化学品の名称 | 2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル | ||
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化学品の英語名称 | Benzyl 2-hydroxybenzoate | ||
製品コード | R05-A-040-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 医薬・香料中間体 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | |
皮膚感作性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
分類実施日 (環境有害性) | - | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 警告 | ||
危険有害性情報 | 眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い | ||
注意書き | |||
安全対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||
応急措置 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル | ||
慣用名又は別名 | サリチル酸ベンジル | ||
英語名 | Benzyl 2-hydroxybenzoate Benzyl salicylate | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C14H12O3 (-) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 118-58-1 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-1570/3-3044 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 直ちに新鮮な空気のある場所に移動させ、深呼吸させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。症状(喘鳴、咳、息切れ、口、喉、胸の灼熱感など)が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 以上、PubChem参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。直ちに皮膚に付着した部分を水と石けんで丁寧に洗浄する。発赤や炎症などの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察/手当を受けること。 以上、PubChem参照。 | ||
眼に入った場合 | 水または生理食塩水で20〜30分間洗浄する。ココンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師の診察/手当を受けること。 以上、GHS分類結果、PubChem参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 嘔吐させない。意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませて化学物質を薄める。直ちに医師の診察/手当てを受けること。 以上、PubChem参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火薬剤、二酸化炭素。 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性がある。水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。多量の場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | 付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。使用する場合は十分な換気を確保すること。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 容器を密閉し、涼しくて乾燥した換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | - | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付ける。床に排水溝を設けないこと。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 適切な不浸透性の保護手袋を着用する。 保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | わずかに甘い臭い | ||
融点/凝固点 | 18〜20 ℃(GESTIS(2023)) 24 ℃(2.67 kPa)(Ullmann(2011)) 23.4 ℃(Chapman(1995)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 320 ℃(GESTIS(2023)) 211 ℃(2.67 kPa)(Ullmann(2011)) 208 ℃(25 mmHg)(Lange(2017)) | ||
可燃性 | 可燃性、低引火性(GESTIS(2023)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 180 ℃(密閉式)(GESTIS(2023)、HSDB in PubChem(2023)) >100 ℃(NFPA(2002)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 8.8 mg/L(20℃)(GESTIS(2023)) 水: 2.46×10+1 mg/L(25℃)(推定値)(Howard(1997)) アルコール、エーテル: (混和)(HSDB in PubChem(2023)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 4.0(GESTIS(2023)) log Kow: 4.31(推定値)(Howard(1997)、HSDB in PubChem(2023)) | ||
蒸気圧 | <0.1 hPa(25℃)(GESTIS(2023)) 7.8×10-5 mmHg(25℃)(HSDB in PubChem(2023)) 3.37×10-6 mmHg(25℃、推定値)(Howard(1997)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.175 g/cm3(20℃)(GESTIS(2023)、Ullmann(2011)、HSDB in PubChem(2023)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 情報なし | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、火花、爆発性混合気の形成 | ||
混触危険物質 | 情報なし | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:雄:2,227 mg/kg(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:14,150 mg/kg(AICIS IMAP (2016) 、REACH登録情報(Accessed Dec. 2023)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=4)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404相当、GLP、半閉塞、4時間適用、7日観察)において、みられた影響は7日後までに完全回復した(紅斑・痂皮スコア:1/0.3/1/0、浮腫スコア:0.3/0/0/0.3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (2)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、7日観察)において、みられた影響はすべて72時間以内に消失した(紅斑・痂皮スコア:0.3/0.7/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分2Bとした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405相当、10日観察)において、全例で中程度の結膜刺激がみられが、影響は7日以内に回復した。(角膜混濁スコア:0/1/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:1.7/2/2、結膜浮腫スコア:0.7/2.3/0.7)との報告がある(AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 【参考データ等】 (2)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 437、GLP)において、in vitro刺激性スコア(IVIS)=0(<3で区分に該当しない)との報告がある(AICIS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)本物質は皮膚感作性物質として多くの症例報告、診断用パッチテストの報告がある。ヒトのMaximisation試験において、5件中2件で弱い陽性(4%(1/25名)、8%(2/25名))が報告されている(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018)、AICIS IMAP (2016))。 (2)マウス(n=4/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は2.6(2.5%)、5.5(5%)、6(10%)、18.9(25%)、26.2(50%)、EC3値は2.9%(>2%で区分1B)と算出されたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018)、AICIS IMAP (2016))。 (3)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406相当)において、惹起終了後に20〜30%の陽性率がみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、CLH Report (2018))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 In vivo試験データはないが、(1)よりin vitroの3つの異なる指標で陰性の結果が得られていることから、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験(OECD TG471)及びCHL/IU細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473)、CHO細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG476)及びヒト末梢血リンパ球を用いた小核試験(OECD TG486)で、いずれも代謝活性化の有無にかかわらず陰性であった(REACH登録情報 (Accessed Nov. 2023)、AICIS IMAP (2016)、厚労省 既存点検結果 (2017))。 【参考データ等】 (2)本物質はベンジルアルコール(CAS登録番号:100-51-6)とサリチル酸(CAS登録番号:69-72-7)のエステルである。エステルの代謝により親化合物のアルコールと酸が最初に生成し、さらに代謝される。したがって、本物質の全身毒性はベンジルアルコールとサリチル酸の毒性学的な性質に関連する(AICIS IMAP (2016))。 (3)ベンジルアルコールでは、in vivo小核試験で陰性、in vitro試験で陰性又は陽性の結果から、区分に該当しないとされた(2019年度GHS分類結果)。 (4)サリチル酸では、in vivoの2つの染色体異常試験で陰性であること等から、区分に該当しないとされた(2011年度GHS分類結果)。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 本物質のデータ不足のため、分類できない。 【参考データ等】 (1)本物質はベンジルアルコール(CAS登録番号:100-51-6)とサリチル酸(CAS登録番号:69-72-7)のエステルである。エステルの代謝により親化合物のアルコールと酸が最初に生成し、さらに代謝される。したがって、本物質の全身毒性はベンジルアルコールとサリチル酸の毒性学的な性質に関連する(AICIS IMAP (2016))。 (2)ベンジルアルコールでは、ラット、マウスの発がん性試験で陰性であったことから、区分に該当しないとされた(2019年度GHS分類結果)。 (3)サリチル酸について、ラットを用いた長期混餌投与試験で腫瘍の発生増加は認められず、当該物質は非発がん性であると判断された(AICIS IMAP (2016))。 (4)サリチル酸では、データ不足のため分類できないとされた(2011年度GHS分類結果)。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、本物質において母動物に一般毒性が発現している用量で発生影響がみられており、(4)〜(6)より、代謝物であるサリチル酸でも母動物に一般毒性が発現している用量で生殖への影響がみられていることから、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422、GLP、投与期間:雄:交配前14日間を含む42日間、交配雌:交配14日前から哺育4日までの41〜46日間、非交配雌:42日間)では、親動物に一般毒性影響がみられる高用量(300 mg/kg/day)群において、分娩時に全胚吸収雌(6例)、全出産児死亡雌(1例)がみられ、妊娠期間の延長、出産率の低下・生存児分娩雌5例からの出生児も授乳2日までに全児が死亡した。出産率、分娩率、出生率、出産児数及び出生児数の低下、死産児数の増加が認められた。中用量(100 mg/kg/day)以下では軽微な変化(低体重(生後0日及び/又は4日))に限られたとの報告がある(厚労省 既存点検結果 (2017))。 (2)ラットを用いた混餌投与による生殖発生スクリーニング試験(OECD TG421、GLP:雄:交配前14日間及び交配期間、雌:交配14日前から継続して哺育13日まで)において、最高用量の4,000 ppm(雄/雌:158/164 mg/kg/day)まで、親動物の一般毒性及び生殖毒性、児動物の発生・発育への有害影響は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (3)妊娠ラットを用いた混餌投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP:妊娠6〜21日)では、最高用量の4,000 ppm(289 mg/kg/day)で母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量低下)と胎児に軽微な発生影響(低体重)がみられたのみであった(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (4)本物質はベンジルアルコール(CAS登録番号:100-51-6)とサリチル酸(CAS登録番号:69-72-7)のエステルである。エステルの代謝により親化合物のアルコールと酸が最初に生成し、さらに代謝される。したがって、本物質の全身毒性はベンジルアルコールとサリチル酸の毒性学的な性質に関連する(AICIS IMAP (2016))。 (5)代謝物であるサリチル酸では、母動物に体重低下等の一般毒性が発現している用量で生殖への影響がみられることから区分2として分類されている(2011年度GHS分類結果)。 (6)代謝物であるベンジルアルコールでは、発生毒性は母動物毒性発現用量で軽微な影響がみられたのみで区分に該当しないが、性機能及び生殖能に関する情報がなく、データ不足のため分類できないとしている(2019年度GHS分類結果)。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、経口経路及び経皮経路では区分2までの影響が不明であり、吸入経路ではデータ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、投与量は不明であるが抑うつ症状がみられたとの報告がある。なお、LD50は2227 mg/kgであったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)、AICIS IMAP (2016))。 (2)ウサギを用いた単回経皮投与試験において、10,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)以上で一般状態観察で抑うつ症状がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)、AICIS IMAP (2016))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、経口経路では区分に該当しない。ただし、他経路では分類に十分な毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた90日間混餌投与試験(OECD TG408、GLP)において、3,000 ppm(177 mg/kg/day(雄)、204 mg/kg/day(雌))まで影響はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生スクリーニング併合試験(OECD TG422、GLP、投与期間:雄:交配前14日間を含む42日間、交配雌:交配14日前から哺育4日までの41〜46日間、非交配雌:42日間)において、100 mg/kg/day(90日換算:46.7 mg/kg/day、区分2の範囲)では、γ-GTPの高値(交配群雌)、血清T3の低値ないし低値傾向(雄及び非交配雌)、胸腺重量の低値傾向(雄)がみられたのみで病理組織学的に異常はみられなかったとの報告がある(厚労省 既存点検結果 (2017))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)40℃での動粘性率は7.1 mm2/s と報告されている(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データなし。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データなし。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:良分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」 |