| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 四酸化三コバルト | ||
| 化学品の英語名称 | Tricobalt tetraoxide | ||
| 製品コード | R06-A-015-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | コバルト塩類原料,陶器・ガラス着色剤,顔料,触媒,リチウム電池正極材原料,ホーロー素地材用,飼料添加物(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 呼吸器感作性 | 区分1A | |
| 皮膚感作性 | 区分1A | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | - | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | - | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
| 応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
| 保管 | 情報なし | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 四酸化三コバルト | ||
| 慣用名又は別名 | 酸化コバルト(U,V) | ||
| 英語名 | Tricobalt tetraoxide | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | Co3O4 (241) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 1308-06-1 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 1-267 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合: できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 医師に連絡すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | まぶたを大きく広げて流水で少なくとも10分間、患部を洗眼する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぎ、液体を吐き出す。 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 皮膚や気道への感作作用 慢性: 皮膚や気道のアレルギー疾患、肺障害(線維症)の可能性 以上、GESTIS参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺火災に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗う。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 可能であれば、閉じた装置を使用する。 物質の放出を防ぐことができない場合は、出口で吸引すること。 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 少量の物質の収集: 収集容器にはラベルを貼付すること。容器は換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 粉じんの形成を避ける。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集すること。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 清潔な作業場所の維持に注意する。 容器を開いたままにしない。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用すること。 こぼれないようにする。 ラベルの付いた容器にのみ注入する。 粉じんが舞い上がるのを避ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス 自然発火性物質 水と接触した場合、可燃性ガスを放出する物質 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 作業エリアでの飲食禁止。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 休憩前と仕事の終わりに、皮膚を石鹸と水で洗う必要がある。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 食品容器は使用しない。 容器にラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管する。 容器は乾燥した換気の良い場所で密閉する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | Coとして 0.02 mg/m3 | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | 許容濃度:0.05 mg/m3 (コバルトおよびコバルト化合物(タングステンカーバイドを除く)) | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA:0.02 mg/m3 (I)(Cobalt and inorganic compounds, as Co) (DSEN; RSEN) | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 洗眼、洗浄設備と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意する。 作業エリアは、可能であれば物理的に分離する必要がある。 作業エリアの換気を良好に保つ。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を着用すること。 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認する。手袋は取り外す前に十分に清掃し、換気の良い場所に保管する必要がある。 ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、フルオロカウチューク、およびポリ塩化ビニルは、未溶解の固形物から保護するための手袋材料として適している。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、適切な不浸透性の防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 黒色 | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 900 ℃ (分解) (MOE初期評価第11巻(2013)) 950 ℃ (CICADS_和訳(2006) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | 不燃性 (GESTIS (2024)) | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | 900 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:1.62 mg/L (20℃) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | データなし | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 6.11 g/cm3 (20℃) (GESTIS (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 不燃性である。 他に使用する物質に応じて、火災および爆発防止対策を選択すること。 消火対策は、周囲の状況に合わせて選択すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | 【分類根拠】 (1)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(OECD TG401)(AICIS IMAP (2014)、ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024)) | |||
| 経皮 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(ダスト、4時間):> 5.06 mg/L(OECD TG436)(AICIS IMAP (2014) 、ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024)) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ヒト皮膚モデルを用いたin vitro皮膚腐食性試験(OECD TG431、GLP)では、本物質25 mgを3分間及び1時間ばく露後の相対細胞生存率は各々94.7%及び83.3%で、皮膚腐食性物質の基準に該当しない(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 (2)人工的なヒト皮膚組織(EpiSkin)を用いたin vitro皮膚刺激性試験(OECD TG439)では、本物質10 mgを15分間ばく露後の相対細胞生存率は95.3%で、皮膚刺激性物質の基準に該当しない(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024)、AICIS IMAP (2014))。 【参考データ等】 (3)コバルト及びコバルト化合物について、労働基準法施行規則35条別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病として、皮膚障害又は気道・肺障害が記載されている (平成二十五年厚生労働省告示第三百十六号)。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n= 3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP:原体0.1 g、72時間観察)では、適用24/48/72時間後の平均スコアから眼刺激性はないと判断された(24/48/72時間の個体別(#1/#2/#3)平均スコア:角膜混濁(0/0/0)、虹彩炎(0/0/0)、結膜発赤(0.33/0.33/0.33)及び結膜浮腫(0/0.33/0))(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 【参考データ等】 (2)新鮮なウシ角膜を用いたin vitroウシ角膜混濁及び透過性試験(OECD TG437、GLP)では、本物質20%溶液0.75 mLを240分間適用後のIVISは10.39で、本物質はmild irritantに該当と考えられる(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))、AICIS IMAP (2014))とされているが、現行のOECD TG437の基準では刺激性の有無の判定まで行えない。 | |||
| 呼吸器感作性 | 【分類根拠】 (1)より区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)ACGIHではコバルト(CAS登録番号 7440-48-4)及び無機コバルト化合物をRSEN(ACGIH (2019))に、日本産業衛生学会ではコバルト及びコバルト化合物(全てではない)を気道感作性物質第1群に分類している(産衛学会許容濃度等の勧告 (2023))。 【参考データ等】 (2)本物質を用いたバイオアクセシビリティー試験において、人工肺胞液中へのCo2+イオンの遊離が無視できることを踏まえると、本物質の気道感作性は考えにくい(AICIS IMAP (2014))。 | |||
| 皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)ACGIHではコバルト(CAS登録番号 7440-48-4)及び無機コバルト化合物をDSEN(ACGIH (2019))に、日本産業衛生学会ではコバルト及びコバルト化合物(全てではない)を皮膚感作性物質第1群に分類している(産衛学会許容濃度等の勧告 (2023))。 (2)コバルト及びコバルト化合物について、労働基準法施行規則35条別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病として、皮膚障害又は気道・肺障害が記載されている (平成二十五年厚生労働省告示第三百十六号)。 【参考データ等】 (3)本物質(Co (II, III))のマウスを用いたLLNA試験(OECD TG429、GLP:12.5〜50%)では、適用濃度12.5、25及び50%において、SIは各々0.9、1及び0.8で皮膚感作性は陰性(SI< 3)と判断された(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024)、AICIS IMAP (2014))。 (4)本物質と同じく水に不溶とされる二酸化コバルトリチウム(CAS登録番号 12190-79-3、Co(V))について、マウスを用いたLLNA試験(OECD TG429、GLP:12.5〜50%)では、適用濃度12.5、25及び50%において、SIは各々1.5、1.8及び1.7で皮膚感作性は陰性(SI< 3)と判断された(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)in vivoでは、ラットの骨髄細胞を用いた強制経口投与(500〜2,000 mg/kg、単回)による染色体異常試験で陰性の報告がある(AICIS IMAP (2014))。 (2)in vitroでは、マウスリンパ腫L5178Y細胞(hprt)を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の報告(AICIS IMAP (2014))、ヒト気管支上皮細胞株を用いた小核試験、コメットアッセイで陽性の報告(IARC 131 (2023))がある。 (3)100〜400 nmの粒子サイズの本物質は、in vitroでヒト気管支上皮細胞株において小核とγH2AX foci(DNA二重鎖切断のマーカー)の形成を誘発し、コメットアッセイでは、本来のDNA傷害と酸化的DNA損傷を生じるとの報告がある。この所見はCo2+イオンの遊離に起因する影響ではなく、本物質粒子自体の遺伝毒性によるものと考えられている(IARC 131 (2023))。 | |||
| 発がん性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)ハムスターを用いた本物質の気管内投与(4 mg/匹、1回/週)による30週間反復投与後に長期観察期間を設けた発がん性試験、及びイニシエーター(N-ニトロソジエチルアミン)処置後に同様に気管内投与したイニシエーション・プロモーター試験において、呼吸器の腫瘍発生頻度に有意な増加はみられなかった(IARC 131 (2023))。 (2)IARCはヒトと実験動物での証拠が不十分であること等から、本物質(四酸化三コバルト)の発がん性分類をグループ3に分類した。一方、金属コバルト及び可溶性2価コバルト塩(U)をグループ2A、酸化コバルト(U)をグループ2Bに分類した(IARC 131 (2023))。ACGIH はコバルトおよびコバルト化合物についてA3(ACGIH (2001))、日本産業衛生学会ではコバルトおよびコバルト化合物(タングステンカーバイドを除く)について2B (産衛学会許容濃度等の勧告 (2023)) に分類している。 | |||
| 生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与(100〜1,000 mg/kg/day、雄:交配前2週間、交配期間及びその後2週間、雌:交配2週間前から哺育3日まで)による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422、GLP)では、最高用量まで親動物、児動物ともに投与に関連した生殖発生影響は認められなかった(AICIS IMAP (2014)、ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 (2)ラットを用いた90日間強制経口投与(100〜1,000 mg/kg/day)による反復投与毒性試験(OECD TG408、GLP)では、最高用量まで雌雄の生殖器官及び性機能(性周期、精子形成各ステージの質的影響)への有害影響は認められなかった(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 (3)妊娠ラットを用いた強制経口投与(100〜1,000 mg/kg/day、妊娠6〜19日)による発生毒性試験(OECD TG414、GLP)では、最高用量まで母動物毒性、胎児における発生影響ともに認められなかった(同上)。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験では、5,000 mg/kgまで死亡例も症状発現もみられなかった(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024)、AICIS IMAP (2014))。 (2)ラットを用いた単回吸入ばく露試験では、5.06 mg/Lでばく露終了後に雌雄各3例全例に呼吸困難がみられたが、ダストばく露による非特異的な影響と考えられた。剖検時に異常は認められなかった(同上)。 (3)実験動物を用いた経皮投与試験の報告はないが、トキシコキネティクスのデータから、経皮吸収は低いことが示唆され、経皮吸収による全身的な急性毒性は生じにくいと予測される(AICIS IMAP (2014))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分1(呼吸器)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた28日間吸入ばく露試験(OECD TG412、GLP:5〜80 mg/m3、6時間/日、5日/週)では、20 mg/m3(90日換算:0.0044 mg/L/90 days)以上の雌雄で肺の病理組織学的変化 (肺胞タンパク症など) がみられた(IARC 131 (2023)、ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 (2)コバルト及びコバルト化合物について、労働基準法施行規則35条別表第一の二第四号の規定に基づく厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病として、皮膚障害又は気道・肺障害が記載されている (平成二十五年厚生労働省告示第三百十六号)。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた90日間強制経口投与試験(OECD TG408、GLP:100〜1,000 mg/kg/day)では、区分2超の1,000 mg/kg/day以上で血液影響(赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの高値)がみられている(ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 (3)ラットを用いた強制経口投与(100〜1,000 mg/kg/day、雄:交配前2週間、交配期間及びその後2週間、雌:交配2週間前から哺育3日まで)による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422)では、100 mg/kg/day以上の雌と1,000 mg/kg/dayの雄の各群の数例に立毛がみられた以外に異常はなく、NOAELは1,000 mg/kg/day(雄:約311 mg/kg/day)と判断された(AICIS IMAP (2014)、ECHA CHEM (Accessed Nov. 2024))。 | |||
| 誤えん有害性* | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | - | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | - | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | - | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 該当しない | |||
| 品名(国連輸送名) | 該当しない | |||
| 国連分類 | 該当しない | |||
| 副次危険 | 該当しない | |||
| 容器等級 | 該当しない | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 該当しない | |||
| 航空規制情報 | 該当しない | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | - | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質(施行令別表第3第2号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号) 【13の2 コバルト又はその無機化合物】 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、5号) 【13の2 コバルト又はその無機化合物】 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条の4) 【コバルト又はその無機化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【172 コバルト及びその化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【12 コバルト及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【172 コバルト及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【12 コバルト及びその化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項) 【3 コバルト又はその無機化合物】 特殊健康診断対象物質・過去取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第2項) 【13の2 コバルト及びその無機化合物】 作業環境評価基準(法第65条の2第1項) 【12の2 コバルト及びその無機化合物】 | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) 【156 コバルト及びその化合物】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) 【60 コバルト及びその化合物】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||