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安全データシート
m-クロロフェノール
作成日 2013年02月22日
改訂日 2018年03月16日
改訂日 2019年03月15日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称m-クロロフェノール (m-Chlorophenol)
製品コードH29-B-025
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限医薬・農薬中間体、接着剤溶剤、耐熱性樹脂原料

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分4
特定標的臓器毒性
(単回ばく露)
区分2 (中枢神経系)
分類実施日
(環境有害性)
環境に対する有害性はH24年度、国連GHS文書(改訂4版)を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分2
水生環境有害性 (長期間)区分2
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性環境
注意喚起語警告
危険有害性情報飲み込むと有害
中枢神経系の障害のおそれ
水生生物に毒性
長期継続的影響によって水生生物に毒性
注意書き
 安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
環境への放出を避けること。
 応急措置飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名m-クロロフェノール
別名3-クロロフェノール
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C6H5ClO (128.56)
化学特性 (示性式又は
構造式)
構造式
CAS番号108-43-0
官報公示整理番号
(化審法)
3-895
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び
安定化添加物
情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医療機関に連絡する。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。医療機関に連絡する。
眼に入った場合数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師の診断を受ける。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。意識がある場合のみ、吐かせる。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:咳、咽頭痛
皮膚:発赤、痛み
眼:発赤、痛み
応急措置をする者の保護救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
消火剤粉末消火薬剤、水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。
加熱により蒸気が空気との爆発性混合気を生成するおそれがある。
特有の消火方法火元への燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。
延焼の恐れのないよう水スプレーで周囲のタンク、建物等の冷却をする。
消火活動は風上から行う。
火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び
緊急措置
関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(有害粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
こぼれた物質を容器内に掃き入れる;湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
この物質を環境中に放出してはならない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
環境への放出を避けること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件強力な酸化剤、食品や飼料から離しておく。
密封して保管する。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2017年度版)未設定
ACGIH(2017年版)未設定
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。
手の保護具手に接触する恐れがある場合、保護手袋を着用する。
眼の保護具眼に入る恐れがある場合、保護眼鏡やゴーグルを着用する。
皮膚及び身体の保護具必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白い結晶 (HSDB (2017))
臭いフェノール様の臭い (HSDB (2017))
臭いのしきい(閾)値1.8×10-4 mg/L (気体) (HSDB (2017))
pH3.5 (GESTIS (2017))
融点・凝固点33.5℃ (HSDB (2017))
沸点、初留点及び沸騰範囲214℃ (GESTIS (2017))
引火点>112℃(c.c.) (HSDB (2017))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)情報なし
燃焼性(固体、気体)可燃性の物質 (GESTIS (2017))
燃焼又は爆発範囲情報なし
蒸気圧0.125 mmHg (25℃) [換算値 16.7 Pa] (HSDB (2017))
蒸気密度情報なし
比重(相対密度)1.245 (45℃) (HSDB (2017))
溶解度水:2.60×104 mg/L (20℃) (HSDB (2017))
エタノール及びエーテルに可溶 (HSDB (2017))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 2.5 (HSDB (2017))
自然発火温度415℃ (GESTIS (2017))
分解温度情報なし
粘度(粘性率)11.55 cP (25℃) (HSDB (2017))

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性通常の取扱い条件下では安定である。
危険有害反応可能性加熱すると分解し、有毒で腐食性のヒューム(塩化水素、塩素)を生じる。酸化剤と反応する。
避けるべき条件裸火、混触危険物質との接触
混触危険物質酸化剤
危険有害な分解生成物加熱すると分解し、有毒で腐食性のヒューム(塩化水素、塩素)を生じる。

11.有害性情報
急性毒性
経口GHS分類: 区分4
ラットのLD50値として、570 mg/kg (EHC 93 (1989)、PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分4とした。
健康有害性については、異性体であるo-クロロフェノール (CAS番号 95-57-8)、p-クロロフェノール (CAS番号 106-48-9) の情報も参照のこと。
経皮GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:ガスGHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミストGHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、異性体であるp-クロロフェノール (別名:4-クロロフェノール、CAS番号 106-48-9) の知見として、ウサギを用いた眼刺激試験で、1%水溶液0.15 mLを適用した場合、軽度の充血を生じ、2%水溶液0.15 mLを適用した場合、中等度〜重度の充血、軽度〜中等度の浮腫、角膜の混濁と滲出物が認められ、これらの変化は、適用5分後に明らかとなり、5時間後に最も強くなったが、96時間後には軽快したとの報告 (HSDB (Access on June 2017)) があるが、本物質の情報ではないので採用しなかった。
呼吸器感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on June 2017)、HSDB (Access on June 2017))。
発がん性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖毒性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、異性体のo-クロロフェノール (CAS番号 95-57-8) では雌マウスに3週齢から交配・妊娠期間を経て分娩時まで飲水投与した結果、同腹児数の減少及び死産児比率の増加傾向がみられたとの報告がある (EHC 93 (1989))。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)GHS分類: 区分2 (中枢神経系)
ラットの単回経口投与試験において、本物質の投与直後に不穏、過呼吸を示し、その後、急速に運動失調が起こり、振戦、間代性痙攣、呼吸困難、昏睡を起こして死に至るという報告がある (PATTY (6th, 2012))。これらの症状がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値である570 mg/kg付近の区分2範囲と考えられる。したがって区分2 (中枢神経系) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸引性呼吸器有害性GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on June 2017) に収載された数値データ (粘性率: 11.55 mPa・s (25℃)、密度 (比重): 1.245 (45℃)) より、動粘性率は9.28 mm2/sec (25/45℃) と算出される。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)魚類 (ヨーロッパガレイ)による96時間LC50 = 3.99 mg/L (AQUIRE (2013))であることから、区分2とした。
水生環境有害性(長期間)慢性データを用いた場合、急速分解性がなく (難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検 (1979))、藻類 (クロレラ)による72時間 NOEC = 10 mg/L (AQUIRE (2013))であることから、区分外となる。 慢性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく (難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検 (1979))、魚類 (メダカ)による96時間LC50 = 4.5 mg/L (AQUIRE (2013))であることから、区分2となる。 以上の結果を比較して、区分2とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号2020
国連品名CHLOROPHENOLS, SOLID
国連危険有害性クラス6.1
副次危険-
容器等級L
海洋汚染物質該当する
MARPOL73/78附属書K及び
IBCコードによるばら積み
輸送される液体物質
該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策イエローカードの携行が望ましい。
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*153
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
航空法毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)
船舶安全法毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。