1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ニトリロ三酢酸 (Nitrilotriacetic acid) | ||
製品コード | 24B6520 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | キレート化剤、希土類元素の精製における溶離剤、 洗剤ビルダー、硬水軟化剤、界面活性剤の添加剤、放射能汚染除去剤など | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分2B | |||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分2(腎臓) | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分3 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分3 | |||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | |||
<環境分類実施日に関する情報> | ||||
水生環境有害性 (急性):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 水生環境有害性 (長期間):H18.3.31、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 | ||||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 警告 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 | |||
眼刺激 | ||||
発がんのおそれの疑い | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(腎臓) | ||||
水生生物に有害 | ||||
長期継続的影響によって水生生物に有害 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||||
口をすすぐこと。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | ||||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | |||
化学名又は一般名 | ニトリロ三酢酸 | ||
別名 | トリグリコラミン酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)グリシン、トリグリシン、Triglycolamic acid、N,N-Bis(carboxymethyl)glycine、Triglycine | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C6H9NO6(191.14) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 139-13-9 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-1276 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (2)-1276 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | HCN, 4 ppm; NaOH, 0.3%; Na2CO3, 0.4%; 第一級及び第二級アミン, 0.2%; イミノ二酢酸 (IDA), 0.2%; K, 6 ppm; Zn, 2 ppm; Cu, 1 ppm; Fe, 10 ppm以下; Pb, 1-2 ppm; ホルムアルデヒド, 2 ppm以下 | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。多量の水を飲ませる。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 :咳、咽頭痛。 | ||
皮膚 : 発赤。 | |||
眼 : 発赤、痛み。 | |||
経口摂取 :データなし。 | |||
短期暴露の影響:眼、皮膚および気道を刺激する。 | |||
長期または反復暴露の影響:人で発がん性を示す可能性がある。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし。 | ||
特有の危険有害性 | 特定の条件下で可燃性。 | ||
当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。 | |||
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。 | |||
特定の条件下で可燃性。火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | |||
空気中で粒子が細かく拡散して爆発性の混合気体を生じる。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂など)で吸着させ取り除いた後、残りを大量の水で洗い流す。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどのふた付容器内に回収する。 | |||
必要があれば消石灰、ソーダ灰などで中和する。 | |||
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 | |||
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。 | |||
粉塵が飛散しないようにして取り除く。 | |||
湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 | |||
微粉末の場合は、機器類を防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
特別個人用保護具:有毒粒子用P3フィルター付マスク。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
裸火禁止 | |||
粉塵の堆積を防ぐ;密閉系、粉塵防爆型電気および照明設備。 | |||
粉塵の拡散を防ぐ! | |||
局所排気または呼吸用保護具。 | |||
作業中は飲食、喫煙をしない。 | |||
粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 | |||
20℃で気化したとき、空気中で有害濃度に達する速度は不明である。 | |||
燃焼すると分解し、有毒で刺激性のフューム(窒素酸化物など)を生じる。水溶液は弱酸である。強塩基、強酸化剤と反応する。 | |||
水生生物に対して毒性がある。 | |||
環境中に放出しないように強く勧告する。 | |||
接触回避 | 強塩基、強酸化剤 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 | ||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
窒素シールをして保管する。酸性物質と一緒に保管しない。 | |||
アルカリ性物質と一緒に保管しない。 | |||
密封。 | |||
安全な容器包装材料 | 鉄製の容器はさける。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2012年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2012年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 | |||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて、適切な呼吸用保護具(特別個人用保護具:有毒粒子用P3フィルター付マスク)を着用すること。 | ||
手の保護具 | 保護手袋、保護衣を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 結晶性粉末(ICSC(J) (2003)) | ||
色 | 白色(ICSC(J) (2003)) | ||
臭い | 無臭(MSDS (Sigma-Aldrich) (2011)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | データなし。 | ||
pH | 2.3 (飽和水溶液)(Merck (14th, 2006)) | ||
融点・凝固点 | 230-235℃ (分解)(Merck (14th, 2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 167℃(13mmHg)(Sax (11th, 2004)) | ||
引火点 | 100℃(CC)(MSDS (Sigma-Aldrich) (2011)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし。 | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | データなし。 | ||
蒸気圧 | 0.000000007mmHg (25℃) (推定値) atm(SRC Phys Prop (Access on Apr. 2012)) | ||
蒸気密度 | データなし。 | ||
密度 | 350 kg/m3 (GESTIS (Access on Apr. 2012)) | ||
溶解度 | 水:1.28g/L (22.5℃)(Merck (14th, 2006)) | ||
ほとんどの有機溶媒に不溶。(HSDB (2009)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow=-3.81 (EST)(SRC Phys Prop (Access on Apr. 2012)) | ||
自然発火温度 | 200℃(GESTIS (Access on Apr. 2012)) | ||
分解温度 | 230-235℃ (分解)(Merck (14th, 2006)) | ||
粘度(粘性率) | データなし。 | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 水溶液は弱酸である。強塩基、強酸化剤と反応する。 | ||
特定の条件下で可燃性。 | |||
化学的安定性 | 可燃性はあるが、通常の温度、気圧下では安定である。 加熱により発火する。 | ||
危険有害反応可能性 | 粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。 | ||
避けるべき条件 | データなし。 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、強塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 燃焼すると分解し、有毒で刺激性のフューム(窒素酸化物など)を生じる。 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値が1100 mg/kg (環境省リスク評価 第4巻 (2005))より区分4とした。GHS分類:区分4 | ||
経皮 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:ガス | GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
吸入:粉じん及びミスト | 5 mg/L(ダスト)までの濃度に4時間ばく露し、死亡も異常な症状も起きなかった(BUA 5 (1993))ことから、LC50値は5 mg/Lを超える(区分外に相当)が、動物種の記載がなく詳細も不明なため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | 「本物質は眼、皮膚、気道を刺激し、吸入すると咳、咽頭痛を起こし、眼や皮膚に付くと発赤を生じる」(環境省リスク評価 第4巻 (2005))との記載、および本物質のpHは飽和水溶液で2.3とのデータがあるが、それ以上の情報、または皮膚の刺激性に関するデータは得られていないない。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 動物試験で動物種不明であるが、本物質の濃縮生成物または10%水溶液が眼との接触で回復性の軽度の結膜炎を起こした(BUA 5 (1993))との報告に加え、本物質は皮膚を刺激し、眼に付くと発赤を生じる(環境省リスク評価 第4巻 (2005))との記載に基づき区分2Bとした。なお、本物質のpHは飽和水溶液で2.3である(HSDB (2009))。 GHS分類:区分2B | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
生殖細胞変異原性 | マウスの腹腔内投与による優性致死試験(IARC 73 (1999))およびマウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(HSDB (2009))の結果が得られている一方、マウスの精原細胞を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo 変異原性試験)で異数性がみられ陽性(IARC 73 (1999))との結果であるが十分な証拠とはみなせず、ラットの腎臓での小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)で陽性結果も得られているが標準的試験でない。また腎臓のコメット試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陽性であったが、臓器特異的な影響は考慮すべきものの、生殖細胞を含む全身体的な影響は考えがたく、染色体異常の誘発作用は2次的な影響と考えられている。以上からin vivo体細胞に対する変異原性の明確な証拠はないとの専門家判断により区分外とした。なお、in vitro試験では、エームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(NTP DB (Access on Apr. 2012))が報告されている。GHS分類:区分外 | ||
発がん性 | 発がん性評価として、IARCによりグループ2B(IARC 73 (1999))、日本産業衛生学会により2群B(産衛誌53巻 (2011))、NTPによりR(NTP RoC 12th (2011))に分類されていることから区分2とした。なお、ラット及びマウスに18ヵ月間混餌投与後ラットでは6ヵ月、マウスでは3ヵ月間経過観察した試験において、両動物種とも高用量(15000 ppm)群で、対照群では発生しなかった、あるいは試験動物の系統では発生が稀な尿路系腫瘍の発生率が有意に増加し、本物質がラットおよびマウスの尿路系に対し発がん性を有することを示した(NTP TR 6 (1977))。 GHS分類:区分2 | ||
生殖毒性 | マウスの妊娠6〜18日に本物質2%の濃度で飲水投与した試験で、骨に本物質の蓄積がみられたが、骨格系及び内臓系の奇形はなく(環境省リスク評価 第4巻 (2005))、妊娠ウサギおよび妊娠ラットに経口投与により、母体、胚、胎仔への悪影響は報告されていない(IARC 73 (1999))。また本物質三ナトリウム水和物を用い、妊娠ラットの器官形成期に飲水投与した試験で、胎児に水腎症と膀胱の障害が見られたが、これらは変異と見なされ、その他、胚および胎仔の数、胎児の骨格に異常は認められなかった(IARC 48 (1990)、元文献:TOXICOLOGY AND APPLIED PHARMACOLOGY (1972))。しかし、性機能および生殖能に対する影響に関してはデータがなく不明のため「分類できない」とした。 GHS分類:分類できない | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ラットに単回経口投与後に組織学的に観察し得る腎臓の病変が発生する可能性はあるが、低用量では回復が速やかで、障害の持続が予期されるのは慢性ばく露の場合のみである(BUA 5 (1993))との記載がある。また、動物種不明であるが5 mg/L(ダスト)までの濃度に4時間ばく露し、死亡も異常な症状も起きなかった(BUA 5 (1993))との報告がある。いずれも具体的なデータの裏付けがなく、詳細不明のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 本物質の長期または反復ばく露によって腎臓に影響が現れることがある(環境省リスク評価 第4巻(2005))と記載されている。本物質の主な毒性は腎臓および尿路に与える障害であり、細胞の電解質代謝を阻害し、腎臓を介して直接排泄されるため、腎臓や尿路では濃度が最も高くなり、周辺細胞(尿細管細胞、尿路の移行上皮)が最も強く影響を受ける標的組織になる(BUA 5 (1993))とのList 2の評価文書の記述に基づき、区分2(腎臓)とした。なお、動物試験ではラットおよびマウスに18ヵ月間混餌投与した試験において、ガイダンス値範囲を超える高用量で、尿路系の非腫瘍性病変として腎炎または/および水腎の発生が報告されている(NTP TR 6 (1977))。 GHS分類:区分2(腎臓) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 藻類(緑藻)の72時間ErC50=46000μg/L (環境省リスク評価第3巻 (2004))から、区分3とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中) | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=131 (既存化学物質安全性点検データ)) 、急速分解性がない(BODによる分解度:1% (既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。(H18.3.31、H24年度の分類は実施中) | ||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 該当しない。 | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない。 | |||
航空規制情報 | 該当しない。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質 | |||
化審法 | 優先評価化学物質 | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |