1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | キャプタン (captan) | ||
製品コード | R01-B-038 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (吸入: 粉塵、ミスト) | 区分3 | |
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
皮膚感作性 | 区分1A | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (呼吸器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 皮膚刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 重篤な眼の損傷 吸入すると有毒 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 呼吸器の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | キャプタン | ||
別名 | N-トリクロロメチルチオ-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシイミド | ||
N-(トリクロロメチルチオ)-1,2,3,6-テトラヒドロフタルイミド | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H8Cl3NO2S (300.59) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 133-06-2 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 9-934 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 皮膚: 発赤 眼: 充血 経口摂取: 嘔吐、下痢 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 特定の条件下で可燃性。有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 個人用保護具: 空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。 湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を、注意深く集める。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 食品や飼料から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | |||
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH (2019年版) | TLV-TWA: 5 mg/m3 (Inhalable fraction of the aerosol) (DSEN) | ||
設備対策 | 容器を接地しアースをとること。 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全眼鏡又は顔面シールドを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 (ICSC (2009)) | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 178℃ (PHYSPROP Database (2019)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 254〜255℃付近で熱分解 (農薬抄録 (2016)) | ||
可燃性 | 特定の条件下で可燃性 (ICSC (2009)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | 254〜255℃ (農薬抄録 (2016)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水:5.1 mg/L (25℃) (PHYSPROP Database (2019)) キシレン、1,2-ジクロロエタン、アセトン、メタノールに可溶 (農薬抄録 (2016)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 2.8 (PHYSPROP Database (2019)) | ||
蒸気圧 | 9x10-8 mmHg (25℃) (PHYSPROP Database (2019)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.74 (水=1) (ICSC (2009)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると分解し、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素及びホスゲンなどの有毒なヒュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強塩基、テトラエチルピロリン酸塩、パラチオン | ||
危険有害な分解生成物 | 硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素及びホスゲンなどの有毒なヒューム |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:8,400〜15,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)) (2) ラットのLD50:9,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2014)、EPA Pesticide (2004)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (3) ラットのLD50:> 5,000 mg/kg (JMPR (2004)) (4) ラットのLD50:12,600 mg/kg、> 17,000 mg/kg (IPCS, PIM 98 (1992)) (5) ラットのLD50:雄 : 7,000 mg/kg、雌 : 6,170 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (6) ラットのLD50:雄 : 3,570 mg/kg、雌 : 4,320 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:> 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2004)) (2) ラットのLD50:> 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) (3) ウサギのLD50:> 4,500 mg/kg、> 9,000 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) (4) ウサギのLD50:> 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間、粉じん) : (雄) 0.72 mg/L、(雌) 0.87 mg/L (EPA Pesticide (2004)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018)) 【参考データ等】 (2) ラットのLC50 (2時間) : > 5.7 mg/L (4時間換算値 : 2.85 mg/L) (ACGIH (7th, 2014)、HSDB (Access on July 2019)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ヒト (白人男女) による皮膚刺激性試験でいずれも刺激性を示し中等度から重度の紅斑及び浮腫がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (2) 本物質に対する過剰のばく露により眼刺激性、皮膚刺激性、感作性を示す (HSDB (Access on July 2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質をウサギの眼に適用した眼刺激性試験で24/48/72hのスコアは28〜105 (Max 110) であり、21日後にも回復しなかった (ECETOC TR48 (1998))。 (2) 本物質はヒトの眼に対し重度刺激性物質である (EPA Pesticide (2004))。 【参考データ等】 (3) 本物質は眼、鼻、喉、肺の粘膜を刺激する (DFGOT vol.1 (1990))。 (4) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on July 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 本物質によるヒトパッチテストで高頻度 (5%) の陽性の報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 (2) 本物質のヒトに対する過剰のばく露は眼刺激性、皮膚刺激性、感作性を示す (HSDB (Access on July 2019))。 (3) ヒトにおいて本物質のばく露に起因すると思われる皮膚炎、蕁麻疹、持続性の紅斑の報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 (4) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内感作:0.1%、貼付感作:75%、惹起:30%) において陽性 (陽性率40%) を示した (農薬抄録 (2016))。 (5) OECD TG 406 (マキシマイゼーション法、皮内感作:0.1%、貼付感作:50%) に準拠したモルモット皮膚感作性試験で陽性率100%を示したと報告されている (REACH登録情報 (Access on July 2019))。 【参考データ等】 (6) 本物質はモルモットに対して中等度感作性物質である (EPA Pesticide (2004))。 (7) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on July 2019))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、in vitro試験では多くの陽性知見が認められ、in vivo試験においても一部の試験で陽性の報告がある。但し、in vivo試験の多くが陰性の結果であることや証拠の重み付けも考慮し、専門家判断に基づき、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、トランスジェニックマウスを用いた遺伝子突然変異試験では、肝臓及び十二指腸において陰性 (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。マウスの優性致死試験やマウス骨髄の小核試験、マウス及びラットの体細胞染色体異常試験で陰性 (一部陽性)、マウススポット試験、ラット肝臓の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。マウスの精原細胞及び精母細胞を用いた染色体異常試験では陽性の結果があるが、精原細胞の染色体異常の増加は高用量群でのみ認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2016))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、HPRT試験及びマウスリンフォーマ試験で陽性の報告があるが、一部の代謝活性系では変異原性の減弱・消失がみられた (ACGIH (7th, 2014)、IARC 30 (1983)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
(3) 複数の評価書で、変異原性について、細胞試験系では十分な証拠が認められるが、哺乳類における証拠は不十分であると結論付けられている (IARC 30 (1983)、IPCS, PIM 98 (1992)、ACGIH (7th, 2014))。食品安全委員会では、in vitroでは遺伝毒性を示すが、発がん標的臓器を含め、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと判断している (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。in vivo においては、マウスを用いた小核試験及び染色体異常試験で陽性の報告があるが、これらは全て同一文献に由来するもので、他の報告では陰性であり、陽性結果に再現性は認められていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 【参考データ等】 (4) 本物質の変異原性は生体内の代謝により速やかに消失し得るとの報告がある (ACGIH (7th, 2014))。 | ||||
発がん性 | 【分類根拠】 IARCではグループ3に分類されているが、最近の評価であるACGIHでA3、EU CLP分類でCarc.2に分類されていることから、ガイダンスに従い区分2とした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC Sup7 (1987))、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2014))、EUでCarc.2 (EU CLP分類 (Access on July 2019)) に分類されている。 (2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験及び130週間混餌投与した発がん性試験では、腫瘍性病変の発生頻度の増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (3) マウスに本物質を26ヵ月及び22ヵ月間混餌投与した2つの発がん性試験において、雌雄で十二指腸腺腫及び腺がんの増加が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、母動物毒性がみられる用量で胎児の外表、内臓及び骨格異常等が認められていることから、区分2とした。 なお、新たな情報源を引用したため、分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) 雌ウサギの妊娠7〜19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に糞量減少及び下痢、体重減少等がみられる用量で、着床後胚損失割合及び死亡胚数増加、流産 (1例)、外表異常 (脳瘤、躯幹全体の重度の異常、外脳症/眼瞼開存等、臍ヘルニア等)、内臓異常 (中脳水道の極度な拡張、肝臓表面ののう胞)、骨格異常 (猿頭症、上顎骨癒合、第11椎弓欠損、第11肋骨欠損、母指欠損) 等が報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (2) 雌ハムスターの妊娠5〜10日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に死亡率増加等がみられる用量で吸収胚増加、生存胎児数減少、胎児重量低値、性比に差 (雄:雌=127:83)、尾の変形、全身浮腫、複合異常等が報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 【参考データ等】 (3) ラットを用いた混餌投与での3世代生殖毒性試験において、親動物、児動物共に体重増加抑制がみられ、胎児重量の低値等がみられているが、生殖影響及び催奇形性はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 ヒトでの本物質の単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1) の情報より区分1 (呼吸器) とした。新たな情報により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質の粉じん0.56、0.71、1.36 mg/Lをラットに4時間単回吸入ばく露した試験において、0.56 mg/L (区分1相当) 以上で生存動物に流涎、血涙、鼻からの着色分泌物、呼吸困難が認められた。肉眼的病理所見では、ばく露群で呼吸器系 (肺、咽頭、気管支) への白色物質の貯留が用量依存的に認められた。死亡例は最小用量の0.56 mg/Lからみられ、LC50値は雄で0.72 mg/L、雌で0.87 mg/Lであった。各ばく露群での死亡数の記載はないが、LC50値未満の0.56、0.71 mg/Lばく露群では過半数が生存したと考えられる (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2016))。農薬抄録 (2016) には、これらの肉眼的病理所見は動物の死亡が肺機能不全によるものであることを示唆すると記載されている。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、実験動物への経口投与においてガイダンス値の範囲で明らかな毒性はみられておらず、経口経路については区分に該当しないと考えられ、(3) より、経皮経路についても区分に該当しないと考えられる。吸入経路については情報が得られておらず、分類できない。 【根拠データ】 (1) ラットの32週間及び25週間混餌投与試験、マウスの28日間混餌投与試験で、ガイダンス値の範囲までで有害影響は示されていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 (2) ラット及びマウスの慢性毒性試験、慢性毒性/発がん性併合試験、発がん性試験の結果、ガイダンス値の範囲までで有害影響は示されていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、EPA Pesticide (2004)、NTP TR15 (1977))。 (3) ウサギを用いた21日間の経皮毒性試験において、12.5 mg/kg/day (90日換算: 3 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で皮膚への影響がみられている以外はガイダンス値の範囲までで有害影響は示されていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (ニジマス) の96時間LC50 = 50μg/L (農薬登録申請資料 (1991)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 2.8 (PHYSPROP Database (2005)))、急速分解性がない (BODによる分解度: 0% (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2588 | |||
国連品名 | PESTICIDE, SOLID, TOXIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 151 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【N−(トリクロロメチルチオ)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド】 | |||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【395 N−(トリクロロメチルチオ)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【395 N−(トリクロロメチルチオ)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2588 殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2588 その他の殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |