職場のあんぜんサイト

安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
マロン酸
作成日 2014年3月31日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称マロン酸
化学品の英語名称Malonic acid
製品コードR05-C-041-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限医薬・香料・合成樹脂・接着剤原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版 (Ver2.1))を使用  ※一部、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
分類実施日
(環境有害性)
H26.3.31、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示感嘆符
注意喚起語警告
危険有害性情報飲み込むと有害
強い眼刺激
注意書き
 安全対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
 保管情報なし
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名マロン酸
慣用名又は別名
英語名Malonic acid
Carboxyacetic acid
Dicarboxymethane
Methanedicarboxylic acid
Propanedioic acid
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C3H4O4 (-)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号141-82-2
官報公示整理番号(化審法)2-912
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の流水で少なくとも10〜20分間洗浄する。医師の診察/手当を受けること。
以上、GESTIS、ICSC参照。
眼に入った場合できるだけ早く多量の流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合は医師の診察/手当てを受けること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、ICSC参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。水を少しずつ飲ませる。嘔吐させないこと。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、咽頭痛、鼻と喉に灼熱感、極端な場合には、喉頭水腫または肺水腫が発生する可能性。
皮膚:発赤、痛み、軽度から中程度の刺激。
眼:充血、痛み、時間依存性結膜炎 → 角膜損傷。
経口摂取:腹痛、下痢、吐気、嘔吐、喉(声門浮腫の危険性)・食道・胃の炎症(おそらく腐食)、胃腸の不調 → 心血管反応(虚脱の危険性)。
吸収:中枢神経障害の可能性。
以上、GESTIS、ICSC参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素。
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤棒状注水
以上、GESTIS参照。
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。大量の粉塵が舞い上がった場合は、直ちに避難すること。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
粉塵の拡散を防ぐ。
この物質を環境中に放出してはならない。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
容器を開けたままにしない。漏出を避ける。粉じんの発生を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い保管すること。湿気を避けること。強酸化剤および塩基から離しておく。
以上、GESTIS、ICSC参照。
安全な容器包装材料破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度-
濃度基準値
八時間濃度基準値-
短時間濃度基準値-
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)-
ACGIH(2023年版)-
設備対策作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付けること。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。
作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具必要に応じて保護手袋を着用する。天然ゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、PVCが適している。
以上、GESTIS参照。
眼の保護具必要に応じて化学用安全ゴーグルを着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具必要に応じてエプロンまたは白衣を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体
白色
臭い無臭
融点/凝固点132〜135 ℃(分解し始める)(GESTIS(2023))
135 ℃(分解する)(ICSC(2021))
沸点、初留点及び沸騰範囲加熱により分解する。(GESTIS(2023))
可燃性可燃性(ICSC(2021))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点157 ℃(密閉式)(GESTIS(2023))
自然発火点580 ℃(GESTIS(2023))
分解温度>140 ℃(GESTIS(2023))
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 766 g/l(20℃)(GESTIS(2023))
水: 7.3 g/100 ml(20℃)(ICSC(2021))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: -0.81(GESTIS(2023))
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度1.63 g/cm3(GESTIS(2023))
1.6 g/cm3(ICSC(2021))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性水溶液は、中程度の強さの酸である。 強酸化剤と反応する。
危険有害反応可能性以下の条件を満たす場合、粉じん爆発の危険性がある。
- 粉末、粉塵のような非常に細かく分散した状態にある。
- 空気中に十分な量が舞い上がっている。
- 炎、火花、静電気放電などの着火源が存在する。
避けるべき条件加熱
混触危険物質強酸化剤、硝酸アンモニウム、有機過酸化物および自己反応性物質
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットLD50値として、1,310 mg/kg(PATTY(6th, 2012))の報告に基づき、区分4とした。
経皮データ不足のため分類できない。
吸入: ガスGHSの定義における固体である。
吸入: 蒸気GHSの定義における固体である。
吸入: 粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性データ不足のため分類できない。なお、本物質のpHは2.2(25℃、10 g/L)との報告があり(GESTIS Accessed Sep. 2013)、比較的強酸であるため、皮膚や粘膜に傷害を与えうるとの情報(PATTY(6th, 2012))がある。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分2とした。ただし回復性が不明であり、細区分はしなかった。なお、用いる知見を精査し、分類結果を変更した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ウサギの眼に100 mg適用した試験において、重度の損傷性(Severe damage)がみられたとの報告があるが回復性についての記載はない(Patty 6th (2012)、HSDB in PubChem (Accessed Sep. 2023))。

【参考データ等】
(2)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 492、GLP、EpiOcular?モデル)において、平均組織生存率は3.815%(予測不能に該当)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Sep. 2023))。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
皮膚感作性データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である(NTP DB(Accessed August 2013))。
発がん性データ不足のため分類できない。
生殖毒性データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)データ不足のため分類できない。
誤えん有害性*データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 275 mg/L(AQUIRE, 2013)から区分に該当しないとした。
水生環境有害性 長期(慢性)信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(水溶解度=7.3 g/100mL(ICSC, 2002))、急性毒性が区分に該当しないことから、区分に該当しない。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号-
品名(国連輸送名)-
国連分類-
副次危険-
容器等級-
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和8年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和8年4月1日以降)
作業場内表示義務(法第101条の4)(令和8年4月1日以降)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)-
毒物及び劇物取締法-

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について「眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性(分類できない→区分2)」のみ見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。