1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ヒ化ガリウム (別名: ガリウムヒ素) (Gallium arsenide) | ||
製品コード | R01-A-007 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 半導体原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 発がん性 | 区分1A | |
生殖毒性 | 区分1A | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (血液系、免疫系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (呼吸器、血液系、生殖器 (男性)) | ||
分類実施日 (環境有害性) | R1年度、分類実施中 | ||
環境に対する有害性 | - | 区分3 | |
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 血液系、免疫系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器、血液系、生殖器 (男性) の障害 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ) 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ヒ化ガリウム | ||
別名 | ガリウムヒ素 | ||
アルセニオガリウム | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | AsGa (144.64) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 1303-00-0 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-580 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 小火災: 粉末消化剤、二酸化炭素、散水 大火災: 水の散布、噴霧、一般の泡消化剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に刺激性、腐食性および/または毒性のガスを発生するおそれがある。 加熱により、容器が爆発するおそれがある。 消火水や希釈水は腐食性および/または毒性があり、汚染を引き起こすおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ、容器を火災の場所から移動する。 消火水をせき止め、後で廃棄する;物質を拡散させてはいけない。 容器内に水を入れてはいけない。 | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く (現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 適切な保護衣を着けていないときは、破損した容器や漏洩物に触れてはいけない。 危険でなければ、漏れを止める。 排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。 プラスチックシートで覆いをし、散乱を防ぐ。 乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。 容器内に水を入れてはいけない。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること (毒劇物)。 密封し、涼しく乾燥した換気の良い場所で保管する。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | |||
管理濃度 | 0.003 mg/m3 (Asとして) | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH (2019年版) | TLV-TWA: 0.0003 mg/m3 (Respirable fraction of the aerosol) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 緊急時には呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 灰色 (HSDB (Access on May 2019)) | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 1,238℃ (HSDB (Access on May 2019)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | 不燃性 (GESTIS (Access on May 2019)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水:< 1 mg/mL (20℃) (HSDB (Access on May 2019)) 塩酸に可溶、DMSO、95%エタノール、メタノール、アセトンに < 1 mg/mg溶解 (HSDB (Access on May 2019)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 5.3176 g/cm3 (25℃) (GESTIS (Access on May 2019)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、非常に有毒なヒ素のヒュームを放出する。 | ||
避けるべき条件 | |||
混触危険物質 | 強酸化剤、亜鉛、無機ヒ素化合物 | ||
危険有害な分解生成物 | ヒ素 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 : > 10,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on July 2019)) (2) ラットのLD50 : > 15,000 mg/kg (HSDB (Access on June 2019)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 : > 10,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on July 2019)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1) から区分1は否定される、その他本物質の詳細なデータが確認できず、データ不足のため分類できないとした。 【参考データ等】 (1) in vitroで人工皮膚モデル (EpiSkin) を用いた皮膚腐食性試験 (OECD draft guideline) において、15分間培養後の相対細胞生存率は100.5%で、腐食性なしと判定された (REACH登録情報 (Access on July 2019))。 (2) 無機ヒ素の皮膚への直接接触は刺激や接触皮膚炎を引き起こす可能性がある。通常、作用は軽微 (紅斑と浮腫) だが極端な場合には丘疹、小疱、又は壊死性病変を示す場合がある (ATSDR (1997))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギ (n= 3,、雄) を用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405、GLP) において、適用24、48、72時間後の角膜、虹彩、結膜の平均スコアは全て0 (ゼロ) であった (REACH登録情報 (Access on July 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) よりin vivo、in vitroを含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス末梢血赤血球の小核試験で陰性の報告がある (NTP TR492 (2000)、ACGIH (7th, 2005)、IARC 86 (2006)、IARC 100C (2012)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on June 2019))。 (2) in vitroでは、哺乳類培養細胞の小核試験及び細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (同上)。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1) より、ガイダンスの複数データが存在する場合の優先順位に従い、IARCの既存分類を分類根拠として区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ1 (carcinogenic to humans) (IARC 86 (2006))、EU CLPでCarc.1B (EU CLP分類 (Access on June 2019)) に分類されている。 【参考データ等】 (2) IARCの評価では、本物質自体はヒトで発がん性の証拠はなく、実験動物での証拠も限定的であると結論されたが、以下の論理的根拠に基づき、本物質はグループ1に分類された。本物質は、体内で少量のヒ素を遊離させ、無機ヒ素として機能する (ヒ素及びヒ素化合物はIARCでグループ1;ヒトに対する発がん性物質と評価されている)。同時に遊離するガリウム部分は、雌ラットで観察された肺がんに関与している可能性があると指摘されている (IARC 86 (2006))。 (3) ラットに本物質 (0.01、0.1、1.0 mg/m3) を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、雄ではばく露に関連した腫瘍の発生は認められなかった。雌では、1.0 mg/m3で細気管支肺胞上皮腺腫及び細気管支肺胞上皮腺腫と同がんの合計の発生率の増加、副腎髄質での良性褐色細胞腫の発生率の増加及び単核細胞白血病の増加が認められた。これより、雄ラットには発がん性の証拠なし (no evidence)、雌ラットには明確な証拠 (clear evidence) があると結論された (NTP TR492 (2000))。 | |||
(4) マウスに本物質 (0.1、0.5、1.0 mg/m3) を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、雌雄いずれにおいてもばく露に関連した腫瘍の発生は認められなかったことから、雌雄マウスにおいて発がん性の証拠なし (no evidence) と結論された (NTP TR492 (2000)、IARC 86 (2006))。 | ||||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より体内で遊離生成するヒ素の影響によりヒトでの生殖影響があると考えられることから区分1Aとした。なお、(3)〜(6) に示すように本物質については、実験動物に対する吸入経路のデータのみが得られており、精子形成に対する影響、母動物毒性がみられる用量で胎児への影響がみられている。 【根拠データ】 (1) 本物質は哺乳類の肺と消化管でガリウムとヒ素に解離し、後者は代謝的には無機ヒ素化合物として振舞う (NTP TR492 (2000))。 (2) ヒ素及びヒ素化合物は日本産業衛生学会の許容濃度の提案理由書 (2013) において、生殖毒性物質第1群 ( ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている物質) に分類されている。 (3) 雌ラットの妊娠4〜19日に吸入ばく露した試験において、母動物毒性 (肺毒性の徴候) がみられる濃度で、胎児重量減少、骨格変異の増加がみられた (NTP TER8914&TER90043 Abst (Access on June 2019)、ACGIH (7th, 2005))。 (4) 雌マウスの妊娠4〜17日に吸入ばく露した試験において、母動物に死亡 (死亡率50%)、肺毒性がみられる濃度で胎児死亡率、胎児発育遅延、胎児変異の発生率の有意な増加及び胎児奇形の発生率の増加傾向がみられた (NTP TER8914&TER90043 Abst (Access on June 2019)、ACGIH (7th, 2005))。 (5) ラット、マウスに14週間吸入ばく露した試験において精巣萎縮、精子数減少等がみられてる (NTP TR492 (2000)、ACGIH (7th, 2005))。 (6) 雄ラットに8週間、2回/週の頻度で気管内投与して精巣毒性を調べた試験において、後期精子形成期の精子細胞頭部の形質転換の妨害による精子形成不全が報告されている (ACGIH (7th, 2005))。 | |||
【参考データ等】 (7) 米国のヒ素系殺虫剤の製造工場と死産との関係を調査した結果、高濃度群では有意なリスク増加が認められたとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。 (8) ヒ素汚染飲料水の経口ばく露による生殖毒性の報告が複数あり、妊娠期間中の摂取による流産、死産等の発生率増加が報告されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。 (9) EU CLPではRepr. 1B に分類されている (EU CLP分類 (Access on June 2019))。 | ||||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質の単回ばく露に関するヒトでの報告はない。実験動物での (1)〜(4) の情報より、区分1 (血液系、免疫系) とした。 【根拠データ】 (1) ラットの単回経口投与試験において、100 mg/kg (区分1相当) 以上で、ヘム合成酵素であるδ-アミノレブリン酸脱水素酵素 (ALAD) の血中での活性阻害及び尿中のδ-アミノレブリン酸 (ALA) 濃度増加が認められた (CLH Report (2009))。 (2) 血液又は肝臓組織あるいは腎臓組織を用いたin vitro試験では、硝酸ガリウム (CAS番号 13494-90-1) は、亜ヒ酸ナトリウム (CAS番号 7784-46-5) と比較して40〜200倍低い濃度でALAD活性の50%阻害を生じた。また、硫酸ガリウム (CAS番号 13494-91-2) を用いたラットの単回腹腔内投与試験では、最大200 mg/kgまで用量依存的に肝臓、腎臓、赤血球のALAD阻害が認められた。以上の結果から、生体内での本物質投与によるALAD活性阻害は主にガリウムによるものであろうと考察されている (NTP TR492 (2000))。 (3) ラットの単回経口投与試験 ((1) と同じ試験) において、100 mg/kg (区分1相当) 以上で、脾臓相対重量、脾臓細胞数、液性免疫反応、細胞性免疫反能の有意な低下が認められた (PATTY (6th, 2012)、CLH Report (2009)、ATSDR (2007))。 (4) ガリウム化合物 (主に硝酸ガリウムと硫酸ガリウム) は、in vitro及びin vivoの多くの試験において、免疫抑制作用を示すことが報告されている (NTP TR492 (2000)、原典: Bernstein, L.R., Am. Soc. Pharmacol. Exp. Ther. 50, 665-682 (1998))。 | |||
【参考データ等】 (5) ラットの単回経口投与試験 ((1)、(2) と同じ試験) において、100 mg/kg以上で血中AST活性増加、200 mg/kg以上で、肝臓でのマロンアルデヒド量の増加とグルタチオン量の減少、及び尿中蛋白量増加が認められた (PATTY (6th, 2012)、ATSDR (2007))。また、別のラットの単回経口投与試験において、2,000 mg/kgで血圧及び心拍数の上昇と呼吸数の低下が認められた (CLH Report (2009)、ATSDR (2007))。 | ||||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1) 及び (2) より、実験動物への吸入ばく露において区分1の範囲で呼吸器、血液系、精巣への影響がみられていることから、区分1 (呼吸器、血液系、生殖器 (男性)) とした。 【根拠データ】 (1) ラットに本物質の粒子エアロゾル0.1〜75 mg/m3を14週間吸入ばく露 (6時間/日、5日間/週) した試験で、0.1mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0001 mg/L、区分1の範囲) 以上で赤血球増加症を伴う小球性貧血、血小板、白血球数の減少、肺胞蛋白症等が、10 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0078 mg/L、区分1の範囲) 以上でヘマトクリット値減少、網状赤血球数増加、亜鉛プロトポルフィリン/ヘム比の増加、精子の運動性低下が、37 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.029 mg/L、区分2の範囲) 以上でヘモグロビン減少、喉頭における扁平上皮化生、骨髄の過形成 (雄)、精巣上体における精子減少症等が、75 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.058 mg/L、区分2の範囲) 以上で精子数の減少等がみられた (NTP TR492 (2000)、ACGIH (7th, 2005))。 (2) マウスに本物質の粒子エアロゾル0.1〜75 mg/m3を14週間吸入ばく露 (6時間/日、5日間/週) した試験で、0.1 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0001 mg/L、区分1の範囲) 以上で赤血球増加症を伴う小球性貧血、1mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0008 mg/L、区分1の範囲) 以上で肺胞蛋白症等が、10 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0078 mg/L、区分1の範囲) 以上で血小板、白血球数、亜鉛プロトポルフィリン/ヘム比の増加、肺の化膿性炎症、喉頭における扁平上皮化生、気道リンパ節における過形成、精巣上体における精子減少症等が、37 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.029 mg/L、区分2の範囲) 以上でヘモグロビン、ヘマトクリット値減少、網状赤血球数増加、精子数の減少等が、75 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.058 mg/L、区分2の範囲) で死亡 (雌1例)、精子濃度の減少がみられた (同上)。 | |||
【参考データ等】 (3) ラット、マウスに本物質の粒子エアロゾル1〜150 mg/m3を16日間吸入ばく露 (6時間/日、5日間/週) した試験で、1又は10 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0002又は0.002 mg/L、区分1の範囲) 以上で肺胞蛋白症、喉頭における扁平上皮化生等がみられた (同上)。 (4) ラット、マウスに本物質の粒子エアロゾルをラットでは0.01〜1 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.00001〜0.001 mg/L、区分1の範囲)、マウスでは0.1〜1 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0001〜0.001 mg/L、区分1の範囲) の濃度で2年間吸入ばく露 (6時間/日、5日間/週) した試験で、ラットでは鼻、喉頭、肺、マウスでは気管支リンパ節、肺に非腫瘍性病変がみられた (NTP TR492 (2000))。 | ||||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | - | ||
水生環境有害性 (長期間) | - | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1557 | |||
国連品名 | ARSENIC COMPOUND, SOLID, N.O.S.,inorganic, including: Arsenates, n.o.s.; Arsenites, n.o.s.; and Arsenic sulphides, n.o.s. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | I, II, III | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 152 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【砒素及びその化合物(砒化水素を除く)】 がん原性化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第7号)【19 無機砒素化合物】 | |||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【458 砒素及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【458 砒素及びその化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条)【332 砒素及びその無機化合物】 | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物・除外品目(指定令第1条)【23のハ 砒素化合物/砒化ガリウム及びこれを含有する製剤】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】1557 ヒ素化合物(固体)(無機物)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】1557 無機ヒ素化合物(固体)】 | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)【7 ヒ素及びその化合物】 | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【6 砒素及びその化合物】 | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質、優先取組物質(中央環境審議会第9次答申)【17 ヒ素及びその化合物】 | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【6 砒素及びその化合物】 | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)【21 砒素及びその化合物】 | |||
廃棄物処理法 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)【5 砒素及びその化合物を含有する特定有害産業廃棄物】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |