1.化学物質等及び会社情報 | |||
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化学物質等の名称 | 2‐クロロ‐1,3‐ブタジエン、(2-Chloro-1,3-butadiene) | ||
製品コード | 21B3007 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | 乳化重合によるクロロプレンゴム(通称ネオプレン)は、耐油性、耐熱性、難燃性、強接着性を示し、ホース、ベルト、カバー、自動車内外装などに用いられる。 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 |
物理化学的危険性 | 火薬類 | 分類対象外 | |
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可燃性・引火性ガス | 分類対象外 | ||
可燃性・引火性エアゾール | 分類対象外 | ||
支燃性・酸化性ガス類 | 分類対象外 | ||
高圧ガス | 分類対象外 | ||
引火性液体 | 区分2 | ||
可燃性固体 | 分類対象外 | ||
自己反応性化学品 | タイプG | ||
自然発火性液体 | 区分外 | ||
自然発火性固体 | 分類対象外 | ||
自己発熱性化学品 | 分類できない | ||
水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | ||
酸化性液体 | 分類対象外 | ||
酸化性固体 | 分類対象外 | ||
有機過酸化物 | 分類対象外 | ||
金属腐食性物質 | 分類できない | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | |
急性毒性(経皮) | 区分2 | ||
急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | ||
急性毒性(吸入:粉じん) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:ミスト) | 分類できない | ||
皮膚腐食性・刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分2 | ||
呼吸器感作性 | 分類できない | ||
皮膚感作性 | 分類できない | ||
生殖細胞変異原性 | 分類できない | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓) | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 区分1(肝臓、血液、神経系、胃、呼吸器系、心血管系) | ||
吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | ||
環境に対する有害性 | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | ||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | |||
水生環境急性有害性 | 区分外 | ||
水生環境慢性有害性 | 区分外 |
ラベル要素 | |||
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絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体および蒸気 | ||
飲み込むと有毒 | |||
皮膚に接触すると生命に危険 | |||
吸入すると有毒 | |||
皮膚刺激 | |||
強い眼刺激 | |||
発がんのおそれの疑い | |||
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い | |||
中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓の障害 | |||
長期にわたる、または、反復ばく露により肝臓、血液、神経系、胃、呼吸器系、心血管系の障害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 | |||
容器を密閉しておくこと。 | |||
静電気的に敏感な物質を積みなおす場合、容器を接地すること、アースをとること。 | |||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。 | |||
火花を発生させない工具を使用すること。 | |||
静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | |||
適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
適切な個人用保護具を使用すること。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
【応急措置】 | |||
皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | |||
火災の場合には適切な消火方法をとること。 | |||
飲み込んだ場合、直ちに医師に連絡すること。 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸でやさしく洗うこと。 | |||
皮膚に付着した場合、直ちに医師に連絡すること。 | |||
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
吸入した場合、医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
皮膚に付着した場合、皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露した場合、医師に連絡すること。 | |||
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
【保管】 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 2‐クロロ‐1,3‐ブタジエン | ||
別名 | クロロプレン、(Chloroprene)、2‐クロロブタジエン、(2-Chlorobutadiene)、ベータクロロプレン、(beta-Chloroprene) | ||
分子式 (分子量) | C4H5Cl(88.54) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 126-99-8 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | (2)-126 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||
多量の水と石鹸でやさしく洗うこと。 | |||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
口をすすぐこと。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入 : 咳、めまい、し眠、頭痛、咽頭痛、意識喪失、胸部痛 | ||
皮膚 : 発赤、痛み | |||
眼 : 発赤、痛み、角膜損傷 | |||
経口摂取 : 咳、めまい、し眠、頭痛、咽頭痛、意識喪失、胸部痛、吐き気 | |||
最も重要な兆候及び症状 | 皮膚炎を起こすことがある。 脱毛することがある。許容濃度をはるかに超えると、死に至ることがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | 許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 | ||
医師に対する特別注意事項 | ばく露の程度によっては、定期検診が必要である。 医学的な経過観察が必要である。 添加された安定剤や抑制剤がこの物質の毒性に影響を与える可能性があるので、専門家に相談する。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 加熱により容器が爆発するおそれがある。 | ||
極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 | |||
消火後再び発火するおそれがある。 | |||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特定の状況下で容易に過酸化物を生成して爆発的に重合を開始することがある。放置すると重合し、火災または爆発の危険を伴う。燃焼すると、ホスゲン、塩化水素などの有毒で腐食性のガスを生成する。 酸化剤、アルカリ金属、金属粉末と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
容器が熱に晒されているときは、移動させない。 | |||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 危険でなければ漏れを止める。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
消防法の規制に従う。 | |||
眼、皮膚、または衣類に付けないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
飲み込まないこと。 | |||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
混触危険物質 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 | ||
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から離して保管すること。−禁煙。 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定(2009年版) | ||
ACGIH | TWA 10ppm(2009年版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
消防法の規制に従う。 | |||
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 刺激臭 | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -130℃ : Chapman (2009) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 59℃ : NFPA (13th, 2002) | ||
引火点 | -20℃ (密閉式) : ホンメル (1996) | ||
自然発火温度 | 440℃ : ホンメル (1996) | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | 4〜20vol% (空気中) : ICSC (1998) | ||
蒸気圧 | 23.2kPa (20℃) : ICSC (1998) | ||
蒸気密度 | 3.0 (空気 = 1) : NFPA (13th, 2002) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 0.96 (20℃,20℃) : Chapman (2009) | ||
溶解度 | 水 : 874.9mg/L : PHYSPROP Database (2005) | ||
ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン : 可溶 : Chapman (2009) | |||
オクタノール・水分配係数 | logP = 2.03 : Gangolli (2nd, 1999) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 特定の状況下で容易に過酸化物を生成して爆発的に重合を開始することがある。放置すると重合し、火災または爆発の危険を伴う。燃焼すると、ホスゲン、塩化水素などの有毒で腐食性のガスを生成する。 酸化剤、アルカリ金属、金属粉末と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼、流動、撹拌 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、アルカリ金属、金属粉末 | ||
危険有害な分解生成物 | ホスゲン、塩化水素 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値が 251 mg/kgおよび450 mg/kg(SIDS (1998))から、毒性の強い方の値に基づき区分3とした。 | ||
経皮 | ラットのLD50値200mg/kg(SIDS (1998))から区分2とした。 | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義における液体である。 | |
吸入(蒸気): | ラットのLC50値が11.8 mg/L(3259 ppmV)(SIDS (1998))および8.2 mg/L(2264 ppmV)(IARC 19 (1979))に基づき、危険性の高い方の区分3とした。なお、飽和蒸気圧濃度は282895 ppmVであることから、分類にはガスの基準値を適用した。 | ||
吸入(ミスト): | データなし | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ウサギ皮膚への閉塞適用後24時間で浮腫を伴う軽度から中等度の紅斑が観察され、同48時間で軽度から中等度の紅斑が残った(SIDS (1998))ことから区分2とした。なお、EU分類では、Xi; R36/37/38に分類されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | ウサギを用いた試験で結膜炎が10日間続いた(SIDS (1998))との報告およびEU分類でXi; R36/37/38に分類されていることから区分2とした。 | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし | ||
皮膚感作性:データなし | |||
生殖細胞変異原性 | マウスおよびラットに吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)に関して、低濃度で陽性、高濃度で陰性を示し、結果に矛盾がある(SIDS (1998))。また、マウスおよびラットの骨髄細胞を用いた複数のin vivo染色体異常試験および小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)も相反する結果(SIDS (1998))が得られているが、陽性知見は不純物による可能性があり、本物質の生殖細胞変異原性を評価するには追加検討が望まれている(SIDS (1998))ことから、データ不足により分類できない。 | ||
発がん性 | IARCによるグループ2B(IARC 71 (1999))の分類に基づき区分2とした。なお、ラットおよびマウスに2年間吸入ばく露した試験(NTP TR 467 (1998))が実施されており、ラットでは口腔、甲状腺、肺、腎臓、乳腺など、また、マウスでも肺、循環器系、ハーダー腺、前胃、皮膚、乳腺などいずれも種々の器官・組織において腫瘍発生頻度の増加が認められ、NTPは本物質を「合理的にヒト発がん性が予測される物質(Reasonably anticipated to be a human carcinogen)」に分類している(NTP ROC 11th (2000))。その他に、EUではカテゴリー2に分類されているが、EU分類についてはその判断根拠を示す必要があるとされており、確認できないので分類に使用しなかった。因みにDFGによる分類(MAK)はカテゴリー2(ヒトに発がん性を持つと考えられる物質)である(MAK/BAT (2007))。 | ||
生殖毒性 | ラットにおいて妊娠期間中に吸入あるいは経口ばく露により髄膜脳瘤の発生(IARC 19 (1979))、また、吸入ばく露の場合に吸収胚の増加、胚毒性の増強と催奇形性(大腿骨・腓骨骨幹の短縮、水頭)(SIDS (1998)、ACGIH (2001))が報告され、ラットおよびマウスの雄の吸入ばく露では生殖不能(ACGIH (2001))が認められた。しかし、得られたデータが試験によって結果に著しい差異があったため、催奇形性と生殖毒性の証拠の重みは極めて限定的で不十分である(ACGIH (2001))と記述されている。したがって、区分1Bとするほど確かな証拠ではないとして区分2とした。なお、IARCの1979年版の記事として、クロロプレンを扱う女性労働者が身体的・精神的欠陥を有する子供を生んだ事例、クロロプレン労働者の妻に自然流産が3倍多かったとの報告(IARC 19 (1979))があるが、1999年版には掲載されていない。また、この情報はACGIH(2001)および(NTP TR 467 (1998))にも掲載されているが、データの収集方法に問題があると述べられている。さらにSIDS(1998)では、ヒトの情報に関して意味のある結論を得るに十分な信頼性のあるデータはなかったと記述されていることから、ヒトの事例は分類の根拠としなかった。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | ラットに吸入ばく露により、225 ppm(0.810 mg/L)以上で肝障害が観察され(IARC 71 (1999))、別の試験では500 ppm(1.810 mg/L)以上で肝酵素の上昇を伴う著しい肝毒性が報告されている(IARC 71 (1999))。さらにラットに経口投与により中枢神経系の抑制が見られ(PATTY (5th, 2001)) 、吸入ばく露により気道傷害が明らかになった(IARC 71 (1999))ことが述べられている。一方、ヒトで急性ばく露の影響として、肝臓の他に中枢神経系の抑制や、肺、肝臓および腎臓の傷害が報告されている(IARC 71 (1999))が、中枢神経系については具体的な症状や抑制の程度の記載が無く,麻酔作用と関連した記述もない。以上の影響はラットでガイダンス値区分1に該当する用量で認められ、かつヒトの事例でもあることから区分1(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓)とした。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | ラットに4週間吸入ばく露によりガイダンス値区分1に該当する160 ppm(= 0.579 mg/L = 0.178 mg/L<90日換算>)以上で、肝臓に小葉中間帯の変性と壊死の所見(PATTY (5th, 2001))に基づき区分1(肝臓)とした。肝臓への影響については、さらにラットに200 ppm(0.724 mg/L)を13週間吸入ばく露により肝細胞壊死の有意な増加(NTP TR 467 (1998))、イヌおよびモルモットの吸入ばく露おいて肝臓障害または黄疸の報告(SIDS (2009))がある。 ・血液に関しては、ラット200 ppm(0.724 mg/L)を13週間吸入ばく露により正球性、正色素性貧血が見られ(NTP TR 467 (1998))、マウスに32 ppm(0.116 mg/L)以上を13週間吸入ばく露(NTP TR 467 (1998))により、ヘマトクリット値、赤血球数の有意な減少および血小板数の変化が報告され、用量としてガイダンス値範囲区分1にも相当しているので区分1(血液)とした。 ・神経系に関しては、ヒトで慢性クロロプレン中毒症患者の44%で(心血管系を含め)神経系に病理学的変化を認めたとの報告に加え、めまい、不眠などの症状が記載され(IARC 19 (1979)) 、職業ばく露において血中コリンエステラーゼの低下も知られている (IARC 19 (1979)) 。ラットではばく露後、低運動性、不穏、嗜眠などの症状が見られている。したがって、区分1(神経系)とした。 ・胃に関しては、マウスに13週間吸入ばく露(NTP TR 467 (1998))により80 ppm(0.290 mg/L)以上で前胃の扁平上皮過形成が観察され、ヒト慢性ばく露の症状として胃腸障害が記載されている (IARC 19 (1979)) ので区分1(胃)とした。 ・呼吸器に関しては、ラットに4週間吸入ばく露(PATTY (5th, 2001))によりガイダンス値区分1に該当する160 ppm(= 0.579 mg/L = 0.178 mg/L<90日換算>)以上で肺の組織損傷、13週間吸入ばく露(NTP TR 467 (1998))により80 ppm(0.290 mg/L)以上で嗅上皮の変性および気道上皮化生が見られ、ヒトの慢性ばく露で気道刺激が報告されていることから、区分1(呼吸器系)とした。 ・心血管系に関しては、慢性クロロプレン中毒患者の44%が心血管系に病理学的な変化があり、心筋ジストロフィーも報告されている(IARC 19 (1979))とのヒトの事例に基づき区分1(心血管系)とした。 なお、免疫系に関しては、情報源であるIARCの1979年版の記事が1999年版では記載がなく、他の評価書でも言及されていないので分類の根拠としなかった。また、歯・歯周組織に関しても、IARC 19 (1979)での記載とNTP TR 467 (1998)の緒言における簡単な引用のみで、その他の評価書で全く採用されていないので分類の根拠としなかった。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
水生環境急性有害性 | 魚類(ブルーギル)での96時間LC50 = 245mg/L(SIDS, 2003)、甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 348mg/L(SIDS, 2003)であることから、区分外とした。 | ||
水生環境慢性有害性 | 難水溶性でなく(水溶解度=874.9mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | |||
---|---|---|---|
国際規制 | |||
海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
UN No. | 1991 | ||
Proper Shipping Name. | CHLOROPRENE, STABILIZED | ||
Class | 3 | ||
Sub Risk | 6.1 | ||
Packing Group | J | ||
Marine Pollutant | Not Applicable | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | ||
UN No. | 1991 | ||
Proper Shipping Name. | Chloroprene, stabilized | ||
Class | 3 | ||
Sub Risk | 6.1 | ||
Packing Group | J | ||
国内規制 | |||
陸上規制情報 | 消防法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 1991 | ||
品名 | クロロプレン(安定剤入りのもの) | ||
クラス | 3 | ||
副次危険 | 6.1 | ||
容器等級 | J | ||
海洋汚染物質 | 非該当 | ||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 1991 | ||
品名 | クロロプレン(安定化されたもの) | ||
クラス | 3 | ||
副次危険 | 6.1 | ||
等級 | 1 | ||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | ||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | |||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | |||
重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 131 | ||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) | ||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条) クロロプレン及びこれを含有する製剤(政令番号:28-14) | ||
消防法 | 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | ||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | ||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | ||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の2第4号1・昭53労告36号) | ||
16.その他の情報 | |||
---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 |