1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | メチル=ベンゾイミダゾール-2-イルカルバメート(別名カルベンダジム) | ||
化学品の英語名称 | Methyl benzimidazole-2-ylcarbamate | ||
製品コード | R04-B-001-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 殺菌剤(失効農薬),ポリウレタンシーラント・紙・塗料・木材などの防カビ剤 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 皮膚感作性 | 区分1B | |
生殖細胞変異原性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分2(生殖器(男性)) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(肝臓、腎臓、生殖器(男性)、血液系) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 生殖器(男性)の障害のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、腎臓、生殖器(男性)、血液系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性 | ||
注意書き | |||
安全対策 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | メチル=ベンゾイミダゾール-2-イルカルバメート | ||
慣用名又は別名 | メチル=1H−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバマート カルベンダジム カルベンダゾール 2−メトキシカルボニルアミノ−ベンゾイミダゾール | ||
英語名 | Methyl benzimidazole-2-ylcarbamate Methyl (1H-benzimidazol-2-yl)carbamate Carbendazim Carbendazol 2-methoxycarbonylamino-benzimidazole | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H9N3O2 (191.19) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 10605-21-7 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 5-465 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を流水で石鹸を使って十分に洗浄する。アルコール、ガソリン、その他の溶剤は絶対に使用しない。医師に連絡すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。医師に連絡すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。大さじ3杯の炭をコップ1杯の水に混ぜて飲ませる。無理に吐かせない。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:わずかな刺激。 皮膚:弱い刺激。 眼:軽度から中度の結膜炎。 吸収:わずかな刺激の可能性。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 消火活動は風上から行うこと。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は大きい。地面や河川、下水への流出を避ける。少量でも流出した場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 粉じんが発生しないように回収する。その後、換気し漏出個所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。粉末の場合は粉じん爆発が起きる可能性がある。使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。着火源(例:裸火、熱源、火花)から遠ざけること。 以上、GESTIS参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や衣類への接触を避ける。粉じんの吸入を避ける。汚染された作業衣は作業場から出さないこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉し、涼しくて換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。 | |||
ACGIH(2022年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
設備対策 | 取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場所では全体換気を行う。 設備は可能であれば密閉系とし局所排気装置を用いる。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出、ばく露限界値を超える場合)には、呼吸保護具を着用する。 作業者が粉じんにばく露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて防護衣を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 灰色〜白色 | ||
臭い | 無臭 | ||
融点/凝固点 | 300 ℃(分解温度)(Howard(1997)) 302〜307 ℃(分解温度)(SAX(2000)) 302〜307 ℃(分解温度)(Merck(2013)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
可燃性 | データなし | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | データなし | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | 302〜307 ℃(GESTIS(2022)) | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: 5.8 mg/L(20℃)(Howard(1997)) 水: mg/L(24 ℃: 29 (pH 4)、8 (pH 7)、1.49 (pH 8))(HSDB(2022)) mg/L(20℃: 0.5 (ヘキサン)、36 (ベンゼン)、68 (ジクロロメタン)、300 (エタノール)、5000 (ジクロロホルムアミド)、100 (クロロホルム)、300 (アセトン))(Merck(2013)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log P: 1.52 20℃(Howard(1997)) log Pow: 1.49(ICSC(1998)) log Kow: 1.52(HSDB(2022)) | ||
蒸気圧 | 0.000000000488 mmHg(Howard(1997)) 20℃(ほとんどない)(ICSC(1998)) 7.5X10-10 mmHg(20℃)(HSDB(2022)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 0.27 g/cm3(ICSC(1998)) | ||
相対ガス密度 | データなし | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | pH 2〜12で安定。pH >13で徐々に加水分解する。 | ||
危険有害反応可能性 | 300℃で分解し、窒素酸化物の有毒ガスを生成する。塩基と接触すると徐々に分解する。(ICSC) | ||
避けるべき条件 | 加熱、高温、裸火、静電気、火花などの着火源。(GESTIS) | ||
混触危険物質 | 強酸化剤、塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 有毒なガス(窒素酸化物、一酸化炭素) |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)〜(7)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 10,000 mg/kg(EFSA (2010)、JMPR (2005)、DFG MAK (2014)) (2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(AICIS IMAP (2020)) (3)ラットのLD50:> 15,000 mg/kg(EHC 149 (1993)、HSDB in PubChem (Accessed July 2022)) (4)ラットのLD50:6,400 mg/kg(HSDB in PubChem (Accessed July. 2022)) (5)ラットのLD50:> 6,400 mg/kg(OECD TG 401)(REACH登録情報 (Accessed July 2022)) (6)ラットのLD50:> 10,000 mg/kg(OECD TG 401)(REACH登録情報 (Accessed July 2022)) (7)ラットのLD50:> 15,000 mg/kg(OECD TG 401)(REACH登録情報 (Accessed July 2022)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(雄)のLD50:> 10,000 mg/kg(EHC 149 (1993)、DFG MAK (2014)、HSDB in PubChem (Accessed July 2022)) (2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(EFSA (2010)、DFG MAK (2014)、HSDB in PubChem (Accessed July 2022)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 5.8 mg/L(EFSA (2010)) (2)ラットのLC50(4時間):> 5 mg/L(AICIS IMAP (2020)) | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、皮膚一次刺激指数(PDII)は0であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022))。 (2)本物質は皮膚刺激性物質ではない(EFSA (2010))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=4)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、適用24/48/72時間後の平均スコアは角膜混濁:0、虹彩炎:0、結膜発赤:0.33、結膜浮腫:0であり、結膜影響は2日以内に回復したとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、72時間観察)において、1例で72時間後まで結膜発赤(スコア1)がみられた以外に、角膜、虹彩、結膜への刺激性影響はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed July 2022))。 (3)本物質は眼刺激性物質ではない(EFSA (2010))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)より、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:5%溶液)において、62.5%溶液惹起群における惹起終了24、48、72時間後の陽性率は10%(1/10例)、40%(4/10例)、30%(3/10例)であり、31.25%溶液惹起群における惹起終了24、48、72時間後の陽性率は0%(0/10例)、30%(3/10例)、30%(3/10例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、EU CLP CLH (2019))。 【参考データ等】 (2)りんごの仕分け作業に従事し皮膚炎を生じた果物農場の作業者47人に対して本物質の5%溶液でパッチテストを実施した結果、1人で陽性反応がみられた。また、果物を収穫中にばく露した可能性のある同一地域の作業者30人と皮膚科クリニックの患者60人の2群においても各1人で陽性反応がみられたとの報告がある(DFG MAK (2014)、AICIS IMAP (2020))。 (3)モルモット(n=20)を用いたBuehler試験(OECD TG 406相当、GLP、局所投与:50%ワセリン混合物)において、全例で惹起終了24、48時間後に陽性反応はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019)、AICIS IMAP (2020)、EU CLP CLH (2019))。 (4)本物質は皮膚感作性物質である(EFSA (2010))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分1Bとした。(1)の優性致死試験では陰性であるが、(2)の生殖細胞を用いた染色体異常試験、小核試験で陽性である。(3)〜(5)のマウス、ラットの染色体異常試験、小核試験において、染色体数の異数性を誘発するとの報告があり、作用機序は本物質の微小管タンパク重合阻害によることが明らかにされている。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験(単回腹腔内投与)で陰性であった。(JMPR Addendum (2005)、AICIS IMAP (2020))。 (2)In vivoでは、ラット及びマウスを用いた染色体異常試験(単回腹腔内投与)、小核試験(単回腹腔内投与)で陽性であった(JMPR Addendum (2005)、AICIS IMAP (2020))。 (3)In vivoのマウスの卵母細胞を用いた染色体異常試験(単回経口投与)では、構造異常はみられなかったが、数的異常(異数性)の頻度増加が認められた。また、投与後に未処置雄と交配させた結果、着床前胚の発生阻害が示唆された(JMPR Addendum (2005)、AICIS IMAP (2020))。 (4)In vivoのラットの未成熟精子(第1期)を用いた小核試験(単回経口投与)では、中用量(100 mg/kg)で小核形成精子の割合の増加がみられた。高用量群と低用量群の発生頻度は同程度で用量相関はなかったが、高用量群では精巣傷害が小核形成精子の割合の低下に寄与した可能性が考えられた。免疫組織化学的検査により中用量群では動原体を含む小核の割合(68%)が対照群の割合(30%)に比べ2倍以上増加していることから、ラット精子における小核誘発は本物質の異数性によると報告された(JMPR Addendum (2005)、AICIS IMAP (2020))。 (5)本物質は in vitro及びin vivoで染色体数の変化(異数性)を生じる。(JMPR Addendum (2005)、AICIS IMAP (2020))。 【参考データ等】 (6)EUではMuta. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed July 2022))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分に該当しない。ラットでは発がん性の証拠はなく、(3)で一部の系統のマウスの肝臓に腫瘍の発生増加が認められたが、(5)の評価のように高感受性系統のマウスにおいて自然発生的に肝臓腫瘍の発生が増強されたものであり、マウスに対する直接的な発がん物質ではないと示唆されている。 【根拠データ】 (1)ラット(SD、Wistarの2系統)を用いた2件の2年間混餌投与による発がん性試験では、1つは300 mg/kg/day、他は500 mg/kg/dayまでの用量で、発がん性は認められなかった(DFG MAK (2014)、AICIS IMAP (2020))。 (2)マウス(CD-1)を用いた2年間混餌投与による発がん性試験では、60 mg/kg/day以上の雌及び180 mg/kg/dayの雄で肝臓腫瘍の増加が認められた。なお、雄の最高用量(400 mg/kg/day)群は途中でほぼ全例死亡したため、病理組織検査が実施されなかった(DFG MAK (2014)、AICIS IMAP (2020))。 (3)別系統のマウス(Swiss)を用いた80週間混餌投与試験では、37 mg/kg/day)以上で肝臓腫瘍(肝細胞腺腫と肝細胞がんの合計)発生頻度の増加がみられた(DFG MAK (2014)、AICIS IMAP (2020))。 (4)自然発生腫瘍が低頻度であることが知られている系統(NMRK-f)のマウスを用いた22ヵ月間(96週間)混餌投与試験では、肝臓腫瘍の発生増加は認められなかった(DFG MAK (2014)、AICIS IMAP (2020))。本試験では卵巣に顆粒細胞腫瘍と黄体腫の発生増加が300 ppm(41.9 mg/kg/day)以上でみられると報告されたが、統計的に有意な増加ではなかった(AICIS IMAP (2020))。 (5)(2)〜(4)より、高感受性系統(Swiss、CD-1)のマウスでは自然発生的な肝臓腫瘍の発生を増強するが、本物質はマウスに対し直接的な発がん物質ではないことが示唆された(AICIS IMAP (2020)、DFG MAK (2014))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(5)より、区分1Bとした。(1)〜(4)より妊娠動物に経口投与した発生毒性試験において、動物種2種で催奇形性がみられ、ラットの試験では母動物毒性がない用量から、胎児毒性に加えて奇形が部分的にみられる。また、(3)、(4)より、雌の生殖・性機能への有害影響が示唆され、(5)より、雄の精巣毒性による受胎能への有害影響が示された。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(FDAガイドライン、妊娠6〜15日、10〜3,000 mg/kg/day)では、母動物毒性(死亡(60及び3,000 mg/kg/day群で各1例及び3例)、体重増加抑制又は体重減少、全身症状(触刺激後の振戦・喘ぎ呼吸、下痢等))がみられた60 mg/kg/day以上で着床後胚損失率の著減、300 mg/kg/day以上では全胚吸収がみられた。胎児には母動物毒性がみられない10 mg/kg/dayから低体重、生存胎児数減少、30 mg/kg/day以上で奇形胎児数及び奇形発生率の用量依存的な増加がみられ、100 mg/kg/dayで全生存胎児に奇形がみられた。奇形は主に脊髄、肋骨及び頭部(水頭症)の形態異常で、100 mg/kg/day群では四肢、心臓、肺に奇形もみられた(JMPR Addendum (2005)、DFG MAK (2014))。 (2)(1)の追試験として、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(FDAガイドライン、妊娠6〜15日、10〜30 mg/kg/day)では、30 mg/kg/dayまで母動物毒性はみられなかったが、30 mg/kg/day群の胎児には低体重とともに奇形胎児の数及び発生率に著しい増加がみられた。同群では奇形胎児を有する妊娠雌数の増加(22/30例(73%))、生存胎児358匹中81匹(23%)に奇形(水頭症、胸椎裂・腰椎裂など)がみられた(JMPR Addendum (2005)、DFG MAK (2014))。 (3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠7〜16日、5〜90 mg/kg/day)では、母動物毒性(体重増加抑制、肝臓重量増加)のみられる高用量で、母体に生殖影響(妊娠率低下、胚/胎児吸収の増加、一腹当たりの生存胎児数減少)、生存胎児に低体重とともに外表奇形(頭部(水頭症、ドーム状頭など)、眼(無眼/小眼症)、四肢(こぶ状肢))、骨格奇形(脊椎・肋骨・胸骨分節の癒合、二分脊椎、肩甲骨奇形など)がみられた。母動物毒性のない中用量(20 mg/kg/day)では軽微な発生影響(低体重、骨格変異(胸椎分節配列不整、過剰肋骨)の増加)に加え、上記の奇形の一部が3匹に認められ、中用量が奇形発生に対する閾値と判断された(JMPR Addendum (2005)、DFG MAK (2014))。 (4)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠7〜19日、10〜125 mg/kg/day)では、母動物毒性(流産(2/18例)、体重増加抑制、摂餌量減少)がみられた高用量群で、母体に生殖影響(着床数減少、吸収数・吸収率増加、全胚吸収の妊娠腹数(7/9例)の増加)及び黄体数減少、胎児に体重の低値傾向と奇形発生率の増加がみられた。奇形は主に骨格奇形(頸椎、肋骨および胸椎の奇形)であった。母動物毒性のない中用量(20 mg/kg/day)では、着床数の減少と吸収数・吸収率増加(非有意)、全胚吸収の妊娠雌1/16例(対照群と低用量群は0)がみられ、投与の影響と判断された(JMPR Addendum (2005)、DFG MAK (2014))。 (5)ラットを用いた強制経口投与による一世代生殖毒性試験(50〜400mg/kg/day)では、親動物に一般毒性影響は最高用量の400 mg/kg/dayまでみられなかったが、交配の結果200 mg/kg/day以上で雄親動物の半数が雄性不妊と判断され、精子数及び精子運動能、精巣及び精巣上体重量の減少がみられた。同群の胎児には死亡率増加がみられた(DFG MAK (2014))。 【参考データ等】 (6)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Jun 2022))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)より、区分2(生殖器(男性))とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、1,000 mg/kg(区分2の範囲)で精巣の小型化、変色及び精細管の変性、精巣上体の精子数の減少がみられたとの報告がある(JMPR (2005)、AICIS IMAP (2020))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分2の範囲で腎臓への影響が、(2)〜(4)より、区分2の範囲で血液系への影響が、(2)〜(6)で区分2の範囲で肝臓への影響が、(2)〜(4)、(6)で雄性生殖器への影響がみられた。以上のことから、区分2(肝臓、腎臓、生殖器(男性)、血液系)とした。なお、新たな知見に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による90日間反復経口投与試験において、16 mg/kg/day(区分2の範囲)で雄に尿細管の拡張・水腫変性が、32 mg/kg/day(区分2の範囲)で雄に腎臓の線維化・うっ血、血中尿素レベルの低下、血清ビリルビンの増加がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2020)、Government of Canada (2011))。 (2)イヌを用いた強制経口投与による90日間経口投与試験において、20 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓及び腎臓の変性、肝臓の炎症性変化、ヘモグロビン・総白血球数減少、ALT・AST・尿素・ビリルビン増加、肝臓重量増加、副腎重量減少、脾臓重量増加・精巣重量減少(雄)、脾臓重量・卵巣重量減少(雌)がみられたとの報告がある(Government of Canada (2011))。 (3)イヌを用いた強制経口投与による90日間反復経口投与試験において、80 mg/kg/day(区分2の範囲)で赤血球数減少、胃粘膜のびらん、肝臓(巣状変性、類洞拡張、うっ血)、脾臓の斑状うっ血、腎臓(糸球体及び尿細管の変性)、精巣と卵巣における線維化を伴う変性がみられたとの報告がある(Government of Canada (2011))。 (4)イヌを用いた混餌投与による2年間反復経口投与試験において、80.8 mg/kg/day(区分2の範囲)で体重増加抑制、血液凝固時間延長、ALP増加、肝臓相対重量増加、下垂体・甲状腺重量増加、精巣精細管萎縮(雄)、間質の多核炎症性細胞浸潤(雄)、摂餌量減少(雌)がみられたとの報告がある(Government of Canada (2011))。 (5)マウスを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、81 mg/kg/day(区分2の範囲)で小葉中心性肝細胞肥大(雄)、胸腺及び腎臓絶対重量増加(雄)、体重軽度低下(雄)、胆管増生(雌)がみられたとの報告がある(Government of Canada (2011)、DFG MAK (2014)、JMPR(2005))。 (6)ラットを用いた28日間反復経皮投与試験(6時間/日、5日/週)において、120 mg/kg/day(90日換算:26.7 mg/kg/day、区分2の範囲)で精細管の変性(雄)、精巣上体管腔内精子減少(雄)、肝臓重量増加(雌)が、480 mg/kg/day(90日換算:107 mg/kg/day、区分2の範囲)で精子肉芽腫(雄)、精巣上体精子濃度減少(雄)、異常精子比率の増加(雄)、運動性精子比率の減少(雄)、漸進的運動性精子比率の減少(雄)、赤血球数・Hb・Htの軽度減少(雌)がみられたとの報告がある(Government of Canada (2011)、AICIS IMAP (2020))。 | |||
誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.15 mg/L(EU CLP CLH, 2018)であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(METI既存点検結果, 1984))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.0015 mg/L(EU CLP CLH, 2018)から、区分1とした。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 3077 | |||
品名(国連輸送名) | 環境有害性物質(固体)、n.o.s. | |||
国連分類 | 9 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当 | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当する | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 該当しない | |||
特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)(令和6年4月1日施行) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)(令和6年4月1日施行)、リスクアセスメント対象物(法第57の3)(令和6年4月1日施行) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和5年度以降の対象) 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)(令和4年度までの対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 物理化学的危険性、健康に対する有害性を見直した。 |