1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 1,3,5‐トリメチルベンゼン (1,3,5-Trimethylbenzene) | ||
製品コード | H26-B-067(20B0166) | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 染料・顔料・医薬・抗酸化剤中間体 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 | H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分2B | |||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器) | |||
吸引性呼吸器有害性 | 区分1 | |||
分類実施日 | 環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分2 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分2 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ 皮膚刺激 眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害 水生生物に毒性 長期継続的影響によって水生生物に毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 気分が悪い時は医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 無理に吐かせないこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。 漏出物を回収すること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 1,3,5‐トリメチルベンゼン (1,3,5-Trimethylbenzene) | ||
別名 | メシチレン (Mesitylene) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C9H12 (120.20) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 108-67-8 | ||
官報公示整理番号(化審法) | (3)-7 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | (3)-7 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。 皮膚を流水またはシャワーで洗うこと。 多量の水と石鹸で洗うこと。 汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 汚染された衣類を脱ぐこと。 皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 直ちに医師に連絡すること。 無理に吐かせないこと。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入 : 錯乱、咳、めまい、し眠、頭痛、咽頭痛、嘔吐。 皮膚 : 発赤、皮膚の乾燥。 眼 : 発赤、痛み。 経口摂取 : 「吸入」参照。 アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 | ||
応急措置をする者の保護 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 蒸気は空気と爆発性混合気を形成する。 蒸気が着火源まで達し、フラッシュバックするおそれがある。 屋内、屋外又は下水溝で蒸気爆発の危険がある。 下水溝に流れ込むと火災、爆発の危険がある。 加熱により容器が爆発するおそれがある。 吸入や皮膚からの吸収により中毒を起こすおそれがある。 接触により皮膚や眼に炎症をおこすおそれがある。 火災によって刺激性、腐食性及び/又は毒性のガスを発生するおそれがある。 蒸気は、めまいや窒息を引き起こすおそれがある。 消火水や希釈水が汚染を引き起こすおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:水以外の消火剤で消火の効果がない大きな火災の場合には放水する。 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 消火活動は、有効に行える最も遠い距離から、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 大火災の場合、無人ホース保持具やモニター付きノズルを用いて消火する。これが不可能な場合には、その場所から避難し、燃焼させておく。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 全ての着火源を取り除く。 近傍での喫煙、火花や火炎の禁止。 直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 関係者以外の立入りを禁止する。 漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。 風上に留まる。 低地から離れる。 密閉された場所に立入る前に換気する。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。 希釈水は汚染を引き起こすおそれがある。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。 回収、中和: 吸収したものを集めるとき、きれいな帯電防止工具を用いる。 漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。 二次災害の防止策: すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 熱、火花、裸火のような着火源から遠ざけること。−禁煙。 火花を発生させない工具を使用すること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。 環境への放出を避けること。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。 皮膚と接触しないこと。 眼に入れないこと。 飲み込まないこと。 | ||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。 施錠して保管すること。 熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。 熱、スパーク、火炎並びに静電気蓄積を避けること。 強酸化剤から離しておくこと。 技術的対策: 防爆型の電気機器、換気装置、照明機器、規制所管官庁が指定する機器を使用すること。 容器及び受器を接地、結合すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 情報なし |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2014年度版) | 25ppm 120mg/g3 | ||
ACGIH(2014年版) | TLV-TWA (未設定) TLV-STEL (未設定) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 作業場には防爆タイプの全体換気装置、局所排気装置を設置すること。 容器及び受器を接地/結合すること。 防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 防毒マスクには有機ガス用吸収缶を使用する。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 保護眼鏡(普通眼鏡型、側板付き普通眼鏡型、ゴーグル型) | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 適切な顔面用の保護具を着用すること。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特有の臭気 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -44.8℃ : HSDB(2014) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 164.7℃ : HSDB(2014) | ||
引火点 | 50℃(密閉式) : HSDB(2014) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 330Pa (25℃) : CERI ハザードデータ集 2001 - 51 (2002) | ||
蒸気密度 | 相対蒸気密度:4.1(空気=1) : ICSC (J) (2002) 20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度:1.01(空気=1) : ICSC (J) (2002) | ||
比重(相対密度) | 0.8637 (20/4℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008) | ||
溶解度 | 水:0.005% (25℃) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 3.93(実測値) : NITE総合検索 (Access on Jul. 2008) | ||
自然発火温度 | 559℃ : HSDB (2014) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 情報なし | ||
化学的安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 燃焼すると分解し、有毒で刺激性のヒュームを生じる。 強力な酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値として、4,300-8,642 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))、5,000 mg/kg (環境省リスク評価第11巻 (2013)) との2件の報告がある。区分を特定可能な1件の報告に基づき、区分外とした。新たな情報源 (環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008)) を追加し、区分を見直した。 | ||
経皮 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | ラットのLC50値 (4時間) として、24 mg/L との報告 (環境省リスク評価第11巻 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008)、DFGOT vol. 4 (1992)) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (12.1 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG404準拠) において、適用1時間後からごく軽度の発赤がみられ、144 時間後には中等度から重度になった (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の結果から、区分2とした。なお、1時間後の観察で浮腫は軽度であり、144時間後に消失したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ウサギの眼に本物質500 mgを24時間適用した結果、軽度の刺激性がみられたとの記載 (NITE初期リスク評価書 (2008)) から、区分2Bとした。 | ||
呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。なお、本物質の異性体を含む混合溶剤の職業ばく露で、塗料店の従業員37人が溶剤蒸気 (組成: 1,3,5-トリメチルベンゼン 30%、1,2,4-トリメチルベンゼン 50%、その他含有の可能性ある物質1,2,3-トリメチルベンゼン、1-メチル-2-エチルベンゼン、1-メチル-4-エチルベンゼン) に 7年間ばく露された結果、最高濃度にばく露されたヒトの 70%が喘息性気管支炎を発症したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。しかし、この知見は混合ばく露であり、本物質による影響か否か判断できないため、区分に用いるには不十分なデータと判断した。 | ||
皮膚感作性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験では高用量のみで陽性である (環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013)、PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、HSDB (Access on August 2014))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013)、PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、DFGOT vol. 4 (1992))。 | ||
発がん性 | データ不足のため分類できない。 | ||
生殖毒性 | データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で胎児にわずかな影響 (胎児体重の減少) がみられたが催奇形性はみられていない (環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013))。生殖能に関する報告がないことから、分類できないとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質 (ヒトの報告では純度30%、実験動物では純度99%以上) はヒト並びに実験動物に呼吸器刺激性がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1984))。ヒトにおいては、吸入ばく露で頭痛、眩暈、嗜眠、協調運動失調、嘔吐、経口摂取で肺に吸い込み化学性肺炎が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第11巻:環境リスク初期評価 (2013)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1984)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on August 2014))。 実験動物では、マウスの吸入ばく露で正向反射の喪失、中枢神経系抑制、ラットの吸入ばく露でロータロッド試験による EC50 は963 ppm (4.73 mg/L)、ホットプレート試験による痛覚消失の EC50 は 1,212 ppm (5.96 mg/L) の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1984)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。 ヒト及び実験動物の中枢神経系への影響は全般的に麻酔作用に含まれる症状であり、ヒトの「錯乱」については詳細不明であった。また、ヒトの化学性肺炎の所見は「10 吸引性呼吸器有害性」でカバーされた。以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 旧分類の区分3 (麻酔作用) に「気道刺激性」を追加した。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ヒトでは本物質30%、1,2,4-トリメチルベンゼン50%を含む溶剤に数年間ばく露 (炭化水素濃度として10-60 ppm) された作業者27名中の多くに中枢神経系 (神経過敏、緊張、不安) 及び呼吸器 (喘息性気管支炎) への影響がみられた。血液検査では低色素性貧血及び血液凝固異常 (凝固時間の延長) の傾向が示された。原著者らはトリメチルベンゼンばく露による影響と主張したが、血液毒性は溶剤に混入していたベンゼンによる影響との他研究者による指摘も記述されている (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。 実験動物ではラットに本物質 (蒸気と推定) を4週間吸入ばく露し、中枢神経系への影響評価のための行動検査を行った試験で、受動回避行動における潜時の短縮、条件づけ能動回避行動における試行回数の増加、ホットプレート試験における反応時間延長が区分1該当濃度 (125-500 mg/m3: 0.038-0.15 mg/L/6時間 (90日換算)) で認められ (環境省リスク評価第11巻 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008))、中枢神経系への影響が示唆されたが、ラットに3,000 mg/m3 (6時間/日) で5週間、又は1,000 mg/m3 (4時間/日) で6ヶ月間吸入ばく露した各試験では、前者で血清ALT活性の上昇 (ガイダンス値換算: 1.15 mg/L/6時間 (区分外))、後者で白血球の貪食作用の阻害 (ガイダンス値換算: 0.67 mg/L/6時間 (区分2相当)) がみられただけで、中枢神経作用、貧血又は血液凝固障害を疑う所見は得られていない (環境省リスク評価第11巻 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008))。一方、経口経路ではラットに90日間強制経口投与した試験で、NOAELが200 mg/kg/dayと決定されており、区分2までの用量範囲内では無毒性である (環境省リスク評価第11巻 (2013)、NITE初期リスク評価書 (2008))。 以上、本物質を30%含む溶剤の反復吸入ばく露でヒトで懸念された中枢神経系、呼吸器及び血液系への影響に関して、実験動物を用いた試験で本物質ばく露による標的臓器影響と確認できたものはなかった。しかし、ヒトでの知見から、異性体混合物のトリメチルベンゼン (CAS No: 25551-13-7) と同様に区分1 (中枢神経系、呼吸器) と分類した。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | 炭化水素であり、動粘性率が8.9 mm2/s (密度: 0.8652 g/cm3 (20℃) (BUA 46 (1996))、及び粘性率:7.66 Pa・s (15.6℃) (BUA 46 (1996)) より算出) であることから区分1に分類した。なお、List 3 のICSCに経口摂取した場合、肺への吸引により化学性肺炎を生じるおそれがあるとの記述がある (ICSC (2002))。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=6000μg/L(環境省リスク評価第2巻、2002)他から、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(BCF=342(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 危険有害性のレベルを低い状態にする。 廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を充分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2325 | |||
国連品名 | 1,3,5-Trimethylbenzene | |||
国連危険有害性クラス | 3 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | L | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | - | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規制に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 129 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法 | 第1種指定化学物質 | |||
消防法 | 第4類 第二石油類 | |||
船舶安全法 | 引火性液体類 | |||
航空法 | 引火性液体 | |||
港則法 | 引火性液体類 |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |