1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | イプコナゾール | ||
化学品の英語名称 | ipconazole | ||
製品コード | R04-A-028-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分2(全身毒性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器)、区分2(眼、肝臓、腎臓、皮膚) | ||
分類実施日 (環境有害性) | - | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 全身の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による眼、肝臓、腎臓、皮膚の障害のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 | ||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | イプコナゾール | ||
慣用名又は別名 | 情報なし | ||
英語名 | ipconazole Cyclopentanol, 2-[(4-chlorophenyl)methyl]-5-(1-methylethyl)-1-(1H-1,2,4-triazol-1-ylmethyl)- | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C18H24ClN3O (333.9) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 125225-28-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 情報なし | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 8-(3)-796 | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は人工呼吸を行う。医師の診察/手当てを受けること。 以上、ERG参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を直ちに流水で少なくとも20分以上洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、ERG参照。 | ||
眼に入った場合 | 直ちに流水で少なくとも20分以上洗浄する。医師の診察/手当てを受けること。 以上、ERG参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素 以上、ERG参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、刺激性のある腐食性の毒性ガスが放出される可能性がある。 以上、ERG参照。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 | ||
環境に対する注意事項 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取り扱い後は手をよく洗うこと。粉じんの吸入を避ける。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH(2022年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 情報なし | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を使用する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 以上、GHS分類結果参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GHS分類結果参照。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 以上、GHS分類結果参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 以上、GHS分類結果参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体(GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 86 ℃(GESTIS(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 400 ℃(GSTIS(2022)) | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: (水に溶けにくい)(Ullmann(2011)) 水: 9.34 mg/L(20℃)(GESTIS(2022)) 有機溶媒※: (※アセトン、ジクロロメタン、エチルアセテート、メタノール)(可溶)(Ullmann(2011)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | データなし | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 高温、直射日光。 | ||
避けるべき条件 | 強酸化剤。 | ||
混触危険物質 | 一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、ハロゲン化物。 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:1338 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(CLH Report (2016)) (2)ラット(雌)のLD50:888 mg/kg(OECD TG 401 GLP)(CLH Report (2016)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(CLH Report (2016)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ】 (1)ラットのLC50:> 1.88 mg/L(OECD TG 403、GLP)(CLH Report (2016)) (2)ラットのLC50:> 3.53 mg/L(OECD TG 402、GLP)(CLH Report (2016)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404相当、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、2例で1時間後に軽微な紅斑がみられたが、24時間以内に回復したとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、CLH Report (2016))。 (2)本物質は皮膚刺激性物質ではない(EFSA (2013))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405相当、GLP)において、みられた影響は7日以内に回復した(角膜混濁スコアの平均:0.4、虹彩炎スコアの平均:0、結膜発赤スコアの平均:0.9、結膜浮腫スコアの平均:0.3)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、CLH Report (2016))。 (2)本物質は眼刺激性物質ではない(EFSA (2013))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:2.5%溶液)において、陽性率は0%(0/20例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2018)、CLH Report (2016))。 (2)本物質は皮膚感作性物質ではない(EFSA (2013))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄の赤血球を用いた小核試験(OECD TG474、GLP:2日間強制経口投与)において、最大1,000 mg/kg/dayまで陰性であった(EU CLP CLH (2018)、EPA HHRA (2013))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG471、GLP)、チャイニーズハムスターの肺由来細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)、及びチャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO)を用いた遺伝子変異試験(OECD TG476、GLP)で、いずれも代謝活性化系の有無に関わらず陰性であった(EU CLP CLH (2018)、EPA HHRA (2013))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より動物種2種で発がん性の証拠が認められないこと、(3)よりEUにおけるEFSAのがん原性を有さなない見解及びCLH Report で発がん性の区分に該当しないとされた見解を踏まえ、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2年間(104週間)混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験(OECD TG453、GLP)において、最高用量群(雄/雌:300 /300→200 ppm:13.3/12.6 mg/kg/day)では甲状腺ろ胞上皮の腺腫の発生率に軽度増加(雄10%(非有意)、雌8%(有意))がみられたが、発生率は試験実施ラボの背景データの範囲内であった(EU CLP CLH (2018)、EPA HHRA (2013))。 (2)マウスを用いた78週間混餌投与による発がん性試験(OECD TG451、GLP)において、最高用量群(雄/雌:350/350 ppm:)で組織球肉腫の発生率に僅かな増加(雄4%、雌6%)がみられたが、いずれも試験実施ラボ並びに米国データベースのHCDの範囲内であった(EU CLP CLH (2018)、EPA HHRA (2013))。 (3)本物質はがん原性を有さない(EU EFSA (2013))。本物質はラット及びマウスの動物2種の試験結果に基づき、発がん性物質の区分に該当しない(EU CLP CLH (2016))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、ラットとウサギを用いた発生毒性試験において、2種ともに軽微な母動物毒性の用量において、共通した外表奇形(小眼症、曲尾/短尾)を含めて様々な催奇形性影響が再現性をもってみられていることから区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、母動物に体重増加抑制がみられる高用量(30 mg/kg/day)で、胎児に低体重及び奇形(小眼症、血管奇形(動脈/動脈弓の異常))の発生頻度増加がみられた。より高用量の用量設定試験(50〜500 mg/kg/day)においても、顕著な母動物毒性(体重増加抑制、妊娠子宮重量低値、膣出血等)のみられる用量(100 mg/kg/day)で、胎児毒性(一腹当たりの生存胎児数の減少、胎児吸収/死亡率の増加、胎児の低体重)及び奇形発生(小眼症、曲尾/短尾)がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (2)別の雌ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、母動物に体重増加抑制がみられる高用量(50 mg/kg/day)で、胎児に奇形発生(口蓋裂、二分肋骨、胸骨分節癒合など骨格奇形)がみられた。より高用量の予備試験(100〜1,000 mg/kg/day)においても、顕著な母動物毒性がみられる用量(100 mg/kg/day)で胎児に外表奇形(短尾/曲尾、小眼症等)の発生がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (3)本物質は発生毒性試験において、奇形(ラットで小眼症及び曲尾/短尾、ウサギで短尾、ラットとウサギで口蓋裂)を誘発するとの報告がある(EU EFSA (2013))。 (4)本物質投与後に特異的な奇形(主に小眼症と曲尾/短尾)がみられた。小眼症は発生毒性試験の4試験のうち3試験においてみられ、うち2試験では複数の妊娠腹から発生したことから、催奇形性の懸念が増幅される。この影響は他の毒性影響による二次性の非特異的な影響とは考え難いとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、GLP)では、F0雌親動物に体重増加抑制及び摂餌量減少、脾臓・肝臓・腎臓重量の増加がみられる高用量(300 mg/kg/day)まで、F0雄の高用量群にみられた精巣上体尾部精子濃度の減少以外にF0及びF1雌雄親動物の生殖指標に影響はみられなかった。児動物にはF0親動物の毒性用量(100及び300 mg/kg/day)でF1及びF2に生後の低体重及び体重増加抑制と膣開口の遅延(成長遅延による二次的影響、F1雌のみ)がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018)、EFSA (2013))。 (6)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類(Accessed 2022))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分2で死亡例がみられるものの標的臓器を特定できないため、区分2(全身毒性)とした。なお、(2)でみられた、消化管への影響については、強制経口投与試験特有の影響であると考えられるため、標的臓器として採用していない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回強制経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、1,200 mg/kg以上(雄)、850 mg/kg以上(雌)で死亡例がみられた。また、投与後、自発運動量減少、軟便、側臥位、流涙、紅涙、赤色鼻汁、つま先立ち歩行、眼瞼下垂、脱毛がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (2)マウスを用いた単回強制経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、420 mg/kg以上で死亡例がみられた。また、死亡例の一部に消化管の発赤、十二指腸の拡張がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (3)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で、死亡例や症状はみられなかったとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (4)ラットを用いた単回吸入(4時間、ダスト、鼻部ばく露)ばく露試験(OECD TG 403、GLP)において、1.88 mg/L(区分2の範囲)で、投与後2時間以内に流涙、流涎、赤色鼻汁がみられたとの報告がある(ECHA RAC (Background Doc.) (2018))。 (5)ラットを用いた単回吸入(4時間、ダスト)ばく露試験(OECD TG 403、GLP)において、2.19 mg/L、3.53 mg/L(区分2の範囲)で、流涎、軽度の赤色鼻汁、尿失禁がみられたとの報告がある(ECHA RAC (Background Doc.) (2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (7)より、区分1の範囲で呼吸器への影響が、(1)〜(6)より、区分2の範囲で、眼、呼吸器、肝臓、腎臓、皮膚への影響がみられたことから、区分1(呼吸器)、区分2(眼、肝臓、腎臓、皮膚)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間反復混餌投与試験(OECD TG408 & 424、GLP)において、150 ppm(12.6 mg/kg/day(雄)、15.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)及び300 ppm(25.9 mg/kg/day(雄)、33.2 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で、前胃上皮の過形成、腎臓(皮質髄質の石灰化、皮質に傷害の瘢痕(300 ppmのみ))(雌)、600 ppm(52.2 mg/kg/day、区分2の範囲)で肝臓への影響(限局性炎症)(雄)等がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (2)マウスを用いた90日間反復混餌投与試験(OECD TG408、GLP)において、150 ppm((20.2 mg/kg/day(雄)、25.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)500 ppm(69.7 mg/kg/day(雄)、90.8 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)では、肝細胞の空胞化、肝臓脂肪化(雌)、総白血球数減少(雌)等がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (3)イヌを用いた90日間反復強制(カプセル)経口投与試験において、10 mg/kg/day(区分1の上限値)及び40 mg/kg/day(区分2の範囲)で、耳介、眼・鼻・頸部・歯茎の発赤、眼窩周囲の脱毛など、白内障、水晶体線維の異常(雄)、水晶体の変性(雌)、胆管増生、小葉中心性肥大、色素沈着クッパー細胞、胸腺の皮質細胞の減少、副腎皮質細胞の空胞化(雄)等がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (4)イヌを用いた1年間反復強制(カプセル)経口投与試験において、5 mg/kg/day(区分1の範囲)以上で、耳介・腹部・尾・後肢・鼻の発赤、胆管増生(雄)、20 mg/kg/day(区分2の範囲)で、皮膚の発赤、水晶体混濁、副腎皮質の脂質空胞化等がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (5)ラットを用いた28日間経皮投与試験(6時間/日、5日/週)において、10〜1,000 mg/kg/day(90日換算:2.2〜222 mg/kg/day、区分1〜2の範囲)で、皮膚への適用局所影響(表皮の過形成、過角化、皮膚の紅斑)がみられたほか、腎盂及び尿細管の石灰化(雌)がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (6)ラットを用いた28日間吸入ばく露試験(ダスト、6時間/日、5日/週)において、300 mg/m3(0.066 mg/L、区分2の範囲)で、四肢末端の脱毛(雌)がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018))。 (7)ラットを用いた28日間吸入ばく露試験(ダスト、6時間/日、5日/週)において、0.03 mg/L(区分1の範囲)で、硬口蓋の上皮過形成、扁平上皮過形成、気管の混合炎症細胞の発生(雌)がみられたとの報告がある(EPA HHRA (2013))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | - | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | - | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
品名(国連輸送名) | 環境有害性物質(固体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |