1.化学品等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学品等の名称 | 2-プロピン-1-オール | ||
製品コード | H30-B-005-MHLW | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | メッキ光沢剤 |
2.危険有害性の要約 | ||||
---|---|---|---|---|
GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H31.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分3 | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ||
急性毒性(経皮) | 区分1 | |||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 区分1B | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 区分1 | |||
発がん性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器、肝臓、腎臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | ||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 引火性液体及び蒸気 飲み込むと有毒 皮膚に接触すると生命に危険 吸入すると有毒 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 重篤な眼の損傷 発がんのおそれの疑い 呼吸器への刺激のおそれ 長期にわたる又は反復ばく露による呼吸器、肝臓、腎臓の障害 水生生物に毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 容器を密閉しておくこと。 容器を接地すること/アースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 火災を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後は...よく洗うこと。 この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 眼、皮膚、衣類につけないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 環境への放出を避けること。 | |||
応急措置 | 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 火災の場合:消火するために...を使用すること。 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である (このラベルの...を見よ)。注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 汚染された衣服を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当を受けること。 気分が悪いときは、医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 | |||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 2−プロピン−1−オール | ||
別名 | プロパギルアルコ−ル プロパ−2−イン−1−オール(別名2−プロピン−1−オール) prop-2-yn-1-ol (synonym:2-Propyn-1-ol) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C3H4O (56.06) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 107-19-7 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-272 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | - |
4.応急措置 | 「2.危険有害性の要約」における応急措置も確認すること。 | ||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 新鮮な空気、安静。 医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。 多量の水かシャワーで、皮膚を洗い流す。 医療機関に連絡する。 応急処置を行うときは、保護手袋を着用する。 | ||
眼に入った場合 | 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医療機関に連絡する。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。 安静。 医療機関に連絡する。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 咳。 咽頭痛。 吸収される可能性あり。 発赤。 痛み。 重度の熱傷。 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、アルコール耐性泡消火薬剤、二酸化炭素を使用する。 火災時:水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 加熱により容器が爆発するおそれがある。 火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。 引火性液体及び蒸気 | ||
特有の消火方法 | 引火点が極めて低い:消火の効果がないおそれがある場合は散水する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。 消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 個人用保護具:自給式呼吸器付完全保護衣。 この物質を環境中に放出してはならない。 漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管・処理する。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。33℃以上では、密閉系、換気、および防爆型電気設備。 容器は丁寧に取扱い、取り付け作業等では漏えいに注意する。 使用後はバルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。注)【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用できます。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 作業中は飲食、喫煙をしない。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 耐火設備とすること。 強酸化剤および食品や飼料から離しておくこと。 暗所に保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2019年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2019年度版) | TLV-TWA: 1 ppm、Skin | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 局所排気、または呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 取扱う化学物質に適した、耐劣化性、耐透過性の保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 呼吸用保護具と併用して、安全 ゴーグル、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて保護衣、保護エプロン等を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | ゼラニウム(西洋あおい)類似臭 | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -50 ℃(SRC) -52〜-48 ℃(SAX'S (2000)、ICSC (1997)、Merck (2006)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 114 ℃(ホンメル (1996)、ICSC (1997)) 114〜115 ℃(SAX'S (2000)、Merck (2006)) | ||
引火点 | 33 ℃(SAX'S (2000)、ICSC (1997)、Merck (2006)) 36 ℃(ホンメル (1996)) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 情報なし | ||
燃焼又は爆発範囲 | 3.4〜70 Vol%(ICSC (1997)) | ||
蒸気圧 | 1.56 mmHg(25 ℃、実測値)(Howard (1997)、SRC) | ||
蒸気密度 | 1.93(ホンメル (1996)、SAX'S (2000)、ICSC (1997)) | ||
比重(相対密度) | 0.97(ICSC (1997)) | ||
溶解度 | 水: 1×10+6 mg/L(20 ℃、実測値)(Howard (1997)、SRC) 水: (ベンゼン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、エタノール、エーテル、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジンに易溶、四塩化炭素に可溶) その他の情報: 大部分の有機溶剤に溶けるが、ガソリン系炭化水素には溶けない。(ホンメル (1996)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = -0.38(実測値)(Howard (1997)、SRC) | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 熱、酸化剤、過酸化物、光の影響下で重合することがある。 | ||
危険有害反応可能性 | 酸化剤と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 熱、光。 | ||
混触危険物質 | 酸化剤。多くのプラスチックを侵す。 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時の燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素などの有害ガスが発生する。 |
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(4)より、区分2〜区分3が2件、区分3が6件該当する。よって最も多い区分を採用し、区分3とした。新たな情報源の使用及び旧分類時からガイダンス文書の改訂があったことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:93 mg/kg(雄)、55 mg/kg(雌)(PATTY(6th, 2012)、NTP TR552(2008)、ACGIH(7th, 2001)) (2)ラットのLD50値:110 mg/kg(雄)、54 mg/kg(雌)(PATTY(6th, 2012)、NTP TR552(2008)) (3)ラットのLD50値:20-50 mg/kg、56 mg/kg、70 mg/kg(PATTY(6th, 2012)) (4)ラットのLD50値:35-110 mg/kg(MAK/BAT(2005)) | ||
経皮 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、1件が区分1、1件が区分1〜区分2、1件が区分2に該当する。よって有害性の高い区分を採用し、区分1とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50値:16 mg/kg(PATTY(6th, 2012)、NTP TR552(2008)) (2)ウサギのLD50値:88 mg/kg(PATTY(6th, 2012)、NTP TR552(2008)) (3)ウサギのLD50値:16-190 mg/kg(MAK/BAT(2005)) | ||
吸入:ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体である。 | ||
吸入:蒸気 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分3とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度(15,198 ppm)の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50値(2時間):2,000 mg/m3(872 ppm)(4時間換算値:617 ppm)(MAK/BAT(2005)) (2)ラットのLC50値(1時間):1,040-1,200 ppm(4時間換算値:520-600 ppm)(PATTY(6th, 2012)、NTP TR552(2008)、ACGIH(7th, 2001)) | ||
吸入:粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(2件)において、原体適用で刺激及び表層壊死が、10%溶液適用で軽度の刺激性(mild)が見られたとの報告がある(PATTY(6th, 2012)、ACGIH(7th, 2001))。 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404と同等の試験方法)で本物質を1分間適用したところ、8日後に軽度の壊死が見られ、5分若しくは15分間適用したところ8日後に重度の壊死が見られたとの報告がある(BUA 213(1999)、REACH登録情報(Accessed Jul. 2018))。 【参考データ等】 (3)EU CLPでは本物質をSkin Irrit. 1Bに分類している。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 眼損傷性を示す情報(1)と刺激性を示す情報(2)があるが、前者を優先して区分1とした。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質原液を適用したところ、顕著な痛みと刺激が生じ、角膜損傷は不可逆的だったとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質10%溶液を適用したところ、軽度の刺激があったが数日以内に回復したとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。 | ||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 本物質は皮膚感作性がないことを示す情報(1)も得られているが試験の詳細が不明であり、区分外を判断できる十分な証拠も得られていないため、分類できないとした。なお、証拠の重みづけを再検討することで、旧分類から区分を変更した。 【参考データ等】 (1)モルモットを用いた皮膚感作性試験の結果、皮膚感作性を示さなかったとの報告がある(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012))。 | ||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。なお、旧分類とは異なる情報源を追加し見直し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、吸入ばく露によるマウスの末梢血を用いた小核試験において、陰性(雄)、又は不明瞭(雌)との結果(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))、経口投与によるマウスの骨髄を用いた小核試験において陰性の結果が得られている(PATTY(6th, 2012)、MAK/BAT(2005))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性、又は陽性(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性の結果が得られている(PATTY(6th, 2012)、MAK/BAT(2005))。 | ||
発がん性 | 【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象にした報告はない。 (1)、(2)より、実験動物2種にみられた腫瘍は概ね良性腫瘍であったことから、区分2とした。なお、新たな情報源を用いて分類結果を見直し、分類区分を付与した。 【根拠データ】 (1)ラットに本物質蒸気を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、高用量(64 ppm)群の雄で鼻腔呼吸上皮の腺腫が3/50例にみられ、頻度は背景データの範囲より高く、また同群の雄で単核球性白血病の頻度増加が報告されている(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))。 (2)マウスに本物質蒸気を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、雌雄ともに鼻腔呼吸上皮腺腫の頻度の増加傾向があり、高用量(32 ppm)群で有意な増加がみられた(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))。また、高用量群の雄でハーダー腺の腺腫の頻度増加がみられた(NTP TR552(2008))。 (3)NTPは本物質は雄ラット及び雌雄マウスに対し、発がん性のある程度の証拠があると結論した(NTP TR552(2008))。 (4)国内外の分類機関による既存分類結果はない。 | ||
生殖毒性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、区分3(気道刺激性)とした。なお、旧分類とは異なる情報源を追加して見直し、標的臓器を気道として分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)本物質は気道に対し刺激性を有するとの記述がある(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、経口及び吸入経路で肝臓及び腎臓、(3)〜(5)の吸入経路では加えて呼吸器が標的臓器と考えられ、いずれも区分1の用量範囲で認められたことから、区分1(呼吸器、肝臓、腎臓)とした。なお、旧分類の情報源に新たな情報源を加えて分類を見直し、呼吸器を標的臓器として追加した。 【根拠データ】 (1)ラットに28日間強制経口投与した試験において、45 mg/kg/day(90日換算:15 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で、肝細胞傷害(核の肥大、空胞化など)、GPT・アルカリホスファターゼ・グルタミン酸デヒドロゲナーゼ活性の増加、コリンエステラーゼ活性の阻害がみられた(環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート(2008))。 (2)ラットに13週間強制経口投与した試験において、15 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓への影響(肝臓重量増加、肝細胞空胞化、胆管増殖、巨赤血球増多)、腎臓への影響(腎臓重量増加、尿細管上皮細胞の巨大核増加)がみられた(環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート(2008)、PATTY(6th, 2012)、IRIS(1990))。 (3)吸入経路ではラットに本物質蒸気を3ヵ月間にわたり吸入ばく露(7時間/日、5日/週、投与日数59日間)した試験において、80 ppm(ガイダンス値換算:0.14 mg/L、区分1の範囲)で、肝臓及び腎臓に重量増加に加えて、変性様変化がみられた(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012))。 (4)ラット又はマウスに本物質蒸気を14週間吸入ばく露(6時間/日、5日/週)した試験において、、16〜64 ppm(ガイダンス値換算:0.03〜0.12 mg/L、区分1の範囲)でラットの鼻腔に呼吸上皮の過形成、同扁平上皮化生、臭嗅上皮の壊死がみられた。またマウスには鼻腔の化膿性炎症、呼吸上皮の扁平上皮化生・硝子滴変性、臭嗅上皮の萎縮・壊死・腺組織の過形成、鼻甲介の萎縮がみられた(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))。 (5)ラットとマウスに2年間吸入ばく露した試験において、ラットで16 ppm以上、マウスで8 ppm以上の濃度(ガイダンス値換算:0.015〜0.03 mg/L、区分1の範囲)で両種ともに13週間吸入ばく露試験と同様の変化が鼻腔の呼吸上皮及び嗅上皮にみられた(NTP TR552(2008)、PATTY(6th, 2012))。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=1.44mg/L(HSDB、2004)から、区分2とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 急速分解性があり(BODによる分解度:95%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=-0.38(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 | ||
オゾン層への有害性 | - |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1986/2929 | |||
国連品名 | ALCOHOLS, FLAMMABLE, TOXIC, N.O.S./TOXIC LIQUID, FLAMMABLE, ORGANIC, N.O.S. | |||
国連危険有害性クラス | 3/6.1 | |||
副次危険 | 該当しない | |||
容器等級 | I/I | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 化学品を扱う場合の一般的な注意として、輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emergency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物(法第57条、施行令第17条別表第3第1号並びに施行令第18条及び第18条の2別表第9) | |||
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) | |||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |