1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | トルエン (Toluene) | ||
製品コード | 24B6503 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料、香料、火薬(TNT)、有機顔料、合成クレゾール、甘味料、漂白剤、TDI、テレフタル酸、合成繊維、可塑剤などの合成原料、ベンゼン原料、キシレン原料、石油精製、医薬品、塗料・インキ溶剤等 | ||
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | 平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分2 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 | 区分2B | |||
生殖毒性 | 区分1A | |||
追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1(中枢神経系、腎臓) | |||
吸引性呼吸器有害性 | 区分1 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | |||
<環境分類実施日に関する情報> | ||||
水生環境有害性 (急性):H18.2.10、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 水生環境有害性 (長期間):H18.2.10、H24年度の分類は実施中のため、H18年度の分類を記載(GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用)。 | ||||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性の高い液体及び蒸気 | |||
吸入すると有害 | ||||
皮膚刺激 | ||||
眼刺激 | ||||
生殖能又は胎児への悪影響のおそれ | ||||
授乳中の子に害を及ぼすおそれ | ||||
臓器の障害(中枢神経系) | ||||
呼吸器への刺激のおそれ | ||||
眠気又はめまいのおそれ | ||||
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(中枢神経系、腎臓) | ||||
飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ | ||||
水生生物に毒性 | ||||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | ||||
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。 | ||||
容器を密閉しておくこと。 | ||||
容器を接地すること、アースをとること。 | ||||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 | ||||
火花を発生させない工具を使用すること。 | ||||
静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | ||||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | ||||
妊娠中、授乳期中は接触を避けること。 | ||||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | ||||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | ||||
環境への放出を避けること。 | ||||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
皮膚に付着した場合:多量の水/…で洗うこと。 | ||||
汚染された衣服を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||||
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||||
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 | ||||
無理に吐かせないこと。 | ||||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | ||||
火災の場合には、火元への燃焼源を断ち、適切な消火剤を使用して消火すること。 | ||||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
涼しいところに置くこと。 | ||||
施錠して保管すること。 | ||||
廃棄 | 内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
他の危険有害性 | ||||
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | |||
化学名又は一般名 | トルエン | ||
別名 | トルオール、1-メチルベンゼン、メチルベンゼン、Toluol、1-Mehtylbenzene、Methylbenzene | ||
濃度又は濃度範囲 | 99%以上 | ||
分子式 (分子量) | C7H8(92.14) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 108-88-3 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-2 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | |||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | |||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。安静。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けんで洗うこと。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
汚染された衣服を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 | ||
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。 | |||
特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 | |||
揮発性液体なので、吐き出させるとかえって肺への吸引などの危険が増す。水でよく口の中を洗わせてもよい。 | |||
被災者に意識の無い場合は、口から何も与えてはならない。 | |||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 咳、咽頭痛、めまい、嗜眠、頭痛、吐き気、意識喪失。気道を刺激する。中枢神経系に影響を与えることがある。 | ||
皮膚 : 皮膚の乾燥、発赤。この液体は皮膚の脱脂を起こす。 | |||
眼 : 発赤、痛み。眼を刺激する。中枢神経系に影響を与えることがある。 | |||
経口摂取 :灼熱感、腹痛。咳、咽頭痛、めまい、嗜眠、頭痛、吐き気、意識喪失。この液体を飲み込むと、誤嚥により化学性肺炎を起こす危険がある。高濃度の場合、不整脈、意識喪失を起こすことがある。 | |||
長期または反復暴露の影響:この液体は皮膚の脱脂を起こす。中枢神経系に影響を与えることがある。騒音による聴力障害を促進する。動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている。 | |||
応急措置をする者の保護 | データなし。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | データなし。 | ||
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂、AFFF(水性膜泡消火薬剤)。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状水 | ||
特有の危険有害性 | 燃焼ガスには、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙の吸入を避ける。 | ||
引火性が高い。 | |||
蒸気/空気の混合気体は爆発性である。 | |||
加熱により容器が爆発する。 | |||
特有の消火方法 | 消火作業は、風上から行う。 | ||
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。 | |||
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
関係者以外は安全な場所に退去させる。 | |||
水を噴霧して容器類を冷却する。 | |||
消火するために粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素、砂、AFFF(水性膜泡消火薬剤)を使用すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。 | ||
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。 | |||
必要に応じた換気を確保する。 | |||
環境に対する注意事項 | 漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 少量の場合、吸着剤(土・砂・ウエスなど)で吸着させ取り除いた後、残りをウエス、雑巾などでよく拭き取る。大量の水で洗い流す。 | ||
多量の場合、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてからドラムなどに回収する。 | |||
大量の場合は危険区域から立ち退く! | |||
大量の場合は専門家に相談する! | |||
換気。 | |||
残留液を砂または不活性吸収剤に吸収させて安全な場所に移す。 | |||
下水に流してはならない。 | |||
この物質を環境中に放出してはならない。 | |||
個人用保護具:自給式呼吸器(大量の場合) | |||
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。 | |||
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。 | |||
漏出物の上をむやみに歩かない。 | |||
火花を発生しない安全な用具を使用する。 | |||
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 | ||
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙。 | |||
容器を密閉しておくこと。 | |||
容器を接地すること、アースをとること。 | |||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 | |||
火花を発生させない工具を使用すること。 | |||
静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | |||
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
妊娠中、授乳期中は接触を避けること。 | |||
取扱後は手などをよく洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
帯電を防ぐ(例えばアースを使用)。充填、取り出し、取扱い時に圧縮空気を使用してはならない。防爆用工具を使用する。 | |||
作業環境管理を厳密に!(妊娠中の)女性への暴露を避ける! | |||
呼吸用保護具。 | |||
この物質の蒸気は空気とよく混合し、爆発性混合物を生成しやすい。流動、撹拌などにより、静電気が発生することがある。 | |||
20℃で気化すると、空気が汚染されてやや急速に有害濃度に達することがある。 | |||
強酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | |||
水生生物に対して毒性が強い。 | |||
暴露の程度によっては、定期検診が必要である。 | |||
アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 | |||
火気厳禁。 | |||
接触回避 | 強酸化剤 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手などをよく洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
火気厳禁 | |||
強酸化剤から離しておく。 | |||
安全な容器包装材料 | アルミニウム、フェライト系およびオーステナイト系鋼類、銅基遷移金属合金類。プラスチック類は耐久性の立証が必要。 | ||
ゴムは不適。 | |||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 20ppm | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2012年度版) | 50(ppm) 188(mg/m3) 経皮吸収 | ||
ACGIH(2012年版) | TWA :20ppm STEL:- A4;BEI | ||
設備対策 | 蒸気またはヒュームやミストが発生する場合は、局所排気装置を設置する。 | ||
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。 | |||
容器を接地すること、アースをとること。 | |||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。 | |||
火花を発生させない工具を使用すること。 | |||
静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | |||
耐火設備(条件)。 | |||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて、適切な呼吸用保護具(個人用保護具:自給式呼吸器)を着用すること。 | ||
手の保護具 | 保護手袋、保護衣を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体(Merck (14th, 2006)) | ||
色 | 無色(Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
臭い | ベンゼン臭(Merck (14th, 2006)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 40ppm(Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
pH | データなし。 | ||
融点・凝固点 | -95℃(Merck (14th, 2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 110.6℃(Merck (14th, 2006)) | ||
引火点 | 4.4℃(CC)(Merck (14th, 2006)) | ||
蒸発速度 | 2.0 (酢酸ブチル =1) 6.1 (ジエチルエーテル=1)(Ullmanns(E) (6th, 2003)) | ||
燃焼性(固体、気体) | データなし。 | ||
燃焼又は爆発範囲 | 下限:1.27% 、上限:7%(IMDG (2010)) | ||
蒸気圧 | 28.4 mmHg(25℃)(HSDB (2010)) | ||
蒸気密度 | 3.1 (Air=1)(HSDB (2010)) | ||
比重(相対密度) | 0.866(20℃/4℃)(Merck (14th, 2006)) | ||
溶解度 | 水:526mg/L(25℃, EXP)(Howard (1997)) | ||
ほとんどの有機溶剤(例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、フェノール類、エステル類および塩化炭化水素類)に完全混和。(Ullmanns(E) (6th, 2003)) | |||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow= 2.73(HSDB (2010)) | ||
自然発火温度 | 896F (480 ℃)(HSDB (2010)) | ||
分解温度 | データなし。 | ||
粘度(粘性率) | 0.560(25℃)、 0.424(50℃)mPa・s(CRC (91st, 2010)) | ||
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 硝酸アンモニウム、硝酸、硫酸、無水クロム酸、クロロホルム、四塩化炭素、塩酸等と接すると発火することがある。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱いにおいては安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 強酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 加熱。 | ||
混触危険物質 | 強酸化剤。 | ||
危険有害な分解生成物 | 加熱により一酸化炭素、二酸化炭素を生じる。 | ||
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットLD50値として、7件のデータ [5000 mg/kg(環境省リスク評価 第1巻 (2002))、5580 mg/kg(EU-RAR (2003))、5900 mg/kg、6.4g/kg、7.53g/kg(以上3件 EHC 52 (1985))、7.0g/kg(JECFA 518 (1981))、7300mg/kg (ATSDR (2000))]は全て区分外に該当する。なお、若齢動物のデータは分類に採用しなかった。GHS分類:区分外 | ||
経皮 | ラットのLD50値は12000 mg/kg(ACGIH (2007))、ウサギのLD50値は14100 mg/kg(ACGIH (2007))または12400 mg/kg(EU-RAR (2003))と報告され、いずれも区分外に該当する。 GHS分類:区分外 | ||
吸入:ガス | 吸入 (ガス):GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 | ||
吸入:蒸気 | 吸入 (蒸気):ラットの4時間ばく露によるLC50値として、6件のデータ[7460 ppm、3319-7646 ppm、8762 ppm(以上3件 EU-RAR (2003))、4000 ppm、8000 ppm、8800 ppm(以上3件 PATTY (5th, 2001)]はいずれも区分4に該当する。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(37368 ppm)の90%より低いため、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。 GHS分類:区分4 | ||
吸入:粉じん及びミスト | 吸入 (粉塵・ミスト):データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚腐食性及び刺激性 | ウサギ7匹に試験物質0.5 mLを4時間の半閉塞適用した試験(Annex V, method B2)において、適用後72時間までに全動物が軽微〜重度の紅斑、軽度の浮腫を示し、7日目には全動物に明瞭〜重度の紅斑、5匹に軽微〜軽度の浮腫が観察され、中等度の刺激性(moderately irritating)と評価された結果(EU-RAR (2003))に基づき、区分2とした。なお、ウサギ6匹を用いた別の皮膚刺激性試験(OECD TG 404)では、データの詳細が不明であるが軽度の刺激性(slightly irritating)との報告(EU-RAR (2003))、また、モルモットに本物質原液0.5 mLを24時間の閉塞適用した試験では、痂皮形成がみられ、5日後に皮膚の厚い鱗屑層と皮膚表面に軽度の裂け目が観察されたとの報告(EU-RAR (2003))もある。 GHS分類:区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギ6匹に試験物質0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405、GLP)において、適用1時間後に結膜の発赤、浮腫、排出物が全動物で観察され、24、48時間後も症状は持続したが、その後減弱し72時間後には発赤のみ、7日目には全て消失し、軽度の刺激性(slight eye irritation)と結論されている(EU-RAR (2003))ことから、区分2Bとした。なお、ウサギを用いた別の眼刺激性試験(OECD TG 405)では、刺激性の総合評点MMAS(AOIに相当)は9(最大値110に対し)(ECETOC TR 48(2) (1998))との報告もあり、このスコアは区分外に相当する。また、ヒトへの影響として、誤って本物質を眼にかけられた労働者が、結膜の刺激性や角膜の損傷などの眼上皮に一過性の障害を示したが、48時間以内に完全に回復した(EHC 52 (1985))との報告がある。GHS分類:区分2B | ||
呼吸器感作性 | データなし。GHS分類:分類できない | ||
皮膚感作性 | モルモットのマキシマイゼーション試験(EU guideline B6、GLP)において、50%溶液による惹起処置に対し、20匹中1匹に反応が認められたのみで陽性率は5%(1/20)の結果から、この試験で本物質は皮膚感作性物質ではないと結論付けられた(EU-RAR (2003))こと、さらに、ヒトにおいて、トルエンは皮膚感作性物質ではない(PATTY (5th, 2001))との記載もあることから、区分外とした。 GHS分類:区分外 | ||
生殖細胞変異原性 | マウスに経口または吸入投与した優性致死試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)において2件の陰性結果(NITE初期リスク評価書 .87 (2006))、マウスまたはラットに経口、吸入または腹腔内投与した骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)において5件の陰性結果(NITE初期リスク評価書 .87 (2006)、EHC 52 (1985)、EU-RAR (2003))、マウスに経口または腹腔内投与した骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において2件の陰性結果(NITE初期リスク評価書 87 (2006)、NTP DB (Access on Apr. 2012))、がそれぞれ報告されている。以上より区分外とした。なお、ラットに皮下投与した骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性結果の報告があるが、、トルエンの純度、および異常の判断基準が明確でないため評価困難である(NITE初期リスク評価書 87 (2006))と記載されていることから、採用しなかった。さらにin vivo試験では、遺伝毒性試験としてマウスまたはラットに腹腔内または吸入投与した姉妹染色分体交換試験で陰性(NITE初期リスク評価書 87 (2006))または陽性(EHC 52 (1985))の結果、一方、in vitro試験ではエームス試験で陰性(NITE初期リスク評価書 .87 (2006)、NTP DB (1979))、マウスリンフォーマ試験で陽性(NITE初期リスク評価書 87 (2006))、染色体異常試験および小核試験では陰性または陽性の結果(NITE初期リスク評価書 87 (2006)、NTP DB (Access on Apr. 2012))が報告されている。 GHS分類:区分外 | ||
発がん性 | IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 71(1999))、ACGIHでA4(ACGIH (2007))、U.S.EPAでグループD(IRIS (2007))に分類されていることから、「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスに103週間吸入ばく露(6.5 hours/day、ラット 0, 600, or 1200 ppm、マウス0, 120, 600, or 1200 ppm)した発がん性試験では、両動物種とも雌雄で発がん性の証拠は認められなかった(NTP TR 371 (1990))と報告されている。 GHS分類:分類できない | ||
生殖毒性 | ヒトにおいて、トルエンを高濃度または長期吸引した妊婦に早産、児に小頭、耳介低位、小鼻、小顎、眼瞼裂など胎児性アルコール症候群類似の顔貌、成長阻害や多動など(NITE初期リスク評価書 87 (2006)、IARC 71 (1999))報告され、また、1982〜1982年にカナダで300例の奇形について行われた疫学調査の結果、芳香族溶媒、特にトルエンの職業ばく露歴を持つ女性の間では先天奇形増加のリスクが高かった(ACGIH (2007))ことが報告されている。さらに、溶媒のばく露を一定期間モニターされていた女性のコホートで自然流産の調査(ケース・コントロール研究)が行われ、少なくとも週3回トルエンにばく露された女性の間で自然流産のオッズ比が増加し、トルエンばく露の危険性がを示された(IARC 71 (1999))。以上のヒトでのばく露知見に基づき、区分1Aとした。また、「トルエンは容易に胎盤を通過し、また母乳に分泌される」(SIDS(J) (Access on Apr. 2012))との記載により、「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。なお、動物試験では、ラットに交配前から妊娠期間にかけての期間、または妊娠期間中の吸入ばく露により胎仔死亡の胚・胎仔死亡の増加、自然分娩した場合には生存出生仔数の有意な減少が認められている(EU-RAR (2003)、NITE初期リスク評価書 87 (2006))が、催奇形性は報告されていない。 GHS分類:区分1A、追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | ヒトで750 mg/m3を8時間の吸入ばく露で筋脱力、錯乱、協調障害、散瞳、3000 ppmでは重度の疲労、著しい嘔気、精神錯乱など、さらに重度の事故によるばく露では昏睡に至っている(IARC 47 (1989))。また、本物質を含むシンナーを誤って経口摂取し死亡した15件の事例報告があり、大量のトルエンを摂取し30分後に死亡した51歳男性の場合、死因はおそらく重度の中枢神経系抑制であった(IRIS tox. Review (2005))と報告されている。本物質を含む塗料シンナーを約1クォート摂取した46歳男性の事例では、重度の腹痛、下痢、胃出血と共に重度の中枢神経系の抑制を示したが、36時間の維持療法後に回復を示した(IRIS tox. Review (2005))。以上の外にも本物質の中枢神経系に対する影響は多数報告され、区分1(中枢神経系)とした。一方、ヒトで本物質は高濃度の急性ばく露で容易に麻酔作用を起こし、本物質蒸気により意識を喪失した労働者の事例が多いことは周知である(EHC 52 (1985))ことに加え、動物試験ではマウスまたはラットに吸入ばく露後に麻酔作用が報告されている(IARC 47 (1989))ことから、区分3(麻酔作用)とした。さらに、低濃度(200 ppm)のばく露されたボランティアが一過性の軽度の上気道刺激を示した(PATTY (5th, 2001))との報告により、区分3(気道刺激性)とした。 GHS分類:区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | トルエンに平均29年間曝露されていた印刷労働者30名と対照者72名の疫学調査研究で、疲労、記憶力障害、集中困難、情緒不安定、その他に神経衰弱性症状が対照群に比して印刷労働者に有意に多く、神経心理学的テストでも印刷労働者の方が有意に成績が劣った。また、トルエン嗜癖者に運動失調、共同運動障害、手足の振せん、大脳のびまん性萎縮が認められ、MRI検査では大脳、小脳、脳幹部のびまん性萎縮、中枢神経系全般の灰白質と白質の差異の不鮮明化等が認められた(産業医学 36巻 (1994))。特に高濃度曝露で中枢神経系の機能障害と同時に脳の萎縮、脳の白質の変化などの形態学的変化も生じることが報告されている(産業医学 36巻 (1994))。その他にも本物質ばく露による中枢神経系障害の発生は数多くの報告があり、区分1(中枢神経系)とした。一方、嗜癖でトルエンを含有した溶剤を吸入していた19歳男性で、悪心嘔吐が続き入院し、腎生検で間質性腎炎が認められ腎障害を示した症例(産業医学 36巻 (1994))、トルエンの入った溶剤を飲んでいた26歳の男性で、急性腎不全を来たし、トルエンの腎毒性とみなされた症例(産業医学 36巻 (1994))、さらに、嗜癖でトルエンを吸入し四肢麻痺で入院した17歳女性が尿細管性アシドーシスと診断され、四肢麻痔はトルエン中毒による腎尿細管障害の結果生じたものとされた症例(産業医学 36巻 (1994))など、多くの事例報告がある。以上より、区分1(腎臓)とした。なお、動物試験では、ラット、マウスに経口または吸入による反復投与試験において、ガイダンス値範囲内に相当する用量で悪影響の所見は報告されていない(NITE初期リスク評価書 87 (2006)、EU-RAR (2003)、EHC 52(1985))。また、ヒトで、トルエンのばく露で肝障害の指標である肝酵素の上昇がみられたとする報告は1件あるが、逆にみられなかったとする報告もあり(EU-RAR (2003))、動物では、ラットおよびマウスによる経口および吸入による反復試験で、共にガイダンス値範囲内で肝臓への悪影響は報告されていないことから肝臓は分類の根拠にしなかった。 GHS分類:区分1(中枢神経系、腎臓) | ||
吸引性呼吸器有害性 | 炭化水素であり、動粘性率は0.86 mm2/s(40℃)(計算値:粘度0.727mPa・s(Renzo(1986))、密度0.8483g/mL(CRC (91st, 2010))として計算)である。よって区分1とした。また、ヒトで、吸引性の液体トルエンが肺組織と直接接触すると、重度の刺激、即ち「化学肺炎」を引き起こすとの記載(DFGMAK-Doc.7 (1996))もある。GHS分類:区分1 | ||
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
魚 | 情報なし | ||
甲殻類 | ブラウンシュリンプ EC50 3.5mg/L/96H (EU-RAR No.30 (2003)) | ||
藻類 | 情報なし | ||
水生生物に毒性(区分2) | |||
残留性・分解性 | 急速分解性がある(BODによる分解度:123% (既存化学物質安全性点検データ))。 | ||
生体蓄積性 | 生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 2.73 (SRC:KowWin (2005))。 | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
他の有害影響 | 情報なし | ||
環境基準 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 分類実施中 | ||
(H18.2.10、H24年度の分類は実施中) | |||
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。 | |||
国連番号 | 1294 | |||
国連品名 | TOLUENE(トルエン) | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | K | |||
海洋汚染物質 | 有害液体物質(Y類物質) | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法・毒劇法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 130 | |||
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働基準法 | 疾病化学物質 | |||
労働安全衛生法 | 第2種有機溶剤等 | |||
危険物・引火性の物 | ||||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | ||||
作業環境評価基準 | ||||
毒物及び劇物取締法 | 劇物 | |||
幻覚又は麻酔の作用を有する物 | ||||
じん肺法 | 第1種指定化学物質 | |||
化審法 | 優先評価化学物質 | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
海洋汚染防止法 | 危険物 | |||
有害液体物質(Y類物質) | ||||
麻薬及び向精神薬取締法 | 麻薬向精神薬原料 | |||
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、 新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。 また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |