化学品の名称 | モノメチルジチオカルバミン酸ナトリウム | ||
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化学品の英語名称 | Metham sodium | ||
製品コード | R05-B-018-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 工業用殺菌剤,農薬(殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(経皮) | 区分3 | ||
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(中枢神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系、膀胱) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H21.3.31、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込んだ場合や吸入した場合は有害 皮膚に接触すると有毒 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 中枢神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、膀胱の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。多量の水【又はシャワー】/石けんで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | モノメチルジチオカルバミン酸ナトリウム | ||
慣用名又は別名 | N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム メタムナトリウム塩 | ||
英語名 | Metham sodium Carbamodithioic acid, methyl-, monosodium salt Metam-sodium | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C2H4NNaS2 (129) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 137-42-8 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 2-1797 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。心停止(反応がなく呼吸が正常でない)の場合は、直ちに胸骨圧迫を行う。AED(自動体外式除細動器)があれば使用する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の流水/石けんで少なくとも10〜20分間洗浄する。医師の診察/手当を受けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | できるだけ早く、流水で10分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師の診察/手当てを受ける。それまで生理食塩水または水で洗浄を続けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。意識があればコップ一杯の水(約200mL)を飲ませる。アルコール飲料やアルコールを含む医薬品を与えない。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:気道の炎症、呼吸障害、肺への損傷 (浮腫の形成)。 皮膚:刺激から腐食まで。 皮膚炎、湿疹、水疱の形成の可能性。 眼:わずかな刺激から腐食まで。流涙、目の灼熱感、かゆみ、かすみ目。 経口摂取:粘膜の炎症から腐食まで。胃腸障害。 吸収:胸の痛み、頭痛、めまい、脱力感、吐き気/嘔吐、メトヘモグロビン血症およびチアノーゼの可能性。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火薬剤、二酸化炭素。 以上、PubChem参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、PubChem参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス;窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素、ナトリウム酸化物)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 容器類を水スプレーで冷却する。 以上、PubChem参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 粉塵の拡散を防ぐ。 この物質を環境中に放出してはならない。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | - | |||
設備対策 | 密閉化された設備または局所排気装置を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 適切な不浸透性の保護手袋を着用する。 保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。 | |||
眼の保護具 | 安全ゴーグルを着用する。 以上、PubChem参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 不浸透の保護衣または化学防護服を着用する。 以上、PubChem参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 | ||
色 | 白色 | ||
臭い | 不快臭 | ||
融点/凝固点 | なし。加熱により分解する。(GESTIS(2023)) 融解せずに分解する。(PubChem(2023)) 110 ℃(HSDB in PubChem(2023)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 159〜160 ℃(Howard(1997)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 722 g/L(20℃)(GESTIS(2023)) 水: 7.22×10+5 mg/L(25℃)(HSDB in PubChem(2023)) アセトン、エタノール、灯油、キシレン: <5 g/L(HSDB in PubChem(2023)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 2.26(Howard(1997)) log Kow: <1(25℃)(HSDB in PubChem(2023)) | ||
蒸気圧 | 1.08×10-6 mmHg(25℃)(Howard(1997)) 不揮発(HSDB in PubChem(2023)) | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱して分解すると窒素酸化物、硫黄酸化物、酸化二ナトリウムの非常に有毒なガスを発生する。 水で希釈するとゆっくりと反応し、有毒ガスの硫化水素とメチルイソチオシアネートを発生する。この反応は酸を加えると促進される。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、高温、火気 | ||
混触危険物質 | 水 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物、硫黄酸化物、酸化二ナトリウム、硫化水素、メチルイソチオシアネート |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(8)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:450 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (2)ラット(雄)のLD50:481 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (3)ラット(雌)のLD50:617 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (4)ラットのLD50:896 mg/kg(EFSA (2011)) (5)ラット(雄)のLD50:1,430 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (6)ラット(雌)のLD50:1,290 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (7)ラット(雄)のLD50:1,700 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (8)ラット(雌)のLD50:1,800 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、有害性の高い区分を採用し、区分3とした。なお、新たな情報源を用いて分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラット(雌)のLD50:911 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (2)ウサギのLD50:1,300 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、EHC 78 (1998)) (3)ウサギのLD50:1,012 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)) (4)ラット(雄)のLD50:5,700 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (5)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(EFSA (2011)) (6)(2)、(3)は数値が本物質(ナトリウム塩)か遊離塩基換算値かどうか明らかでない(食安委 農薬評価書 (2019))。 | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分4とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLC50(4時間):1.19 mg/L(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (2)ラット(雌)のLC50(4時間):1.27 mg/L(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016)) (3)ラットのLC50(4時間):2.54 mg/L(EFSA (2011)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)本物質は刺激性試験の結果、皮膚腐食性がみられた(EFSA (2011))。 (2)本物質の32.7%製剤について、ウサギを用いた2つの皮膚刺激性試験において、1試験では重度の刺激性、他の1試験では腐食性を示したとの情報がある(HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2023))。 【参考データ等】 (3)本物質の42%製剤について、ウサギに対して中程度から重度の刺激性を示した(HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2023))。 (4)本物質の30%製剤はウサギの皮膚に対し軽度の刺激性を示した(食安委 農薬評価書 (2019))。 (5)EUではSkin Corr. 1Bに分類されている(CLP分類 (Accessed Nov. 2023))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分1とした。なお、皮膚腐食性/刺激性項目で新たに区分1と分類されたことに伴い、本項目の分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)皮膚腐食性/刺激性で区分1である。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質は皮膚感作性物質である(EFSA (2011)、EPA Pesticides (2008))。 (2)本物質の30%製剤について、モルモットを用いたBuehler試験、Maximisation試験において、軽度の感作性がみられた(食安委 農薬評価書 (2019))。 【参考データ等】 (3)EUではSkin Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov. 2023))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、本物質(原体)のハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(単回強制経口投与、62.5〜250 mg/kg)で陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (2)In vitroでは、本物質(原体)の細菌復帰突然変異試験、CHO細胞(Hgprt座)を用いた遺伝子突然変異試験、ヒトリンパ球細胞を用いた染色体異常試験で、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2019) 、農薬抄録 (2016))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (3)、(4)より、強制経口投与では発がん性の証拠は示されなかったが、(1)、(5)より、飲水投与試験においてマウスの雌雄で悪性腫瘍である血管肉腫の増加がみられた。動物実験の結果から、EPAは区分Lとしているが、EFSAが発がん性の限定的な証拠としているように確実に区分1とするには不十分な証拠であると判断し、区分2とした。新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた2年間飲水投与による発がん性試験(原体換算:雄/雌:1.6/2.3〜27.7/29.9 mg/kg/day)において、雌雄の脾臓では血管肉腫の増加が中用量(原体換算:6.5/8.7 mg/kg/day)以上で認められた。が、他の臓器(肝臓など)では血管肉腫発生頻度の用量相関性は不明瞭であり、すべての臓器を合わせた場合の血管肉腫の増加は高用量群のみであった(EFSA (2011))。 (2)国内外の評価機関による既存分類では、EPAは雌雄のマウスにおける全ての臓器を合わせた血管肉腫の発生増加をもとにL(Likely to be Carcinogenic to Humans)に分類している(EPA OPP Annual Cancer Report (2022):2009年分類)。これに対し、EFSAは血管肉腫の増加が脾臓だけにみられていることに基づいて発がん性の限られた証拠として分類することにエキスパートが合意したと報告している(EFSA (2011))。 (3)ラットを用いた2年間強制経口投与による慢性毒性/発がん性併合試験(原体換算:0.8〜7.2 mg/kg/day)において、7.2 mg/kg/day群の雄で精巣間細胞の発生頻度増加がみられたが、背景データよりも低い頻度で検体投与の影響とは考えられず、本試験結果からは発がん性はないと結論された(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (4)マウスを用いた18ヵ月間強制経口投与による発がん性試験(原体換算:0.8〜12.8 mg/kg/day)において、12.8 mg/kg/dayで肝細胞腺腫の総発生頻度の増加が認められたが、背景データよりも低い頻度で検体投与の影響とは考えられず、本試験結果では発がん性はないと結論された(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (5)ラットを用いた2年間飲水投与による慢性毒性/発がん性併合試験(原体換算:雄/雌:1.5/2.7〜12.5/12.8 mg/kg/day)において、雄の中用量(4.3 mg/kg/day)では腸間膜リンパ節に血管肉腫の発生頻度の増加がみられたが、高用量群では増加が認められず、全体的な統計解析結果から、ラットでは本物質は発がん性を有さないと結論された(EFSA (2011)、HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2023))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、軽微な母動物毒性がみられる用量で、胎児に奇形の発生増加を含む発生影響がみられたことから、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)妊娠ラットを用いた強制経口投与(妊娠6〜15日、10〜120 mg/kg/day)による発生毒性試験において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少、胎盤重量減少)がみられる中用量(40 mg/kg/day)群で、胎児に低体重及び骨化遅延、高用量(120 mg/kg/day)群の胎児には加えて髄膜瘤の発生増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (2)妊娠ラットを用いた強制経口投与(妊娠6〜15日、5〜60 mg/kg/day)による発生毒性試験において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少、流涎、尿失禁)がみられる20 mg/kg/dayで、胎児には軽微な影響(低体重、骨化遅延)に限られたが、60 mg/kg/dayでは母動物に追加所見として立毛、胎児に奇形(髄膜瘤、小上顎、口唇裂、内水頭症)、骨格異常(頸椎弓未骨化、頸椎体未骨化、胸骨分節未骨化の増加)、骨化変異(頸椎体未骨化、胸骨分節不完全骨化、踵骨未骨化の増加)等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (3)妊娠ウサギを用いた強制経口投与(妊娠6〜18日、10〜100 mg/kg/day)による発生毒性試験において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少、胎盤重量増加)がみられる100 mg/kg/dayで、発生影響として吸収胚数及び着床後胚損失率の増加、生存胎児数減少、髄膜瘤及び二分脊椎の発生頻度増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (4)妊娠ウサギを用いた強制経口投与(妊娠7〜19日、5〜60 mg/kg/day)による発生毒性試験において、母動物毒性用量で全胚吸収、着床後損失率増加、生存胎児数減少、髄膜瘤、骨格異常などがみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、区分1の範囲で中枢神経系への影響がみられたことから、区分1(中枢神経系)とした。なお、新たな情報に基づき分類結果を見直した。旧分類でみられた血液系、気道刺激性の影響は詳細が不明のほか、死戦期に関する影響であると考えられるため標的臓器として採用していない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、280 mg/kg(区分1の範囲)以上で鎮静、眼瞼下垂、流涎等がみられ、死亡例ではチアノーゼと痙攣がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (2)マウスを用いた単回経口投与試験において、142 mg/kg(区分1の範囲)以上で鎮静、眼瞼下垂、流涎等がみられ、死亡例ではチアノーゼと痙攣がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (3)ラットを用いた単回経皮投与試験において、543 mg/kg(区分1の範囲)以上で、鎮静、眼瞼下垂、流涎等がみられ、死亡例ではチアノーゼと痙攣がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (4)ラットを用いた単回吸入ばく露試験において、投与量は不明であるが自発運動量減少、異常呼吸、縮瞳、流涙、皮膚症状がみられ、最小致死量は0.84 mg/kg/day(雄、区分1の範囲)、1.28 mg/kg/day(雌、区分1の範囲)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2(血液系、膀胱)とした。なお、(1)、(2)でみられた前胃への所見は強制経口投与によるものと考えられるため標的臓器として採用していない。新たな情報に基づき分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間強制経口投与試験において、20及び60 mg/kg/day(区分2の範囲)で前胃(粘膜角化亢進、粘膜上皮過形成)、膀胱(粘膜上皮過形成(雄))、血液(赤血球数減少(雌)、MCV増加等)への影響がみられたとの報告がある(食安委 評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 (2)マウスを用いた90日間強制経口投与試験において、30及び100 mg/kg/day(区分2の範囲)で前胃(粘膜角化亢進、粘膜上皮過形成)、膀胱(粘膜上皮過形成)への影響がみられた(食安委 評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ブルーギル)でのLC50=0.175mg/L(測定値)(IUCLID 2000)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定される(SRC: BioWin V4.10)ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2923 | |||
品名(国連輸送名) | その他の腐食性(固体)(毒物)、n.o.s. | |||
国連分類 | 8 | |||
副次危険 | 6.1 | |||
容器等級 | 試験結果によってT〜Vを決定する。 | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(令和7年4月1日以降) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 作業場内表示義務(法第101条の4)(令和7年4月1日以降) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)【ナトリウム及びその化合物】 水質基準(平15省令101号)【ナトリウム及びその化合物】 | |||
船舶安全法 | 腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・腐食性物質(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||
修正履歴 | ||||
R6.3.29: ・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 ・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。 |