安全データシート
アクロレイン
作成日 2008年10月6日
改訂日 2015年3月31日
1.化学品等及び会社情報
化学品等の名称アクロレイン(Acrolein)
製品コードH26-B-003(製品コードなし)
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限アクリル酸、アクリル酸低級アルキルエステル、DL-メチオニン、2-ヒドロキンアジプアルデヒド、1,2,6-ヘキサントリオール、リジン、グルタールアルデヒド、アリルアルコールの中間原料

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H25.8.22、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性引火性液体区分2
自己反応性化学品タイプG
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分2
急性毒性 (経皮) 区分3
急性毒性 (吸入:蒸気) 区分1
皮膚腐食性及び刺激性区分1
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1 (呼吸器、中枢神経系、肝臓)、
区分3 (麻酔作用)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分1 (呼吸器)
分類実施日環境に対する有害性はH18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示炎どくろ腐食性健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報引火性の高い液体及び蒸気
飲み込むと生命に危険
皮膚に接触すると有毒
重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷
重篤な眼の損傷
吸入すると生命に危険
眠気又はめまいのおそれ
呼吸器、中枢神経系、肝臓の障害
長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害
水生生物に非常に強い毒性
長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること/アースをとること。
防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。−【】の文言は、化学品の使用時に関する追加的な情報が、安全な使用のために十分であろう換気のタイプを説明している場合に使用しても良い
応急措置飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
直ちに医師に連絡すること。
気分が悪い時は医師に連絡すること。
気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
特別な処置が緊急に必要である(このラベルの・・・を見よ)。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
口をすすぐこと。
汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
漏出物を回収すること。
保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名アクロレイン(Acrolein)
別名2-プロペナール (2-Propenal)、2-プロペン-1-オン(2-Propen-1-one)、 アクリルアルデヒド(Acryl aldehyde)
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C3H4O  (56.06)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号107-02-8
官報公示整理番号(化審法)(2)-521
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
直ちに医師に連絡すること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
皮膚に付着した場合直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。
直ちに医師に連絡すること。
皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
眼に入った場合直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
飲み込んだ場合直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
医師の手当、診断を受けること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:灼熱感、咳、息苦しさ、息切れ、咽頭痛、吐き気。症状は遅れて現われることがある。
皮膚に付着:発赤、痛み、水疱、皮膚熱傷。
眼に付着:発赤、痛み、重度の熱傷。
経口摂取:喉と胸部の灼熱感、痙攣、吐き気。
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
消火剤小火災:二酸化炭素、粉末消火剤、散水、水溶性液体用泡消火剤
大火災:散水、噴霧水、水溶性液体用泡消火剤
使ってはならない消火剤棒状注水
特有の危険有害性極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。
引火性の高い液体及び蒸気
特有の消火方法引火点が極めて低い:消火の効果がないおそれがある場合は散水する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火を行う者の保護消火作業の際は、自給式呼吸器付化学用保護衣を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触やガスの吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるいは漏洩物に触れてはいけない。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性の保護衣を着用する。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
環境に対する注意事項河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
環境中に放出してはならない。
封じ込め及び浄化の方法及び機材少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。
少量の場合、吸収したものを集めるとき、清潔な帯電防止工具を用いる。
大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いて回収する。
大量の場合、散水は、蒸気濃度を低下させる。しかし、密閉された場所では燃焼を抑えることが出来ないおそれがある。
危険でなければ漏れを止める。
漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
蒸気抑制泡は蒸発濃度を低下させるために用いる。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気装置、全体換気を行なう。
安全取扱い注意事項使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
容器を転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずるなどの取扱いをしてはならない。
接触、吸入又は飲み込まないこと。
眼に入れないこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと
接触回避「10.安定性及び反応性」を参照。
保管
安全な保管条件保管場所は壁、柱、床を耐火構造とし、かつ、はりを不燃材料で作ること。
保管場所は屋根を不燃材料で作るとともに、金属板その他の軽量な不燃材料でふき、かつ天井を設けないこと。
保管場所の床は、床面に水が浸入し、又は浸透しない構造とすること。
保管場所の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適切な傾斜をつけ、かつ、適切なためますを設けること。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
熱、火花、裸火のような着火源から離して保管すること。−禁煙。
酸化剤から離して保管する。
容器は直射日光や火気を避けること。
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2014年度版)未設定
ACGIH(2014年版)TLV-STEL C 0.1ppm  skin;A4
設備対策防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換気を行なうこと。
高熱工程でミストが発生するときは、空気汚染物質を許容濃度以下に保つために換気装置を設置する。
密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用しなければ取扱ってはならない。
気中濃度を推奨された許容濃度以下に保つために、工程の密閉化、局所排気、その他の設備対策を使用する。
保護具
呼吸用保護具指定された呼吸用保護具を着用すること。
ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸器、又は酸素呼吸器を着用する。
手の保護具指定された保護手袋を着用すること。
二トリルゴム及び塩ビは適切な保護材料ではない。ネオプレンが推奨される。
飛沫を浴びる可能性のある時は、全身の化学用保護衣(耐酸スーツ等)を着用する。
眼の保護具適切な眼の保護具を着用すること。
化学飛沫用のゴーグル及び適切な顔面保護具を着用すること。
安全眼鏡を着用すること。撥ね飛び又は噴霧によって眼及び顔面接触が起こりうる時は、包括的な化学スプラッシュゴーグル、及び顔面シールドを着用すること
皮膚及び身体の保護具適切な顔面用の保護具を着用すること。
一切の接触を防止するにはネオプレン製の、手袋、エプロン、ブーツ、又は全体スーツ等の不浸透性の防具を適宜着用すること。
しぶきの可能性がある場合は、全面耐薬品性防護服(例えば、酸スーツ)及びブーツが必要である。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状液体: HSDB(2005)
無色〜黄色: HSDB(2005)
臭い刺激臭
臭いのしきい(閾)値データなし
pH6.0(10%水溶液、25℃): HSDB(2005)
融点・凝固点-88℃(融点): ICSC(2014)
沸点、初留点及び沸騰範囲53℃(沸点): ICSC(2014)
引火点-26℃(密閉式): ICSC(2014)
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし
燃焼性(固体、気体)該当しない
燃焼又は爆発範囲下限 2.8vol%、 上限 31vol% :ICSC(2004)
蒸気圧29kPa(20℃): ICSC(2004)  274mmHg(25℃)  36.5kPa: HSDB(2005)
蒸気密度1.93: 計算値
比重(相対密度)0.8389(20℃) :HSDB(2005)
溶解度20g/100mL(20℃)(水):ICSC(2004)
'2〜3partsのアルコール、エーテルに溶解: ICSC(2004)
n-オクタノール/水分配係数log Pow = -0.01   log Pow = 0.9
自然発火温度234℃: ICSC(2014)
分解温度データなし
粘度(粘性率)0.35mPa・s(20℃) : HSDB(2005)

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性常温常圧で化学変化を起こす。
爆発性過酸化物を生成することがある。
危険有害反応可能性重合することがあり、火災、爆発の危険を伴う。
強酸、強塩基、強酸化剤と反応し、火災、爆発の危険性をもたらす。
避けるべき条件加熱、酸素。
混触危険物質アンモニア、アミン、苛性ソーダ、強酸、強塩基、強酸化剤。
危険有害な分解生成物燃焼した時、有害ガス(一酸化炭素、二酸化炭素)を発生する。

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値として、11 mg/kg (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009)、IRIS Tox. Review (2003))、26 mg/kg (環境省リスク評価第3巻 (2004))、29 mg/kg (IRIS Tox. Review (2003))、42 mg/kg (DFGOT vol.16 (2001))、46 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2007)、DFGOT vol. 16 (2001)、EHC 127 (1992)、EU-RAR (2001)、IARC 36 (1985))、7-46 mg/kg (CEPA (2000)、CICAD 43 (2002))、42-46 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告に基づき、区分2とした。
経皮ウサギのLD50値として、164-1,022 mg/kg の範囲内で11件の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (6件) (231 mg/kg (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009)、IRIS Tox. Review (2003))、238 mg/kg (EU-RAR (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、335 mg/kg (EU-RAR (2001)、DFGOT vol. 16 (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、560 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、562 mg/kg (EU-RAR (2001)、DFGOT vol. 16 (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007))、562 mg/kg (IARC 36 (1985)) が該当する区分3とした。なお、2件が区分2、1件が区分4、1件が区分2ないし区分4に該当する。また1件は複数データの集約であるため該当数に含めなかった。
吸入:ガスGHSの定義における液体である。
吸入:蒸気ラットのLC50値 (4時間) として、7.4 ppm (EPA RED (2008))、7.8 ppm (EHC 127 (1991)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第3巻 (2004))、8.2 ppm (EPA RED (2008)、EPA RED Amendment (2009))、9.1 ppm (EHC 127 (1992))、9.2 ppm (DFGOT vol. 16 (2001))、7.8-65.4 ppm (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (360,526 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミストデータ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性ヒトに対する10%試験物質のパッチテストにおいて、適用 48 時間後に全被験者 (20 例) に水疱、壊死、炎症性細胞浸潤や乳頭層の浮腫がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、ATDSR (2007))。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において強度の刺激性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)) や、浮腫及び紅斑 (IRIS Tox. Review (2003)) が報告されている。以上の結果から、区分1とした。なお、本物質は、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin. Corr. 1B H314」に分類されている。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギを用いた眼刺激性試験において、1%の試験物質の適用により強度の刺激性を示すという報告 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001))や、結膜浮腫 (EHC 127 (1992))、眼病変 (IRIS Tox. Review (2003)) を示すとの報告がある。ヒトに対するボランティアの試験において眼に対する刺激性が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2001)、ATSDR (2007))。また、本物質は皮膚腐食性及び刺激性について区分1としており、眼に対する非可逆的作用を有すると考えられる。以上の結果から、区分1とした。
呼吸器感作性データ不足のため分類できない。
皮膚感作性データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において陰性を示したとの報告がある (EU-RAR (2001)、NITE初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000))。しかしこの試験は詳細不明であり、EU-RAR (2001) は本試験から感作性について明確な判断ができないとしている。従って分類に用いるには不十分なデータと判断した。
生殖細胞変異原性ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、ラットの骨髄細胞及び末梢血リンパ球の染色体異常試験で陰性結果が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIAP (2000)、EU-RAR (2003))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性、陽性の結果が混じる (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIAP (2000)、EU-RAR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2007)) が、SIAP (2000)、EU-RAR (2003) では、これらの陽性結果は総じて細胞毒性を示す用量あるいはその近傍での誘発であり、細胞毒性による影響と評価している。なお、ヒトの培養細胞を用いるDNA単鎖切断やDNA-タンパク質架橋形成試験では陽性を示している (NITE初期リスク評価書 (2007))。 以上より、本物質は、DNAに対し損傷を与えるが、in vivoにおいては遺伝毒性を有しないと考えられた。
発がん性IARCでグループ3 (IARC 63 (1995))、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001))、DFGOTで3B (DFGOT vol. 16 (2001)) でいずれもヒトに対する発がん性物質として分類できないと報告されている。また、EPA (1988) ではCに分類されており、これはGHSの区分2に相当するが、このEPAの評価は古く、より新しい評価では、IRIS Tox. Review (2003) において発がん性については不十分、EU-RAR (2003)、SIAP (2000) においてもヒト発がん性を示すデータが不十分と評価している。以上より、「分類できない」とした。データを追加し区分を変更した。
生殖毒性ラットを用いた経口経路での2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (体重減少及び腺胃粘膜のびらん、前胃粘膜の過形成/角化亢進)、死亡) がみられる用量で児動物の体重低下がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007))。ラットを用いた吸入経路の生殖発生毒性試験では、生存・死亡胎仔、吸収胚、黄体の数に影響はみられていない (環境省リスク評価第3巻 (2004))。
ラットを用いた経口経路での催奇形性試験において母動物の死亡 (14/40例) がみられる用量で、骨格異常、化骨遅延、胎児の平均及び同腹児体重の低下が認められた。一方、ウサギを用いた経口経路での催奇形性試験では母動物毒性がみられる用量において胚毒性、胎児毒性、催奇形性は認められていない (NITE初期リスク評価書 (2007))。
上記のとおり、生殖能に影響はみられず、児の発生に対しては重篤な母動物毒性がみられる用量でのみ影響がみられることから区分外とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)ヒトでは、経口経路あるいは吸入経路による有害影響は、主にばく露 (接触) 部位である胃あるいは気道に限局して生じ、大量摂取あるいはばく露時には衰弱、悪心、嘔吐、下痢、浅速呼吸、気管支炎、肺水腫、意識消失が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1973))。
ラット、マウス、ウサギ、あるいはモルモットでは、吸入経路で呼吸器刺激性、中等度の麻酔作用を起こすが数時間で回復 (ACGIH (7th, 2001))、また気管支あるいは気管に剥離、浮腫、炎症、うっ血、出血性壊死、さらに中枢神経系の抑制 (CICAD 43 (2002)、CEPA (2000))、鼻部の刺激、呼吸数減少、肺の変色、うっ血、出血及び壊死 (NITE初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000)、EU-RAR (2003)、IRIS Tox. Review (2003)) などが報告されている。経口経路では、肝臓の退行性変化 (微小空胞変性を伴った好酸性変性)、前胃及び腺胃の退行性変化 (重度炎症、出血性胃炎、多巣性潰瘍形成、フィブリン沈着、限局的出血、浮腫、多形核白血球浸潤) (CICAD 43 (2002)、CEPA (2000))、胃腸管の水腫及び出血、自発運動低下、昏睡、反射並びに筋緊張の消失、振戦、呼吸困難 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EU-RAR (2003)、IRIS Tox. Review (2003)) が報告されている。
以上、本物質はばく露 (接触) 部位に刺激性が認められるほか、呼吸器、中枢神経系、肝臓に毒性影響を及ぼし、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
したがって、区分1 (呼吸器、中枢神経系、肝臓)、区分3 (麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)ヒトでの反復ばく露による知見はない。実験動物ではラット及びマウスに90日間強制経口投与した試験で、1.25 mg/kg/day以上の用量で、前胃及び腺胃に出血、壊死、潰瘍がみられ (NITE初期リスク評価書 (2007)、CICAD 43 (2002))、イヌに53週間強制経口投与した試験でも2 mg/kg/day投与群で嘔吐が観察された (EU-RAR (2003)) が、これら消化管への影響は本物質の刺激性によるものと考えられ、標的臓器の対象とはしない。
一方、吸入経路では本物質の蒸気をラット、ハムスター、モルモット、ウサギ及びイヌに90日間吸入ばく露した試験で、区分1の範囲内の濃度 (0.0005-0.0032 mg/L) で、各動物種間で概ね共通して鼻腔、気管支、肺に炎症性変化、上皮の扁平化生、過形成などがみられた。また、NITE初期リスク評価書 (2007) にはラット及びモルモットに肝臓の壊死がみられたとの記述があるが、EU-RAR (2003) には、全ての動物種で肝臓、腎臓等に非特異的な炎症がみられたと記述されている。さらに、ATSDR (2007) ではラット及びモルモットでみられた肝臓の壊死 (巣状壊死) は、より高濃度群ではみられなかったこと、これより後に実施されたより高濃度ばく露による別の試験でも、ラット (一部が死亡する濃度)、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌのいずれにも肝臓への影響がみられなかったことを付記している。なお、CICAD 43 (2002) でも本物質反復吸入ばく露による影響は鼻腔から肺までの呼吸器に限定的であり、体内の特定臓器に関する有害性の記述はない。
以上より、旧分類が採用した肝臓及び腎臓を標的臓器とする証拠は不十分であると判断し、区分1 (呼吸器) に分類した。
吸引性呼吸器有害性データ不足のため分類できない。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=14μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)他から、区分1とした。
水生環境有害性(長期間)急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-0.01(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(TOCによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
本製品を含む廃液及び洗浄排水を直接河川等に排出したり、そのまま埋め立てたり投棄することは避ける。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制
国連番号1092
国連品名ACROLEIN, STABILIZED
国連危険有害性クラス6.1
副次危険3
容器等級I
海洋汚染物質P
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報運送禁止
陸上規制情報消防法の規制に従う。
毒劇法の規定に従う。
特別安全対策危険物は当該危険物が転落し、又は危険物を収納した運搬容器が落下し、転倒もしくは破損しないように積載すること。
危険物又は危険物を収納した容器が著しく摩擦又は動揺を起こさないように運搬すること。
危険物の運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれがある場合には、災害を防止するための応急措置を講ずると共に、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。
緊急時応急措置指針番号該当しない

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
化審法優先評価化学物質
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
排ガス処理
危険物・引火性の物
健康障害防止指針公表物質(法第28条第3項・厚労省指針公示)
労働基準法疾病化学物質
化学物質排出把握管理促進法第1種指定化学物質
毒物及び劇物取締法 劇物
消防法第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体
大気汚染防止法特定物質
航空法運送禁止
船舶安全法毒物類・毒物

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本安全モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本安全データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。