1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 酸化鉛 (K) (別名:リサージ) (Lead(K) oxide) (Litharge) | ||
製品コード | H29-B-108 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 無機顔料、絵具、塩ビ安定剤原料、固体潤滑剤、合成ゴム加硫促進剤、ガラス原料、バッテリー、ガラス・陶磁器用ワニス原料、放射線しゃ断剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分1A | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、腎臓) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (血液系、神経系、心血管系、腎臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (長期間) | 区分4 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 中枢神経系、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、神経系、心血管系、腎臓の障害 長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 酸化鉛 (K) | ||
別名 | リサージ 酸化鉛黄 ピグメントエロー46 C.I.77577 | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | OPb (223.2) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 1317-36-8 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-527 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師の診断を受ける。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。多量の水を飲ませる。医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:血液、骨髄、中枢神経系、末梢神経系、腎臓に影響を与え、貧血、脳症(痙攣など)、末梢神経疾患、胃痙攣、腎障害を生じることがある。人で生殖・発生毒性を引き起こす。 経口摂取:腹痛、吐き気、嘔吐 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診が必要である。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 周辺の火災時:全ての消火薬剤の使用可 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(有毒粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた物質を容器内に掃き入れる。 湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 この物質を環境中に放出してはならない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10.安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること(毒劇物)。 食品や飼料、混触危険物質から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 鉛として0.05 mg/m3 (鉛及びその化合物) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 0.03 mg/m3 (鉛及び鉛化合物 (Pb として,アルキル鉛化合物を除く) ) | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA:0.05 mg/m3 (BEI) (Lead and inorganic compounds, as Pb) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 局所排気又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全眼鏡を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 情報なし | ||
臭い | 情報なし | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 8〜9 (GESTIS (2017)) | ||
融点・凝固点 | 887℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 1,472℃ (HSDB (2017)) | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 不燃性 (ICSC (J) (2002)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 情報なし | ||
蒸気密度 | 情報なし | ||
比重(相対密度) | 9.64 g/cm3 (HSDB (2017)) | ||
溶解度 | 0.017 g/L (20℃) (HSDB (2017)) 水、アルコールに不溶。酢酸、希硝酸、水酸化アルカリの温溶液に可溶 (HSDB (2017)) 塩化アンモニウムに可溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 情報なし | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | アルミニウム粉末と激しく反応する。加熱すると、有毒なヒュームを生じる。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | アルミニウム粉末、過酸化水素、強酸化剤、酸 | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱すると、有毒なヒュームを生じる。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分外 ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分外 ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 区分外 ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、> 5.05 mg/L (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分外 ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404準拠) で、0.5 gの本物質を4時間半閉塞適用した結果、試験動物3匹ともに刺激スコアが0で刺激性なしとの記載 (HSDB (Access on August 2017)) から、区分外とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は 眼刺激性 | GHS分類: 区分外 ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) で、0.1gの本物質を72時間適用した結果、適用1時間後に1匹に軽度の発赤を生じたが、24及び72時間後には試験動物3匹ともに刺激性を認めず刺激性なしとの報告 (HSDB (Access on August 2017)) から、区分外とした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406準拠) で、惹起から24時間及び48時間後において感作群10匹に皮膚反応はなく陽性反応率は0%で本物質に皮膚感作性はないとの報告 (HSDB (Access on August 2017)) があるが、その他の動物試験やヒトでの情報が得られなかったため、分類できないとした。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 本物質の情報はないが、無機鉛化合物の情報に基いて分類した。In vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いる染色体異常試験、ラットの骨髄細胞を用いる小核試験で陽性、マウスの骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性の結果があるが、陰性結果も散見される(IARC 87 (2006)、ATSDR (2007)、NICNAS (2007))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、小核試験で陽性結果があるが、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、小核試験、染色体異常試験で陰性結果も散見される(IARC 87 (2006)、ATSDR (2007)、NICNAS (2007))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。なお、旧分類では鉛化合物のヒト職業ばく露に関する報告、疫学調査結果に関する記載があるが、本分類では区分を付けるのに十分な情報ではないため使用しなかった。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分2 本物質自体のヒトでの発がん性に関する情報はなく、実験動物での知見も限定的である。すなわち、本物質粒子を雄ラットに平均 5.3 mg/m3 の濃度で1年間吸入ばく露した試験では、肺に腫瘍は認められず、腎臓がんが1/50例にみられただけであった (IARC 87 (2006))。また、本物質1 mg、又は本物質とベンゾ[a]ピレンの混合物1 mg、又はベンゾ[a]ピレン1 mgをハムスターに週1回10週間気管内投与し、60週後に剖検した試験では、本物質とベンゾ[a]ピレンの混合投与では肺 (主に細気管支肺胞上皮領域) に腺腫又は腺がんの発生増加がみられ、本物質単独投与群では肺胞上皮過形成及び扁平上皮化生が、ベンゾ[a]ピレン単独投与群では肺にごく軽度の影響がみられただけであり、著者らは本物質はハムスター肺の細気管支肺胞上皮領域にベンゾ[a]ピレンと共発がん性作用を示すと結論した (IARC 87 (2006))。以上の報告以外に本物質の発がん性に関する情報はないと判断された。 | ||
しかし、IARCは酢酸鉛、塩基性酢酸鉛、リン酸鉛などの動物試験データから、無機鉛化合物は経口投与で主に腎臓がんを誘発するとして、無機鉛化合物の発がん性に関して、ヒトの証拠は限定的であるが、実験動物では十分な証拠があり、無機鉛化合物をグループ2Aに分類した (IARC 87 (2006))。一方、日本産業衛生学会はIARCが2Aとした根拠データは経口経路での主に腎臓がんに基づく結果であり、経気道経路の試験データは上記の酸化鉛 (本物質) のデータ1件のみで発がんは観察されておらず、経気道ばく露による疫学データも胃がん、肺がんが主で、腎臓がんは多くない。また、有意でない結果もあり、有意なものも他の発がん要因の十分な検証が行われているとは言えない。すなわち、疫学研究の証拠は限定的、動物実験の結果は不十分として、鉛及び鉛化合物に対する1991年分類結果 (第2群B) を変更せず、鉛及び鉛化合物 (アルキル鉛を除く) に対し第2群Bとした (産衛誌 58巻 (2016))。この他、鉛及び無機鉛化合物に対して、EPAではB2に (IRIS (1988))、ACGIHではA3に分類されている (ACGIH (7th, 2001))。 以上、IARCの分類結果を踏まえ再評価した産衛学会の鉛化合物に対する最新の分類結果を本物質にも適用することとし、本項は区分2とした。 | |||
生殖毒性 | GHS分類: 区分1A 鉛及び鉛化合物がヒトで生殖発生毒性を示す多くの証拠がある。すなわち、日本産業衛生学会によれば、NTP (2012) のレビューを引用し、鉛へのばく露による男性への影響として、蓄電池工場あるいは鉛製錬所に従事し血中鉛濃度が高い群では精子無力症、精子減少、精子の奇形の割合の増加がみられたとの複数の報告、重金属工場に勤務していた男性の鉛ばく露群では出生率が低く、特に5年以上のばく露群で出生率の低下がみられ、鉛への長期間ばく露で妊孕率の低下が生じると示唆されたとの報告などがある (産衛誌 55巻 (2013))。女性への影響としては、鉛工場に従事しばく露した女性では対照群に比べて排卵異常が高率に生じ、尿中ALA (5-アミノレブリン酸) 濃度と無月経周期との間に関連性がみられたとの報告、台湾では鉛にばく露した女性の血中鉛濃度が高くなるほど低体重児、子宮内発育遅延児のリスクが有意に増加するとの報告、臍帯血中鉛濃度が高かった群では出生児の成長過程で精神発達指数が有意に低かったが、出生後の子供の血中濃度とは無関係であったとの報告、さらに母体血中鉛濃度と胎児の成長遅延、出生時体重の低下について多くの疫学研究結果で十分な証拠があるとの報告などがある (産衛誌 55巻 (2013))。以上の疫学研究結果を基に、日本産業衛生学会は鉛及び鉛化合物を生殖毒性第1群に分類した (産衛誌 55巻 (2013))。よって、本項は区分1Aとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系、腎臓) 本物質は無機鉛化合物である。本物質の単回ばく露の情報はないが、鉛の毒性情報が参考となると考えられる。ヒトでは鉛の急性毒性症状として感情鈍麻、不穏状態、短気、注意力散漫、頭痛、筋振戦、幻覚、記憶喪失、腎障害が報告されている (産衛学会生物学的許容値の提案理由書 (2013)、ATSDR (2007)、EHC 3 (1977))。したがって、区分1 (中枢神経系、腎臓) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (血液系、神経系、心血管系、腎臓) ヒトについては、本物質に関する情報はないが無機鉛化合物の影響を基に分類することができると考える。 鉛毒性の最も敏感な標的は、発達中の神経系、血液系、心血管系及び腎臓である。しかし、生物系における鉛の複数の作用のために、鉛は体内のあらゆる系、又は器官に潜在的に影響を及ぼす可能性がある (ATSDR (2007))。 神経系への影響として、長期間のばく露後に症状が発現し、鈍さ、過敏性、注意力低下、上腹部痛、便秘、嘔吐、痙攣、昏睡及び死亡を含む。子供の鉛中毒は、成人期においても検出されうる残存認知障害を残す可能性がある。血液系への影響として、鉛は、ヘムの生合成に関与するいくつかの酵素の活性を阻害することによって血液系を変えることが知られている。心血管系への影響として、鉛労働者の研究は、鉛への長期間のばく露が脳血管疾患による死亡率の増加と関連する可能性があることを示唆している。 幼い頃に鉛中毒で入院した一般成人の研究でも同じことが判明している。腎臓への影響として、鉛は腎機能にも影響を及ぼし糸球体濾過率を変化させるとの記載がある (ATSDR (2007))。 実験動物については、マウスを用いた5ヵ月間混餌試験で区分1のガイダンス値の範囲である10 mg/kg/dayで貧血 (ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・赤血球数・白血球数減少、異常形態赤血球の増加) の報告がある (NICNAS (2007))。 以上から、区分1 (血液系、神経系、心血管系、腎臓) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 水溶解度までの濃度で急性毒性が報告されていないが、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 該当しない | |||
国連品名 | 該当しない | |||
国連危険有害性クラス | 該当しない | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | 該当しない | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 作業環境評価基準(法第65条の2第1項)(鉛及びその化合物) 鉛化合物(施行令別表第4・鉛中毒予防規則第1条第4号・昭47労働省告示91号)(鉛及びその化合物) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)(鉛及びその化合物) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)(鉛及びその化合物) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(鉛及びその化合物) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)(鉛化合物) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条)(鉛化合物) | |||
消防法 | 貯蔵等の届出を要する物質(法第9条の3・危険物令第1条の10六別表2−18・平元省令2号第2条)(酸化鉛) | |||
火薬類取締法 | 火薬類(法第2条)(酸化鉛又は過酸化バリウムを主とする火薬) | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)(鉛及びその化合物) | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)(鉛及びその化合物) | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)(鉛及びその化合物) | |||
大気汚染防止法 | 排出規制物質(有害物質) (法第2条第1項3、政令第1条)(鉛及びその化合物) | |||
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)(鉛及びその化合物を含有する特定有害産業廃棄物) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)(鉛及びその化合物(四アルキル鉛化合物を除く)) | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)(鉛及びその化合物) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |