化学品の名称 | N−トリクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド | ||
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化学品の英語名称 | 1,2,3,6-tetrahydro-N-(trichloromethylthio)phthalimide | ||
製品コード | R05-C-012-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版 (Ver2.1))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | |
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
皮膚感作性 | 区分1A | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | R2.3.31、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 吸入すると生命に危険 皮膚刺激 重篤な眼の損傷 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | N−トリクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド | ||
慣用名又は別名 | キャプタン N−トリクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシミド N−(トリクロロメチルチオ)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド | ||
英語名 | 1,2,3,6-tetrahydro-N-(trichloromethylthio)phthalimide 1H-Isoindole-1,3(2H)-dione, 3a,4,7,7a-tetrahydro-2-[(trichloromethyl)thio]- | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H8Cl3NO2S (301) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 133-06-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 9-934 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 8-(1)-635 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。直ちに医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の水と石けんで丁寧に洗浄する。ポリエチレングリコール 400 で交互にすすぐことが推奨される。皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合は医師の診察/手当を受けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | できるだけ早く多量の流水で10分間洗浄する。できればコンタクトレンズを外す。その後も洗浄を続けること。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、ICSC参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。意識があればコップ一杯の水(約200mL)か活性炭懸濁水(コップ1杯の水に大さじ3杯を懸濁させたもの)を飲ませる。嘔吐させないこと。食用油、ひまし油、牛乳またはアルコールは使用しない。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:粘膜の炎症、極端な場合は肺水腫の可能性。 皮膚:発赤、刺激、感作の可能性、アレルギー反応 (接触じん麻疹)。 眼:充血、炎症、損傷。 経口摂取:粘膜の炎症、嘔吐、下痢。 吸収:中枢神経障害、血球数の変化、心血管・肝臓・腎臓の機能障害。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火薬剤、二酸化炭素。大規模火災には耐アルコール泡消火薬剤、水噴霧。 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス;窒素酸化物、塩化水素、硫黄酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。大量の粉塵が舞い上がった場合は、直ちに避難すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 粉塵の拡散を防ぐ。 この物質を環境中に放出してはならない。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を開けたままにしない。漏出を避ける。接触を避ける。粉じんの発生を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。換気が不十分な場合は呼吸用保護具を着用すること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。絶対にアルコールを飲まないこと。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。休憩前に着替えが必要になる場合がある。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | TLV-TWA: 5 mg/m3(I)(DSEN; A3) | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付けること。多量の物質を取り扱う場合は、緊急用シャワーが必要である。床に排水溝を設けないこと。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 適切な不浸透性の保護手袋を着用する。 保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。 | |||
眼の保護具 | 化学用安全ゴーグルを着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 | ||
色 | 白色 | ||
臭い | 無臭 | ||
融点/凝固点 | 178 ℃(GESTIS(2023)) 178 ℃(分解する)(融点は存在しない)(ICSC(2021)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 沸点を持たない。加熱により分解する。(GESTIS(2023)) | ||
可燃性 | 特定の条件下で可燃性(ICSC(2021)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 178 ℃(ICSC(2021)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: <0.5 mg/l(25℃)(GESTIS(2023)) 水: 記載なし g/100 ml(25℃)(不溶)(ICSC(2021)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 2.35(GESTIS(2023), ICSC(2021)) | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.74 g/cm3(25℃)(GESTIS(2023)) 1.74 (ICSC(2021)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 加熱すると、分解する。 イオウ酸化物、窒素酸化物、塩化水素およびホスゲンなどの有毒なフュームを生じる。 | ||
危険有害反応可能性 | 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、硝酸アンモニウム、有機過酸化物および自己反応性物質 | ||
危険有害な分解生成物 | イオウ酸化物、硫酸の分解生成物、窒素酸化物、亜硝酸ガス、塩化水素およびホスゲン |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:8,400〜15,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)) (2) ラットのLD50:9,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2014)、EPA Pesticide (2004)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (3) ラットのLD50:> 5,000 mg/kg (JMPR (2004)) (4) ラットのLD50:12,600 mg/kg、> 17,000 mg/kg (IPCS, PIM 98 (1992)) (5) ラットのLD50:雄 : 7,000 mg/kg、雌 : 6,170 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (6) ラットのLD50:雄 : 3,570 mg/kg、雌 : 4,320 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:> 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2004)) (2) ラットのLD50:> 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (3) ウサギのLD50:> 4,500 mg/kg、> 9,000 mg/kg (HSDB in PubChem (Accessed July 2019)) (4) ウサギのLD50:> 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類結果】 (1)より、粒径分布が適切かつ純度が判明している試験の中で、有害性の高い区分を採用し、区分2とした。なお、新たな知見を利用し、分類結果を変更した(2023年度)。 【分類根拠】 (1)ラットのLC50(4時間、粉塵、純度:91.66%、粒径分布:2.545-2.979 μm):0.272 mg/L(雄:0.22 mg/L、雌:0.322 mg/L)(EPA TG、GLP)(CLH Report (2022)) (2)ラット(雄)のLC50(4時間、粉塵、純度:不明、粒径分布:2.95-5.8 μm):0.72 mg/L(EU CLP CLH、CLH Report (2022)、食安委 農薬評価書 (2021)) (3)ラット(雌)のLC50(4時間、粉塵、純度:不明、粒径分布:2.95-5.8 μm):0.87 mg/L(EU CLP CLH、CLH Report (2022)、食安委 農薬評価書 (2021)) (4)ラットのLC50(4時間、粉塵、純度:不明、粒径分布:1.6 ? 1.8 μm):0.78 mg/L(雄:0.90 mg/L、雌:0.67 mg/L)(OECD TG 403、GLP)(CLH Report (2022)、AICIS IMAP (2016)) (5)ラットのLC50(4時間、粉塵、純度:98.1%、粒径分布:4.95 ? 6.51 μm):1.16 mg/L(雄:1.21 mg/L、雌:1.05 mg/L)(OECD TG 403、GLP)(CLH Report (2022)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ヒト (白人男女) による皮膚刺激性試験でいずれも刺激性を示し中等度から重度の紅斑及び浮腫がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (2) 本物質に対する過剰のばく露により眼刺激性、皮膚刺激性、感作性を示す (HSDB in PubChem (Accessed July 2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質をウサギの眼に適用した眼刺激性試験で24/48/72hのスコアは28〜105 (Max 110) であり、21日後にも回復しなかった (ECETOC TR48 (1998))。 (2) 本物質はヒトの眼に対し重度刺激性物質である (EPA Pesticide (2004))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Accessed July 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 本物質によるヒトパッチテストで高頻度 (5%) の陽性の報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 (2) 本物質のヒトに対する過剰のばく露は眼刺激性、皮膚刺激性、感作性を示す (HSDB in PubChem (Accessed July 2019))。 (3) ヒトにおいて本物質のばく露に起因すると思われる皮膚炎、蕁麻疹、持続性の紅斑の報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 (4) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内感作:0.1%、貼付感作:75%、惹起:30%) において陽性 (陽性率40%) を示した (農薬抄録 (2016))。 (5) OECD TG 406 (マキシマイゼーション法、皮内感作:0.1%、貼付感作:50%) に準拠したモルモット皮膚感作性試験で陽性率100%を示したと報告されている (REACH登録情報 (Accessed July 2019))。 【参考データ等】 (6) 本物質はモルモットに対して中等度感作性物質である (EPA Pesticide (2004))。 (7) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Accessed July 2019))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、in vitro試験では多くの陽性知見が認められ、in vivo試験においても一部の試験で陽性の報告がある。但し、in vivo試験の多くが陰性の結果であることや証拠の重み付けも考慮し、専門家判断に基づき、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) In vivoでは、トランスジェニックマウスを用いた遺伝子突然変異試験では、肝臓及び十二指腸において陰性 (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。マウスの優性致死試験やマウス骨髄の小核試験、マウス及びラットの体細胞染色体異常試験で陰性 (一部陽性)、マウススポット試験、ラット肝臓の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。マウスの精原細胞及び精母細胞を用いた染色体異常試験では陽性の結果があるが、精原細胞の染色体異常の増加は高用量群でのみ認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2016))。 (2) In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、HPRT試験及びマウスリンフォーマ試験で陽性の報告があるが、一部の代謝活性系では変異原性の減弱・消失がみられた (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (3) 複数の評価書で、変異原性について、細胞試験系では十分な証拠が認められるが、哺乳類における証拠は不十分であると結論付けられている (IARC 30 (1983)、IPCS, PIM 98 (1992)、ACGIH (7th, 2014))。食品安全委員会では、in vitroでは遺伝毒性を示すが、発がん標的臓器を含め、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと判断している (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。In vivo においては、マウスを用いた小核試験及び染色体異常試験で陽性の報告があるが、これらは全て同一文献に由来するもので、他の報告では陰性であり、陽性結果に再現性は認められていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 【参考データ等】 (4) 本物質の変異原性は生体内の代謝により速やかに消失し得るとの報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 IARCではグループ3に分類されているが、最近の評価であるACGIHでA3、EU CLP分類でCarc.2に分類されていることから、ガイダンスに従い区分2とした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC Sup7 (1987))、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2014))、EUでCarc.2 (EU CLP分類 (Accessed July 2019)) に分類されている。 (2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験及び130週間混餌投与した発がん性試験では、腫瘍性病変の発生頻度の増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (3) マウスに本物質を26ヵ月及び22ヵ月間混餌投与した2つの発がん性試験において、雌雄で十二指腸腺腫及び腺がんの増加が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、母動物毒性がみられる用量で胎児の外表、内臓及び骨格異常等が認められていることから、区分2とした。 なお、新たな情報源を引用したため、分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) 雌ウサギの妊娠7〜19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に糞量減少及び下痢、体重減少等がみられる用量で、着床後胚損失割合及び死亡胚数増加、流産 (1例)、外表異常 (脳瘤、躯幹全体の重度の異常、外脳症/眼瞼開存等、臍ヘルニア等)、内臓異常 (中脳水道の極度な拡張、肝臓表面ののう胞)、骨格異常 (猿頭症、上顎骨癒合、第11椎弓欠損、第11肋骨欠損、母指欠損) 等が報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (2) 雌ハムスターの妊娠5〜10日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に死亡率増加等がみられる用量で吸収胚増加、生存胎児数減少、胎児重量低値、性比に差 (雄:雌=127:83)、尾の変形、全身浮腫、複合異常等が報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 【参考データ等】 (3) ラットを用いた混餌投与での3世代生殖毒性試験において、親動物、児動物共に体重増加抑制がみられ、胎児重量の低値等がみられているが、生殖影響及び催奇形性はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 ヒトでの本物質の単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1) の情報より区分1 (呼吸器) とした。新たな情報により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質の粉じん0.56、0.71、1.36 mg/Lをラットに4時間単回吸入ばく露した試験において、0.56 mg/L (区分1相当) 以上で生存動物に流涎、血涙、鼻からの着色分泌物、呼吸困難が認められた。肉眼的病理所見では、ばく露群で呼吸器系 (肺、咽頭、気管支) への白色物質の貯留が用量依存的に認められた。死亡例は最小用量の0.56 mg/Lからみられ、LC50値は雄で0.72 mg/L、雌で0.87 mg/Lであった。各ばく露群での死亡数の記載はないが、LC50値未満の0.56、0.71 mg/Lばく露群では過半数が生存したと考えられる (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2016))。農薬抄録 (2016) には、これらの肉眼的病理所見は動物の死亡が肺機能不全によるものであることを示唆すると記載されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、吸入経路で区分1の範囲で呼吸器への影響がみられたことから、区分1(呼吸器)とした。なお、肝臓でみられた所見は適応性変化、皮膚でみられた所見は局所への刺激性影響と考えられるため、採用していない。新たな情報に基づき分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、0.00013 mg/L(区分1の範囲)から喉頭に扁平上皮の過形成がみられ、0.0129 mg/L(区分1の範囲)まで、用量の増加とともに喉頭(扁平上皮化生、潰瘍化、扁平上皮過形成、錯角化等)、鼻腔(鼻炎、嗅上皮の変性・萎縮)、気管支(上皮の菲薄化、過形成等)、肺(上皮下細胞の壊死)に呼吸器に広く組織変化がみられた。肺と鼻腔の変化は90日間投与後4週間の投与中止により回復したが、喉頭の変化は依然としてみられたとの報告がある(CLH Report (2022)、AICIS IMAP (2016))。 (2)ラットを用いた2年間又は130週間混餌投与による発がん性試験では、体重等への影響以外には前者で250 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)まで、後者で2,000 ppm(98 mg/kg/day:区分2の範囲)まで肝臓に適応性変化(重量増加、肝細胞肥大)がみられたのみであったとの報告がある(CLH Report (2022)、食安委 農薬評価書 (2021)、農薬抄録 (2016)、AICIS IMAP (2016))。 (3)ウサギを用いた21日間経皮投与試験(5日/週)では、12.5 mg/kg/day(ガイダンス換算:2.08 mg/kg/day、区分1の範囲)以上で局所刺激性変化(アカントーシス、過角化、皮膚炎)がみられ、1,000 mg/kg/day(ガイダンス換算:166.7 mg/kg/day、区分2の範囲)で明瞭な皮膚刺激性とともに全身影響(体重低値(雌のみ)、摂餌量低値)がみられたとの報告がある(CLH Report (2022)、食安委 農薬評価書 (2021)、農薬抄録 (2016)、AICIS IMAP (2016))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ブラウントラウト)の96時間LC50 = 0.0262 mg/L(U.S. EPA: RED, 2004)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1989))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.56 mg/L(農薬抄録, 2016)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1989))、魚類(ブラウントラウト)の96時間LC50 = 0.0262 mg/L(U.S. EPA: RED, 2004)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2811 | |||
品名(国連輸送名) | その他の毒物(有機物)(固体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | 試験結果によってT〜Vを決定する。 | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【Nー(トリクロロメチルチオ)―1・2・3・6―テトラヒドロフタルイミド】(皮膚障害) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||
修正履歴 | ||||
R6.3.29: ・危険有害性の分類について「急性毒性(吸入)(区分3→区分2)、特定標的臓器毒性(反復)(分類できない→区分1(呼吸器))」のみ見直した。 ・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。 |