1.化学品及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | 2,4−ジニトロ−6−(オクタン−2−イル)フェニル=(E)−2−ブテノアート(別名:メプチルジノカップ) | ||
化学品の英語名称 | 2,4-Dinitro-6-(octan-2-yl)phenyl (E)-2-butenoate | ||
製品コード | R03-B-018-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤)(失効農薬) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 | ||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | |
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
分類実施日 (環境有害性) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 吸入すると生命に危険 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 2,4−ジニトロ−6−(オクタン−2−イル)フェニル=(E)−2−ブテノアート | ||
慣用名又は別名 | 2−(1−メチルヘプチル)−4,6−ジニトロフェニル=(E)−2−ブテノアート メプチルジノカップ | ||
英語名 | 2,4-Dinitro-6-(octan-2-yl)phenyl (E)-2-butenoate 2-(1-Methylheptyl)-4,6-dinitrophenyl (E)-2-butenoate MethylDinocap | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C18H24N2O6 (364.4) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 131-72-6 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-840 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入すると生命に危険(気体,蒸気,粉じん及びミスト)。長期または反復曝露の影響:反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 適切な空気呼吸器、防護服を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 医師が暴露物質名を知り、防護のための注意を払うことを確認する。 |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある熱、火花及び火炎で発火するおそれがある。 激しく加熱すると燃焼する。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移さない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 密閉された場所に立入る前に換気する。 危険でなければ漏れを止める。 二次災害の防止策 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
環境に対する注意事項 | 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | ||
安全取扱注意事項 | 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
---|---|---|---|---|
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を着用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度及び物質に対応した吸収缶を使用する -作業者が粉塵に暴露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄橙色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | -22.5 ℃(NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | >200 ℃(分解温度)(NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 200 ℃(97.2 %)(EFSA(2014)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 2.48X10-4 g/L(20℃、pH 7、 97.1%)(EFSA(2014)) 25℃(有機溶媒に可溶)(EFSA(2014)) 水: 0.0162 mg/L(25℃(推定値))(NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 6.55(20.5℃、pH 7、97.1%)(EFSA(2014)) Log Kow: 4.54(20℃)(NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)) | ||
蒸気圧 | 7.92X10-6 Pa(25℃、99.3%)(EFSA(2014)) 0.00533 mPa(25℃)(Howard(1997)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.10 20℃(NITE総合検索 (Access on Jul. 2008)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる。 | ||
危険有害反応可能性 | 分解温度200℃(97.2%) | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
---|---|---|---|---|
急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(JMPR (2010)、EFSA (2014)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(JMPR (2010)、EFSA (2014)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分1とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(47,343 ppm)より低いため、蒸気と判断し、ppmVを単位とする基準値より判断した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):80.5 ppm(JMPR (2010)) (2)ラット(雄)のLC50(4時間):83.2 ppm(EFSA (2014)) (3)ラット(雌)のLC50(4時間):109 ppm(EFSA (2014)) | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分3)。なお、新たな評価文書に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、軽微な刺激性がみられた(EPA Pesticides (2009))。 (2)本物質は軽微な皮膚刺激性物質である(JMPR (2010))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、ガイダンスに従い、区分2とした。なお、新たな評価文書に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験において、中程度の刺激性がみられた(JMPR (2010))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、最小限の刺激性がみられた(EPA Pesticides (2009))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)において、結果は陽性であった(JMPR (2010)、EPA Pesticides (2009))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの赤血球を用いた小核試験(EPAOPPTS 870.5395準拠、最大1,858 mg/kg、単回強制経口投与)で陰性の報告がある(EPA Pesticides (2009))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験、ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験で、いずれも陰性の結果が得られている(EPA Pesticides (2009))。 (3)本物質の遺伝毒性ポテンシャルはin vitro及びiI vivoの十分な範囲の試験で検討され、変異原性、染色体異常の証拠は認められなかった。JMPRは、本物質は遺伝毒性を有さないであろうと結論した(JMPR (2009))。 (4)本物質(DE-126)は遺伝毒性も発がん性も有さない(EFSA (2014))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より区分に該当しない。なお、新たな情報源に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)国内外の評価機関による既存分類結果として、本物質がEPAでグループEに分類されている(EPA OPP Annual Cancer Report (2020):2009年分類)。関連物質のジノカップ(CAS番号 39300-45-3)も先行してグループEに分類されている(EPA OPP Annual Cancer Report (2020):1994年分類)。 (2)本物質(メプチルジノカップ、DE-126)はジノカップ(CAS番号 39300-45-3)に含まれる6つの異性体のうちの1つであり、ジノカップの約22%を占める(EFSA (2014)、JMPR (2010)、EPA Pesticides (2009))。 (3)ジノカップを用いた長期毒性試験及び発がん性試験において、最高用量、すなわちラットでは2,000 ppm(71 mg/kg/day相当)、マウスでは150 ppm(23 mg/kg/day相当)まで発がん性の証拠はみられなかった。なお、ラットの2,000 ppm、マウスの150 ppmは一般毒性が発現する用量である(JMPR (2010))。 (4)ジノカップと比べて、構造の類似性と本物質の証明された低毒性に基づいて、ジノカップのヒトに対する発がん性分類のグループEが本物質にも適用拡張された(EPA Pesticides (2009))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、発生影響はみられていないが、生殖能への影響に関する情報がなく、データ不足のため分類できない。なお旧分類は本物質を含む6種の異性体混合物であるジノカップ(CAS番号 39300-45-3)のデータを利用し分類されている。新たな情報源を用いて分類結果を見直した。 【根拠データ】 (1)妊娠マウスを用いた発生毒性試験において、最高用量の500 mg/kg/dayまで母動物毒性、胎児の発生影響ともに認められなかった(EPA Pesticides (2009))。 (2)妊娠ラットを用いた発生毒性試験において、著しい母動物毒性を生じた500 mg/kg/day群は試験を中止し、150 mg/kg/dayまでの試験となった。150 mg/kg/dayでは母動物毒性(体重減少/体重増加抑制、摂餌量減少)が認められたが、胎児に発生影響は認められなかった(EPA Pesticides (2009))。 (3)妊娠ウサギを用いた発生毒性試験において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少)がみられた最高用量(48 mg/kg/day)まで胎児に発生影響は認められなかった(EPA Pesticides (2009))。 (4)本物質は発生毒性を生じないし、催奇形性物質ではないとJMPRにより結論された(JMPR (2010))。 【参考データ等】 (5)本物質(メプチルジノカップ、DE-126)は、ジノカップ(CAS番号 39300-45-3)に含まれる6つの異性体のうちの1つであり、ジノカップの約22%を占める(EFSA (2014)、JMPR (2010)、EPA Pesticides (2009))。 (6)ジノカップを被験物質としたラットの2世代生殖毒性試験において、F0、F1世代では最高用量の400 ppm(27 mg/kg/day)まで、受胎能、生殖パラメータ、精子又は生殖組織への影響はみられなかった。1,000 ppm(約65 mg/kg/day)ではF1児動物の生存率低下を生じた結果、F1親動物及びF2児動物は400 ppmが最高用量となった。児動物及び親動物のNOAELは200 ppm(約13 mg/kg/day)と報告された(JMPR (2010))。 (7)ジノカップを被験物質とした妊娠マウスを用いた発生毒性試験では、25 mg/kg/dayの用量では胎児のほぼ全例に口蓋裂と耳石形成への影響が認められた(JMPR (2010))。 (8)ジノカップはCLP分類でRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed December 2021))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、経口経路では区分に該当しないが、他の経路ではデータ不足のため分類できない。異性体混合物のデータは用いず、本物質の知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた混餌投与による28日間反復経口投与試験において、126 mg/kg/day(90日換算:39.2 mg/kg/day、区分2の範囲)で肝臓重量増加がみられたとの報告がある(JMPR (2010)、EPA Pesticide (2009)、EFSA (2014))。 (2)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、122 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で血清総タンパク、アルブミン、コレステロールの増加、涙腺の単核細胞浸潤、肝臓への影響(重量増加、極めて軽度の肝細胞肥大)がみられたとの報告がある(JMPR (2010)、EPA Pesticide (2009)、EFSA (2014))。 (3)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、3.9 mg/kg/day(区分1の範囲)で体重増加抑制、AST、ALTの増加がみられたとの報告がある(JMPR (2010)、EPA Pesticide (2009)、EFSA (2014))。 (4)イヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験において、3.5 mg/kg/day(区分1の範囲)で眼、心臓、神経(脛骨)への影響はみられなかったとの報告がある(JMPR (2010)、 EPA Pesticide (2009)、EFSA (2014))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データがなく分類できない。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |