1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品の名称 | 1,2-オキサチオラン=2,2-ジオキシド (別名: 1,3-プロパンスルトン) (1,3-Propane sultone) | ||
製品コード | R02-B-085 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 有機合成原料、合成樹脂・繊維・塗料原料、染料・医薬・農薬中間体 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用 | ||
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用) | |||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分3 | |
急性毒性 (経皮) | 区分3 | ||
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (全身毒性) | ||
分類実施日 (環境有害性) | 平成22年度、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると有毒 皮膚刺激 強い眼刺激 吸入すると有害 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 全身毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 1,2-オキサチオラン=2,2-ジオキシド | ||
別名 | 1,3-プロパンスルトン | ||
3-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸スルトン | |||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C3H6O3S (122.14) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 1120-71-4 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 5-530 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 汚染された衣服を脱がせる。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 皮膚: 吸収される可能性あり!発赤、痛み、灼熱感、症状は遅れて現われることがある。 眼: 充血、痛み。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 曝露の程度によっては、定期検診を勧める。 |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
適切な消火剤 | 水噴霧、乾燥粉末消火薬剤、耐アルコール性泡消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 情報なし | ||
消火を行う者の保護 | 情報なし |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 特殊装置 (「注」参照) で、吸引、または 密閉式容器内に注意深く掃き入れる。 湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 液体の場合:漏れた液を 密閉式の容器にできる限りに集める。 残留分を、注意深く集める。 地域規則に従って保管処理する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 裸火禁止。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 この物質の吸引に、家庭用掃除機を使用してはならない。特殊装置のみ使用すること。 作業衣を家に持ち帰ってはならない。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 乾燥 密封 食品や飼料から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
---|---|---|---|---|
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度 | ||||
日本産衛学会 (2020年度版) | 未設定 | |||
ACGIH (2020年版) | (L) | |||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に防じんマスクを使用することとの記載あり) | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡や保護面を着用する。(ICSCには、呼吸用保護具と併用して、安全ゴーグル、顔面シールドまたは保護眼鏡を着用することとの記載あり) | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 (結晶) 無色 (液体) | ||
臭い | 特徴的な臭気 | ||
融点/凝固点 | 31℃ (ICSC (2016)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 180℃ (0.039 atm) (HSDB (Access on May 2020)) | ||
可燃性 | 可燃性 (GESTIS (Access on May 2020)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | 該当しない | ||
引火点 | 該当しない | ||
自然発火点 | 該当しない | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 該当しない | ||
溶解度 | 水: 10 g/100 mL (ICSC (2016)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
蒸気圧 | データなし | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.392 g/cm3 (25℃) (ICSC (2016)) | ||
相対ガス密度 | 該当しない | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱すると、分解する。 イオウ酸化物などの有毒なフュームを生じる。 湿った空気と反応する。 有毒な3-プロパンスルホン酸を生じる。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 湿った空気、強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | イオウ酸化物などの有毒なフューム、3-プロパンスルホン酸 |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 100〜157 mg/kg (厚労省リスク評価書 (2010)) (2) ラットのLD50: 100〜200 mg/kg (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)) (3) ラットのLD50: 157 mg/kg (MAK (DFG) vol.4 (1992)) (4) ラットのLD50: 350 mg/kg (MAK (DFG) vol.4 (1992)) (5) ラットのLD50: 100 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1) より、区分3とした。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 660 mg/kg (厚労省リスク評価書 (2010)、MAK (DFG) vol.4 (1992)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)) | ||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | ||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1) より、LC50 (4時間) は1.95〜3.21 mg/Lの間であることから、区分4とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 動物が全数死亡したときのばく露濃度 (2.14 mg/L) が飽和蒸気圧濃度 (1.8 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (6時間): 1.3〜2.14 mg/Lの間 (1.3 mg/Lにおいて死亡例なし、2.14 mg/Lの用量で全数死亡) (4時間換算値: 1.95〜3.21 mg/L) (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)) (2) 本物質の蒸気圧: 0.27 mmHg (25℃) (NTP RoC (14th, 2016)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 1.8 mg/L) | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。新しいデータ (1)、(2) が得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質がヒトと動物の皮膚に対して刺激性を有することが報告されている (MAK (DFG) vol.4 (1992))。 (2) OECD TG 431に準拠したin vitro皮膚腐食性試験 (in vitro膜バリア試験法) において、腐食性物質ではないと判定されている (REACH登録情報 (Access on August 2020))。 【参考データ等】 (3) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) で軽度刺激性と報告されている (厚労省リスク評価書 (2010))。 (4) モルモットの皮膚に本物質 (0.1〜20 mL或いは10滴) を貼付した実験で、パッチ適用箇所に中等度の浮腫と壊死がみられ、適用箇所周囲にはスコア3の紅斑がみられ、2週間後には脱毛と瘢痕がみられた。本物質 (10滴) を開放適用した実験では適用24〜48時間後には紅斑 (スコア 2〜3) と浮腫がみられたが、1〜2週間後には最小化した (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、REACH登録情報 (Access on August 2020))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1) より、区分2Aとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質 (1滴) をウサギの眼に適用した眼刺激性試験で結膜炎及び角膜混濁が適用24〜72時間後に観察され、結膜浮腫は回復したが、結膜の発赤と角膜混濁は適用14日後までには回復しなかった (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、REACH登録情報 (Access on August 2020))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータ (1)、(2) が得られたことから分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) OECD TG 406相当のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、適用濃度 1%) で、皮膚反応は観察されず、皮膚感作性は陰性と判定された (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015))。 (2) OECD TG 406相当のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 1%) で、皮膚反応は観察されず、皮膚感作性陰性を判定された (REACH登録情報 (Access on August 2020))。 【参考データ等】 (3) 本物質の職業ばく露による接触皮膚炎がみられており、本物質は皮膚感作性を有する可能性がある (MAK (DFG) vol.4 (1992))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、腹腔内投与又は経口投与したマウスの末梢血を用いた小核試験において陽性の報告がある(IARC 110 (2017)、産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015))。また、静脈投与後のラットの脳細胞で DNA 鎖の切断が誘導されたとの報告がある (厚労省リスク評価書 (2010)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験において代謝活性系の非存在下で陽性の報告がある(IARC 110 (2017)、産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、厚労省リスク評価書 (2010)、MAK (DFG) vol.4 (1992))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 (1) の既存分類のうち、最新の分類であるIARC及び産衛学会が (2)〜(4) の情報に基づきそれぞれグループ2A及び第2群Aに分類していることから、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ2A (IARC 110 (2017))、産衛学会で第2群A (産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017))、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、NTPでR (NTP RoC (14th, 2016))、EU CLP分類でCarc.1B (EU CLP分類 (Access on May 2020))、MAK (DFG) で1 (DFG List of MAK and BAT Values (2019)) に分類されている。 (2) ヒトの情報としては、1950〜1970 年代にかけて本物質を製造していたドイツの化学工場で、ばく露された男性労働者55人について調査し、2010年までに20人に計24の腫瘍が観察されたという報告がある。この報告では、観察された腫瘍の中で神経系臓器の膠芽細胞腫2例と悪性シュワン細胞腫 (末梢神経鞘腫瘍) 1例、十二指腸癌1例はヒトに発生が稀な腫瘍であり、また動物実験で同様の腫瘍が誘発されていることから、特にばく露との関連が疑われると述べている。しかし、ばく露濃度や交絡要因等の評価はされていない (産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017))。 (3) 動物実験における発がん性については、3 系統のマウスに皮膚塗布した試験で、単回皮膚塗布により皮膚腫瘍 (悪性を含む)、56 週間塗布により皮膚腫瘍 (悪性を含む)、リンパ網内系腫瘍、肺腫瘍、子宮又は乳腺腫瘍の発生、マウスに63週間皮下投与した試験で、投与部位に線維肉腫と上皮系腫瘍の発生、ラットに61週間又は32週間強制経口投与した試験で、脳の悪性膠細胞腫、乳腺腺がん、白血病、耳管の扁平上皮がん及び小腸腺がんの発生が報告されている (産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017)、IARC 110 (2017))。 (4) 本物質の遺伝毒性については、in vitroでのヒト細胞を用いた試験を含む様々な試験及びin vivo 試験において陽性であり、また本物質はDNA やタンパク質と直接反応することが報告されている (産衛学会発がん性分類提案理由書 (2017)、IARC 110 (2017))。 |
生殖毒性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
---|---|---|---|---|
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの急性ばく露影響に関する報告はない。実験動物では、(1)、(2) より、影響がみられた最小用量の記載はなく、少なくともLD50値 (経口: 100〜157 mg/kg、経皮: 157 mg/kg、区分1の範囲) 付近で影響がみられたと想定し、区分1 (全身毒性) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質による実験動物の急性中毒として、初期の無反応 (apathy)、進行性呼吸困難、血性下痢、振戦、痙攣がみられるのが特徴であり、投与量に依存するが、本物質にばく露されて6時間から数日で死亡する。病理学的検査で出血性肺水腫、重度の腸管出血、脳浮腫が認められたとの報告がある。また、本物質は高い細胞毒性があり、壊死を引き起こすことが報告されている (厚労省リスク評価書 (2010)、MAK (DFG) vol.4 (1992))。 (2) 本物質によるラットの単回投与試験において、影響がみられた最小用量の記載はなかったが、LD50値 (経口: 100〜157 mg/kg、経皮: 157 mg/kg) の記載があった (厚労省リスク評価書 (2010))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性項目の内容に変更はない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 (急性) | データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性 (長期間) | データがなく分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2811 | |||
国連品名 | TOXIC SOLID, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | - | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | - | |||
特別な安全上の対策 | - | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【492 1,3−プロパンスルトン】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【492 1,3−プロパンスルトン】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第2種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)【79 1,3−プロパンスルトン】 | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物)】 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2811 その他の毒物(固体)(有機物)】 |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP) International Chemical Safety Cards (ICSC) Hazardous Substances Data Bank (HSDB) GESTIS Substance database (GESTIS) ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 |