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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
五酸化バナジウム
作成日 2003年05月06日
改訂日 2007年09月10日
改訂日 2022年03月15日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称五酸化バナジウム
化学品の英語名称Divanadium pentaoxide
製品コードR03-B-012-MHLW
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限合金鉄原料が主、触媒・感温半導体・バナジウム化合物原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分3
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分1
生殖細胞変異原性区分2
発がん性区分1B
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分1(呼吸器、肝臓、腎臓)
特定標的臓器毒性
(反復ばく露)
区分1(呼吸器)
分類実施日
(環境有害性)
ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
環境に対する有害性水生環境有害性 短期(急性)区分2
水生環境有害性 長期(慢性)区分1
GHSラベル要素
絵表示どくろ腐食性健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
吸入すると生命に危険
重篤な眼の損傷
遺伝性疾患のおそれの疑い
発がんのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
呼吸器、肝臓、腎臓の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害
水生生物に毒性
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。
 応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
口をすすぐこと。
漏出物を回収すること。
 保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名五酸化バナジウム
慣用名又は別名五酸化二バナジウム
酸化バナジウム(V)
英語名Divanadium pentaoxide
Vanadic anhydride
Vanadium oxide; Vanadium pentoxide
Vanadium(V)oxide
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)O5V2 (181.88)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号1314-62-1
官報公示整理番号(化審法)1-559
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
医師の診察/手当てを受けること。
医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合皮膚を速やかに洗浄すること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
口をすすぐこと。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入した場合:咽頭痛、咳、灼熱感、息切れ、息苦しさ、喘鳴。
眼に入った場合:痛み、発赤、結膜炎。
皮膚に触れた場合:発赤、灼熱感、痛み。
飲み込んだ場合:灼熱感、腹痛、頭痛、下痢、吐き気、嘔吐、胃痙攣。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤不燃性。周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災によって刺激性、又は毒性のガスを発生するおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
環境に対する注意事項環境中に放出してはならない。
漏出物を回収すること。
封じ込め及び浄化の方法及び機材危険でなければ漏れを止める。
二次災害の防止策情報なし

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策取扱い後は手をよく洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度0.03 mg/m3
許容濃度等
日本産衛学会(2021年版)許容濃度: 0.05 mg/m3
ACGIH(2022年版)TLV-TWA: 0.05 mg/m3 mg/m3(I; Inhalable particulate matter)
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
作業場では全体換気を行う。
設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。
保護具
呼吸用保護具作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。
防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。
-酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。
-防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
黄色〜赤褐色
臭いデータなし
融点/凝固点690 ℃(GESTIS(2021))
681 ℃(PubChem(2021))
沸点、初留点及び沸騰範囲加熱分解する(GESTIS(2022))
可燃性不燃性(ICSC(1999))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点データなし
自然発火点データなし
分解温度1750 ℃(Lewis(2001))
≧700 ℃(GESTIS(2021))
pHca.4(GESTIS(2021))
2.7(PubChem(2021) )
動粘性率データなし
溶解度水: 0.8 g/100mL(ICSC(1999))
水にわずかに溶ける(GESTIS(2021))
アルコールに可溶(PubChem(2021))
n-オクタノール/水分配係数データなし
蒸気圧Ca.0 mm Hg(68°F)(PubChem(2021))
密度及び/又は相対密度3.35 g/cm3(25°)(GESTIS(2021))
3.357 (18℃)(Lewis(2001))
3.654 27.1℃(PubChem(2021))
相対ガス密度データなし
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性安定な化合物。
危険有害反応可能性不燃性。加熱すると有毒なフュームを生じる。加熱分解する。有毒なフュームを生じる。可燃性物質と反応する。1750℃で分解する。
過ギ酸との接触による爆発の危険性。この物質はリチウム、酸、カルシウム/硫黄/水、三フッ化塩素、発火しやすい物質、酸化しやすい物質、硫黄と危険な反応を起こす可能性がある。
避けるべき条件
混触危険物質過ギ酸、イオウ、アルミニウム、マグネシウム、鉄粉、ナトリウム、ジエチルエーテル、エチレングリコール、リチウム、カルシウム+水(条件により激しい発火の危険性)
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(7)より、有害性の高い区分を採用し、区分3とした。なお、本物質は形態により区分が異なる場合がある。新たな知見に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラット(雄)のLD50(analytical grade pulverised):474.2 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2019))
(2)ラット(雌)のLD50(analytical grade pulverised):466.9 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2019))
(3)ラット(雄)のLD50(technical grade fused):715.7 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2019))
(4)ラット(雌)のLD50(technical grade fused):658.4 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2019))
(5)ラットのLD50(technical grade pulverised):267.5 mg/kg(雄:313.8 mg/kg、雌:221.1 mg/kg)(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2019)、ECHA RAC Opinion (2020))
(6)ラット(雄)のLD50:314〜716 mg/kg(OECD TG 401)(AICIS IMAP (2016))
(7)ラット(雌)のLD50:221〜658 mg/kg(OECD TG 401)(AICIS IMAP (2016))
経皮【分類根拠】
(1)より区分に該当しない。なお信頼性の高いデータを採用し、区分を決定した。新たな知見に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)3件の試験におけるラットのLD50:> 2,500mg/kg (OECD TG 402、GLP)(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2016))

【参考データ等】
(2)ウサギのLD50:50 mg/kg(MOE初期評価 (2013)、AICIS IMAP (2016))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1)〜(7)より、有害性の高い区分を採用し、区分2とした。なお、本物質は形態により区分が異なる場合がある。新たな知見に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:1.88〜2.75 μm):0.25 mg/L(GLP)(CLH Report (2019)、ECHA RAC Opinion (2020))
(2)ラット(雄)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:3.0〜3.9 μm):11.09 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
(3)ラット(雌)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:3.0〜3.9 μm):4.29 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
(4)ラット(雄)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:10.5 μm):16.19 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
(5)ラット(雌)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:10.5 μm):4.04 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
(6)ラット(雄)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:2.9 μm):4.40 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
(7)ラット(雌)のLC50(4時間、粉塵、粒径中央値:2.9 μm):2.21 mg/L(GLP)(CLH Report (2019))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)In vitro皮膚刺激性試験(OECD TG 439相当、GLP)において、細胞生存率は88.2%であったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2021))。
(2)本物質を1、2、10%含むワセリン混合物を投与したボランティア100人のパッチテストにおいて、皮膚刺激はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。

【参考データ等】
(3)本物質は眼、皮膚、気道を刺激し、高濃度を吸入すると肺水腫、気管支炎、気管支痙攣を引き起こすことがある。皮膚に付くと発赤や灼熱感、痛み、眼に入ると痛み、発赤、結膜炎を生じる(MOE 初期評価 (2013))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP)において、眼損傷の重篤性から試験は5日目又は6日目に中止され、回復性はみられなかった(角膜混濁スコア:2/2.7/2.7、虹彩炎スコア:1.3/2/1.7、結膜発赤スコア:2.3/3/3、結膜浮腫スコア:2/2/2)との報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2021))。
(2)本物質のダスト又はフュームをばく露した作業者の眼に結膜炎と灼熱感を生じたとする多くの報告がある(AICIS IMAP (2016))。

【参考データ等】
(3)本物質は眼、皮膚、気道を刺激し、高濃度を吸入すると肺水腫、気管支炎、気管支痙攣を引き起こすことがある。皮膚に付くと発赤や灼熱感、痛み、眼に入ると痛み、発赤、結膜炎を生じる(MOE 初期評価 (2013))。
呼吸器感作性【分類根拠】
(1)〜(4)より、本物質ばく露による呼吸器症状は気道刺激性によるものと考えられていることから、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)サルに(n= 8又は9匹/群)本物質を26週間吸入ばく露(濃度:0.1又は1.1 mg/m3を隔日、0.5 mg/m3を毎日、6時間/日、5日/週)後の肺機能検査では、いずれのばく露濃度でも対照群と比較し、誘発刺激に対する肺機能反応は増加せず、逆に減少傾向がみられた。ばく露前の本物質誘発刺激(0.5及び3mg/m3)後の急性影響として、濃度依存的な肺機能障害(気道閉塞性変化:気道抵抗の増加と流量の減少)がみられた。気管支肺胞洗浄液から回収した気道細胞の分析から、肺への炎症性細胞の流入を伴う気道障害がみられた。IgGとIgEの分析結果からはアレルギー性感作性は示唆されなかった。以上から、ばく露後にみられた影響も気道感作性を示唆する影響ではなく気道刺激性によるものと考えられた(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019))。
(2)本物質にばく露された作業者を対象とした横断的な症例対照研究において、自己申告による主観的な気道刺激が明らかな炎症の徴候とともにみられた。しかし、ばく露群には好酸球数の有意な変化が示されず、これらの影響はアレルギーに関連したものではないと考えられた(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019))。
(3)南アフリカのバナジウム工場の限られた人数の作業者を対象とした症例対照研究において、ばく露群で呼吸症状(咳、呼吸困難)がみられたが、対照群との間にIgEレベルの有意差はみられなかった(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019))。
(4)動物試験データとヒトの疫学研究データから、本物質の呼吸器感作性は確認できない(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2019))。
皮膚感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)〜(4)より、旧分類の根拠とした優性致死陽性試験は信頼性に問題があることから区分2と判断した。なお、新たな評価に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験(腹腔内投与、8.5 mg/kg、60日間(3日おきに投与))、マウスを用いた複数臓器(肺、腎臓、脾臓、心臓、肝臓、骨髄)又は精巣を用いた2つのコメットアッセイ(単回腹腔内投与、5.75〜23 mg/kg)で陽性、ラットの末梢血を用いた経口(強制経口投与、30〜120mg/kg)及び吸入(1〜16mg/m3、3ヵ月間)の2経路による小核試験、マウスの肺組織を用いた遺伝子損傷試験(吸入ばく露、0.1〜1mg/m3、16日間)、遺伝子改変マウスを用いた遺伝子突然変異試験(吸入ばく露、0.1、1 mg/m3、4ないし8週間)で、いずれも陰性の結果であった(CLH Report (2019)、ECHA RAC Opinion (2020))。
(2)In vitroでは、ヒト末梢血リンパ球細胞及びチャイニーズハムスター V79 細胞を用いた小核試験で陽性、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性、マウスリンパ腫細胞L5178Y及びチャイニーズハムスター V79 細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性、シリアンハムスター胚細胞を用いた小核試験で陰性の結果が得られている。この他、ヒト鼻上皮細胞とヒトリンパ球を用いたコメットアッセイでは、リンパ球で陽性、鼻粘膜上皮で陰性、ヒト初代リンパ球を用いた異数性誘発試験において、紡錘装置の微小管の崩壊、チューブリンの重合阻害などがみられた(CLH Report (2019)、ECHA RAC Opinion (2020))。
(3)CLP分類提案者は現行の Category Muta. 2から1Bへの引き上げを提案した。優性致死試験で陽性の結果は非生理的ばく露経路である腹腔内投与で実施された。腹腔内投与が全身ばく露量を過剰に最大化するという批判があるとしても、閾値の存在を示す特異的な証拠がない限り、変異原性に対する閾値は存在しないというのが一般的な認識である。また、腹腔内投与で実施されたコメットアッセイでは、雄マウスの精巣で陽性の結果を示した。吸入ばく露によるin vivo小核試験と腹腔内投与によるin vivoコメットアッセイでは、体細胞陽性の結果も得られた。実験動物を用いた試験において、48Vで放射性標識(48V)された5価及び4価のバナジウム化合物が気管内ばく露後に精巣に分布したこと、並びに吸入又は経口ばく露後に精巣内バナジウム濃度の増加がみられたことに注目した(CLH Report (2019))。
(4)本物質は、マウスのin vivo生殖細胞変異原性試験(優性致死試験)で陽性が1つ報告された。同様に生殖細胞変異原性の知見として、精巣細胞に対するコメットアッセイで陽性の結果が示された。同一著者らによるもう一つの報告として、様々な組織におけるコメットアッセイでの陽性の結果も報告された。これらの試験はすべて反復腹腔内投与により実施され、試験実施管理や報告の面でいくつか欠陥があり、試験の信頼性に疑問がある。また、腹腔内投与では局所の腹腔と精巣に適用した物質が結果として高濃度になることが知られている。生理的ばく露経路(経口又は吸入)を用いた質の高い体細胞in vivo試験は概して陰性であった。RACは(3)のMuta.1Bへの引き上げを認めず、Muta. 2の保留を結論した。(ECHA RAC Opinion (2020))。

【参考データ等】
(5)EU CLP分類での評価に際しては、個別の試験データについて信頼性評価を行い、信頼性ランク(Klimishスコア)が1又は2のデータのみが評価の対象とされる。
(6)EU CLP分類はMuta. 2である(CLP分類結果 (Accessed November 2021))。
発がん性【分類根拠】
(1)〜(2)より、動物種1種(マウス)ではあるが信頼性のある試験で雌雄ともに悪性を含む腫瘍の増加が認められ、動物実験において発がん性の十分な証拠があると考えられることから区分1Bとした。なお、新たな評価に基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた2年間吸入ばく露(0.5〜2 mg/m3、6時間/日、5日/週)による発がん性試験において、雌雄とも肺腫瘍に統計学的に有意な増加は認められなかった。しかし、雄は肺胞-細気管支腺腫、肺胞-細気管支がん、肺胞-細気管支腺腫とがんの合計に背景データの範囲を超える発生頻度の増加がみられ、発がん性のある程度の証拠があると判定された。雌では低濃度群の肺胞-細気管支腺腫に背景データの範囲を超える発生頻度の増加がみられたが、肺腫瘍全体の発生頻度は背景データの範囲内であり、発がん性の不確かなの証拠であると判定された(IARC 86 (2006)、AICIS IMAP (2016)、CLH Report (2019)、NTP TR507(2002))。
(2)マウスを用いた2年間吸入ばく露(1〜4 mg/m3、6時間/日、5日/週)による発がん性試験において、雌雄とも肺腫瘍(肺胞-細気管支腺腫、肺胞-細気管支がん、肺胞-細気管支腺腫とがんの合計)の発生頻度の有意な増加が認められ、雌雄とも発がん性の明らかな証拠があると判定された(IARC 86 (2006)、AICIS IMAP (2016)、CLH Report (2019)、NTP TR507(2002))。
(3)国内外の評価機関における既存分類結果としては、本物質に対してIARCでグループ2Bに(IARC 86 (2006))、日本産業衛生学会で第2群Bに(産衛学会許容濃度等の勧告 (2020):2015年提案)、ACGIHでA3に(ACGIH (2009):2005年提案)それぞれ分類されている。また、EUは本物質のCLP分類としてCarc. 1Bに分類見込みである(ECHA RAC Opinion (2020))。この他、DFGでバナジウム及びその化合物に対してMAKカテゴリー2(GHS区分2相当)に分類に分類されている(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Nov. 2021))。

【参考データ等】
(5)分類に利用可能なヒトのデータはない(ECHA RAC Opinion (2020))。
(6)(3)で得られたマウス肺腫瘍から採取したサンプルを用いて、K-ras変異を調べた結果、肺胞-細気管支がんの40サンプル中29サンプル(73%)にK-rasの変異が同定された(背景データ:30%)(ECHA RAC Opinion (2020))。
(7)(3)で得られたマウス肺腫瘍から採取したサンプルを用いた作用機序検討実験において、全MAPK (mitogen activated protein kinase)の発現レベルは正常肺と肺がん部位との間で差はなかったが、Phospho-MAPKは肺がんサンプル5/6検体で上昇していた。この5検体中K-ras変異と6番染色体のヘテロ接合性の消失が4/5検体に検出された。K-ras変異のないがん組織と正常な肺組織ではphospho-MAPKは検出されなかった(ECHA RAC Opinion (2020))。
生殖毒性【分類根拠】
(1)、(2)より、妊娠期ばく露による発生異常が示唆されることから、区分2とした。なお(3)〜(4)でみられた影響は、二次的影響と判断した。また(5)〜(6)は非生理的経路(腹腔内投与)による試験データであることから分類に用いなかった。(7)、(8)から、授乳影響が懸念されるが、児への有害影響についての情報が不足している。新たな情報源を利用し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6〜15日、1〜18 mg/kg/day)において、母動物に体重増加抑制がみられる用量で胎児に骨格異常、体重・体長の低値がみられたとの報告がある(AICIS IMAP(2016))。
(2)メタバナジン酸アンモニウム(CAS番号7803-55-6)の妊娠ハムスターを用いた腹腔内投与による発生毒性試験(妊娠5〜10日、0.47〜3.75 mg/kg)において、最低用量から骨格異常(軽微な異常)の有意な増加がみられた。また、有意差はないが髄膜瘤、複数の外表異常を有する1胎児、奇形妊娠例がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。

【参考データ等】
(3)ラットを用いた90日間吸入ばく露試験において、8 mg/m3以上で雌に性周期の延長、及び発情休止期の頻度の増加が認められた。16 mg/m3では雄に精巣の低精子症、精巣上体の異形細胞が認められたが、この用量では雄7/10例が死亡しており、二次的影響の可能性があるとの報告がある(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR507(2002))。
(4)マウスを用いた90日間吸入ばく露試験において、8 mg/m3以上で雄に精巣上体精子の運動能低下がみられた(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2016))。
(5)雄マウスに本物質8.5 mg/kgを3日おきに60日間腹腔内投与後に非ばく露雌と交配させた優性致死試験において、投与群で受胎率の低下、精子質の低下(数・運動能・形態)、着床部位数の減少、母体当たりの吸収数の増加、生存胎児の減少・死亡胎児の増加がみられたとの報告がある(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR507(2002))。
(6)雄モルモットを用いた単回又は反復腹腔内投与試験において、精子運動能の低下、精子数の減少、精子形態の変化に加え用量依存的な精子形成能低下、反復投与では精原細胞の減少、精巣精細管の変化又は崩壊等がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。
(7)放射性バナジウム(48V)で標識した本物質を分娩後2日目の母ラットに単回腹腔内投与(0.1μg/匹)したトキシコキネティクス実験において、投与2日後の母体の乳汁中には34 ng/kgのバナジウム(V)が検出された。投与2日後の児動物の腸内の48Vは主に低分子量の化学形態で存在していたが、2週間後にはその量は19%に減少し、その80%は高分子画分に結合していた。低分子画分の48Vは容易に吸収・移動しやすい形態であったと推定された。組織中48V濃度は哺乳中ラット(投与10日後)では離乳ラット(投与18日後)より高値を示した。最高の放射能レベルは腸、肝臓、腎臓で検出されたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020))。
(8)(7)より、授乳中の母ラットの乳汁中へバナジウムが排泄され、哺乳児がそれを取込み非ばく露の児動物よりも組織中バナジウムが高いレベルを示した。また、乳汁を介してバナジウムにばく露されることにより生じる有害影響として、メタバナジン酸ナトリウム(CAS番号 13718-26-8)を授乳中のラットに投与した試験で、児動物に神経毒性影響を示唆する4つの試験成績がある。これらはいずれも1用量のみ、腹腔内投与、記述不十分など制限があるが、これらを併せ考えると授乳影響の可能性が懸念される。腹腔内投与は生殖発生影響の評価には適切なばく露経路でないが、哺育児が乳汁を介してばく露される授乳影響の場合、有効なデータがない場合には受容可能である。RACはCLP分類提案者の授乳影響(Lact.)の追加提案を支持したとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020))。
(9)EU CLP分類ではRepr. 2に分類されている(Accessed Nov. 2021)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(5)より、区分1(呼吸器、肝臓、腎臓)とした。

【根拠データ】
(1)本物質は眼、皮膚、気道を刺激し、高濃度を吸入すると肺水腫、気管支炎、気管支痙攣を引き起こすことがある。吸入すると咽頭痛、咳、灼熱感、息切れ、息苦しさ、喘鳴を生じる(MOE初期評価 (2013))。
(2)本物質粉塵に様々な濃度でばく露された作業者18人についての調査で、最も重度のばく露を受けた男性3人では喉の症状(痛み、乾性咳)を発症した。3日目の検査で喉の重度の炎症、強い持続性の咳がみられたが、喘鳴もラ音も認められなかった。3日間のばく露中止期間の後、作業再開後に呼吸器保護具を装着したにもかかわらず、以前よりも強い症状が0.5〜4時間以内に生じた。過去に事務所や研究所に配属されていた人を含め作業者18人全員が作業工程に入った後、2週間後には発症し鼻咽頭炎、空咳、喘鳴など様々な程度の症状を発症した(CICAD 20 (2001))。
(3)ラットを用いた3つの単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、嗜眠、運動失調(運動の制御能喪失)、呼吸困難(息切れ)、流涙、下痢、昏睡がみられ、LD50値の範囲は雄で314〜716 mg/kg(区分2の範囲)、雌で221〜658 mg/kg(区分1〜区分2の範囲)であったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。
(4)ラットを用いた単回経口投与試験において、組織学的検査で肝細胞の壊死と腎尿細管の混濁腫脹がみられ、LD50は86〜137 mg/kg(区分1の範囲)であったとの報告がある(CICAD 20 (2001))。
(5)サルを用いた単回吸入ばく露試験(6時間)において、5.0 mg/m3(4時間換算:0.075 mg/L、区分1の範囲)で肺機能障害(中枢及び末梢気道における流量の抑制及び減少、気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞(多形核細胞)の増加)がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分1(呼吸器)とした。なお旧分類で採用した肝臓への影響は、list外の文献に記載されている所見であることから分類に採用しなかった。ガイダンスに基づき分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1)本物質を製造するフィンランド企業の作業者63人の集団を対象とした疫学調査において、ばく露群(平均ばく露期間は11年間、平均ばく露濃度0.36〜0.89 mg V2O5/m3)と対照群を比較した結果、ばく露群は上気道の様々な症状を訴え、対照群と差異のある所見として、鼻スメア中の好中球数の増加、鼻粘膜サンプル中の形質細胞数の有意高値がみられた。2つ目の疫学研究では、X線解析では肺の換気パラメータに関して差はみられなかったが、気道刺激(喘鳴)が確認され、本物質への職業ばく露後の主な標的器官が呼吸器であることが確認された(CLH Report (2019)、MOE 初期評価 (2013))。
(2)ラットを用いた90日間反復吸入(粉塵)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、2 mg/m3以上(ガイダンス値換算:0.0014 mg/L、区分1の範囲)で肺の組織変化(上皮の過形成、炎症等)、4 mg/m3以上(ガイダンス値換算:0.0029 mg/L、区分1の範囲)で肺機能の変化(肺のコンプライアンス低下、呼吸測定値の変化、一酸化炭素拡散能の低下、静的/動的肺容量の減少、過剰流速)、鼻腔の組織変化(呼吸上皮の過形成・扁平上皮化生等)がみられたとの報告がある(CLH Report (2019)、MOE 初期評価 (2013)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR507 (2002))。
(3)マウスを用いた90日間反復吸入(粉塵)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、2 mg/m3以上(ガイダンス値換算:0.0014 mg/L、区分1の範囲)で肺の影響(炎症、上皮の過形成)がみられたとの報告がある(CLH Report (2019)、MOE 初期評価 (2013)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR507 (2002))。
(4)ラット及びマウスを用いた104週間反復吸入(粉塵)ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、ラットでは0.5 mg/m3以上(ガイダンス値換算:0.00036 mg/L、区分1の範囲)で肺(肺胞・細気管支の過形成、肺胞における組織球の浸潤等)、喉頭(慢性炎症、喉頭蓋の呼吸上皮の変性・過形成等)、鼻腔(呼吸上皮の杯細胞過形成)への影響がみられ、マウスでは1 mg/m3以上(ガイダンス値換算:0.00072 mg/L、区分1の範囲)で肺(肺胞・細気管支の過形成、慢性炎症、肺胞における組織球の浸潤等)、喉頭(喉頭蓋の呼吸上皮の扁平上皮化生)、鼻腔(呼吸上皮の硝子変性・扁平上皮化生等)への影響がみられたとの報告がある(CLH Report (2019)、MOE 初期評価 (2013)、AICIS IMAP (2016)、NTP TR507 (2002))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)魚類 (メダカ) での96時間LC50 = 4.46 mg/L (環境省リスク評価第11巻, 2013) より、区分2とした。
水生環境有害性 長期(慢性)無機化合物につき、水中での動態は不明であるが、魚類(キプリノドン)のF1世代NOEC = 0.073 mg/L (環境省リスク評価第11巻, 2013) であることから、区分1とした。
残留性・分解性化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
生態蓄積性化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性))
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。
国際規制
国連番号2862
品名(国連輸送名)五酸化バナジウム
国連分類6.1
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*151
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、5号)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
労働基準法疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)
大気汚染防止法有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)
船舶安全法毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」