1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | N-メチルジチオカルバミン酸 (別名: メタム) (Metam) | ||
製品コード | R02-B-114 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分4 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系、呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (肝臓) 区分2 (血液系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 吸入すると有害 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 神経系、呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | N-メチルジチオカルバミン酸 | ||
別名 | メタム | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C2H5NS2 (107.2) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 144-54-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-1796 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災: 粉末消火剤、二酸化炭素、散水 大火災: 水の散布、噴霧、一般の泡消火剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 環境への放出を避けること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は適切な局所排気装置・換気装置等を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 86.5〜90.5℃ (EU EFSA (2011)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | 150℃ (EU EFSA (2011)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 578.29 g/L (20℃) (EU EFSA (2011)) メタノールに可溶 (EU EFSA (2011)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow ≦ 2.91 (20℃) (EU EFSA (2011)) | ||
蒸気圧 | 5.75E-002 Pa (25℃) (EU EFSA (2011)) | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)) : 雌: 402 mg/kg、雄: 412 mg/kg (本物質換算: 雌: 347 mg/kg、雄: 356 mg/kg) (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012)) (2) ラットのLD50 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)) : 雄: 706 mg/kg、雌: 744 mg/kg (本物質換算: 雄: 609 mg/kg、雌: 642 mg/kg) (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1) からは区分を特定できず、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)) : > 628 mg/kg (本物質換算: > 542 mg/kg) (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間) (本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)) : 雄: 1.98 mg/L、雌: 3.20 mg/L (本物質換算: 雄: 1.71 mg/L、雌: 2.76 mg/L) (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012)) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。旧分類が使用したデータは本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) の可能性があるため、情報の再検討により旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、紅斑がみられたが、組織破壊により、判定は困難であった (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。旧分類が使用したデータは本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) の可能性があるため、情報の再検討により旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) 本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) のウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜と結膜に軽度の刺激性が認められたが、適用7日後には消失した (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) を用いたデータから、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、陽性と報告されている (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) を用いたin vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であった。本物質も同様と考えられることから、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、本物質のアンモニウム塩を単回腹腔内投与したマウス骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の報告がある。また単回経口投与したラット肝細胞を用いた不定期DNA合成試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2012))。 (2) in vitroでは、本物質のアンモニウム塩について細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験においての陽性 (S9+)/陰性(S9−) の結果が得られている (同上)。 (3) 本物質のアンモニウム塩は生体にとって問題となる遺伝毒性はないものと考えられたとの記載がある (食安委 農薬評価書 (2015))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 本物質の国内外の分類機関による既存分類及び発がん性に関する報告は得られていないが、本物質のアンモニウム塩及びナトリウム塩の動物試験結果 (1)、(2) から、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 雌雄のラット及びマウスに本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) をラットには2年間、マウスには18ヵ月間強制経口投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。 (2) 本物質のナトリウム塩 (CAS番号 137-42-8) を雌雄のラットに2年間強制経口投与した慢性毒性/発がん性併合試験及びマウスに18ヵ月間強制経口投与した発がん性試験では、いずれの試験でも投与に関連した腫瘍発生率の増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。 【参考データ等】 (3) 本物質のナトリウム塩 (CAS番号 137-42-8) はEPAでL (Likely To Be Carcinogenic To Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on November 2020):2009年分類) に分類されている。 (4) 雌雄のマウスに本物質のナトリウム塩 (CAS番号 137-42-8) を2年間飲水投与した発がん性試験において、雌雄で脾臓の血管肉腫の発生率増加が認められたことから、EU EFSAは本物質には発がん性の限定された証拠 (R40, “Limited evidence of carcinogenic effect”) があるとしている (EU EFSA (2011))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 本物質のデータはないが、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)、ナトリウム塩(CAS番号 137-42-8) のデータを用いて分類した。繁殖試験では (1) より、親動物毒性がみられる用量で生存児数減少、死産児数増加等が認められた。発生毒性試験では (2) より、母動物毒性がみられない用量では胎児に低体重、骨格変異等がみられ、(3)〜(6) より、複数の試験において母動物毒性がみられる用量で、胎児に吸収胚数増加、生存胎児数減少、髄膜瘤等がみられた。以上より区分1Bとした。なお、新たな情報源に基づき旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質のアンモニウム塩のラットを用いた強制経口投与による2世代繁殖試験において、親動物では、雄で肝臓重量増加、雌で体重増加抑制がみられる用量 (15 mg/kg/day) で、児動物では雌雄で生存児数減少 (有意差なし)、死産児数増加 (有意差なし)、新生児生存率減少 (生後0日) (F1児動物のみ有意) が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (2) 本物質のアンモニウム塩を雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性がみられない用量で胎児に低体重、骨化遅延 (頸椎椎体)、骨格変異 (第7腰椎)) が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (3) 本物質のナトリウム塩を雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に毒性 (体重増加抑制等) が認められる用量で胎児に髄膜瘤等が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (4) 本物質のナトリウム塩を雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した別の発生毒性試験において、母動物に毒性 (流涎、尿失禁、体重増加抑制等) が認められる用量で胎児に小上顎、口唇裂、内水頭症、骨格異常 (頸椎弓未骨化、頸椎体未骨化、胸骨分節未骨化の増加)、骨格変異等が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (5) 本物質のナトリウム塩を雌ウサギの妊娠6〜18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に毒性 (体重増加抑制等) が認められる用量で胎児に吸収胚数増加 (有意差なし)、着床後胚損失率増加、生存胎児数減少 (有意差なし)、髄膜瘤及び二分脊椎が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (6) 本物質のナトリウム塩を雌ウサギの妊娠7〜19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に毒性 (排糞量減少、体重増加抑制等) が認められる用量で胎児に全胚吸収 (9例)、早期子宮内死亡増加、着床後損失率増加、生存胎児数減少 (有意差なし)、髄膜瘤、骨格異常 (第7胸骨分節) 等が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 【参考データ等】 (7) 本物質のナトリウム塩のラットを用いた強制経口投与による2世代繁殖試験において、親動物、児動物に体重増加抑制がみられているが繁殖能に対する影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2015))。 (8) 本物質のアンモニウム塩を雌ウサギの妊娠6〜18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物で体重増加抑制傾向及び摂餌量減少 (妊娠7〜19日) が認められたが、胎児では投与の影響が認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。 |
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のデータはないが、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5) 及びナトリウム塩 (CAS番号 137-42-8) のデータを用いて分類した。ヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)〜(7) より、区分1 (神経系、呼吸器) とした。なお、新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質のアンモニウム塩を用いたラットの単回経口投与毒性試験において、356 mg/kg (区分2の範囲) 以上で自発運動低下、うずくまり、流涎及び流涙、腹臥位姿勢、下頸部、胸部及び肛門周辺の被毛の汚れがみられ、投与翌日から全ての投与群で体重増加抑制がみられた。死亡例では、胸水、腹水貯留、胃粘膜充血及び出血がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (2) 本物質のアンモニウム塩を用いたマウスの単回経口投与毒性試験において、228 mg/kg (区分1の範囲) 以上で自発運動低下、流涎、強直性痙攣、うずくまり、腹臥位姿勢、下顎部及び胸部周辺被毛の汚れがみられ、投与翌日から全ての投与群で体重増加抑制がみられた。剖検所見においては、胸水、腹水貯留、胃内ガス充満及び胃内漿液貯留がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (3) 本物質のアンモニウム塩を用いたラットの4時間吸入ばく露試験において、0.694 mg/L (区分1の範囲) 以上で自発運動低下、流涎、うずくまり、眼瞼下垂、呼吸数減少、鼻吻・口吻周囲の汚れ、被毛の汚れ及び腹臥がみられた。死亡例 (雄: 1.03 mg/L、雌: 1.63 mg/L (いずれも区分2の範囲)) で肺暗赤色、気管内泡沫、胃・腸内ガス、腺胃粘膜黒色斑、胸腺暗赤色斑、肝白色斑及び腎・脾の退色がみられ、生存例においては雄の1.63 mg/L (区分2の範囲) 以上で肺収縮不全、2.76 mg/L (区分2の範囲) の1例で胸腺萎縮、雌の2.76 mg/L (区分2の範囲) の1例で腺胃粘膜黒色点がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (4) 本物質のナトリウム塩を用いたラットの単回経口投与毒性試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、死亡がみられ始めた用量: 雄: 440 mg/kg、雌: 552 mg/kg (いずれも区分2の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、全投与群で鎮静、眼瞼下垂及び流涎がみられた。死亡動物で痙攣、チアノーゼ、検体の胃内停滞、前胃粘膜の剥離及び肥厚、前胃粘膜下織の水腫がみられ、生存動物で、前胃粘膜の角化亢進、上皮細胞の増生及び軽度の粘膜下織の肥厚が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (5) 本物質のナトリウム塩を用いたラットの単回経皮適用試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、死亡がみられ始めた用量: 雄: 5,700 mg/kg (区分2超)、雌: 871 mg/kg (区分2の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、鎮静、流涎、眼瞼下垂がみられ、死亡動物でチアノーゼ、痙攣、生存動物で塗布部位皮膚に痂皮形成、瘢痕性変化がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (6) 本物質のナトリウム塩を用いたラットの吸入ばく露試験 (ばく露時間不明、影響がみられた最小用量の記載なし、死亡がみられ始めた用量: 雄: 840 mg/m3、雌: 1,280 mg/m3付近で影響がみられたと想定) において、自発運動量減少、異常呼吸、四肢及び鼻部の発赤、前肢の腫脹及び痂皮、縮瞳、流涙がみられ、死亡動物では肺赤色又は赤色斑がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 (7) 本物質のナトリウム塩を用いたマウスの一般薬理試験 (経口) において、100 mg/kg (区分1の範囲) 以上で毛づくろい低下、自発運動の軽度低下、300 mg/kg (区分1の上限) 以上で軽度な瞳孔拡大、流涙及び体温低下、1,000 mg/kg (区分2の範囲) で立毛及び体温低下がみられた (食安委 農薬評価書 (2015))。 |
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特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 本物質のデータはないが、本物質のアンモニウム塩 (CAS番号 39680-90-5)、ナトリウム塩(CAS番号 137-42-8) のデータを用いて分類した。いずれの物質もヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では (1)〜(4) より、両物質において区分1以上の用量で肝臓、区分2の用量で血液系への影響がみられていることから、区分1 (肝臓)、区分2 (血液系) とした。胃への影響も両物質でみられたが、刺激性に基づく所見と考えられたため標的臓器としなかった。新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質のアンモニウム塩を用いたラットの90日間強制経口投与試験では、10 mg/kg/day (本物質換算値: 8.6 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で前胃角化亢進及び粘膜上皮肥厚、さらに雄ではナトリウム総排泄量増加、50 mg/kg/day (区分2の範囲) で流涎、総コレステロール増加、肝比重量増加、小葉中心性肝細胞肥大、さらに雄では尿量増加及びクロール総排泄量増加、血小板数増加、リン脂質、アルブミン及びA/G比増加、肝絶対重量増加、腺胃粘膜上皮過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2015))。 (2) 本物質のアンモニウム塩を用いたイヌの1年間カプセル経口投与試験では、3 mg/kg/day (本物質換算値: 2.6 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で嘔吐及び流涎、AST増加、さらに雄ではALT及びALP増加、肝単核細胞浸潤、15 mg/kg/day (本物質換算値: 13 mg/kg/day、区分2の範囲) では死亡又は切迫と殺 (投与21週までに雄全例、雌3/4) が生じ、これらの動物では肝単細胞壊死、肝単核細胞浸潤、胃粘膜上皮増生、肝単細胞壊死 (雄のみ)、白血球数増加 (雄のみ) がみられ、死亡又は切迫と殺前以外に雌でみられた所見として赤血球数、ヘマトクリット値 (Ht) 及びヘモグロビン (Hb) 減少、活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) 増加、ALT、ALP、LDH及び総ビリルビン増加、肝単核細胞浸潤の報告がある。100 mg/kg/day (本物質換算値: 86 mg/kg/day、区分2の範囲) では投与3週までに全例で死亡又は切迫と殺が生じ、これらの動物では肝細胞空胞変性、胃粘膜上皮増生、血小板数増加 (雄のみ) がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2015))。 (3) 本物質のナトリウム塩を用いたラットの13週間強制経口投与試験では、20 mg/kg/day (本物質換算値: 7.0 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で前胃粘膜角化亢進、60 mg/kg/day (本物質換算値: 20.9 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上で平均赤血球容積 (MCV) 増加、前胃粘膜上皮過形成、雄ではさらにび漫性肝細胞肥大及び膀胱粘膜上皮過形成、雌では平均赤血球ヘモグロビン量 (MCH) 増加、赤血球数減少、200 mg/kg/day (本物質換算値: 70 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上でHt、Hb 減少、脾臓の髄外造血亢進、さらに雄では赤血球数減少、血小板数増加、総コレステロール及びクロール増加、雌ではALP増加、尿の弱アルカリ化、び漫性肝細胞肥大、骨髄造血亢進、膀胱粘膜上皮過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2016))。 (4) 本物質のナトリウム塩を用いたマウスの13週間強制経口投与試験では、30 mg/kg/day (本物質換算値: 10.5 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上で膀胱粘膜上皮過形成、100 mg/kg/day (本物質換算値: 34.8 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上で前胃粘膜角化亢進及び上皮過形成、さらに雌では膀胱粘膜上皮過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2016))。 |
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
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* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 藻類 (緑藻) の72時間EbC50 = 0.062 mg/L (農薬登録申請資料 (2005)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 1.15 (既存化学物質安全性点検データ)) 、急速分解性がない (BODによる分解度: 6% (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
国連品名 | ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【433 N−メチルジチオカルバミン酸】 | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
化学物質審査規制法 | 旧第3種監視化学物質(旧法第2条第6項)【旧番号174 N−メチルジチオカルバミン酸(別名カーバム)(平成23年4月1日をもって廃止)】 | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |