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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
五硫化りん
作成日 2003年05月06日
改訂日 2006年02月24日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称五硫化りん (Diphosphorus pentasulfide)
製品コードR01-B-111
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限選鉱剤、医薬・農薬原料、潤滑油添加剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性可燃性固体区分1又は区分2
水反応可燃性化学品区分2
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分4
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分3(気道刺激性)
分類実施日
(環境有害性)
H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示炎感嘆符
注意喚起語危険又は警告
危険有害性情報可燃性固体
水に触れると可燃性又は引火性ガスを発生
飲み込むと有害
皮膚刺激
強い眼刺激
呼吸器への刺激のおそれ
注意書き
 安全対策熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
水と接触させないこと。
湿気を遮断し、不活性ガス下で取り扱うこと。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
気分が悪い時は医師に連絡すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管乾燥した場所で密閉容器に保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名五硫化りん
別名五硫化二リン
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)P2S5 (222.27)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号1314-80-3
官報公示整理番号
(化審法)
1-564
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時は医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入: 咳、咽頭痛
皮膚: 発赤、痛み
眼: 充血、痛み、重度の熱傷
経口摂取: 吐き気、嘔吐、腹痛
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤乾燥粉末消火剤、二酸化炭素、乾燥砂
使ってはならない消火剤
特有の危険有害性引火性。火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。水と接触すると、火災及び爆発の危険性がある。空気中で粒子が細かく拡散して、爆発性の混合気体を生じる。?
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材個人用保護具: 空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
すべての発火源を取り除く。
こぼれた物質を、ふた付きの 乾燥、密閉式容器内に掃き入れる。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
酸又は水と接触させないこと。
摩擦や衝撃を与えない。
粉じんの堆積を防ぐ。
火花防止工具を使用する。?
湿気を遮断し、不活性ガス下で取り扱うこと。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地しアースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること (毒劇物)。
乾燥した場所で密閉容器に保管すること。
換気の良い場所で保管すること。
混触危険物質から離しておく。
安全な容器包装材料消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)TLV-TWA: 1 mg/m3
TLV-STEL: 3 mg/m3
設備対策密閉系、防爆型電気設備及び照明設備を用いる。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具安全ゴーグルを着用する。?
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
黄色〜緑色 (ICSC (2004))
臭い特異臭 (ICSC (2004))
融点/凝固点285℃ (HSDB (Access on October 2019))
沸点、初留点及び沸騰範囲515℃ (HSDB (Access on October 2019))
可燃性可燃性 (ホンメル (1991))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度水:反応する (ICSC (2004))
ニ硫化炭素に可溶 (HSDB (Access on October 2019))
n-オクタノール/水分配係数該当しない
蒸気圧1 mmHg (287℃) (NFPA (14th, 2010))
密度及び/又は相対密度2.1 g/cm3 (ICSC (2004))
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性衝撃、摩擦、振動を加えると、 爆発的に分解することがある。
危険有害反応可能性水及び酸と 激しく反応し、硫化水素及びリン酸を生じる。
塩基、有機化合物及び強酸化剤と反応する。
水及び酸と 激しく反応し、硫化水素及びリン酸を生じ、火災や爆発の危険を生じる。
避けるべき条件衝撃、摩擦、振動、混触危険物質との接触
混触危険物質酸、水
危険有害な分解生成物硫化水素、リン酸

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 389 mg/kg (HSDB (Access on October 2019))
経皮【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 3,160 mg/kg (HSDB (Access on October 2019))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分2とした

【根拠データ】
(1) 本物質の主要な毒性作用は、主に加水分解物のりん酸 (CAS番号 7664-38-2) と硫化水素 (CAS番号 7783-06-4) の刺激性によるものである (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、GESTIS (Access on October 2019))。
(2) 本物質の主要な毒性作用は眼、皮膚、気道に対する刺激性である (GESTIS (Access on October 2019))。
(3) 本物質への長期間の接触は刺激性を示し、皮膚炎を生じる可能性がある (HSDB (Access on October 2019)、GESTIS (Access on October 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の主要な毒性作用は、主に加水分解物のりん酸 (CAS番号 7664-38-2) と硫化水素 (CAS番号 7783-06-4) の刺激性によるものである (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、GESTIS (Access on October 2019))。
(2) 本物質は濃度にして20 ppm から眼の粘膜や呼吸器に刺激性を示し、刺激性は濃度やばく露時間の増加に伴って増大する。また、眼に対する刺激性は羞明 (photophobia: 光感受性の増大) 及び角結膜炎 (keratoconjunctivitis)、角膜の水疱形成に特長づけられる (HSDB (Access on October 2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分3 (気道刺激性) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質の吸入ばく露の主要な影響は気道の刺激であり、気中の濃度10 mg/m3で、肺の刺激が生じる (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質の毒性作用は、主に加水分解物のりん酸 (CAS番号 7664-38-2) と硫化水素 (CAS番号 7783-06-4) の刺激性によるものである (ACGIH (7th, 2001)、GESTIS (Access on October 2019))。
(3) 本物質の主要な毒性作用は眼、皮膚、気道に対する刺激性である (GESTIS(Access on October 2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質への長期間の接触は刺激性を示し、皮膚炎を生じる可能性がある (HSDB (Access on October 2019)、GESTIS (Access on October 2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)データがなく分類できない。
水生環境有害性 (長期間)データがなく分類できない。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号1340
国連品名PHOSPHORUS PENTASULPHIDE free fromyellow or white phosphorus
国連危険有害性クラス4.3
副次危険4.1
容器等級II
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*139
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法危険物・発火性の物(施行令別表第1第2号)【2の5 硫化リン】
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【612 硫化りん】
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【612 硫化りん】
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法毒物(法第2条別表第1)【27 硫化燐】
劇物(指定令第2条)【103 硫化燐を含有する製剤】
消防法第2類可燃性固体、硫化リン(法第2条第7項危険物別表第1・第2類)【1 硫化リン】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【5 硫化リン】
航空法可燃性物質類・水反応可燃性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】1340 五硫化二リン】
船舶安全法可燃性物質類・水反応可燃性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】1340 五硫化リン】
港則法その他の危険物・可燃性物質類(水反応可燃性物質)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2ホ 五硫化リン】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用