1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | りん化石灰(別名 りん化カルシウム) | ||
化学品の英語名称 | Tricalcium diphosphide | ||
製品コード | R06-C-113-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 銅・銅合金精製,信号火炎・殺鼠剤原料(NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、令和元年度(2019年度)、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
物理化学的危険性 | 水反応可燃性化学品 | 区分1 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分2 | |
急性毒性 (経皮) | 区分3 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分1 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 令和元年度(2019年度)、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
環境に対する有害性 | - |
GHSラベル要素 | |||
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絵表示 | ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 水に触れると自然発火するおそれのある可燃性ガスを発生 飲み込むと生命に危険 皮膚に接触すると有毒 吸入すると生命に危険 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 中枢神経系、呼吸器の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 水と接触させないこと。 湿気を遮断し、不活性ガス下で取扱い保管すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと【又は湿った包帯で覆うこと】。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 | ||
保管 | 乾燥した場所で密閉容器に保管すること。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | りん化石灰 | ||
慣用名又は別名 | リン化カルシウム | ||
英語名 | Tricalcium diphosphide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | Ca3P2 (182) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
CAS番号 | 1305-99-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-1193 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。 中毒の症状は、一定期間遅れて現れることがある。 心停止(反応がなく、呼吸が正常でない)の場合は、直ちに胸骨圧迫と人工呼吸を行う。可能な場合は、自動体外式除細動器(AED)を使用すること。 医師に連絡すること。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 自分自身を保護しながら、被害者を危険源から遠ざける。 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 リン化水素の放出と吸入の可能性を考慮に入れる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
眼に入った場合 | まぶたを大きく広げて流水で少なくとも10分間、患部を洗眼する。 以上、GESTIS参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぎ、液体を吐き出す。 無理に吐かせないこと。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 何も飲ませない。 中毒の症状は、一定期間遅れて現れることがある。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性影響: 眼、皮膚および気道を刺激する。 分解物を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。消化管、神経系の障害、肺、心臓、肝臓、腎臓の損傷。機能障害および呼吸不全を生じることがある。 ばく露すると、死を引き起こすことがある。 慢性的な影響: 肝臓、腎臓、肺、神経系、血液への潜在的な損傷(動物実験からのデータを考慮) 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 乾いた砂、石灰岩の粉 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 水、泡消火剤 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(リン酸化物、金属酸化物、ヒューム)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 物質が水に直接触れないようにする。 可能であれば、容器を危険区域から移動する。 加熱すると圧力が上昇し、破裂や爆発の危険がある。 着火(発火)源を遮断する。 防爆証明済みの機器のみを使用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | すべての点火源を遮断する。 影響を受ける周囲に警告すること。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 物質は水と反応するため、水との接触を避けること。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 容器とパイプラインにラベルを貼ること。 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の物質の収集: 廃棄物を流し台やゴミ箱に入れたり置いたりしないこと。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 専門家に相談する。 この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を密閉式容器内に収集する。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管・処理する。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 毎日掃除すること。 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 粉じんの形成を避けること。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集する必要がある。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 水との接触や危険な量の可燃性ガスの放出の危険性がある場合は、形成の防止、発火の防止、および建設的な爆発保護に準拠した防爆対策が必要になる場合がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
安全取扱い注意事項 | 作業場を清潔で乾燥した状態に保つこと。 作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開けたままにしないこと。 こぼさない。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんが舞い上がるのを避けること。 混触危険物質と一緒に輸送しないこと。 火災の危険性がある地域。 水と接触する可能性のある領域は、爆発の危険性がある。 発火源(電気機器、裸火、熱源、火花など)から距離を置くこと。 火花の原因となる工具は使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質 ガス エアゾール(スプレーボトル)。 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質 自然発火性物質 この物質は、危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しない。 水、酸化剤または酸との接触禁止。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
衛生対策 | 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 眼に入った場合は、影響を受けた眼を洗い流す。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 使用後は手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 湿気から保護すること。 内容物は乾燥した不活性ガスの下に保管すること。 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所で保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、道路法、国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2024年度版) | - | |||
ACGIH (2024年版) | - | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 床に排水口を設置しない。 作業場での洗浄設備を設置する。 洗眼設備を設置し、標識を付ける。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認すること。手袋は取り外す前に十分に清掃し、換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 | ||
色 | 赤茶色~灰色 | ||
臭い | アセチレン様のカビ臭 | ||
融点/凝固点 | 約1600 ℃ (HSDB in PubChem(2024)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | 水または湿った空気に触れると可燃性ガスを発生 | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水:水と反応し分解 (HSDB in PubChem (2024)) アルコール、エーテル:不溶 (HSDB in PubChem (2024)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 2.51 g/cm3 (HSDB in PubChem (2024)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 水と接触すると、自然発火する可能性のある可燃性ガスが放出される。 酸、水および湿った空気と 激しく反応する。ホスフィンを生じる。火災や中毒の危険を生じる。強酸化剤と 激しく反応する。火災や爆発の危険を生じる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 危険な反応を示す可能性がある物質: 臭素、灰汁 →ホスフィン/ジホスフィン、酸素、酸 →ホスフィン/ジホスフィン、水 →ホスフィン/ジホスフィン 以上、GESTIS参照。 | ||
避けるべき条件 | 不燃性だが、水または湿った空気に触れると引火性ガスを生じる。 以上、ICSC参照。 | ||
混触危険物質 | 接触して爆発の危険性: 塩素、酸化剤、カリウムクロメート過マンガン酸カリウム、 湿った空気の中で、乾燥した可燃性物質は、ホスフィンと自己発火性のジホスフィンのガス状混合物を形成し、酸素水素ガスの爆発に匹敵する爆発のような分解をする。 以上、GESTIS参照。 | ||
危険有害な分解生成物 | 分解生成物:リン酸化物、リン化水素 火災の場合、有害物質(リン酸化物、金属酸化物、ヒューム)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 本物質自体のデータはないが、(1)、(2)より区分2とした。 【根拠データ】 (1)リン化アルミニウム(CAS登録番号 20859-73-8)のラットのLD50:8.7 mg/kg [本物質換算:13.8 mg/kg](RAC Opinion (2013)、EU CLP CLH (2012)) (2)本物質は、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム(CAS登録番号 12057-74-8)、リン化亜鉛(CAS登録番号 号 1314-84-7)などとともにリン化金属群に属し、水分や生体液との接触により加水分解してホスフィンガスを生じる。このホスフィンが、リン化金属の毒性の大部分の要因となっている(RAC Opinion (2013))。 【参考データ等】 (3)EU では、本物質についてAcute Tox. 2に分類することが合意されている(CLP分類 RAC Opinion (2013))。 | |||
経皮 | 【分類根拠】 本物質自体のデータはないが、(1)、(2)より区分3とした。 【根拠データ】 (1)リン化アルミニウムのラットのLD50:900 mg/kg [本物質換算:1,431 mg/kg](RAC Opinion (2013)、EU CLP CLH (2012)) (2)リン化アルミニウムのラットのLD50:461.2 mg/kg [同733.3 mg/kg](同上) 【参考データ等】 (3)EUでは、本物質はリン化アルミニウムのデータからのリードアクロスによりAcute Tox. 3に分類することが合意されている(CLP分類 RAC Opinion (2013))。 | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データがなく分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 本物質自体のデータはないが、(1)、(2)より区分1とした。 【根拠データ】 (1)本物質は水分や生体液との接触により加水分解してホスフィン(PH3)を生じる(RAC Opinion (2013))。 (2)ホスフィンのLC50値またはリン化アルミニウムあるいは二リン化三カルシウムから生成するホスフィンレベルから換算した本物質のLC50 値:0.04~0.19 mg/L(RAC Opinion (2013)) 【参考データ等】 (3)EU CLP分類では、Suppl. Hazard statement Code (EUH029: Contact with water liberates toxic gas) の追加が合意されている(RAC Opinion (2013))。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質に対する刺激性試験の報告はないが、本物質の加水分解物が水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) であり、水酸化カルシウムのpHは12~13であることから、腐食性物質と判断すべきである (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。 (2) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を示す (HSDB (Access on October 2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質に対する刺激性試験の報告はないが、本物質の加水分解物が水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) であり、水酸化カルシウムのpHは12~13であることから、腐食性物質と判断すべきである (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。 (2) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を示す (HSDB (Access on October 2019))。 (3) 本物質は皮膚腐食性 (区分1)に区分されている。 【参考データ等】 (4) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。 【参考データ等】 (1) 本物質に対する感作試験の報告はないが、類似物質であるリン化亜鉛 (CAS番号 1314-84-7) は、OECD TG 406に準拠した皮膚感作性試験で陰性であったことから、本物質も感作性は陰性と考えられる (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) 本物質は水と接触すると非常に急速に分解して水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) とホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生成する (CLH Report (2012))。 (2) ホスフィンの生殖細胞変異原性のGHS分類は、「区分に該当しない」とされている (2019年度GHS分類事業)。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質自体のデータはないが、(1)~(3) より、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質は水との接触により、又は消化管内で加水分解されて水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) 及びホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生じる (CLH Report (2012)、ECHA RAC Background document (2013))。 (2) 水酸化カルシウムは強塩基性であり、ヒトでは眼と気道を含む身体の全ての表面への接触で腐食性と刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。 (3) ホスフィンの主要な標的臓器として、呼吸器系 (咳、喉の痛み、呼吸困難、肺水腫等) と中枢神経系 (頭痛、めまい、振戦、歩行異常、痙攣、昏睡等) との記載がある (IPCS, PIM 865 (1997))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) 本物質は水と接触すると非常に急速に分解して水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) とホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生成する (CLH Report (2012))。 (2) 水酸化カルシウムは、2014年度GHS分類事業において、慢性的な経口摂取により、口腔内及び消化管への刺激による炎症性、又は潰瘍性変化を生じることがある (HSDB (Access on September 2014)) との記述、並びにラットに3ヵ月間飲水投与した試験において、肝臓、腎臓、胃に萎縮性変化、小腸に炎症がみられた (IUCLID (2000)) との記述があるが、投与量を含め詳細が不明のため分類できないとされている。 (3) ホスフィンは、2019年度GHS分類事業において、ヒトでの反復ばく露による症例等の報告はなく、実験動物において反復投与が可能な濃度での吸入ばく露試験では明らかな影響がみられていないことから、分類できないとされている。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データなし | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データなし | ||
残留性・分解性 | - | ||
生態蓄積性 | - | ||
土壌中の移動性 | - | ||
オゾン層への有害性 | データなし |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1360 | |||
品名(国連輸送名) | リン化カルシウム | |||
国連分類 | 4.3 | |||
副次危険 | 6.1 | |||
容器等級 | I | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法の規定に従う | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、道路法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 139 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)【2245 りん化石灰】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、労働安全衛生規則別表第2)(令和7年4月1日以降)【2245 りん化石灰】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) (令和7年4月1日以降) 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) 【りん化石灰】 危険物・発火性の物(施行令別表第1第2号) 【9 りん化石灰】 | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第3類 自然発火性物質及び禁水性物質(法第2条第7項危険物別表第1・第3類)【9 金属のりん化物】 | |||
船舶安全法 | 可燃性物質類・水反応可燃性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 可燃性物質類・水反応可燃性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・可燃性物質類(水反応可燃性物質)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【9 金属のりん化物】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ-タシ-ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 |