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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
エチレンシアンヒドリン
作成日 2008年09月25日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称エチレンシアンヒドリン (Ethylenecyanohydrin)
製品コードR01-B-101
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限有機合成原料、塗料改質剤、界面活性剤原料、極性溶剤 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性-
分類実施日
(環境有害性)
H18年度、GHS分類マニュアル (H18.2.10版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示
注意喚起語-
危険有害性情報-
注意書き
 安全対策-
 応急措置-
 保管-
 廃棄-
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名エチレンシアンヒドリン
別名エチレンシアノヒドリン
2-シアノエタノール
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C3H5NO (71.08)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号109-78-4
官報公示整理番号
(化審法)
2-3064
官報公示整理番号
(安衛法)
2-(6)-455
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
症状が続く場合には、医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状皮膚: 発赤
眼: 充血、痛み
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤粉末消火薬剤、アルコール耐性泡消火薬剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性可燃性。火災時に、刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材個人用保護具: 空気中濃度に応じた有機ガス及び蒸気用フィルター付マスク
漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。
残留液を、砂又は不活性吸収剤に吸収させる。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項裸火禁止。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること (毒劇物)。
酸、塩基及び酸化剤から離しておく。
乾燥した冷所に保管する。
換気のよい部屋に保管に保管する。
安全な容器包装材料消防法で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具情報なし
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具安全ゴーグルを着用する。
皮膚及び身体の保護具情報なし

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色〜黄色 (ICSC (2001))
臭い特異臭 (GESTIS (Access on October 2019))
融点/凝固点-46℃ (HSDB (Access on October 2019))
沸点、初留点及び沸騰範囲221℃ (HSDB (Access on October 2019))
可燃性可燃性 (ICSC (2001))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界2.3〜12.1 vol% (ICSC (2001))
引火点128℃ (c.c.) (GESTIS (Access on October 2019))
自然発火点494℃ (ICSC (2001))
分解温度228℃ (ICSC (2001))
pH3.0〜4.5 (20℃) (GESTIS (Access on October 2019))
動粘性率データなし
溶解度水:反応して有毒なフューム (シアン化水素等) を生じる (ICSC (2001))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = -0.94 (HSDB (Access on October 2019))
蒸気圧0.08 mmHg (25℃) (HSDB (Access on October 2019))
密度及び/又は相対密度1.0404 (25℃) (HSDB (Access on October 2019))
相対ガス密度2.45 (空気 = 1) (HSDB (Access on October 2019))
粒子特性該当しない

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性有機塩基の影響下で重合することがある。
危険有害反応可能性加熱や酸、酸ヒューム及び水との接触により分解し、シアン化水素などの 非常に有毒なヒュームを生じる。
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質酸、塩基、酸化剤
危険有害な分解生成物シアン化水素などの非常に有毒なヒューム

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 3,200 mg/kg (EPA PPRTV (2012)、HSDB (Access on October 2019))
(2) ラットのLD50: 10 g/kg (10,000 mg/kg) (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on October 2019))
(3) ラットのLD50: 3,200〜6,400 mg/kg (PATTY (6th, 2012))
経皮【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 3.8 g/kg (3,800 mg/kg) (PATTY (6th, 2012))
(2) ウサギのLD50: 5,000 mg/kg (HSDB (Access on October 2019))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
(1) より、区分が特定できないため、分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットの吸入試験 (8時間): 飽和蒸気 (0.306 mg/L) (4時間換算値: 0.612 mg/L) で死亡例なし (PATTY (6th, 2012))。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)〜(3) より、区分に該当しないとした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質 (520 mg) をウサギの皮膚に非閉塞適用した試験で軽度の刺激性がみられた (GESTIS (Access on October 2019))。
(2) 本物質に浸した布をウサギの皮膚に15分あるいは20時間適用した実験で、刺激性はみられていない (GESTIS (Access on October 2019)、REACH登録情報 (Access on November 2019))。
(3) ドレイズ法に準拠して本物質を72時間閉塞適用したウサギを用いた皮膚刺激性試験で、皮膚一次刺激性インデックス (PII) は0.17 (紅斑)、及び0 (浮腫) であった (REACH登録情報 (Access on November 2019))。

【参考データ等】
(4) 本物質 (3.8 g/kg) をウサギの皮膚に適用した試験で中等度の刺激性を示した (GESTIS (Access on October 2019))。
(5) 本物質のウサギへの単回適用は中等度の刺激性を示す (PATTY (6th, 2012))。
(6) モルモットの皮膚に本物質0、0.1、0.2、0.5 mLを適用した試験で、適用部位の痛みの兆候がみられたが、刺激性はわずかであった (EPA PPRTV (2012))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。なお、新たなデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質のウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) において、24/48/72hの角膜、虹彩、結膜発赤、結膜浮腫の平均スコアは0、0、0.83、0.28であり、72時間後までには全て回復した (REACH登録情報 (Access on November 2019))。

【参考データ等】
(2) ウサギの眼への本物質 (一滴: 50 mg) の適用は重度の刺激性を示し、血管の充血、浮腫、壊死性の変化が適用10分後から8日後までみられた (GESTIS (Access on October 2019))。
(3) 本物質は眼刺激性を示す可能性がある (HSDB (Access on October 2019))。
(4) 本物質は接触により粘膜刺激性を示す (GESTIS (Access on October 2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は3未満であり、陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on November 2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
In vivoデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性との報告がある (NTP DB (Access on October 2019)、EPA PPRTV (2012))。
発がん性【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAの暫定評価でI (Inadequate Information to Assess Carcinogenic Potential) (EPA PPRTV (2012)) と分類されている。

【参考データ等】
(2) ラット及びマウスに本物質を78週間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、腫瘍発生は認められなかった。しかし、投与期間が短く (通常104週間)、本物質の発がん性を評価する上で十分な情報ではないと判断されている (EPA PPRTV (2012))。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2) より、経口経路については、実験動物への投与により区分2のガイダンスの範囲で影響がみられていないことから区分に該当しないとした。他経路についてはデータがなく分類できない。

【根拠データ】
(1) 雄ラットを用いた混餌投与による78週間毒性試験において、100 ppm以上 (7 mg/kg/day、区分1の範囲) で体重増加抑制、3,000 ppm (221 mg/kg/day、区分2超) で赤血球数、白血球数ヘモグロビン及びヘマトクリット値の低値がみられた (EPA PPRTV (2012)、HSDB (Access on October 2019))。
(2) 雄マウスを用いた混餌投与による78週間毒性試験において、3,000 ppm (539 mg/kg/day、区分2超) で体重増加抑制がみられた (EPA PPRTV (2012)、HSDB (Access on October 2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)データがなく分類できない。
水生環境有害性 (長期間)データがなく分類できない。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物特別管理産業廃棄物に該当する。
特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当する(Y)
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)【32 有機シアン化合物及びこれを含有する製剤】
消防法第4類引火性液体、第三石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)【5 第三石油類水溶性液体】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 3−ヒドロキシプロピオニトリル】
海洋汚染防止法有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)【95 エチレンシアノヒドリン】
下水道法水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)【2 シアン化合物】
水質汚濁防止法有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)【2 シアン化合物】
土壌汚染対策法特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条) 【注】規制の概要参照【5 シアン化合物】
廃棄物処理法特別管理産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)【5 シアン化合物を含有する特定有害産業廃棄物】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用