1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | エチレングリコールモノ‐ノルマル‐ブチルエーテル、(別名ブチルセロソルブ)、(Ethylene glycol mono-n-butyl ether)、(Butyl cellosolve) | ||
製品コード | H26-B-021(21B3020) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 工業用溶剤、Mgの抽出・検出、ガスクロ分析のためのカルボン酸のエステル化、食品製造用(加工助剤、殺菌、溶剤等)塗料・印刷インキ・染料・農薬溶剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | ||
急性毒性(経皮) | 区分3 | |||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | |||
皮膚腐食性刺激及び皮膚刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2A | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (血液系、呼吸器、肝臓、腎臓)、 区分3 (麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (血液系) | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性は、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) を使用 | |||
環境に対する有害性 | 分類できない | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 可燃性液体 飲み込むと有害 皮膚に接触すると有毒 皮膚刺激 強い眼刺激 吸入すると生命に危険 眠気又はめまいのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 血液系、呼吸器、肝臓、腎臓の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 直ちに医師に連絡すること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 口をすすぐこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | エチレングリコールモノ‐ノルマル‐ブチルエーテル | ||
別名 | ヒドロキシエチルブチルエーテル、ブチルセロソルブ (Butyl cellosolve)、エチレングリコールモノブチルエーテル、(Ethylene glycol monobutyl ether)、2‐ブトキシエタノール、(2-Butoxyethanol) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C6H14O2 (118.17) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 111-76-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (2)-407 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (2)-2424 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石鹸で洗うこと。 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が持続する場合は、医師に連絡すること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、めまい、し眠、頭痛、吐き気、脱力感。 皮膚:咳、めまい、し眠、頭痛、吐き気、脱力感、皮膚の乾燥。 眼:発赤、痛み、かすみ眼。 経口摂取:咳、めまい、し眠、頭痛、吐き気、脱力感、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐。 中枢神経系、血液、腎臓、肝臓に影響を与えることがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 消火後再び発火するおそれがある。 火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 容器が熱に晒されているときは、移動させない。 | ||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 危険でなければ漏れを止める。 すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 消防法の規制に従う。 ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 皮膚との接触を避けること。 飲み込まないこと。 眼に入れないこと。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 消防法の規制に従う。 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 消防法の規制に従う。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 25ppm | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 該当しない | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA (20 ppm) TLV-STEL (- ppm) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 :Chapman (2005) | ||
色 | 無色 :ホンメル(1991) | ||
臭い | 特徴臭 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 7 : SIDS (Access on Apr., 2009) | ||
融点・凝固点 | -74.8℃: HSDB(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 168.4℃: HSDB(2014) | ||
引火点 | 62℃(CC): HSDB(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.1vol% (93℃)〜12.7vol% (135℃) (vol% in air) : ICSC (2003) | ||
蒸気圧 | 0.76mmHg(20℃) [換算値 101Pa(20℃)] :Chapman (2005) | ||
蒸気密度 | 4.1 (空気=1) : ICSC (2003) | ||
比重(相対密度) | 0.90 (水=1) : ホンメル (1996) 0.9012g/cm3 (20℃,4℃) : Chapman (2009) | ||
溶解度 | 水 : 1.00*10^(6) mg/L (測定値) : Howard (1997) 有機溶媒 : 可溶 : Merck (14th, 2006) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log P = 0.83 : PHYSPROP Database (2005) | ||
自然発火温度 | 240℃ : ホンメル(1996) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 爆発性過酸化物を生成することがある。強力な酸化剤と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 60℃以上 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 爆発性過酸化物 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として、470-3,000 mg/kg の範囲内で10件の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (4件) (470 mg/kg、917 mg/kg (環境省リスク評価第6巻 (2008))、約1,500 mg/kg (NTP TR484 (2000))、1,746 mg/kg (SIDS (1997)、NICNAS (1996)) が該当する区分4とした。なお、2件が区分外 (国連分類基準の区分5)、4件が区分4又は区分5に該当する。 | ||
経皮 | ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg の範囲で3件の報告がある。ウサギのLD50値として、72 mg/kgから> 2,000 mg/kg の範囲内で16件の報告があり、合計19件の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (9件) (220 mg/kg (ATSDR (1998))、220 mg/kg (環境省リスク評価第6巻 (2008))、約400 mg/kg (ACGIH (7th, 2003))、435 mg/kg (SIDS (2007)、NICNAS (1996))、404-502 mg/kg (CICAD 67 (2010))、405-504 mg/kg (DFGOT vol. 6 (1994)、ECETOC TR95 (2005))、567 mg/kg (雄)、636 mg/kg (雌) (NICNAS (1996))、612 mg/kg (DFGOT vol. 6 (1994))、841 mg/kg (1,060 mg/kg (雄)、667 mg/kg (雌)) (EU-RAR (2006)、ECETOC TR95 (2005)) が該当する区分3とした。なお、2件が区分2に、2件が区分2又は区分3に、1件が区分3又は区分4に、2件が区分外に該当する。新たな情報源 (ACGIH (7th, 2003)、ATSDR (1998)、CICAD 67 (2010)、DFGOT vol. 6 (1994)、ECETOC TR95 (2005)、EU-RAR (2006)、NICNAS (1996)、NTP TR484 (2000)、SIDS (2006)、SIDS (2007)、環境省リスク評価第6巻 (2008)) を追加し、分類を見直した。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | ラットのLC50値 (4時間) として、450 ppm (SIDS (2007)、環境省リスク評価第6巻 (2008))、486 ppm (雄)、450 ppm (雌) (ACGIH (7th, 2003)、ATSDR (1998)、CICAD 67 (2010)、ECETO TR95 (2005)、NICNAS (1996)、NTP TR484 (2000)、SIDS (2006))、500 ppm (ATSDR (1998)) との報告に基づき、区分2とした。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験の報告が複数あり、OECD TG 404相当の2試験では「刺激性あり」 (SIDS (2006)、ECETOC TR95 (2005)、NICNAS (1996))、所見として重度の持続的な紅斑及び重度の浮腫がみられたが7日後には回復したと報告されている (SIDS (2006))。他の4時間適用をおこなった皮膚刺激性試験では「軽度の刺激性あり」、あるいは「刺激性あり」と報告されている (SIDS (2006)、ECETOC TR95 (2005)、EU-RAR (2006))。また、ウサギに24時間、半閉塞条件下で適用した結果、適用直後に軽度から中等度の紅斑 (5/6匹)、軽度の浮腫 (4/6匹) がみられ、適用48時間後には軽度から中等度の紅斑 (4/6匹)、軽度の浮腫 (3/6匹) がみられた (EU-RAR (2006))。本試験における一次刺激スコアは1.5であった。また、モルモットを用いた皮膚刺激性試験においても「刺激性あり」との結果がある (SIDS (2006)、EU-RAR (2006))。以上の結果から区分2とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R38」、EU CLP分類で「H315 Skin Irrit. 2」に分類されている。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405、GLP準拠) において、投与後24-27時間後の角膜混濁のスコア 0.9 、虹彩炎のスコア0.6、 結膜炎のスコア2.6、 結膜浮腫のスコア1.8 であり、21日後までに回復したとの報告がある (ECETOC TR95 (2005)、EU-RAR (2006))。また、他にもウサギ用いた眼刺激性試験の報告が複数あり、ドレイズ試験法で強度の刺激性を示した (SIDS (2006)、EU-RAR (2006)) との報告がある。また、ヒトでは痛みを伴う刺激とともに時に角膜混濁も起こすが、その症状は一般に数日以内に回復すると記述されている (DFGOT vol. 6 (1994))。以上の結果から区分2Aとした。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG 406、GLP) において、陰性との報告があり (SIDS (2006)、ECETOC TR95 (2005)、NICNAS (1996))、別のマキシマイゼーション試験においても、陰性を示したとの報告がある (SIDS (2006)、ATSDR (1998)、NICNAS (1996))。また、ボランティア200名に対して本物質10%水溶液のパッチテスト (GLP準拠) を実施した結果、陰性を示したとの報告がある (SIDS (2006))。またボランティア214名に対するパッチテストにおいても、陰性を示したとの報告がある (ATSDR (1998)、ECETOC TR95 (2005))。以上の結果より区分外とした。 | ||
生殖細胞変異原性 | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (環境省リスク評価第6巻 (2008)、SIDS (2007)、EU-RAR (2006)、NICNAS (1996)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、姉妹染色分体交換試験で陰性、陽性の結果が存在し、染色体異常試験、小核試験では陰性の結果となっている (EU-RAR (2006)、NICNAS (1996)、SIDS (2007)、環境省リスク評価第6巻 (2008))。 | ||
発がん性 | IARCではグループ3 (IARC 88 (2006))、ACGIHではA3 (ACGIH (7th, 2003))、EPAではグループC (IRIS (1999)) と分類され発がん性の評価が異なった。しかし、EPAはその後の評価で、本物質はヒトに対して発がん性物質ではなさそうであるとの見解を示し (IRIS TR (2010))、SIDS (2007) においても、同様に発がん物質であるとの根拠はないとしている。以上より、ガイダンスの改訂により「分類できない」とした。 | ||
生殖毒性 | ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験、ウサギを用いた吸入経路での催奇形性試験 (OECD TG 414)、ラットを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験 (OECD TG 414) において、母動物毒性 (体重増加抑制、臓器重量の変化、血液パラメータの変化) がみられる用量 (吸入では200 ppm (970 mg/m3)、経口では200 mg/kg bw/day) で発生影響 (着床数の減少、吸収胚の増加など) がみられた (SIDS (2006))。したがって、区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトにおいては、吸入経路及び経口経路で気道の刺激性、嘔吐、眩暈、嗜眠、昏睡、呼吸困難、散瞳、代謝性アシドーシス、ヘモグロビン低下、血尿、経口摂取で、低カリウム血症、血清クレアチニン濃度の上昇、シュウ酸エステル結晶の尿中排泄量の著しい増加、低酸素血症、肺水腫、成人呼吸窮迫症候群 (ARDS)、血小板減少を伴う非溶血性低色素性貧血が報告されている (EU-RAR (2006)、SIDS (2007)、環境省リスク評価第6巻 (2008)、ACGIH (7th, 2003))。 ラットの450 ppmの吸入ばく露で、浅速呼吸、協調運動の喪失、泌尿生殖器周囲の赤色化、腎臓の肥大及び脱色、膀胱の赤色液 (SIDS (2007))、486 ppmで重度のヘモグロビン尿、呼吸困難、肺、腎臓、肝臓、脾臓の変化 (具体的な記載なし) (ACGIH (7th, 2003))、475 ppmで血尿、協調運動不良、マウスの吸入ばく露では、560 ppm以上で、呼吸困難、重度のヘモグロビン尿、脾臓の濾胞での貪食像及び静脈鬱血、限局性壊死、リンパ過形成、間質性腎炎、気管支肺炎 (EU-RAR (2006)) が見られた。経口ばく露では、ラットの1,120-1,420 mg/kgで不活発、衰弱、昏睡、肺の出血、腎臓の重度の鬱血、ヘモグロビン尿、血尿、斑状肝、マウスの1,519-2,005 mg/kgで活動低下、努力呼吸、呼吸困難、無食欲、振戦、高用量で血尿、死亡動物で胃腸の出血 (EU-RAR (2006)) の報告がある。経皮適用では、ウサギの72-225 mg/kgで衰弱、低体温、ヘモグロビン尿、昏睡、呼吸不全、腎傷害、肺の変化 (詳細記載なし)、肝臓の鬱血、間葉系の反応を伴う壊死巣、不定脂肪変性、脾臓の鬱血、ヘモグロビン血症性ネフローゼを伴う腎臓肥大、壊死を伴う皮膚病変 (EU-RAR (2006)) の報告がある。なお、これらの所見は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、区分1 (血液系、呼吸器、肝臓、腎臓)、区分3 (麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトでの知見は反復ばく露影響に関して利用可能な情報はない (SIDS (2007)、CICAD 67 (2010))。実験動物ではラットに13週間飲水投与した試験で、区分2相当の用量 (約70 mg/kg/day) で、血液系への影響 (赤血球数減少など)、精子濃度の減少がみられた (CICAD 67 (2010))。 吸入経路ではラット及びマウスにおける14週間及び2年間吸入ばく露試験において、区分1に該当する低濃度 (0.15 mg/L/6 hr) から、貧血所見 (赤血球、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の減少、網赤血球比率の増加など) がみられており (SIDS (2007)、CICAD 67 (2010))、影響はマウスよりラットで強く、雄より雌で強く発現する傾向がみられた (CICAD 67 (2010))。ラット、マウスともに14週間吸入ばく露試験では、区分外の高濃度で脾臓の髄外造血亢進、脾臓、肝臓、腎臓におけるヘモジデリン沈着、骨髄での造血細胞増生など血液影響に関連した二次的変化が認められている (CICAD 67 (2010))。なお、本物質ばく露ではヒト、実験動物のいずれにも精巣への明らかな影響を生じなかった。以上より、区分1 (血液系) に分類した。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類(シープスヘッドミノー)での96時間LC50 = 116 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008、他)、甲殻類(ウシエビ属)での96時間LC50 = 130 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008、他)であることから、区分外とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり(BODによる分解度:96%(既存点検, 1976))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.83(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2810 | |||
国連品名 | TOXIC LIQUID, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 有害液体物質(Y類物質) | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 153 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 優先評価化学物質 | |||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) 危険物・引火性の物 第2種有機溶剤等 作業環境評 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体 | |||
航空法 | 毒物類・毒物 | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |