1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン (15質量%の水で湿性としたものに限る) (Hexahydro-1,3,5-trinitro-1,3,5-triazine) | ||
製品コード | R01-B-037 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 爆薬 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | 爆発物 | 等級1.1 | |
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
発がん性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、腎臓) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、造血系、前立腺) 区分2 (腎臓、血液系、膀胱) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H30年度、政府向けGHS分類ガイダンス (平成25年度改訂版 (Ver.1.1)) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 爆発物:大量爆発危険性 飲み込むと有毒 発がんのおそれの疑い 中枢神経系、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、造血系、前立腺の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による腎臓、血液系、膀胱の障害のおそれ 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 乾燥が危険有害性を増加させる場合は、適切な物質で湿らせて保管すること。 容器を接地しアースをとること。 粉砕/衝撃/摩擦のような乱暴な取扱いをしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 火災の場合:区域から退避させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 国又は都道府県の規則に従って保管すること。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン (15質量%の水で湿性としたものに限る) | ||
別名 | トリメチレントリニトラミン | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C3H6N6O6 (222.12) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 121-82-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 5-985 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 工業用は健康へ影響を及ぼす不純物を含有することがある。 |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し (できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。吐かせない。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 脱力感、めまい、頭痛、吐き気、痙攣、意識喪失 眼: 充血、痛み 経口摂取: 「吸入」参照 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 大量の水、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。爆発の危険性がある。爆発性。 | ||
特有の消火方法 | 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険区域から立ち退く。 専門家に相談する。 すべての発火源を取り除く。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 摩擦や衝撃を与えない。 乾燥が危険有害性を増加させる場合は、適切な物質で湿らせて保管すること。 容器を接地しアースをとること。 粉砕/衝撃/摩擦のような乱暴な取扱いをしないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 貯蔵は火薬庫においてしなければならない。 貯蔵は経済産業省令で定める技術上の基準に従う。 施錠して保管すること。 湿潤状態を保つ。 密封し、耐火設備に保管する。 可燃性物質及び強酸化剤から離しておく。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法、火薬類取締法、国連危険物輸送勧告で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | |||
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH (2019年版) | TLV-TWA: 0.5 mg/m3 (Skin) | ||
設備対策 | 密閉系、又は換気を使用する。 粉じん防爆型電気設備及び照明を用いる。 容器を接地しアースをとること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル又は眼用保護具を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 (ICSC (2007)) | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 205.5℃ (ICSC (2007)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 276〜280℃ (HSDB (Access on November 2019)) | ||
可燃性 | 爆発性 (ICSC (2007)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水:不溶 (ICSC (2007)) エタノ-ルに不溶、エーテルに微溶 (HSDB (Access on August 2019)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Pow = 0.87 (PHYSPROP Database (2019)) | ||
蒸気圧 | 4.1x10-9 mmHg (20℃) (PHYSPROP Database (2019)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.8 g/cm3 (ICSC (2007)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 衝撃、摩擦、振動を加えると、爆発的に分解することがある。 加熱すると、爆発することがある。 強酸化剤及び可燃性物質と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 可燃性物質、強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 窒素酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より区分3とした。 なお、本物質は水を除いた量で区分判定している。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:100 mg/kg (環境省リスク評価第6巻 (2008)、HSDB (Access on July 2019)) (2) ラットのLD50:119 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) (3) ラットのLD50:71〜300 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) (4) ラットのLD50:71〜118 mg/kg (ATSDR (2012)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 なお、本物質は水を除いた量で区分判定している。 【根拠データ】 (1) ウサギの経皮ばく露において、本物質2,000 mg/kgで毒性がみられなかった (ACGIH (7th, 2001))。 | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。なお、新しいデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験において72時間後まで持続して1以上のスコアを示した動物は6例中1例のみであり、72時間後には他の動物のスコアは全て0であった (REACH登録情報 (Access on August 2019))。 【参考データ等】 (2) ヒトのパッチテスト(用量不明)で刺激なしとする報告及び皮膚炎を生じたとの報告がある (ATSDR (2012))。 (3) 本物質のモルモットへのばく露 (1,000 mg/kg) で軽度の紅斑を生じた (ATSDR (2012))。 (4) 本物質のアセトン溶液 (27 mg/kg)、シクロヘキサン溶液 (37.5 mg/kg)、DMSO溶液 (165 mg/kg) のウサギへのばく露で皮膚炎を生じた (ATSDR (2012))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。 【参考データ等】 (1) 本物質のヒュームで結膜炎を生じたと報告されている(ATSDR (2012))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内感作:60%、貼付感作:60%、惹起:60及び30%) において皮膚反応は観察されず、陰性と報告されている (REACH登録情報 (Access on August 2019))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、優性致死試験及びマウス骨髄の小核試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のDNA損傷試験、マウスリンフォーマ試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 ACGIHではA4に分類されているが、 (2)、(3) の実験動物の結果及びEPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential) (IRIS (2018)) に分類されていることから、ガイダンスに従い区分2とした。したがって、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001))、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential) (IRIS (2018)) に分類されている。 (2) マウスに本物質を2年間混餌投与した試験で、肝細胞がん又は腺腫の発生率増加、肺胞/細気管支腺腫又はがんの発生率の増加が雌雄で認められた (IRIS (2018))。 (3) ラットに本物質を2年間混餌投与した試験で、肝細胞がんの発生率増加が雄で認められたが、雌では腫瘍の発生率増加は認められなかった (IRIS (2018))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、母動物毒性 (死亡率の著明な増加等) がみられる用量で妊娠数の減少、出生児の生存率の低下がみられ、母動物毒性のみられない用量で児動物の体重増加抑制がみられている (環境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。 (2) ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡率増加 (25%)、痙攣、活動過多) がみられる用量で胎児毒性 (早期胚吸収) がみられているが奇形はみられていない (環境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 (3) ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡率増加 (31%)、痙攣、衰弱、活動過多) がみられる用量で胎児の体重と体長の減少がみられているが奇形はみられていない (環境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。 (4) ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、影響はみられていない (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。 【参考データ等】 (5) 本物質はラットにおいて妊娠中の母体から胎児へ、及び母乳を介した児への移行が報告されている。生殖、発生毒性の試験では母動物毒性がみられない用量での児への影響は特定されていないが、本物質によって誘発される神経系の影響 (GABA受容体拮抗作用) の主な作用機序と、GABA作動性シグナル伝達が神経系の発達に顕著な役割を果たしているという事実に基づいて、発達神経毒性の可能性に関して大きな懸念が提起されている (IRIS Executive Summary (2018))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分1 (中枢神経系、腎臓) とした。(5) でみられた肝臓への影響に関しては、微細形態変化のみで肝毒性を示す所見がみられていないため、分類根拠としなかった。したがって旧分類から分類結果が変更になった。なお、実験動物での用量に関しては、水を除いた量で区分判定を行なった。 【根拠データ】 (1) 戦場で本物質91%を含むプラスチック爆弾 (C-4) を調理燃料として使用した際に、総量で25〜180 g を経口摂取した兵士3人に、嗜眠、半昏睡状態、てんかん性の発作、悪心、嘔吐、頭痛、筋肉痛、発熱が生じた。また、C-4を誤飲した男性18人に、錯乱状態、著明な過剰刺激感受性、四肢の不随意のミオクローヌス性攣縮、重度の持続性のてんかん性発作、悪心、嘔吐、発作後の長期的な精神の混乱がみられ、脳波の異常が9人、腎臓への影響が3人、白血球数の増加が13人にみられた。死亡例はなく、全例が回復した (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (2012)、ACGIH (7th, 2001))。 (2) ラットを用いた急性経口毒性試験で、自発性発作の増加、聴覚原性発作の増加、他の試験で驚愕反応増幅の低下、自発運動減少、驚愕反射潜時の延長、スケジュール制御反応の反応率低下が区分1の用量範囲 (10〜12.5 mg/kg) でみられた (ACGIH (7th, 2001))。 (3) 本物質は種々の動物種で重度の中枢神経系影響を示す中等度から重度の急性毒性症状を生じた (ACGIH (7th, 2001))。 (4) 本物質は中枢神経系でGABA拮抗作用を示すとの記載がある (IRIS Executive Summary (2018))。 (5) ラットの単回経口投与試験において100 mg/kg (区分1相当) で、肝細胞の微細形態変化 (粗面小胞体の拡張、ミトコンドリアの膨潤)、腎臓遠位尿細管の変性、血尿 (尿細管内赤血球の存在確認) がみられた (ACGIH (7th, 2001))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1) より、ヒトへの吸入ばく露で中枢神経系への影響がみられ、(2)〜(6) より、実験動物において区分1の範囲で中枢神経系、造血系、前立腺、区分2の範囲で心臓、腎臓、血液系、膀胱、精巣への影響がみられている。このうち心臓及び精巣については、標的臓器とする根拠としては不十分と考えた。よって、区分1 (中枢神経系、造血系、前立腺)、区分2 (腎臓、血液系、膀胱) とした。なお、実験動物での用量に関しては、水を除いた量で区分判定を行なった。情報源の情報を見直し、旧分類を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質の製造工場で本物質の粉じんを吸入した可能性のある労働者で、1〜2日間の不眠症、情動不安、いらいら感の後で前触れなしに癇癪の発作に似た強直性間代性痙攣が起こり、一時的な記憶喪失、倦怠感、疲労感、衰弱がみられたが、その後回復した (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、PATTY (6th, 2012))。 (2) ラットに6ヵ月間混餌投与した結果、40 mg/kg/day (区分2の範囲) でヘモグロビン、赤血球数の減少等がみられた (ATSDR (2012))。 (3) ラットに13週間混餌投与した結果、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で軽度の白血球増加、30 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上で血清中トリグリセリドの減少、100 mg/kg/day 以上で死亡、振戦及び痙攣、肝腫大がみられた (ATSDR (2012)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001))。 (4) ラットに13週間混餌投与した結果、28 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上で血液学的影響、40 mg/kg/day (区分2の範囲) で心重量減少、心筋の限局性変性、門脈の炎症がみられた (ACGIH (7th, 2001))。 | |||
(5) ラットに2年間混餌投与した結果、1.5 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で脾臓におけるヘモジデリン様の色素沈着、前立腺の化膿性炎、8 mg/kg/dayで肝臓及び腎臓相対重量の増加等、40 mg/kg/day (区分2の範囲) で貧血、膀胱炎等の膀胱の障害、腎盂拡大、腎乳頭壊死を伴う腎臓の暗赤色化、精巣の萎縮等がみられた (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))。 (6) サルに90日間経口投与した結果、10 mg/kg/day (区分1の範囲) で中枢神経系障害 (振戦及び痙攣)、骨髄及び脾臓における壊死性/変性巨核球の増加とヘモジデリン沈着、肝細胞索 (liver cord cells) の組織変化がみられた (ATSDR (2012)、環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 | ||||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 魚類 (ブルーギル) の96時間LC50 = 3.6 mg/L (AQUIRE (2018)、HSDB (2018)、Bentley, R.E. et al. (1977)) であることから、区分2とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急速分解性がなく、藻類 (ムレミカヅキモ) の96時間NOEC (生長速度) = 0.5 mg/L (AQUIRE (2018)、Burton, D.T. et al. (1994)) であることから、区分2とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 0072 | |||
国連品名 | CYCLOTRIMETHYLENE- TRINITRAMINE (CYCLONITE; HEXOGEN; RDX), WETTED with not less than 15% water, by mass | |||
国連危険有害性クラス | 1.1D | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法、火薬類取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法、火薬類取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)【ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン】 | |||
労働安全衛生法 | 危険物・爆発性の物(施行令別表第1第1号)【1の2 その他の爆発性のニトロ化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【515 ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【515 ヘキサヒドロ−1,3,5−トリニトロ−1,3,5−トリアジン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第5類自己反応性物質、ニトロ化合物(法第2条第7項危険物別表第1・第5類)【3 ニトロ化合物】 | |||
火薬類取締法 | 火薬類(法第2条)【2−ホ 爆発の用途に供せられるトリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、トリニトロクロルベンゼン、テトリル、トリニトロアニソール、ヘキサニトロジフエニルアミン、トリメチレントリニトロアミン、ニトロ基を3以上含むその他のニトロ化合物及びこれらを主とする爆薬】 | |||
航空法 | 輸送禁止(施行規則第194条)【【国連番号】0072 シクロトリメチレントリニトラミン】 | |||
船舶安全法 | 火薬類(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】0072 シクロトリメチレントリニトラミン】 運送禁止(危規則第7条、危険物告示第5条)【1−ヌ シクロトリメチレントリニトラミン】 | |||
港則法 | 爆発物・火薬類(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【1イ シクロトリメチレントリニトラミン】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |