1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | アセチルアセトン (別名: 2,4-ペンタンジオン) (Acetylacetone) | ||
製品コード | H27-B-011 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 触媒 (金属キレート) 原料、接着剤原料、溶剤、有機合成中間体 (化学工業日報社) |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H27.10.31、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性(経皮) | 区分3 | |||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) | |||
分類実施日 (環境有害性) | H21.3.27、政府向けGHS分類ガイダンス (H20.9.5版) を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分3 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込むと有害 皮膚に接触すると有毒 眼刺激 吸入すると有毒 呼吸器への刺激のおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 中枢神経系の障害 水生生物に有害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 特別な処置が必要である。(このラベルの・・・を見よ) 口をすすぐこと。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | データなし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | アセチルアセトン | ||
別名 | メチル (2-オキソプロピル) ケトン (Methyl(2-oxopropyl) ketone)、ジアセトン (Diacetone)、2,4-ペンタンジオン (2,4-Pentanedione) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | CH3COCH2COCH3 (100.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 123-54-6 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-562 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | データなし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。 多量の水と石鹸で洗うこと。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性症状:吸入‐協調運動失調、めまい、し眠、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐。 皮膚‐吸収される可能性あり! 発赤。 眼‐発赤、痛み。 経口摂取‐下痢、脱力感。 短期ばく露の影響:眼、皮膚、気道を刺激する。神経系に影響を与え、組織病変を生じることがある。 長期または反復ばく露の影響:反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。胸腺、肺、中枢神経系、鼻腔に影響を与えることがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
特有の危険有害性 | 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 | ||
特有の消火方法 | 容器が熱に晒されているときは、移さない。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 関係者以外の立入りを禁止する。 全ての着火源を取り除く。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 取扱いや保管場所の近傍での飲食の禁止。 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を接地すること、アースをとること。 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
接触回避 | 酸化剤、酸、塩基、アルカリ金属、水素化物、窒化物と激しく反応する。 過酸化物は空気との接触で爆発する。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。直射日光を避け、冷暗所に保管する。高温物を近づけない。 | ||
安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2015年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2015年版) | TLV-TWA: 25 ppm (102 mg/m3) (2,4-ペンタンジオン) | ||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼および身体洗浄剤のための設備を設ける。 高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 (ICSC (1997)) | ||
臭い | 快いにおい、マイルドなケトン様 (HSDB (2015)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 0.1 ppm (PATTY (6th, 2012)) | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -23℃ (Merck (15th, 2013)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 140.5℃ (Merck (15th, 2013)) | ||
引火点 | 34℃ (密閉式) (ICSC (1997)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 2.4〜11.6 vol% (空気中) (ICSC (1997)) | ||
蒸気圧 | 0.93 kPa (20℃) (ICSC (1997)) | ||
蒸気密度 | 3.45 (空気 = 1) (ICSC (1997)) | ||
比重(相対密度) | 0.9721 (25℃/4℃) (HSDB (2015)) | ||
溶解度 | 水: 16 g/100 mL (ICSC (1997)) エタノール、エーテル、アセトン、クロロホルム: 混和する。 グリセリン: 不溶 (HSDB (2015)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow = 0.40 (測定値) (SIDS (2003)) | ||
自然発火温度 | 340℃ (ICSC (1997)) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度(粘性率) | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 燃焼性を有する。 わずかに水に溶ける。 | ||
化学的安定性 | わずかに揮発する。 光分解性を有する可能性がある。 | ||
危険有害反応可能性 | 引火点近傍での加熱時に、蒸気と空気の爆発性混合物を生じる。また、これは周辺温度の上昇により生じることもある。 酸化剤、酸、塩基、アルカリ金属、水素化物、窒化物と激しく反応する。 過酸化物は空気との接触で爆発する。 光の影響下で重合することがある。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、光 | ||
混触危険物質 | 酸化剤、酸、塩基、アルカリ金属、水素化物、窒化物と激しく反応する。 過酸化物は空気との接触で爆発する。 | ||
危険有害な分解生成物 | データなし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、0.78 mL/kg (764 mg/kg) (雄)、0.59 mL/kg (578 mg/kg) (雌) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003))、1,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分4とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 区分3 ウサギのLD50値として、1,375 mg/kg (雄)、790 mg/kg (雌) との2件の報告 (ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003)) がある。区分3と区分4とにそれぞれ1件づつが該当するので、LD50値の最小値が該当する区分3とした。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 区分3 ラットのLC50値 (4時間) として、1,224 ppmとの報告 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003)) に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (9,181 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分外 ウサギを用いた皮膚刺激性試験のおいて、未希釈の本物質0.5 mLを4時間を閉塞適用した結果、軽度の紅斑又は軽度から中等度の浮腫がみられたが、7日後には軽度の落屑がみられたのみで回復性を示したとの記載がある (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2B ウサギを用いたドレイズ試験において、未希釈の本物質0.1 mLを適用した結果、投与1時間後に軽度の結膜発赤、軽度から中等度の結膜浮腫及び分泌物、軽度の虹彩炎が認められたが、24時間後には全て回復した (SIDS (2003))。以上、軽度から中等度の刺激性がみられたことから区分2Bとした。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、ヒト12人に対するパッチテストで2人に陽性反応、7人に疑わしい結果 (doubtful) がみられたとの報告があるが、著者らはこの試験による反応は刺激によるものであると記述し (SIDS (2003))、さらに、モルモットを用いた皮膚感作性試験において1匹にのみ弱い反応がみられ、曖昧な結果と評価されている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、ラットの吸入ばく露による優性致死試験で軽微な影響がみられたが、対照群と被験物質投与群の間で値のばらつきが大きく、統計学的有意差が得られたと評価されておらず、陽性の判断はされていない (SIDS (2003))。マウス精原細胞の染色体異常試験で、陰性 (SIDS (2003))、マウス、ラットの吸入ばく露あるいは腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験では、マウスの腹腔内投与による試験のみで陽性、他は全て陰性 (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011)、PATTY (6th, 2012))、マウスの強制経口投与による末梢血を用いた小核試験では、陽性結果が報告されている (NTP DB (2015))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験では概ね陰性であるが、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験では陽性である (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011)、NTP DB (2015))。以上より、in vivoではマウスの小核試験では経口投与、腹腔内投与で陽性結果が存在すること、in vitroで染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性であることから、本物質は染色体異常を誘発すると考えられ、区分2とした。 なお、旧分類の区分を見直した。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物ではラット、又はマウスに本物質を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、両種・両性ともに400 ppm までの用量で腫瘍発生率の有意な増加はみられていない (厚労省委託がん原性試験結果 (2015))。しかし、非腫瘍性病変としては、ラット、マウスともに鼻腔に炎症性変化、呼吸上皮の化生、嗅上皮の萎縮などがみられ、かつ最高投与群では体重増加抑制がラットの雌雄、及びマウスの雄に認められている (厚労省委託がん原性試験結果 (2015)) ことから、用量設定は適切であったと判断される。すなわち、吸入経路では区分外相当と考えられるが、他経路での発がん性に関しては情報がない。国際機関による分類結果もなく、よって本項はデータ不足のため、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 分類できない 妊娠雌ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に本物質蒸気を吸入ばく露した催奇形性試験において、高用量 (400 ppm) 群では、母動物に体重増加抑制、胎児に体重の低値 (雌雄)、及び骨化遅延がみられ、中用量 (200 ppm) 群では雄のみ胎児体重の低値がみられたが、胎児死亡、奇形誘発など重大な発生毒性は母動物毒性が明白な 400 ppm までの用量では認められていない (SIDS (2003)、ACGIH (7th, 2011))。以上の胎児にみられた変化は分類ガイダンスに基づき、軽微な変化として分類根拠には含めない。一方、吸入経路での優性致死試験では、本物質をばく露した雄ラットと未処理の雌ラットを交配させた結果、雌の受胎率の軽度低下がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2011)) が、SIDS では変異原性試験の項で、“着床後胚損失の有意な増加”は統計解析の信頼性を欠いており、優性致死陽性の根拠はないとされている (SIDS (2003))。この他、生殖能への影響評価試験として分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) ヒトの吸入ばく露で、わずかな局所刺激性のほか、眩暈、頭痛、吐き気、嘔吐、意識喪失などが知られている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物では、ラットの経口投与で、485〜760 mg/kg (区分2相当の用量範囲) で低迷、不安定歩行、衰弱、振戦、痙攣などがみられ、生存例では1〜2日以内に回復した (ACGIH (7th, 2011)、SIDS (2003))。ラットの2.62〜3.83 mg/L (区分1相当の用量範囲) の吸入ばく露で、自発運動低下、正向反射低下、振戦などがみられた (SIDS (2003))。また、ラットの5.01 mg/L (区分1相当の用量範囲) の吸入ばく露で中枢神経系抑制により死亡したとの報告がある (ACGIH (7th, 2011))。ウサギの790〜1,370 mg/kgの経皮ばく露で、麻酔、昏睡などの報告がある (SIDS (2003))。また、PATTY (6th, 2012) においても麻酔作用の所見が記載されている。 以上より、実験動物での振戦や痙攣から中枢神経系影響、その他の影響として気道刺激性があり、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 分類できない ヒトに関する情報はない。 実験動物では、投与回数が少ないが、ラットを用いた2週間強制経口投与毒性試験において、500 mg/kg/dayの用量を4回投与した結果 (4回投与までに、3例死亡、2例は状態悪化のため4回の投与で安楽死)、呼吸困難、抑うつ、振戦、運動失調、膀胱弛緩、肺のうっ血、角膜混濁、胸腺壊死、肝細胞腫脹・うっ血、腎症、腸間膜リンパ節のリンパ節炎、心臓の炎症がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))。ウサギを用いた2週間経皮投与試験において、975 mg/kg/dayを4回適用した結果 (4回適用までに死亡がみられたため4回の適用で中止し、その後適用せず12日に安楽死)、皮膚刺激性 (棘細胞増生、皮下浮腫、皮膚炎、出血、うっ血、壊死)、死亡 (雄1/6、雌3/6)、活動性低下、虚脱、流涎、振戦。喘ぎ呼吸、痙攣、チアノーゼ、脳の出血・変性、胸腺・脾臓・リンパ節のうっ血及び出血、リンパ球減少あるいは壊死がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011))。 さらに、吸入経路においても区分2を超える範囲であるが、ラットを用いた14週間吸入ばく露試験においても同様の所見がみられ、運動失調、死亡例で小脳核、前庭核、線条体の急性変性、胸腺リンパ球の急性変性、生存例で脳のグリオーシス、脳軟化がみられている (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2011))。 以上のように、中枢神経系が標的臓器と考えられるが。経口投与及び経皮投与試験では投与回数が4日間と少ないことから、ガイダンスに従い分類には採用しなかった。また、吸入経路では区分2の範囲に影響はみられなった。 したがって、分類できないとした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、HSDB (2015) に収載された数値データより、動粘性率計算値は0.62 mm2/sec (20℃) (粘性率: 0.6 mPa・s; 密度(比重): 0.9721) と算出される。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | GHS分類: 区分3 甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 = 34.4 mg/L (SIDS (2001)) から区分3とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | GHS分類: 区分外 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり (良分解性、BODによる分解度: 83% (既存点検 (1991))、かつ生物蓄積性が低いと推定される (log Kow = 0.4 (SRC (2005))) ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、または地方公共団体が廃棄物処理を行っている場合はそこに委託して処理する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2310 | |||
国連品名 | PENTANE-2,4-DIONE | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | 6.1 | |||
容器等級 | III | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、道路法に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 131 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 危険物・引火性の物 | |||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||||
港則法 | その他の危険物・引火性液体類 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
道路法 | 車両の通行の制限 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
外国為替及び外国貿易管理法 | 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」 輸出貿易管理令別表第1の16の項 輸出貿易管理令別表第2 | |||
特定廃棄物輸出入規制法 (バーゼル法) | 廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |