1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | O-エチル=S,S-ジプロピル=ホスホロジチオアート (別名: エトプロポス) (Ethoprophos) | ||
製品コード | R02-B-090 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 殺虫剤 (失効農薬) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分2 | |
急性毒性 (経皮) | 区分1 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 追加区分: 授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (神経系、血液系、肝臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると生命に危険 強い眼刺激 吸入すると生命に危険 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系、血液系、肝臓の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | O-エチル=S,S-ジプロピル=ホスホロジチオアート | ||
別名 | エトプロポス | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C8H19O2PS2 (242.36) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 13194-48-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 人工呼吸が必要なことがある。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 汚染された衣服を脱がせる。 直ちに医療機関に連絡する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: めまい、吐き気、発汗、筋攣縮、縮瞳、筋痙攣、唾液分泌過剰、息苦しさ、痙攣、意識喪失。 皮膚: 吸収される可能性あり!「吸入」参照。 眼: 吸収される可能性あり!かすみ眼。 経口摂取: 胃痙攣、下痢、嘔吐、他の症状については、「吸入」参照。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 曝露の程度によっては、定期検診を勧める。 この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要であるため、指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。 市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある。 |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥粉末消火剤、二酸化炭素、耐アルコール性泡消火薬剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 可燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂の危険性がある。 | ||
特有の消火方法 | 水を噴霧して容器類を冷却する。 直接水をかけない。 | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管処理する。 この物質を環境中に放出してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 この物質は可燃性であるが、文献では引火点は不明である。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 消火により生じる流出物を収容するための用意 食品や飼料から離しておく 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する 床面に沿って換気 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は適切な局所排気装置・換気装置等を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル、顔面シールドまたは保護眼鏡を着用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣 (化学防護服) を着用する。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式空気呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり) |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 淡黄色 | ||
臭い | 特徴的な臭気 | ||
融点/凝固点 | -13℃ (ICSC (2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 86〜91℃ (0.03 kPa) (ICSC (2006)) | ||
可燃性 | 可燃性 (ICSC (2006)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 140℃ (GESTIS (Access on June 2020)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 0.075 g/100 mL (20℃) (ICSC (2006)) アセトン、エタノール、1,2-ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチルに易溶 (HSDB (Access on June 2020)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 3.6 (ICSC (2006)) | ||
蒸気圧 | 3.8E-004 mmHg (20〜25℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.094 g/cu cm (20℃) (HSDB (Access on June 2020)) | ||
相対ガス密度 | 8.4 (空気=1) (ICSC (2006)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 室温で分解する。 引火性のn-プロピルメルカプタン (ICSC 1492 参照) を生じる。 加熱すると、分解する。 リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | リン酸化物およびイオウ酸化物などの有毒なフューム、n-プロピルメルカプタン |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雌: 32.8 mg/kg、雄: 61.0 mg/kg (EPA Pesticides RED (2006)) (2) ラットのLD50: 雌: 33 mg/kg、雄: 62 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)) (3) ラットのLD50: 雌: 56 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)) (4) ラットのLD50: 雌: 30.2 mg/kg、雄: 56.2 mg/kg (Patty (6th, 2012)) (5) ラットのLD50: 雌: 33 mg/kg、雄: 61 mg/kg (HSDB (Access on June 2020)) (6) ラットのLD50: 34 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 8.5 mg/kg (JMPR (1999)、EPA Pesticides RED (2006)、食安委 農薬評価書 (2010)、Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2020)) (2) ウサギのLD50: 26 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)) (3) ラットのLD50: 26 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998)) 【参考データ等】 (4) ラットのLD50: 226 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)) (5) ラットのLD50: 雌: 424 mg/kg、雄: 1,280 mg/kg (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)、Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2020)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.005 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.123 mg/L (EPA Pesticides RED (2006)、食安委 農薬評価書 (2010)、Patty (6th, 2012)) (2) ラットのLC50 (4時間): 0.250 mg/L (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010)) (3) 本物質の蒸気圧: 3.8E-004 mmHg (20〜25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.005 mg/L) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。旧分類の根拠となったデータが確認できず、ガイドラインに準じた皮膚刺激性試験では動物の死亡により、評価は不能と考えられることから、分類できないとすることが適切と判断し、分類結果を変更した。なお、(4)のデータも参照元はEPAのデータであり、重度の皮膚刺激性物質との根拠はみいだせない。 【参考データ等】 (1) 本物質の原液のウサギを用いた皮膚刺激性試験では適用8時間以内に全例が死亡 (JMPR Report (1999)、食安委 農薬評価書 (2010))。 (2) ウサギを用いた試験 (0.03、0.1、1 mg/kg/day、3週間) で、軽度の刺激性がみられた (JMPR Report (1999))。 (3) EPA OPP 81-5に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、本物質 (0.5 mL) を適用された6/6例が死亡した (EPA Pesticides RED (2006))。 (4) 本物質は重度の皮膚および眼刺激性物質であり、0.5 mL或いは 0.1 mLの適用により、動物は死に至る (Patty (6th, 2012) )。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、中等度以上の刺激性を有すると推察されることから、区分2Aとした。 【根拠データ】 (1) 本物質の原液のウサギの眼に刺激性 (瞬膜及び強膜に対する中等度の紅斑や水疱形成) を示すのみでなく、強い毒性を示し、適用1時間以内に死亡する (JMPR Report (1999)、食安委 農薬評価書 (2010))。 (2) EPA OPP 81-4に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で、本物質 (0.1 mL) を適用された3/3例が死亡した (EPA Pesticides RED (2006))。 (3) 本物質は重度の皮膚および眼刺激性物質であり、0.5 mL或いは0.1 mLの適用により、動物は死に至る (Patty (6th, 2012))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2020))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラットを用いた優性致死試験及びラットの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (JMPR (1999)、食安委 農薬評価書 (2010))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験において陰性の報告がある。一方、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験において代謝活性化系存在下で陽性の報告がある (同上)。 (3) 本物質は生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられるとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2010))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 利用可能なヒトを対象とした報告はない。(3) のマウスの試験では発がん性は認められていないが、(2) より独立して実施された複数の試験で悪性腫瘍の発生増加がみられ、動物実験による証拠が十分と考えられること及び(1) のEPAの既存分類に従い、区分1Bとした。新たな情報源を用いて検討し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでL (Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):1998年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した3つの慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で甲状腺C細胞腺腫及びがん、副腎悪性褐色細胞腫が、雌で子宮内膜ポリープの発生増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2010))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1) より、親動物毒性がみられる用量で、児の死亡率増加、生後14日生存率減少等がみられ、この他に繁殖能に影響がみられないことから区分2とし、14日生存率減少は母乳を介した影響の可能性もあることから、「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性 (30 ppm以上で脳ChE 活性阻害、150 ppm以上で体重増加抑制、300 ppmで軟便、振戦等) がみられる用量で、繁殖能に影響はみられていないが児動物に影響 (150 ppm以上でF2児動物の生後14日生存率減少、哺育率減少、300 ppmでF1児動物の死亡率増加、体重増加抑制) がみられている (食安委 農薬評価書 (2010))。 【参考データ等】 (2) 雌ラットの妊娠6〜15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (軟便、体重増加抑制等) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2010))。 (3) 雌ウサギの妊娠6〜18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2010))。 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)〜(6) より、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの単回経口投与試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLD50値 (56 mg/kg、区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、削痩、歩行失調、流涎、活動低下、円背位、振戦がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、JMPR (1999))。 (2) ラットの単回経皮適用試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLD50値 (226 mg/kg、区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、振戦、痙攣、活動低下、呼吸困難がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、JMPR (1999))。 (3) ラットの単回経皮適用試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLD50値 (雄: 1,280 mg/kg、雌: 424 mg/kg、区分2の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、着色尿、振戦、流涎、活動低下、運動失調、軟便、下痢、努力呼吸、流涙、眼球突出がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、JMPR (1999))。 (3) ウサギの単回経皮適用試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLD50値 (8.5 mg/kg、区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、立毛、努力呼吸、流涎、自発運動減少、振戦、運動失調、軟便、下痢、流涙、死亡動物で体重減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、JMPR (1999))。 (4) ラットの4時間単回吸入ばく露試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、少なくともLC50値 (0.25 mg/kg、区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定) において、感情鈍麻、努力呼吸、流涎がみられた (食安委 農薬評価書 (2010)、JMPR (1999))。 (5) ラットの経口投与による急性神経毒性試験 (雄: 0、30、60 mg/kg、雌: 0、20、40 mg/kg) では、雄: 60 mg/kg及び雌: 40 mg/kgで振戦、流涎がみられ、同群の雄で円背位、努力呼吸、粗毛、被毛の着色、体の蒼白化、眼の分泌物、活動性低下及び接触時の冷感が認められた。投与2時間後には、赤血球及び脳の各組織のコリンエステラーゼ (ChE) 活性が全投与群で用量相関的に43〜93%阻害された。投与15日後には、雌雄の小脳ChE活性、雌の血球ChE 活性は回復したが、全投与群の雌雄の赤血球及び脳前頭皮質、高用量群の雌雄の海馬で、ChE の約20%またはそれ以上の阻害が認められた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (6) ラットの経口投与による急性神経毒性試験 (雄: 0、5、50、75 mg/kg、雌: 0、5、25、50 mg/kg) では、75 mg/kgの雄で腹臥位、嗜眠、扱いやすさの変化、流涙、あえぎ呼吸、よろめき歩行、角膜反射消失、熱に対する反射の遅れ、体温低下、前肢握力減少がみられた。また、50 mg/kg以上の雄では、円背位、振戦、努力呼吸、眼球突出、活動低下、協調不能、流涎、接触時の冷感、軽度の体温低下、自発運動低下、赤血球ChE活性阻害 (20%以上) がみられ、雌で円背位、振戦、眼球突出、協調不能、活動低下、接触時の冷感、腹臥位、嗜眠、扱いやすさの変化、流涙、努力呼吸、あえぎ呼吸、よろめき歩行、角膜反射消失、熱に対する反射の遅れ、体温低下、前肢握力減少、自発運動低下がみられた。25 mg/kg以上の雌では、流涎、口唇鳴らし (lip smacking)、運動失調、瞳孔反射消失、振戦、赤血球ChE活性阻害 (20%以上) がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 |
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(6) より、区分1 (神経系、血液系、肝臓) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた90日間混餌投与試験の結果、0.3 ppm (0.015 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で赤血球及び脳コリンエステラーゼ (ChE) 活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (2) イヌを用いた90日間混餌投与試験の結果、100 ppm (2.5 mg/kg/day、区分1の範囲) で嘔吐並びに赤血球数及びヘマトクリット値の減少、赤血球ChE活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (3) ウサギを用いた21日間経皮毒性試験の結果、1 mg/kg/day (ガイダンス値換算: 0.23 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で赤血球及び脳ChE活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (4) ラットを用いた3件の混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験結果の報告があり、いずれも区分1の範囲で神経系 (脳ChE活性阻害等)、血液系への影響が報告されている (食安委 農薬評価書 (2010))。 (5) マウスを用いた混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験結果の結果、1.0 mg/kg/day (区分1の範囲) で血漿、赤血球及び脳ChE活性阻害がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 (6) イヌを用いた経口投与による1年間慢性毒性試験の結果、1.0 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌雄で肝細胞空胞化等、雌で摂餌量減少傾向、赤血球ChE活性阻害が、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌雄で脳ChE活性阻害、肝巣状壊死、肝線維化、胆管増生が、雄で赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の減少、赤血球ChE活性阻害、雌で体重増加抑制傾向、肝色素沈着がみられた (食安委 農薬評価書 (2010))。 | |||
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誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 甲殻類 (ミシッドシュリンプ) の96時間LC50 = 0.02 ppm (HSDB (2004)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 3.59 (PHYSPROP Database (2005)))、急速分解性がないと推定される (BIOWIN) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 情報なし。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3018 | |||
国連品名 | ORGANOPHOSPHORUS PESTICIDE, LIQUID, TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | I | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法、道路法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 毒物及び劇物取締法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | - | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条)【1の10 O−エチル=S,S−ジプロピル=ホスホロジチオアート及びこれを含有する製剤】 劇物(指定令第2条)【13の3 O−エチル=S,S−ジプロピル=ホスホロジチオアート5%以下を含有する製剤】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 エトプロホス】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 殺虫殺菌剤(有機リン系)(液体)(毒性のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)【【国連番号】3018 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |