1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 1,2,4-トリクロロベンゼン | ||
製品コード | H30-B-030-MHLW | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料・顔料中間体,溶剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(肝臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性(長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 警告 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 発がんのおそれの疑い 呼吸器への刺激のおそれ 眠気またはめまいのおそれ 長期にわたる又は反復ばく露による肝臓の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 取扱い後は...よく洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 環境への放出を避けること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪い時は医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは、医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 1,2,4−トリクロロベンゼン | ||
別名 | トリクロロベンゼン トリクロロベンゼン(1,2,4−) 1,2,4-Trichlorobenzol Benzene, 1,2,4-trichloro- trichlorobenzene unsym-Trichlorobenzene | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C6H3Cl3 (181.45) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 120-82-1 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 3-74 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | - |
4.応急措置 | 「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。 | ||
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吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 咳。 咽頭痛。 灼熱感。 皮膚の乾燥。 発赤。 荒れ。 充血。 痛み。 腹痛。 咽頭痛。 嘔吐。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 情報なし | ||
特有の危険有害性 | 情報なし | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | ・個人用保護具:空気中濃度に応じた有機ガスおよび蒸気用フィルター付マスク ・この物質を環境中に放出してはならない ・漏れた液を、密閉式の容器に集める ・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる ・固体の場合:こぼれた物質を、 密閉式容器内に掃き入れる ・地域規則に従って保管・処理する | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 情報なし | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | ・強酸化剤、酸および食品や飼料から離しておく | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | ・食品や飼料と一緒に輸送してはならない ・海洋汚染物質 | ||
安全な容器包装材料 | 換気、局所排気、または呼吸用保護具を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(5) | TLV-C: 5 ppm | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 保護手袋。 | ||
手の保護具 | 呼吸用保護具と併用して、安全 ゴーグルまたは眼用保護具を着用する。 | ||
眼の保護具 | 保護手袋。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | ・作業時のどの時点でも、許容濃度(天井値)を超えてはならない ・ICSC (2003) 0344 および 1222 参照 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体。17℃以下では無色ないし白色の結晶。 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 除虫粉剤のようなにおい。 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | 17 ℃(HODOC (1989)、ホンメル (1996)、Howard (1997)、ICSC (2003)、Merck (2006)、SAX'S (2000)、SRC、GESTIS (Accessed 2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 約213 ℃(HODOC (1989)、ホンメル (1996)、Howard (1997)、ICSC (2003)、Merck (2006)、SAX'S (2000)、SRC、GESTIS (Accessed 2018)) | ||
引火点 | 約110 ℃( (230°F))(ホンメル (1996)、GESTIS (Accessed 2018)、Merck (2006)、SAX'S (2000)、ICSC (2003)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 2.5〜6.6 Vol.%(ホンメル (1996)、GESTIS (Accessed 2018)、ICSC (2003)) | ||
蒸気圧 | 2.90×10-001 mm Hg(25 ℃)(Howard (1997)) 40 Pa(25 ℃)(ICSC (2003)) 0.46 mm Hg(25 ℃、実測値)(SRC) | ||
蒸気密度 | 6.26(ホンメル (1996)、GESTIS (Accessed 2018)、SAX'S (2000)、ICSC (2003)) | ||
比重(相対密度) | 約1.454(20℃/4℃、25℃/25℃)(HODOC (1989)、SAX'S (2000)) 約1.46(/4℃、25℃/25℃)(ホンメル (1996)、Merck (2006)) 1.5(ICSC (2003)) | ||
溶解度 | 水: 35 mg/L(25 ℃)(GESTIS (Accessed 2018)) 水: 34.6 mg/L 水: 49 mg/L(25 ℃、実測値)(Howard (1997)、SRC) その他の情報: Sparingly soluble in alcohol. Miscible with ether, benzene, petroleum ether, carbon disulfide.(Merck (2006)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 4.02(GESTIS (Accessed 2018)、Howard (1997)、SRC) 3.98(ICSC (2003)) | ||
自然発火温度 | 571 ℃(GESTIS (Accessed 2018)、ICSC (2003)) 645 ℃(ホンメル (1996)) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 燃焼すると、分解する。 塩化水素などの有毒なフュームを生じる。 酸化剤と 激しく反応する。 | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 情報なし | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 OECD TG401準拠である(1)〜(3)のデータを優先して採用し、これらはいずれも区分4に該当する。よって区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,107 mg/kg(雄)(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (2)ラットのLD50:1,019 mg/kg(雌)(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ラットのLD50:930 mg/kg(OECD TG 401)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) 【参考データ等】 (4)ラットのLD50:756 mg/kg(雌)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、ACGIH(7th, 2001)、Patty(2012)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 ラットについて、OECD TG402準拠である(1)のデータを優先して採用し、区分外と判定できる。またウサギについて、(2)及び(3)のデータより、区分外と判定できる。よって、区分外とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:11,356 mg/kg(OECD TG402)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)) (2)ウサギのLD50:約5,000 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ウサギのLD50:>5,000 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)) 【参考データ等】 (4)ラットのLD50:6,139 mg/kg(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)、ACGIH(7th, 2001)) | ||
吸入:ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)及び(3)のデータより、区分4〜区分外に該当と考えられる。また(2)のデータから、区分外と判断できる。よって、区分外とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度(2.5 mg/L)以上のため、(1)〜(3)の試験はミストが混在するものとして、mg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1)ラットのLD0:3.1 mg/L(418 ppm)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (2)ラットのLD0:13.6 mg/L(1,800 ppm)(7時間)(4時間換算値:17.7 mg/L)(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) (3)ラットのLD0:2.5 mg/L(330 ppm)(7.5時間)(4時間換算値:3.4 mg/L(452 ppm))(SIAR(2003)、EU-RAR(2003)) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分外とした。なお、(2)(3)のデータもあるが試験の詳細が不明である。(4)のデータはISCSを引用しており、List1の情報源の情報を優先した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、n=6)において、本物質原体は14日間の観察期間に置いて紅斑スコア1、浮腫スコア1のわずかな刺激が見られたとの報告がある。(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 【参考データ等】 (2)モルモットを用いた皮膚刺激性試験において、本物質は若い個体にはModerateの、高齢の個体にはSevereの刺激性を示したとの報告がある(SIAR(2003)、ATSDR(2014))。 (3)マウスでは紅斑が4/8で見られたとの報告がある(SIAR(2003))。 (4)本物質は皮膚に付くと皮膚の乾燥や発赤、肌荒れを生じるとの報告がある(環境省リスク評価書第8巻(2010))。 (5)反復ばく露によって、皮膚の炎症や脱脂が生じる明らかな証拠があると報告されている(SIAR(2003)、環境省リスク評価書第8巻(2010))。 (6)既存分類ではEUがSkin Irrit. 2に分類している。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分外とした。(2)のデータについて、米国と欧州のDraizeスコアの解釈が異なるとも記載されており、試験詳細が確認できないことから分類判断には用いなかった。(3)のデータはICSCを引用しており、List1の情報源の情報を優先した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405)で、角膜及び虹彩に影響は見られず、結膜では発赤スコア:1、浮腫スコア:0-2が得られたとの報告がある(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験で、Severeな結膜炎が生じ、48時間後も回復しなかったとの報告がある(SIAR(2003))。 (3)本物質は眼に入ると発赤、痛みを生じるとの報告がある(環境省リスク評価書第8巻(2010))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2)のデータもあるが、データ不足のため分類できない。ヒト知見が得られていないことから、旧分類から区分を変更した。 【参考データ等】 (1)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、n=20)で、2/20で感作性が見られたとの報告がある(SIAR(2003)、REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)モルモットを用いた皮膚感作性試験で、陽性反応は見られなかったとの方向がある(SIAR(2003))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた経口投与によるin vivo小核試験(OECD TG 474, GLP)では陰性の結果であった(EU-RAR(2003))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性(EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性であった(EU-RAR(2003)、環境省リスク評価第8巻(2010))。 【参考データ】 (3)マウスを用いたin vivo小核試験で腹腔内投与した2試験で僅かな陽性反応がみられた(EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 (1)、(2)のデータから、雌雄マウスに悪性腫瘍の発生増加が認められたが、ラットでは雄のジンバル腺腫瘍の増加傾向のみで発がん性の証拠は限定的であった。(4)のEPAの分類結果は(3)の経皮試験結果のみを評価対象としたもので、古い分類結果ですでに利用できない。以上の結果より、本項は区分2が妥当と判断した。 【根拠データ】 (1)ラットの発がん性試験(2年間混餌投与:100〜1,200 ppm (雄:5.5〜67 mg/kg/day、雌:6.7〜79 mg/kg/day)、50匹/性/群)では、雌に腫瘍発生の増加はみられなかったが、雄に有意ではないがジンバル腺腫瘍の増加傾向が示された(環境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。 (2)マウスの発がん性試験(2年間混餌投与:150〜3,200 ppm(雄:21〜522 mg/kg/day、雌:26〜575 mg/kg/day)、50匹/性/群)では、中用量以降で肝細胞がんの有意な発生増加が認められた(環境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003)、ATSDR(2014))。 (3)マウスの皮膚に本物質の30%及び60%溶液を0.03 mL(9及び18 mg/匹)、2年間適用した発がん性試験において、高濃度群の雄2 匹で乳頭腫、雌1 匹で扁平上皮がんがみられた(環境省リスク評価第8巻(2010)、EU-RAR(2003))。 (4)国内外の分類機関による既存分類では、EPAがD(Not classifiable as to human carcinogenicity)に分類したが、1989年の分類結果で、(3)のマウス経皮適用試験結果のみを評価対象としたものであった(IRIS(1989)、ATSDR(2014))。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)のラット2世代試験では生殖発生毒性は検出されなかったが、最高用量で唯一みられた影響がF0、F1児動物の離乳時の副腎重量増加のみで、成熟後のF0、F1親動物には一般毒性影響も生殖影響もみられていないため、最高用量が確実中毒量に到達していなかったと考えられる。また、(2)、(3)の2件の発生毒性試験結果のうち、(3)のデータは母動物の死亡率が10%を超えており、分類に用いるのは不適切と考えられる。以上のことから、本物質の生殖発生影響を評価するには情報不足であり、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)母ラットに飲水投与(25〜400 ppm)し、生まれたF0児動物を離乳時まで母動物の乳汁を介して間接ばく露し、離乳後にF0に母動物と同用量を直接飲水投与し、約90日齢で交配させ、F1児動物の離乳まで投与した。F1児動物も同様に離乳後に同一用量の飲水投与を開始し、F0と同様に交配させた2世代生殖毒性試験では、F0及びF1児動物の高用量(400 ppm:53.6 mg/kg/day(F0雄)、33.0 mg/kg/day(F0雌))群の雌雄に離乳時に副腎重量の増加がみられたが、育成後のF0及びF1親動物の生殖能、及びF1、F2児動物への発生・発達影響は認められなかった(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (2)妊娠6〜15日のラットに強制経口投与した発生毒性試験では、母動物に150 mg/kg/day以上でヘモグロビン・ヘマトクリットの減少、肝臓への影響(門脈周囲肝細胞細胞質における好酸球増加、肝細胞の核の大小不同)、300 mg/kg/dayでは甲状腺の濾胞サイズの減少・空胞化など一般毒性がみられたが、胎児に有意な変化はみられなかった(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (3)妊娠ラットの妊娠9〜13日に強制経口投与して妊娠14日に帝王切開した発生毒性試験では、360 mg/kg/dayの投与群に重篤な母動物毒性(死亡(2/9例)、体重増加抑制、肝細胞肥大)を発現し、着床数減少、胎児死亡の増加、頭長・頭臀長の減少、体節数の減少がみられたが、吸収胚や奇形発生率の増加はなかった (環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)から気道刺激性を、また(2)から動物で中枢抑制を示唆する嗜眠がみられ麻酔作用を支持するデータと考え、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)ヒトでは眼や喉の刺激は3〜5 ppmで生じると考えられるとの記述がある(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014))。 (2)ラットに本物質(蒸気)を6時間吸入ばく露した試験で、区分1の範囲の70 ppm(ガイダンス値:0.64 mg/L)以上で嗜眠及び流涙がみられた(ATSDR(2014))。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5)のデータから、肝臓、腎臓、甲状腺、血液系が標的臓器の候補と考えられるが、(6)の本物質の標的臓器に対するATSDRの見解から、腎臓影響は雄ラット特有の機序による可能性が高く、また(1)のラット13週間投与でみられた甲状腺影響は、(3)、(4)の2年間の長期投与試験でみられていないことから、腎臓、甲状腺とも標的臓器から除外する。さらに、血液影響については、ATSDRが経口、経皮及び吸入経路による多くの試験の殆どで血液学的/血液生化学的検査で影響がみられていないことから、血液影響に関して懐疑的であり、また(1)〜(4)の経口投与試験では区分2までの用量範囲内で明確な所見としてみられていないことから、標的臓器としない。以上より、区分2(肝臓)とした。なお、旧分類から標的臓器として腎臓、甲状腺、血液系を除外し、肝臓のみとした。なお(7)は、ばく露期間が長くなるにつれ、肝臓影響が弱くなっていることから、採用しなかった。 【根拠データ】 (1)ラットの13週間混餌投与試験で、区分2の範囲の1,000 ppm(雄/雌:82/101 mg/kg/day)で、肝臓への影響(重量増加、脂肪浸潤、肝細胞の空胞化・変性)及び甲状腺への影響(濾胞サイズの減少、濾胞上皮の高さの増加、コロイド密度の減少)がみられた(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (2)ラットの3ヵ月間混餌投与試験で、区分2の範囲の600 ppm(雄:32〜96 mg/kg/day、雌:40〜108 mg/kg/day)以上の群に腎臓への影響(相対重量増加(雌雄)、尿細管の拡張・顆粒状円柱・硝子滴・腎乳頭石灰化・間質性腎炎・再生尿細管(雄))、肝臓への影響(絶対・相対重量増加(雌)、小葉中心性肝細胞肥大(雄))、区分2上限〜区分2超の1,800 ppm(雄:96〜242 mg/kg/day 、雌:108〜276 mg/kg/day)で血液影響(赤血球数の減少(雄)、ヘモグロビン・ヘマトクリットの減少(雌雄))がみられた (環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (3)ラットの104週間混餌投与試験では、区分2の範囲の350〜1,200 ppm で、肝臓影響に加え、腎臓影響(重量増加(雌雄)、慢性進行性腎症の悪化(雄)、腎乳頭石灰化(雌雄)、尿細管移行上皮細胞の過形成(雄))が雌雄に認められた(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (4)マウスの104週間混餌投与試験では、区分2超の700 ppm(100.5 mg/kg/day(雄))及び3,200 ppm(522(雄)/574(雌)mg/kg/day)で小葉中心性肝細胞肥大が認められたが、雌雄のいずれの群にも腎臓への影響はみられなかった(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 (5)ウサギの本物質市販品(本物質70%、1,2,3-TCB 30%含有)の4週間経皮適用試験では、区分2の範囲の150及び450 mg/kg/day(90日換算:33.0及び98.9 mg/kg/day)で、雌に血液影響(赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット値の減少)がみられた(EU-RAR(2003))。 (6)ATSDRは腎臓の組織所見は雄ラットに特異的なα2μ-グロブリン腎症に関連した影響の可能性を、また、ラット13週間投与試験でみられた甲状腺の所見については、ほぼ同レベルの用量を用いたラットの長期投与試験、及びマウスの試験でみられていないことを指摘している。また、(5)のウサギ経皮試験について、血液学的パラメーター変化がみられているが正常範囲内であり、経皮、吸入経路での試験報告からは血液影響はみられななかったと記述している(ATSDR(2014))。 【参考データ等】 (7)吸入経路では雄ラットの最長26週間吸入ばく露試験で、途中の13週間ばく露終了時に区分1の範囲の25 ppm(ガイダンス値換算:0.16 mg/L)以上で肝臓に肝細胞肥大、腎臓に硝子滴変性がみられたが、これらの変化は26週間ばく露終了時には明瞭にみられることはなく、比較的短期間の変化と考えられている(環境省リスク評価第6巻(2010)、ATSDR(2014)、EU-RAR(2003))。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(ニセネコゼミジンコ)の48時間EC50/LC50 = 0.308 mg/L(CICADS 60, 2004)から区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 該当しない | |||
国連品名 | 該当しない | |||
国連危険有害性クラス | 該当しない | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | 該当しない | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |