1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | 5-アミノ-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-シアノ-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]ピラゾール (別名:フィプロニル) (Fipronil) | ||
製品コード | R01-B-079 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 農薬 (殺虫剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
急性毒性 (経皮) | 区分3 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分2 | ||
発がん性 | 区分2 | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (神経系) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、甲状腺、肝臓、腎臓、血液系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると有毒 吸入すると生命に危険 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による中枢神経系、甲状腺、肝臓、腎臓、血液系の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。気分が悪い時は医師に連絡すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注)”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 5-アミノ-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-シアノ-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]ピラゾール | ||
別名 | フィプロニル | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C12H4Cl2F6N4OS (437.15) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 120068-37-3 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 5-6414 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。気分が悪い時は医師に連絡すること。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し (できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入: 痙攣、振戦 経口摂取: 「吸入」参照 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 情報なし | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。? ? | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 個人用保護具: 空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること (毒劇物)。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 食品や飼料から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | |||
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会 (2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH (2019年版) | 未設定 | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル又は眼用保護具を着用する。? | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 (ICSC (2004)) | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | 200〜201℃ (HSDB (Access on August 2019)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | 液体製剤は引火性のことがある (ICSC (2004)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水:2 mg/L (HSDB (Access on November 2019)) アセトンに545.9 g/L、ジクロロメタンに22.3 g/L、ヘキサンに0..028 g/L、トルエンに3.0 g/L可溶 (20℃) (HSDB (Access on November 2019)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | logPow = 4 (HSDB (Access on November 2019)) | ||
蒸気圧 | 2.78x10-9 mmHg (25℃) (HSDB (Access on November 2019)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.477〜1.626 g/cm3 (20℃) (HSDB (Access on August 2019)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
避けるべき条件 | 混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 炭素酸化物、窒素酸化物、硫黄酸化物、塩化水素ガス、フッ化水素 |
11.有害性情報 | ||||
---|---|---|---|---|
急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雄: 92 mg/kg、雌: 103 mg/kg (JMPR (1997)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、HSDB (Access on September 2019)) (2) ラットのLD50: 100 mg/kg (HSDB (Access on September 2019)) (3) ラットのLD50: 97 mg/kg (HSDB (Access on September 2019)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分3とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 354 mg/kg (JMPR (1997)) (2) ウサギのLD50: 雄: 445 mg/kg、雌: 354 mg/kg (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、HSDB (Access on September 2019)) (3) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (JMPR (1997)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016) 、HSDB (Access on September 2019)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : 0.682 mg/L (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、HSDB (Access on September 2019)) (2) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : 雄: 0.36 mg/L、雌: 0.42 mg/L (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、HSDB (Access on September 2019)) 【参考データ等】 (3) ラットのLC50 (ばく露時間不明) : 0.36 mg/L (JMPR (1997)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギに本物質を水で湿らせて適用した皮膚刺激性試験において、刺激性を示さない (JMPR (1997)、農薬抄録 (2015))。 (2) ウサギを用いた皮膚及び眼刺激性試験が実施され、皮膚刺激性及び眼刺激性は認められなかった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (3) ウサギに本物質をコーン油で湿らせて4時間適用した皮膚刺激性試験で軽度 (スコア 1〜2) の紅斑と一過性軽度の浮腫がみられたが、7日以内に回復した (JMPR (1997)、HSDB (Access on September 2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験において角膜及び虹彩には変化はみられなかったが、結膜には軽度の発赤と浮腫が1時間後から認められたが、72時間後までには回復した (農薬抄録 (2015))。 (2) ウサギを用いた皮膚及び眼刺激性試験が実施され、皮膚刺激性及び眼刺激性は認められなかった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (3) ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性を示す (JMPR (1997))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法2試験及びビューラー法) においてマキシマイゼーション法 (皮内感作濃度は共に 5%) での陽性率は20%及び0%であり、軽度の感作性と判断されたが、ビューラー法では陰性であった (JMPR (1997)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、ヒトリンパ球培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性 (6時間処理の細胞毒性のある濃度においてのみ染色体異常を誘発) の報告がある (同上)。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。既存分類結果の追加により旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでC (Possible Human Carcinogen) (EPA Annual Cancer Report (2018):1995年分類) に分類されている。 【参考データ等】 (2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雄で甲状腺ろ胞細胞腺腫及びがん、雌で甲状腺ろ胞細胞腺腫の有意な増加が認められた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (3) マウスに本物質を78週間混餌投与した発がん性試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、母動物毒性がみられる用量において、明確な生殖影響、児動物ヘの影響 (神経系影響含む) がみられていることから区分2とした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、最高用量では親動物に死亡 (P雄:2/30例、P雌:5/30例、F1雄:0/30例、F1雌:2/30例)、痙攣、体重増加抑制、摂餌量減少、甲状腺及び肝臓重量増加、下垂体重量減少、甲状腺ろ胞上皮過形成、小葉中心性肝細胞脂肪性空胞化等がみられ、出生率低下、児動物に痙攣、低体重、産児数減少、出生時生存数減少、生後4 日生存率低下等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016) 、JMPR (1997))。 (2) 雌ラットの妊娠6日〜哺育10日(51日間)まで混餌投与した発達神経毒性試験において、母動物毒性のみられない用量で児動物に低体重、包皮分離遅延がみられ、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で児動物に 4日生存率低下、耳介展開遅延、切歯萌出遅延、膣開口遅延、聴覚驚愕反応低下 (回復性あり)、遊泳発達遅延等がみられているが、神経病理組織学的検査では異常はみられていない (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4) より、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質を事故又は意図的に経口摂取したヒトが全身性強直性間代性発作を生じた複数の症例が報告されている (HSDB (Access on September 2019))。 (2) ラットの単回経口投与試験において、50 mg/kg以上で立毛、下痢、円背位及び異常歩行が、80 mg/kg以上で嗜眠、呼吸数低下、四肢蒼白化及び眼瞼下垂が認められた。これらの影響がみられた用量は区分1に相当する (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (3) ウサギの単回経皮投与試験において、250 mg/kg (区分1相当) 以上で痙攣、振戦、下痢、削痩、自発運動亢進及び遅発性痙攣が認められた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (4) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、本物質の粉じん0.259 mg/L (区分1相当) 以上で立毛、円背位、接触時発声、流涎、低体温、振戦、痙攣、運動失調が認められた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 【参考データ等】 (5) 本物質は、昆虫において抑制性神経伝達物質とされるGABA による塩素イオンチャネルコントロールを阻害し、神経興奮抑制を阻害することにより殺虫作用を発現すると考えられているとの記載がある (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(4) より実験動物への経口投与により区分1の範囲で中枢神経系、甲状腺、肝臓、腎臓、血液系への影響がみられ、(5) より、ウサギへの経皮ばく露により区分1の範囲で中枢神経系に影響がみられていることから、区分1 (中枢神経系、甲状腺、肝臓、腎臓、血液系) とした。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による90日間反復投与毒性試験において、30 ppm (雄/雌: 1.93/2.28 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上でヘマトクリット値減少、肝重量増加等、300 ppm (雄/雌: 19.9/24.0 mg/kg/day、区分2の範囲) で甲状腺重量増加、甲状腺ろ胞上皮肥大、甲状腺ろ胞細胞過形成、汎小葉性肝細胞脂肪性空胞化等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (2) イヌを用いた混餌投与による90日間反復投与毒性試験において、10 mg/kg/day (区分1の範囲) で切迫と殺(雄1 例、雌3例)、削痩、振戦、痙攣、点頭、散発性全身筋攣縮、顔面攣縮、瞬き反射過剰、催吐反射過剰、触覚性踏み直り反応低下等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (3) ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、1.5 ppm (雄/雌: 0.059/0.078 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で痙攣、持続性痙攣後の死亡、赤血球数減少、ヘマトクリット値減少等、30 ppm (雄/雌: 1.27/1.61 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上でヘモグロビン減少、尿量及び尿タンパク増加、進行性腎症増加及び程度の悪化、腎及び甲状腺重量増加、甲状腺ろ胞嚢胞及び生育異常等、300 ppm (雄/雌: 12.7/16.8 mg/kg/day、区分2の範囲) で活動亢進、副腎、肝及び脾重量増加、大動脈鉱質沈着、上皮小体過形成、子宮重量増加等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 | |||
(4) マウスを用いた混餌投与による78週間発がん性試験において、10 ppm (雄/雌: 1.18/1.23 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で小葉中心性肝細胞微小空胞化等、30 ppm (雄/雌: 3.43/3.62 mg/kg/day、区分1の範囲) で肝重量増加、肝細胞過形成、肝慢性変性変化等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 (5) ウサギを用いた21日間経皮ばく露試験において、10 mg/kg/day (区分1の範囲) の雌雄で自発運動亢進がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2016))。 | ||||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | 藻類 (緑藻) のErC50 = 0.074 mg/L (農薬登録申請資料 (1995)) から、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され (BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される (log Kow = 4 (PHYSPROP Database (2005))) ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2761 | |||
国連品名 | ORGANOCHLORINE PESTICIDE, SOLID, TOXIC | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | II | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 151 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 該当しない | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)【22 5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−シアノ−4−[(トリフルオロメチル)スルフィニル]ピラゾール】 | |||
毒物及び劇物取締法 | 劇物(指定令第2条)【32 有機シアン化合物及びこれを含有する製剤】 劇物・除外品目(指定令第2条)【32の6 有機シアン化合物/5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフエニル)−3−シアノ−4−トリフルオロメチルスルフイニルピラゾール及びこれを含有する製剤】 | |||
化学物質審査規制法 | 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項)【旧番号292 5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(平成23年4月1日をもって廃止)】 | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 有機シアン化合物及びこれを含有する製剤】 | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2761 殺虫殺菌剤(有機塩素系)(固体)(毒性のもの)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2761 有機塩素系殺虫殺菌剤類(固体)(毒性のもの)】 | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)【12 フッ素及びその化合物】 | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【26 ふっ素及びその化合物】 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【2 シアン化合物】 | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【25 ふっ素及びその化合物】 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【2 シアン化合物】 | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)【5 シアン化合物】 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)【22 ふっ素及びその化合物】 | |||
廃棄物処理法 | 特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)【5 シアン化合物を含有する特定有害産業廃棄物】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |