化学品の名称 | トリシクロヘキシルすず=ヒドロキシド | ||
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化学品の英語名称 | Tricyclohexylstannanol | ||
製品コード | R05-B-004-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 殺虫剤(販売禁止農薬) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | |
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(肝臓)、区分2(呼吸器、腎臓) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H19.3.30、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 吸入すると生命に危険 皮膚刺激 重篤な眼の損傷 呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、腎臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 吸入した場合:直ちに医師に連絡すること。空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | トリシクロヘキシルすず=ヒドロキシド | ||
慣用名又は別名 | トリシクロヘキシルスタンナノール トリシクロヘキシルスズヒドロキシド トリシクロヘキシルヒドロキシスズ 水酸化トリヘキシルスズ シヘキサチン | ||
英語名 | Tricyclohexylstannanol | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C18H34OSn (385) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 13121-70-5 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-3425 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 1-(2)-69 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は、人工呼吸を行う。被害者が物質を摂取または吸入した場合は、口対口蘇生を行わない。医師に連絡すること。 以上、ERG参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。直ちに皮膚に付着した部分を多量の流水/石けんで少なくとも20分間洗浄する。医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果、ERG参照。 | ||
眼に入った場合 | 直ちに流水で少なくとも20分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果、ERG参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。無理に吐かせない。直ちに医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果、ERG参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素。大規模火災には水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消火薬剤。 以上、ERG参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(亜硝酸ガス;窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。 以上、ERG参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 こぼれた物質を密閉式容器内に掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 粉塵の拡散を防ぐ。 この物質を環境中に放出してはならない。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 換気が不十分な場合は呼吸用保護具を着用すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。粉じんの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規及び毒劇法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | TLV-TWA: 5 mg/m3 (I)(A4) | |||
設備対策 | 密閉化された設備または局所排気装置を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 −酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 −防じんマスクは、国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 適切な不浸透性の保護手袋を着用する。 保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 以上、PubChem参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 | ||
色 | 無色〜白色 | ||
臭い | ほぼ無臭 | ||
融点/凝固点 | 195〜198 ℃(Merck(2013)、Lewis(2001) 195〜196 ℃(HSDB in PubChem(2023)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 1 mg/L(20℃)(GESTIS(2023)) 水: <1 mg/L(25℃)(HSDB in PubChem(2023)) アセトン/クロロホルム/エタノール: 1.3/216/37 g/kg(25℃)(HSDB in PubChem(2023)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 5.39(GESTIS(2023)) | ||
蒸気圧 | 約 0 mmHg(HSDB in PubChem(2023)) | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 紫外線にさらされると劣化する。 | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、刺激性の煙とフュームを発生する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、紫外線 | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、区分3とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:275 mg/kg(ACGIH (2001)) (2)ラットのLD50:雄:501 mg/kg、雌:265 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (1994)) (3)ラットのLD50:雄:425 mg/kg、雌:274 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (4)ラットのLD50:雄:407 mg/kg、雌:411 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (5)ラットのLD50:540 mg/kg(EHC 15 (1980)、ACGIH (2001)) (6)ラットのLD50:雄:599 mg/kg、雌:654 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (1994)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:雄:7,600 mg/kg、雌:3,600 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (2)ラットのLD50:雄、雌:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005)、EPA OPP TRED (2005)) (3)ウサギのLD50:雄、雌:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、区分1とした。なお(1)〜(3)は、農薬等の登録申請用データで標準的な4時間ばく露と判断した。新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50:雄:0.02 mg/L、雌:0.04 mg/L(食安委 農薬評価書 (2013)) (2)ラットのLC50:雄、雌:0.02 mg/L(食安委 農薬評価書 (2013)) (3)ラットのLC50:雄、雌:0.016 mg/L(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005)) (4)ラットのLC50:0.244 mg/L(ACGIH (2001)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(2)より、区分2とした。ただし、個体別のスコアが得られていないこと、観察期間が短いことから、細区分はしなかった。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(24時間適用)において、紅斑及び浮腫がみられ、72時間以内に回復しなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、重度の刺激性がみられたとの報告がある(JMPR (2005))。 【参考データ等】 (3)本物質の親化合物であり、本物質と同様の毒性作用を示すと考えられるアゾシクロチン(CAS登録番号:41083-11-8)は、ウサギの皮膚に対し腐食性を示す(食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において、重度の結膜炎、中等度の角膜傷害及び軽微な虹彩炎がみられ、14日以内に回復しなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜の発赤・浮腫がみられ、投与2日後に眼球が混濁し、動物はと殺されたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモットを用いたBuehler試験において、感作性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR(2005)、ACGIH (2001))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた2つの小核試験(単回腹腔内投与(最高6 mg/kg)、及び単回強制経口投与(最高180 mg/kg))で、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験及びCHO細胞(Hgprt遺伝子座)を用いた前進遺伝子変異試験で陰性の報告がある。チャイニーズハムスター卵巣由来(CHO)細胞(Xprt遺伝子座)を用いた前進遺伝子変異試験では陽性(S9+)又は擬陽性(S9-)、CHO細胞を用いた染色体異常試験でも擬陽性と判定される結果が得られた(食安委 農薬評価書 (2013))。 (3)CHO細胞を用いたXprt 遺伝子を指標とした遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験において疑陽性であったが、Hgprt 遺伝子を指標とした遺伝子突然変異試験及びin vivo マウス小核試験においては陰性であったことから、本物質は生体において問題となる遺伝毒性はないと考えられた(食安委 農薬評価書 (2013))。JMPRも本物質はin vivoでは遺伝毒性を示さないと考えられると結論した(JMPR (2005))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、実験動物2種の試験結果からは本物質の発がん性を確定できないため分類できない。また、(4)より、国内外の評価機関による既存分類からも区分を判定する情報は得られない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2年間混餌投与による3つの発がん性試験のうちの1試験において、180 ppm (12.2 mg/k/day)投与群の雌で肝細胞腺腫の発生頻度の増加がみられた。同群の雄及び他試験の雌雄には発がん性の証拠は示されなかった(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (2)マウスを用いた2年間混餌投与による発がん性試験では、雄の高用量群(6 mg/kg/day)で死亡率増加と体重減少が認められたが、腫瘍の発生増加は認められなかった。雌は高用量まで毒性影響は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (3)(2)では、雄の高用量群(6 mg/kg/day)でみられた死亡率増加と体重減少が雌では全く認められなかった。したがって、雌では最高用量まで全身影響が欠如していることから、EPAはマウスの試験は用量不足のため発がん性試験の要求基準を満たさないと判断し、発がん性分類はI(Inadequate For An Assessment Of Human Carcinogenic Potential)と結論づけた(EPA OPP TRED (2005))。 (4)国内外の評価機関による既存分類としては、EPAでI (EPA OPP Annual Cancer Report (2022))、ACGIHでA4に (ACGIH (2001)) 分類されているだけである。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、ウサギの試験における胎児での水頭症発生が本物質の発生毒性影響によるものであるか不明確であるため、分類できない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)妊娠ウサギ(オランダNZW)を用いた強制経口投与による2つの発生毒性試験(最大3 mg/kg/day、妊娠7〜19日)、及び、経皮投与(経口投与と同一ロット)による発生毒性試験では、胎児に水頭症及び/又は脳室拡張の発生頻度の増加がみられた。しかし、異なるロットの本物質を用いた別系統(チャールスリバーNZWなど)のウサギの複数の発生毒性試験では、水頭症及び/又は脳室拡張は全く発現しないか、かなり高用量でのみ低頻度にみられるだけであると判明した(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005)、EPA OPP TRED (2005))。 (2)(1)より、EPA OPP TREDは本物質について、発生毒性を有すると評価した(EPA OPP TRED (2005))。 (3)(1)について、食安委は異なる亜系統のウサギで水頭症の発現頻度が大きく異なることから、この影響は検体投与の影響ではなく、2試験における水頭症の増加は、母体毒性(体重増加抑制)による二次的なものである可能性があると評価した(食安委 農薬評価書 (2013))。 (4)(1)について、2試験でみられた水頭症はNZWウサギの亜系統によるユニークな高感受性と特定の被験物質ロットのユニークな毒性のいずれか又は両方の要因に起因した可能性があるとして、水頭症はリスク評価に用いるには適切でないとし、本物質は催奇形性も胎児毒性もないと結論された(JMPR (2005))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた3つの生殖毒性試験(1つは一世代試験、2つは二世代試験)において、母親動物の全身毒性についての最小のNOAELは肝毒性(炎症、グリコーゲン含量減少、胆管の過形成)に基づき、0.5 mg/kg/dayと設定された。2つの2世代生殖毒性試験のうちの1つでは母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少)が生じる用量(100 ppm: 7.0 mg/kg/day相当)で、生殖影響(着床数減少、産児数減少、黄体数減少(F1のみ))及び児動物に開眼遅延と低体重がみられたが、少なくとも児動物の発育遅延は母体毒性による二次的影響と考えられた(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (6)妊娠ラットを用いた強制経口投与(最大10 mg/kg/day、妊娠6〜15日)又は混餌投与(二世代生殖毒性試験の一部、最大100 ppm(6.3 mg/kg/day))による2つの発生毒性試験では、母動物毒性(体重増加抑制)がみられる最高用量まで、胎児に発生影響は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (7)妊娠ラットを用いた強制経口投与(最大10 mg/kg/day、妊娠6〜15日)又は混餌投与(二世代生殖毒性試験の一部、最大100 ppm(6.3 mg/kg/day))による2つの発生毒性試験では、母動物毒性(体重増加抑制)がみられる最高用量まで、胎児に発生影響は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (8)親化合物のアゾシクロチン(CAS登録番号:41083-11-8)では、ラット、ウサギを用いた試験で、生殖毒性も催奇形性も検出されなかった(食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、区分1の範囲で死亡例があり、呼吸困難と鼻孔と目周囲の赤色の帯びた面疱がみられ、刺激性のある物質であると考えられることから、呼吸器への影響があると考え、区分1(呼吸器)とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回吸入ばく露試験では、呼吸困難、体表面の濡れ、鼻孔と目周囲の赤色の帯びた面疱がみられた。なお、これら各所見がみられた際の投与量は不明であるが、雌雄とも0.017 mg/L以上で死亡例がみられた(食安委 農薬評価書 (2013))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた4つの単回経口投与試験では、立毛、円背姿勢、異常歩行、昏睡、呼吸速度低下、四肢蒼白、眼瞼下垂、下痢などがみられた。なお、これら各所見がみられた際の投与量は不明であるが、そのうち2つの試験では、160 mg/kgまたは320 mg/kg以上で雌雄とも死亡例がみられた(食安委 農薬評価書 (2013))。 (3)ラットとウサギを用いた2つの単回経皮投与試験では、それぞれ皮膚炎(首筋)、紅斑及び浮腫(投与部)がみられた(食安委 農薬評価書 (2013))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、区分1(肝臓)、区分2(呼吸器、腎臓)とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を見直した(2023年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間混餌投与試験において、50及び100 ppm(雄:3.23〜6.96 mg/kg/day、雌:3.55〜7.43 mg/kg/day、区分1の範囲)で、肝臓影響(肝リンパ球浸潤、活性化クッパー細胞増加、ALP活性増加)、血液影響(赤血球数減少)がみられた(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (2)ラットを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験において、30及び100 ppm(雄:1.39〜8.71 mg/kg/day、雌:1.75〜12.2 mg/kg/day、区分1〜2の範囲)で、網膜萎縮、肝臓影響(胆管過形成、ALP増加)、血液影響(MCV、MCH 及びMCHC減少、APTT延長(雄))などがみられた(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 (3)ラットを用いた2年間混餌投与による発がん性試験において、1 mg/kg/day以上(区分1の範囲)で胆管過形成がみられた(食安委 農薬評価書 (2013))。 (4)ラットを用いた2週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、0.207及び0.596 mg/L(90日換算:0.023〜0.066 mg/L、区分2の範囲)で、呼吸器影響(肺重量増加、鼻汁、鼻粘膜炎症、気管気管支炎、肺うっ血、間質性肺炎)、肝臓影響(肝細胞壊死、ALP増加(雄))、腎臓影響(腎尿細管変性、BUN増加、尿中Alb及び尿中Bil増加)がみられた(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 【参考データ等】 (5)ウサギを用いた3週間経皮投与試験(6時間/日、5日/週)において、最高用量の1.0 mg/kg/day(90日換算:0.17 mg/kg/day、区分1の範囲)で、投与部位皮膚の表皮肥厚及び過角化、ALP増加(雌)がみられた(食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (2005))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 魚類(ブルーギル)の96時間LC50=6.7μg/L(HSDB、2004)から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=6.63(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2786 | |||
品名(国連輸送名) | 有機スズ系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの) | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | 試験結果によってT〜Vを決定する。 | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
海洋汚染防止法 | 個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)【有機スズ化合物】 | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||
修正履歴 | ||||
R6.3.29: ・危険有害性の分類について物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 ・SDS全般について表記の見直し・改訂をした。 |