1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | アクリル酸ノルマル‐ブチル、(n-Butyl acrylate) | ||
製品コード | H26-B-002(21B3014) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | アクリル樹脂原料、塗料・接着剤・乳化剤原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経皮) | 区分4 | ||
急性毒性 (吸入:蒸気) | 区分3 | |||
皮膚腐食性及び刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2A | |||
皮膚感作性 | 区分1A | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (呼吸器) | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | |||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | ||||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 皮膚に接触すると有害 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 強い眼刺激 吸入すると有毒 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | アクリル酸ノルマル‐ブチル | ||
別名 | アクリル酸ブチル、(Butyl acrylate)、アクリル酸ノルマル‐ブチルエステル、(Acrylic acid n-butyl ester)、(2-Propenoic acid butyl ester) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C7H12O2 (128.17) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 141-32-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-989 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 多量の水と石鹸で洗うこと。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。 皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:灼熱感、咳、息切れ、咽頭痛。 皮膚:発赤、痛み。 眼:発赤、痛み。 経口摂取:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移動させない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 危険でなければ漏れを止める。 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 消防法の規制に従う。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 皮膚と接触しないこと。 眼に入れないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 消防法の規制に従う。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | データなし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA 2ppm | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 消防法の規制に従う。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特徴臭 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -64.6℃ : ICSC(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 146〜148℃ : ICSC(2014) | ||
引火点 | 36℃(CC): ICSC(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 1.2〜9.9% : UNRTDG (13th, 2004) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.2-9.9%:UNRTDG (13th, 2004) | ||
蒸気圧 | 0.0053bar(20℃) [換算値 530Pa(20℃)]:ホンメル (1991) | ||
蒸気密度 | 4.42 : Sax (11th, 2004) | ||
比重(相対密度) | 1.040g/cm3 (30℃) : Ullmanns(E) (6th, 2003) | ||
溶解度 | 水 : 非常に微量 (0.2 %) : ホンメル (1991) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log P = 2.36 : PHYSPROP Database (2005) | ||
自然発火温度 | 267℃ : ホンメル (1991) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 1.149mPa・s : Ullmanns(E) (6th, 2003) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 加温、光の影響、過酸化物との接触により、自然に重合することがある。強力な酸化剤と激しく反応し、火災および爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 37℃以上 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 爆発性混合気体 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として、900 mg/kg (SIDS (2004)、環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012))、約3,143 mg/kg (SIDS (2004))、3,700 mg/kg、4,900 mg/kg (雌)、6,200 mg/kg (雄) (ECETOC JACC 27 (1994))、6,200 mg/kg (ECETOC JACC 27 (1994)、SIDS (2004))、8,125 mg/kg (IARC 39 (1986))、9,050 mg/kg (SIDS (2004))、9,100 mg/kg (ECETOC JACC 27 (1994))、2,680-9,100 mg/kg (ACGIH (7th, 2003))、3,700-8,100 mg/kg (IARC 39 (1986))、3,730-9,050 mg/kg (DFGOT vol. 5 (1993)) の11件の報告がある。分類ガイダンスに基づき、最も多くのデータが該当する区分外とした。(1件が区分4に、7件が区分外 (うち3件は国連分類基準の区分5に該当) に該当する。また、3件は複数データの集約であるため該当数に含めなかった。) 今回の調査で入手した環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2003)、IARC 39 (1986)、DFGOT vol. 5 (1993) の情報を追加し、分類ガイダンスに基づき、最も多くのデータが該当する区分外とした。 | ||
経皮 | ラットのLD50値として、1,700 mg/kg との報告 (ACGIH (7th, 2003)) と共に、ウサギのLD50値として、1,780-5,700 mg/kgの範囲内で複数件 (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2004)、ACGIH (7th, 2003)、IARC 39 (1986)、ECETOC JACC 27 (1994)、DFGOT vol. 5 (1993)) の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (ラット:1,700 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)、ウサギ:2,000 mg/kg (SIDS (2004))、2 mL/kg (=1,780mg/kg) (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC JACC 27 (1994)、IARC 39 (1986)) が該当する区分4とした。新たな情報源 (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2003)、IARC 39 (1986)、 DFGOT vol. 5 (1993)) を追加し、区分を見直した。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットのLC50値 (4時間) として、1,970-2,730 ppm の範囲内で6件の報告がある。ガイダンスの改訂に基づき、最も多くのデータ (3件) (1,970 ppm (ECETOC JACC 27 (1994)、DFGOT vol. 5 (1993)、SIDS (2004))、2,199 ppm、2,270 ppm (SIDS (2004)) が該当する区分3とした。なお、2件が区分4に該当し、1件は複数データの集約であるため該当数に含めなかった。LC50値が飽和蒸気圧濃度 (7,145 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギに試験物質原液を20時間閉塞適用した試験において、24時間後に紅斑と浮腫及び軽度の壊死が認められたが、8日後にほぼ回復したとの報告がある (SIDS (2004))。その他に、ウサギに試験物質原液を適用した試験において、軽度の刺激性ありとの報告がある (SIDS (2004)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 5 (1993))。以上の結果より、区分2とした。なお、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R36/R38」、EU CLP分類において「Skin. Irrit. 2 H315」に分類されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギに本物質の原液を適用した試験において、軽度から重度の刺激性が報告されており (SIDS (2004)、ECETOC JACC (1994))、角膜混濁 (SIDS (2004)、DFGOT vol. 5 (1993)) や虹彩炎 (SIDS (2004))、角膜に回復性の小斑点が生じた (ACGIH (7th, 2003)) と報告されている。以上の重度の刺激性との結果から区分2Aとした。なお、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R36/R38」、EU CLP分類において「Eye. Irrit. 2 H319」に分類されている。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | モルモットを用いたマキシマイゼーション及びフロイント完全アジュバント法の試験において陽性を示し、陽性率はそれぞれ7/10 (70%) 及び8/8 (100%) であった (SIDS (2004))。また、マウスを用いたLLNA試験においても陽性結果が得られた (SIDS (2004))。ヒトにおいてはパッチテストで本物質に陽性反応を示した症例が報告されている (SIDS (2004)、DFGOT vol. 5 (1993)、DEFGOT vol. 16 (2001))。なお、本物質は、EU DSD分類において「R43」、EU CLP分類において「Skin sens. 1 H317」、日本産業衛生学会において感作性物質第2群、ACGIHにおいてSENに分類されている。以上の結果から区分1Aとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラット及びチャイニーズハムスターの吸入ばく露による骨髄細胞を用いる染色体異常試験でいずれも陰性結果が報告されている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、SIDS (2004)、ACGIH (7th, 2003)、ECETOC JACC (1994)、IARC 71 (1999))。なお、ラットの腹腔内単回投与による骨髄細胞染色体異常試験で陽性の報告 (原著は1991年ロシア語) がある (IARC 71 (1999)) が、このデータはIARC以外の情報源では記載されていない。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の小核試験で陰性である (環境省リスク評価第11巻 (2013)、SIDS (2004)、ACGIH (7th, 2003)、ECETOC JACC (1994)、IARC 71 (1999))。哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性結果があるが、細胞毒性による誘発と評価されている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、SIDS (2004)、ACGIH (7th, 2003)、ECETOC JACC (1994))。なお、SIDS (2004) では、本物質はin vivo、in vitroともに遺伝毒性はないと結論されている。 | ||
発がん性 | IARCでグループ3 (IARC 71 (1999))、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2003)) に分類されていることから「分類できない」とした。なお、SIDS (2004) で、本物質はラットの吸入ばく露試験において最高用量である135 ppm (0.773 mg/L/day) 以下の用量で発がん性がみられないとの報告がある。ガイダンスの改訂により区分を変更した。 | ||
生殖毒性 | マウスを用いた経口経路での催奇形性試験では、母動物に死亡を含む毒性がみられる非常に高い用量 (2,500 mg/kg/day) において、胚、胎児の死亡、催奇形性 (口蓋裂、外脳、眼瞼開存、椎弓の融合、融合肋骨) がみられた (SIDS (2004))。 ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験については、母動物毒性 (体重増加抑制、眼、鼻への刺激) のみられる用量 (135 ppm) で胎児体重の減少、着床後胚吸収の増加、生存胎児の減少傾向がみられたとの報告、母動物毒性 (体重減少) がみられる用量 (303 ppm) において胎児体重の減少以外の影響はみられていないとの報告がある (SIDS (2004))。 上記のとおり、旧分類の区分2の分類根拠の1つである、マウスの経口経路での催奇形性は2,500 mg/kg/dayという極めて高い用量であったので分類根拠として採用しない。また、もう1つの根拠であるラットの吸入経路での催奇形性試験でみられた母動物毒性がみられる用量での胎児への影響 (胎児体重の減少、着床後胚吸収の増加、生存胎児の減少傾向) については、ラットを用いた同様の催奇形性試験において母動物毒性がみられる用量においても胎児にわずかな影響 (胎児体重の減少) しか認められなかったとの報告があるため採用しなかった。したがって、分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ラットでは、吸入経路において3.6 mg/L、4.9 mg/Lあるいは12.1 mg/Lで興奮、呼吸困難、痙性呼吸、横臥位、鼻粘膜の充血、鼻からの分泌液、喘鳴、立毛、呼吸困難、振せん、閉眼、肺炎、肺出血、肺浮腫、肺気腫、肺のうっ血が観察されている (SIDS (2004)、ECETOC JACC 27 (1994))。経口経路の場合も、ラットで努力呼吸と横臥位がみられ、死亡例の剖検で肺の出血が報告されている (SIDS (2004))。 以上の所見は、主に肺と気道への毒性影響と考えられ、区分1と区分2に相当するガイダンス値の範囲で認められていることから、区分1 (呼吸器) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ラットに本物質を13週間飲水投与した試験において、区分1の範囲をほぼカバーする用量 (15,000 ppm: 84 (雄) -111 (雌) mg/kg/day相当) まで、特定の臓器に有害影響は認められておらず (SIDS (2004)、環境省リスク評価第11巻 (2013))、経口経路では区分外相当と考えられる。 一方、吸入経路では、ラットに本物質蒸気を2年間吸入ばく露した結果、区分1の濃度 (15 ppm: 0.086 mg/L/6hr/day) から鼻腔の組織変化 (嗅上皮の萎縮、嗅細胞又は線毛細胞の部分的消失、基底細胞の過形成) が認められ、区分2相当の濃度 (135 ppm; 0.775 mg/L/6hr/day) では眼の傷害 (角膜の混濁、実質の変性、新生血管形成) が認められた (DFGOT vol. 12 (1999)、SIDS (2004)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。なお、ラットの13週間吸入ばく露試験においても、高濃度群では眼及び鼻腔に影響がみられている (SIDS (2004)、環境省リスク評価第11巻 (2013)) が、眼への影響は刺激性によるものと判断されるため、本分類には含めない。よって、本物質は区分1 (呼吸器) に分類した。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類(ヒメダカ)での96時間LC50 = 2420μg/L(環境省リスク評価第7巻, 2009)であることから、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり(BODによる分解度:61.3%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.36(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2348 | |||
国連品名 | BUTYL ACRYLATES, STABILIZED | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 129P |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法: | 優先評価化学物質 | |||
労働安全衛生法: | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物 | |||
海洋汚染防止法: | 有害液体物質 | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
労働基準法 | 疾病化学物質 感作性を有するもの |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |