 床面に残るとすべる危険性があるため、こまめに処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に使用説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。 接触、吸入又は飲み込まないこと。 空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行うこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
接触回避 | 「1 0 . 安定性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 包装、容器の規制はないが密閉式の破損しないものに入れる。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | E = 3.0 / (1.19Q + 1) E: 管理濃度 (mg/m3) Q: 当該粉じんの遊離けい酸含有率 (%) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2015年度版) | 0.03 mg/m3 (吸入性結晶質シリカ) | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-TWA: 0.025 mg/m3 (呼吸性画分) (結晶性シリカ、α-クォーツ及びクリストバライト) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 高熱工程で粉じん、ヒュームが発生するときは、空気汚染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 必要に応じて適切な保護手袋を使用すること。 | ||
眼の保護具 | 必要に応じて個人用の眼の保護具を使用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて適切な保護衣、保護面を使用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色〜白色 (ICSC (2010)) | ||
臭い | 無臭 (ACGIH (7th, 2001)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | 1,610℃(融点) (ICSC (2010)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 2,230℃(沸点) (ICSC (2010)) | ||
引火点 | 不燃性 (ICSC (2010)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 不燃性 (ICSC (2010)) | ||
蒸気圧 | 0 mmHg (20℃) (HSFS (2015)) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
比重(相対密度) | データなし | ||
溶解度 | 水:不溶 (ICSC (2010)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
自然発火温度 | 不燃性 (ICSC (2010)) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | データなし | ||
化学的安定性 | データなし | ||
危険有害反応可能性 | 水酸化アルカリ、フッ化水素、フッ酸等と危険な反応を生じる。 | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | データなし | ||
危険有害な分解生成物 | データなし |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、気管内注入によるラット肺胞上皮細胞を用いたhprt遺伝子突然変異試験で陽性、投与方法は不明であるが、マウス肺組織のhprt遺伝子突然変異試験で陰性、腹腔内投与によるマウス小核試験で陰性、ばく露方法は不明ながら、ヒトリンパ球の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、ラット肺、末梢血を用いた酸化DNA傷害試験で陽性又は陰性、ラット肺上皮細胞のDNA切断試験で陽性である (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000)、IARC 68 (1997))。In vitroでは、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞の小核試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000)、IARC 68 (1997))。以上より、ガイダンスに従い、区分2とした。なお、本物質の遺伝毒性は、当該物質からの、あるいは当該物質による炎症細胞からの活性酸素種に起因すると考えられる (SIDS (2013)、IARC 100C (2012))。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分1A 多くの疫学研究結果において、本物質 (石英) を含む結晶質シリカへの職業ばく露と肺がんリスクの増加との間に正の相関が認められており、特に複数の研究結果をプールし異なるメタ解析を行っても、相対リスクは一貫して有意な増加を示した (IARC 100C (2012)、SIDS (2013))。すなわち、本物質の形状を有する結晶質シリカ粉じんの吸入ばく露によりヒトで肺がんの発症リスクが増加するのは十分な証拠があるとしている (IARC 100C (2012))。 一方、実験動物では雌雄ラットに本物質 (空気力学的中央粒子径 (MMAD) : 1.3 μm) を 1 mg/m3で2年間吸入ばく露した試験、また雌ラットに本物質 (MMAD: 2.24 μm) を12 mg/m3で83週間鼻部ばく露した試験において、ばく露群では肺腫瘍の有意な増加がみられ、組織型としては腺がんが多かった。さらに、雌ラットに本物質 (MMAD: 1.8 μm) を6.1、30.6 mg/m3で鼻部ばく露した試験でも、用量依存的に肺腫瘍の増加がみられ、組織型では扁平上皮がんが最多で、細気管支/肺胞上皮がん、又は腺腫も多くみられた (IARC 100c (2012))。 以上、ヒト及び実験動物での発がん性情報より、IARC は本物質粉じんばく露によるヒト発がん性に対し、1997年に「グループ 1」に分類し、2012年の再評価でも分類結果を変更していない (IARC 68 (1997)、IARC 100C (2012))。他の国際機関による発がん性分類結果としては、日本産業衛生学会が「第1群」に (産衛学会勧告 (2015))、ACGIHが2004年以降「A2」に (ACGIH (7th, 2006))、NTPが結晶質シリカ (吸入性粒子径) に対して、「K」に分類している (NTP RoC (13th, 2014))。よって、本項は区分1Aとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 なお、旧分類のヒトにおける呼吸器影響のデータは短期ばく露であり、単回急性影響のデータではない。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (呼吸器、免疫系、腎臓) ヒトにおいて、多くの疫学研究において、本物質の職業ばく露と呼吸器への影響 (珪肺症、肺がん、肺結核) が確認されている。このほか、自己免疫疾患 (強皮症、関節リュウマチ、多発性関節炎、混合結合組織疾患、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性筋炎、結合織炎)、慢性腎疾患及び無症状性の腎変性もみられている (SIDS (2013)、CICAD 24 (2000)、DFGOT vol. 14 (2000))。この腎臓の疾患は自己免疫が関連していると考えられている (SIDS (2013))。 実験動物においても、ラットを用いた反復吸入ばく露試験により肺の線維化が確認されている (SIDS (2013))。 したがって、区分1 (呼吸器、免疫系、腎臓) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 分類できない データがなく分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
国連品名 | - | |||
国連危険有害性クラス | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | - |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
じん肺法 | 法第2条、施行規則第2条別表粉じん作業 | |||
海洋汚染防止法 | 有害でない物質 | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸出貿易管理令別表第1の16の項 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |