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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
N,N-ジエチル-3-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミド (別名: カフェンストロール)
作成日 2008年11月12日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称N,N-ジエチル-3-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミド (別名: カフェンストロール) (Cafenstrole)
製品コードR01-B-081
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限農薬 (除草剤) (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分1 (血液系、神経系)
区分2 (肝臓、消化管)
分類実施日
(環境有害性)
H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
GHSラベル要素
絵表示健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系、神経系の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、消化管の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名N,N-ジエチル-3-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミド
別名カフェンストロール
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C16H22N4O3S (350.44)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号125306-83-4
官報公示整理番号
(化審法)
情報なし
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。医師の診察/手当てを受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤情報なし
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性情報なし
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護情報なし

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。
すべての発火源を速やかに取除く (近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)未設定
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具情報なし
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色 (農薬抄録 (2017))
臭い無臭 (農薬抄録 (2017))
融点/凝固点117.5〜119.3℃ (農薬抄録 (2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲データなし
可燃性データなし
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度300℃ (農薬抄録 (2007))
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度水:0.0025 g/L (20℃) (農薬抄録 (2007))
アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタンに易溶 (農薬抄録 (2007))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 3.21 (20℃) (農薬抄録 (2007))
蒸気圧1.013x10-4 Pa (25℃) (農薬抄録 (2007))
密度及び/又は相対密度データなし
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性情報なし
避けるべき条件情報なし
混触危険物質情報なし
危険有害な分解生成物分子中に窒素を含有しているため、火災等の場合は、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなど毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬工業会「食品衛生研究」Vol.49 No.5 (1999))
経皮【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1) より、区分を特定できないため、分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50 (粉じん、4時間) : > 1.97 mg/L (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験において刺激性は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験において一過性の刺激性が認められ、1/24/48/72hの合計スコア (最大110) は、8.3、2、0、0であった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法及びビューラー法) において共に皮膚反応は観察されず陰性と判定された (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いる小核試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (同上)。
発がん性【分類根拠】
国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) より区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、腫瘍の増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
(2) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、腫瘍の増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
生殖毒性【分類根拠】
(1) より親動物毒性がみられる用量において、明確な生殖発生影響がみられていることから区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、空腸絨毛上皮空胞化等) がみられる用量で、妊娠期間短縮、出産児数・出産生存児数減少、出生時体重低下、生後4 日生存率低下、雌の生殖結節・膣口間距離短縮、尿道下裂、雄で肛門生殖突起間距離短縮等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では (1)〜(3) のように、経口、経皮、吸入のいずれの経路においても標的臓器を特定可能な情報は得られていない。したがって、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットの単回経口投与試験において、5,000 mg/kg (区分2超) で死亡例はなく、毒性症状も認められなかった。また、剖検でも主要な組織器官に特記すべき変化は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
(2) ラットの単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg (区分2上限) で死亡例はなく、毒性症状も認められなかった。また、剖検でも主要な組織器官に特記すべき変化は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
(3) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、本物質の粉じん1.97 mg/L (区分2相当、粉じんを安定して発生可能な最高濃度と記載) のばく露で、軽度な流涎が認められたのみで死亡例はなく、剖検でも主要な組織器官に特記すべき変化は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2008)、農薬抄録 (2007))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)〜(3) より、実験動物への経口投与により区分1の範囲で血液系、神経系、区分2の範囲で肝臓、消化管に影響がみられていることから、区分1 (血液系、神経系)、区分2 (肝臓、消化管) とした。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による90日間反復投与試験において、800 ppm (雄/雌: 45.8/52.0 mg/kg/day、区分2の範囲) で空腸絨毛上皮細胞脂肪滴増加等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
(2) イヌを用いた強制経口投与による90日間反復投与試験において、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雄で赤血球コリンエステラーゼ活性低下、30 mg/kg/day以上 (区分2の範囲) の雌雄でヘモグロビン、ヘマトクリット値及び赤血球数減少、胆管上皮細胞脂肪滴増加、雌で肺炎症性細胞浸潤、肺胞マクロファージ増加等、90 mg/kg/day以上 (区分2の範囲) の雌雄で後肢の運動失調、神経線維の変性 (延髄、胸・腰髄、腰髄背根、坐骨神経、腓骨神経)、雄で肺炎症性細胞浸潤、肺胞マクロファージ増加、雌で赤血球コリンエステラーゼ活性低下等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
(3) イヌを用いた強制経口投与による1年間反復投与試験において、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上でヘモグロビン、ヘマトクリット値及び赤血球数減少、30 mg/kg/day (区分2の範囲) で肝小葉間胆管上皮脂肪滴増加等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2008))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)藻類 (緑藻) の72時間ErC50 = 0.0021 mg/L (農薬登録申請資料 (2004)) から、区分1とした。
水生環境有害性 (長期間)急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの (log Kow = 3.21 (PHYSPROP Database (2005)))、急速分解性がないと推定される (BIOWIN) ことから、区分1とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3077
国連品名ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
国連危険有害性クラス9
副次危険-
容器等級III
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【148 N,N−ジエチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド】
毒物及び劇物取締法該当しない
航空法有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】
船舶安全法有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用