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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
シアン化第一金カリウム
作成日 2008年11月11日
改訂日 2024年3月29日
化学品の名称シアン化第一金カリウム
化学品の英語名称Potassium dicyanidoaurate(1-)
製品コードR05-C-054-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限医薬原料,メッキ用 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版 (Ver2.1))を使用  ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
皮膚感作性区分1
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2(肝臓)
分類実施日
(環境有害性)
H19.3.30、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示感嘆符腐食性健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報皮膚刺激
重篤な眼の損傷
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
肝臓の障害のおそれ
注意書き
 安全対策取扱い後は手をよく洗うこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
 応急措置皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名シアン化第一金カリウム
慣用名又は別名ジシアニド金酸(1−)カリウム
英語名Potassium dicyanidoaurate(1-)
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C2AuKN2 (-)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号13967-50-5
官報公示整理番号(化審法)1-38
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。口対口による蘇生は行わない。 代わりに、呼吸マスクを使って酸素を供給する。直ちに医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の流水/石けんで少なくとも10〜20分間洗浄する。医師の診察/手当を受けること。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照。
眼に入った場合できるだけ早く、流水で10分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師の診察/手当てを受ける。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。意識があればコップ一杯の水(約200mL)を飲ませる。嘔吐させること。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:粘膜への刺激。
皮膚:刺激。
眼:刺激。
経口摂取:粘膜への刺激。
吸収:めまい、耳鳴り、過呼吸、吐き気、嘔吐、胸の痛み、意識の混濁、強直性間代性けいれん、虚脱、頻脈、散瞳、昏睡 。
以上、GESTIS参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤不燃性。周辺の火災に応じた適切な消火剤を使用する。
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス;窒素酸化物、シアン化水素蒸気)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
粉塵の拡散を防ぐ。
この物質を環境中に放出してはならない。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。容器を開けたままにしない。漏出を避ける。接触を避ける。粉じんの発生を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。酸と接触させない。
以上、GHS分類結果、GESTIS参照
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。休憩前に着替えが必要になる場合がある。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管すること。湿気を避けること。
以上、GESTIS参照。
安全な容器包装材料国連輸送法規、消防法、毒劇法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度-
濃度基準値
八時間濃度基準値-
短時間濃度基準値-
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)-
ACGIH(2023年版)-
設備対策作業場所には換気設備を設置する。シアン化水素が放出される可能性のある作業場所や保管場所には、有害ガスの検知・警報装置を設置することが推奨される。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付ける。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。床に排水溝を設けないこと。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。
作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
−防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具化学用安全ゴーグルを着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣または化学防護服を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体
白色
臭い無臭
融点/凝固点加熱により分解する。(GESTIS(2023))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性不燃性(GESTIS(2023))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度383 ℃(GESTIS(2023))
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水:(可溶)(GESTIS(2023))
n-オクタノール/水分配係数データなし
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度3.6 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性水溶液は強塩基と反応する。
危険有害反応可能性酸、二酸化炭素と反応し、シアン化水素を発生する可能性がある。
空気中の湿気と二酸化炭素により、シアン化水素を放出して炭酸カリウムを生成する可能性がある。
避けるべき条件湿気
混触危険物質酸、強塩基
危険有害な分解生成物シアン化水素

11.有害性情報
急性毒性
経口データなし。
経皮データなし。
吸入: ガスGHSの定義における固体。
吸入: 蒸気データなし。
吸入: 粉じん及びミストデータなし。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、閉塞、4時間適用、14日観察)において、重度の刺激性がみられた(紅斑・痂皮スコア:2/3/2、浮腫スコア:1.7/3/3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(2)In vitro 皮膚刺激性試験(OECD TG 439、GLP)において、細胞生存率R=7.1%(≦50%で区分2)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=1)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、5時間観察)において、適用7時間後に死亡し、角膜とまぶたに潰瘍、凝固壊死および炎症性細胞浸潤がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(2)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 437、GLP)において、in vitro刺激性スコア(IVIS)=171.5(≧55で区分1)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
呼吸器感作性データなし。
皮膚感作性Priority 3のNLM TOXNET/TOXLINE検索文献に、ヒトにおける皮膚感作性を示す報告が3例あるため、区分1とした。
生殖細胞変異原性データなし。
発がん性シアン化物としてIRIS(1991)はD(区分に該当しないに相当)と分類しているが、データ不足のため分類できない。
生殖毒性データなし。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)Priority 2文書のRTECS(2004)に、ヒトの肝臓への影響が2件報告されており、区分2(肝臓)とした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)Priority 3のNLM TOXNET/TOXLINE検索文献に、職業ばく露により皮膚(爪)に影響があるとの報告があるが、データ不足のため分類できない。
誤えん有害性*データなし。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)データなし。
水生環境有害性 長期(慢性)データなし。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1588
品名(国連輸送名)無機シアン化物(固体)、n.o.s.
国連分類6.1
副次危険-
容器等級試験結果によってT〜Vを決定する。
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*157
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和7年4月1日以降)
作業場内表示義務(法第101条の4)(令和7年4月1日以降)
皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【シアン化水素、シアン化ナトリウム等のシアン化合物】(頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、呼吸困難、呼吸停止、意識喪失又は痙攣)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)-
毒物及び劇物取締法毒物(指定令第1条)
消防法貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10五別表1−8・平元省令2号第1条)
水道法有害物質(法第4条第2項)【シアン化物イオン及び塩化シアン 】
水質基準(平15省令101号)【シアン化物イオン及び塩化シアン 】
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、施行令第2条)
土壌汚染対策法第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)
下水道法水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【シアン化合物】
船舶安全法毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)
港則法その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」
修正履歴
R6.3.29:
・危険有害性の分類について「皮膚刺激性(分類できない→区分2)、眼刺激性(分類できない→区分1)」のみ見直した。
・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。