| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 4−シクロプロピル−6−メチル−N−フェニルピリミジン−2−アミン(別名シプロジニル) | ||
| 化学品の英語名称 | 4-cyclopropyl-6-methyl-N-phenylpyrimidin-2-amine | ||
| 製品コード | R06-S76-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺菌剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 皮膚感作性 | 区分1B | |
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(肝臓) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 警告 | ||
| 危険有害性情報 | アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 4−シクロプロピル−6−メチル−N−フェニルピリミジン−2−アミン | ||
| 慣用名又は別名 | シプロジニル | ||
| 英語名 | 4-cyclopropyl-6-methyl-N-phenylpyrimidin-2-amine | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C14H15N3 (225.29) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 121552-61-2 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | - | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 8-(2)-1721 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、直ちに医師の診断を受けること | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 一般的な注意として、粉末状物質の場合は、ある条件下では粉じん爆発を起こす可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。 延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 飛散した物を掃き集めるか、真空掃除機で吸引する等できるだけ飛散発じんしないようにして、空容器等に回収する。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じんを発生させないようにする。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 保管場所には危険・有害物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な照明及び換気の設備を設ける。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | (吸入性粉じん)2 mg/m3 (総粉じん)8 mg/m3 (第3種粉じん) | |||
| ACGIH (2024年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | 手に接触する恐れがある場合、不浸透性の保護手袋を着用する。 厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」参照のこと。 | |||
| 眼の保護具 | 眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて不浸透性の保護衣、保護エプロン等を着用する。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体(農薬抄録 (2013)) | ||
| 色 | 白色(農薬抄録 (2013)) | ||
| 臭い | 無臭(農薬抄録 (2013)) | ||
| 融点/凝固点 | 75.9 ℃(農薬抄録 (2013)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | >360 ℃(農薬抄録 (2013)) 100.9 ℃(1.96Pa)(農薬抄録 (2013)) | ||
| 可燃性 | データなし | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | データなし | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:16 mg/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) アセトン:610 g/L (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) ジクロロメタン:> 500 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) 酢酸エチル:> 500 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) ヘキサン:26 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) メタノール:150 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) オクタノール:140 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) トルエン:440 g/L (25℃) (農薬抄録 (2013)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:3.59 (HSDB in PubChem (2024)) log Pow:4.0 (20℃、pH5、7および9) (農薬抄録 (2013)) | ||
| 蒸気圧 | 4.7×10-4〜5.1×10-4 Pa (25℃) (農薬抄録 (2013)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.21 g/cm3 (22℃) (農薬抄録 (2013)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 酸化剤、還元剤等 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | |||
|---|---|---|---|
| 急性毒性 | |||
| 経口 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:約 2,970 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2012)) (2)ラット(雌)のLD50:約 2,500 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2012)) (3)ラット(雄)のLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(食安委 農薬評価書 (2012)、EU EFSA (2005)) (4)ラット(雌)のLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(食安委 農薬評価書 (2012)、EU EFSA (2005)) | ||
| 経皮 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(食安委 農薬評価書 (2012)、EFSA (2005)) (2)ラット(雌)のLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(食安委 農薬評価書 (2012)、EFSA (2005)) | ||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)、(2)より、区分4上限付近の用量における影響が不明のため、分類できない。 【参考データ等】 (1)ラット(雄)のLC50(4時間):> 1.2 mg/L(OECD TG 403)(食安委 農薬評価書 (2012)、EFSA (2005)) (2)ラット(雌)のLC50(4時間):> 1.2 mg/L(OECD TG 403)(食安委 農薬評価書 (2012)、EFSA (2005)) | ||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、全例で皮膚刺激性変化はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003)、農薬抄録 (2013))。 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(GLP、72時間観察)において、1時間後に全例で軽度から中程度の発赤及び軽度の浮腫がみられたが、発赤は48時間後、浮腫は24時間後には消失した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0.3、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003)、農薬抄録 (2013))。 | ||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 皮膚感作性 | (1)、(2)より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:0.5%懸濁液)において、惹起ばく露終了24、48時間後の陽性率は45%(9/20例)、30%(6/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003)、農薬抄録 (2013))。 (2)本物質は皮膚感作性物質である(EFSA (2005))。 【参考データ等】 (3)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:5%懸濁液)において、惹起ばく露終了24、48時間後の陽性率は15%(3/20例)、5%(1/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 | ||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(5)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(GLP)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (2)細菌復帰突然変異試験(GLP)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (3)ほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター肺由来 V79細胞)を用いた遺伝子突然変異試験(GLP)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (4)ほ乳類培養細胞(CHO細胞)染色体異常試験(GLP)において陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (5)本物質は遺伝毒性物質ではないと考えられた(JMPR Report (2003)、EFSA (2005))。 | ||
| 発がん性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。(2)のラットで乳腺の腫瘍増加がみられたが、良性腫瘍に限られている。 【根拠データ】 (1)国内外の既存分類結果としては、EPAでNL(Not Likely To Be Carcinogenic To Humans)に分類されている(Annual Cancer Report (2019): 1998年分類)。 (2)ラットを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験において、最高用量の2,000 ppm投与群の雌で乳腺の良性腫瘍(腺腫、線維腺腫、線維腫及び導管の乳頭腫を含む)の発生率に有意な増加が認められた(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (3)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月間発がん性試験において、最高用量の5,000 ppmまで投与に関連した腫瘍発生の増加はみられず、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (4)ラット及びマウスの発がん性試験において、発がん性はみられなかった(JMPR Report (2003)、EFSA (2005))。ゆえに、EPAはNLに分類した(US Federal Register vol. 81, No. 75 (2016))。 | ||
| 生殖毒性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6〜15日)において、1,000 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、児動物に低体重、四肢末端の未骨化の増加及び骨化遅延がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠7〜19日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (4)妊娠ラット及び妊娠ウサギを用いた発生毒性試験において、ラットの胎児には低体重及び骨化遅延の頻度増加、ウサギには第13過剰肋骨の胎児を有する妊娠腹頻度の増加がみられたとの報告がある。また、ラットの二世代繁殖毒性試験においては、F1及びF2児動物に低体重がみられた(US Federal Register (2016))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)〜(6)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の上限)で立毛、円背・呼吸困難、自発運動低下(雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003))。 (2)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の上限)で立毛、円背、横臥、呼吸困難がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003))。 (3)ラットを用いた単回経口投与試験において、LD50値(2,970 mg/kg/day(雄)、2,500 mg/kg/day(雌))で水様便・軟便、流涎、円背、呼吸困難、活動低下、顔面に赤色物付着、泌尿生殖器に暗色・黄色物付着、腹部に黄色物付着、痩身、流涙、よろめき歩行、正向反射・把握反射欠如、散瞳、へばり、鼻に透明の分泌物、弛緩状態、無便、肛門部に暗色物付着、泌尿生殖器・腹部の脱毛、死亡例(性別・例数不明、口部、鼻部又は肛門周囲に分泌物)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、農薬抄録 (2013))。 (4)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験(OECD TG 403、GLP、4時間)において、1.2 mg/L(区分2の範囲)で立毛及び呼吸困難がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012)、JMPR (2003))。 (5)ラットを用いた急性神経毒性試験(GLP)において、200 mg/kg(区分1の範囲)で体温低下、円背が、600 mg/kg(区分2の範囲)で直腸温低下、自発運動量低下、死亡(1例)が、2,000 mg/kg(区分2の上限)で自発運動量低下、活動性低下がみられた。なお、病理組織学的検査において左記の症状における検体投与の影響は認められなかった。また、急性神経毒性は認められないとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (6)(5)の200 mg/kg(区分1の範囲)で体温低下、円背がみられたことを踏まえ、低用量影響の確認試験として実施されたラットを用いた急性神経毒性試験(GLP)において、200 mg/kg(区分1の範囲)までの用量で影響はみられなかった。(食安委 農薬評価書 (2012))。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)、(2)より、区分2(肝臓)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間亜急性毒性試験(GLP)において、300 ppm以上(19 mg/kg/day(雄)、19.3 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でPT延長(雄)、ALT増加(雄)、肝臓影響(門脈周囲の細胞肥大)(雄)、下垂体前葉の細胞(TSH陽性細胞)肥大(雄)、甲状腺ろ胞上皮細胞肥大(雄)が、2,000 ppm以上(134 mg/kg/day(雄)、137 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)でChol・PL 増加、ALP(雄)、TP・Glob増加(雄)、甲状腺絶対重量(雄)、相対重量増加(雄)、肝臓影響(細胞単細胞壊死(雄)、門脈周囲の肝細胞肥大(雌)、重量増加(雌))、腎臓影響(慢性炎症)(雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (2)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験(GLP)において、1,000 ppm以上(35.6 mg/kg/day(雄)、41.2 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でPT延長(雄)、肝臓影響(海綿状変性(類洞嚢胞状拡張))(雄)が、2,000 ppm(73.6 mg/kg/day(雄)、87.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で肝臓影響(絶対相対重量増加)(雄)、腎臓影響(慢性進行性腎症)(雄)、卵巣嚢胞(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 【参考データ等】 (3)マウスを用いた混餌投与による90日間亜急性毒性試験において、2,000 ppm以上(257 mg/kg/day(雄)、349 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で肝臓影響(単細胞壊死(雄)、肝細胞グリコーゲン減少(雌))、膵臓影響(絶対相対重量増加)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (4)イヌを用いた混餌投与による90日間亜急性毒性試験(GLP)において、7,000 ppm(210 mg/kg/day(雄)、232 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)までは影響がみられなかったが、20,000 ppm(560 mg/kg/day(雄)、581 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で体重増加抑制、摂餌量低下がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (5)ラットを用いた混餌投与による90日間亜急性神経毒性試験(GLP)において、8,000 ppm(601 mg/kg/day(雄)、631 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で体重増加抑制、摂餌量低下(一過性)、肝臓影響(絶対相対重量増加、小葉中心性肝細胞肥大)、腎臓影響(絶対相対重量増加(雌)、慢性炎症、尿細管円柱増加)、甲状腺ろ胞上皮細胞肥大がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (6)イヌを用いた混餌投与による2年間慢性毒性試験(GLP)において、15,000 ppm(449 mg/kg/day(雄)、446 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で体重増加抑制、摂餌量低下、肝臓影響(細胞内色素沈着(リポフスチン))がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 (7)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月発がん性試験(GLP)において、5,000 ppm(630 mg/kg/day(雄)、558 mg/kg/day(雌)、区分該当しない範囲)で体重増加抑制、膵臓の腺房細胞過形成の増加(雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2012))。 | ||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
|---|---|---|---|---|
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.027 mg a.i./L(農薬抄録, 2013、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2013)であることから、区分1とした。(a.i.: active ingredient) | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.4 mg/L(農薬抄録, 2013、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2013)から、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.027 mg a.i./L(農薬抄録, 2013、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2013)から、区分1となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。(a.i.: active ingredient) | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)【44 4−シクロプロピル−6−メチル−N−フェニルピリミジン−2−アミン(別名シプロジニル)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||