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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
ピクリン酸アンモニウム
作成日 2008年03月31日
改訂日 2020年03月13日
131-74-8




安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)

1.化学品等及び会社情報
化学品の名称ピクリン酸アンモニウム (Ammonium picrate)
製品コードR01-B-107
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限炸薬原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性爆発物等級1.1
健康に対する有害性皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2A
皮膚感作性区分1
分類実施日
(環境有害性)
H30年度、政府向けGHS分類ガイダンス (平成25年度改訂版 (Ver.1.1))
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示爆弾の爆発感嘆符
注意喚起語危険
危険有害性情報爆発物:大量爆発危険性
皮膚刺激
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
強い眼刺激
注意書き
 安全対策熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
乾燥が危険有害性を増加させる場合は、適切な物質で湿らせて保管すること。
容器を接地しアースをとること。
粉砕/衝撃/摩擦のような乱暴な取扱いをしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置火災の場合:区域から退避させること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
 保管国又は都道府県の規則に従って保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名ピクリン酸アンモニウム
別名アンモニウム=2,4,6-トリニトロフェノラート
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C6H3N3O7.H3N (246.14)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号131-74-8
官報公示整理番号
(化審法)
情報なし
官報公示整理番号
(安衛法)
4-(10)-710
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。
眼に入った場合数分間多量の水で洗い流す (できればコンタクトレンズをはずす)。医療機関に連絡する。
飲み込んだ場合口をすすぐ。コップ1、2杯の水を飲ませる。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入: 灼熱感、咳、「経口摂取」参照
皮膚: 灼熱感、咳、「経口摂取」参照
眼: 充血、痛み、かすみ眼
経口摂取: 腹痛、下痢、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、脱力感、赤色尿
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤大量の水、水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性可燃性。火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。多くの反応により、火災や爆発を生じることがある。
衝撃を加えると又は摩擦を加えると爆発の危険性がある。還元剤と接触すると、爆発の危険性がある。
特有の消火方法水を噴霧して容器類を冷却する。
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材専門家に相談する。
危険区域から立ち退く。
個人用保護具: 空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
乾燥が危険有害性を増加させる場合は、適切な物質で湿らせて保管すること。
粉砕/衝撃/摩擦のような乱暴な取扱いをしないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件貯蔵は火薬庫においてしなければならない。
貯蔵は経済産業省令で定める技術上の基準に従う。
施錠して保管すること (毒劇物)。
混触危険物質から離しておく。
排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。
安全な容器包装材料消防法、火薬類取締法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)未設定
設備対策容器を接地しアースをとること。
粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
赤色または黄色 (ICSC (2007))
臭いデータなし
融点/凝固点265℃ (分解) (ICSC (2007))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性可燃性 (ICSC (2007))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度265℃ (ICSC (2007))
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度水:1.1 g/100 mL (20℃) (ICSC (2007))
アルコールに微溶 (HSDB (Access on October 2019))
n-オクタノール/水分配係数log Pow = -1.4 ICSC (2007))
蒸気圧データなし
密度及び/又は相対密度1.72 g/cm3 (ICSC (2007))
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性衝撃、摩擦、振動を加えると、分解することがある。
危険有害反応可能性燃焼すると、有毒なガス (窒素酸化物など) を生成する。
加熱すると、爆発することがある。
金属及び還元剤と反応し、火災や爆発の危険を生じる。
コンクリート及び石膏と反応し、 ピクリン酸アンモニウムよりも衝撃に敏感なピクリン酸の塩を生じる。
避けるべき条件衝撃、摩擦、振動、混触危険物質との接触
混触危険物質コンクリート、石膏
危険有害な分解生成物有毒なガス (窒素酸化物など)、 ピクリン酸アンモニウムよりも衝撃に敏感なピクリン酸の塩

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
経皮【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚、眼、粘膜に対して中等度の刺激性を有する (HSDB (Access on October 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分2Aとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚、眼、粘膜に対して中等度の刺激性を有する (HSDB (Access on October 2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) 、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質による労働衛生上の問題は感作性皮膚炎である (HSDB (Access on October 2019))
(2) 本物質は皮膚を通過し、眼及び皮膚を刺激する。また、アレルゲンとなる (HSDB (Access on October 2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on October 2019))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) ヒトでは、ピクリン酸 (CAS番号 88-89-1) の摂取により、頭痛、めまい、悪心、嘔吐、下痢、暗色尿を生じるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2) の情報はあるが、データ不足のため分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 職業ばく露による上気道疾患は無視でき、作業者への全身毒性は認められなかった (HSDB (Access on October 2019))。
(2) 約0.01〜0.2 mg/m3の粉じん濃度にさらされた71人の作業者についての研究では、上気道にわずかな影響がみられたのみであり、全身的な影響はみられなかった (GESTIS (Access on October 2019))。

【参考データ等】
(3) ヒトへの影響として、反復ばく露により腎臓、肝臓、赤血球に障害を及ぼす可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on October 2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)信頼性のある急性毒性データが得られていない。
水生環境有害性 (長期間)データなし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号0004
国連品名AMMONIUM PICRATE dry or wetted with less than 10% water, by mass
国連危険有害性クラス1.1D
副次危険-
容器等級-
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法、消防法、火薬類取締法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法、消防法、火薬類取締法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法危険物・爆発性の物(施行令別表第1第1号)【1の2 その他の爆発性のニトロ化合物】
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)【80 ピクリン酸塩類】
消防法第5類自己反応性物質、ニトロ化合物(法第2条第7項危険物別表第1・第5類)【3 ニトロ化合物】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【1 ピクリン酸アンモニウム】
火薬類取締法火薬類(法第2条)【2−ホ 爆発の用途に供せられるトリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、トリニトロクロルベンゼン、テトリル、トリニトロアニソール、ヘキサニトロジフエニルアミン、トリメチレントリニトロアミン、ニトロ基を3以上含むその他のニトロ化合物及びこれらを主とする爆薬】
航空法輸送禁止(施行規則第194条)【【国連番号】0004 ピクリン酸アンモニウム】
船舶安全法火薬類(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】0004 ピクリン酸アンモニウム】
港則法爆発物・火薬類(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【1イ ピクリン酸アンモニウム】
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【26 アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用