1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 1,3-ブタジエン (1,3-Butadiene) | ||
製品コード | H29-B-038 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | スチレンブタジエンゴム(SBR)・ブタジエンゴム(BR)・合成ゴムラテックス合成原料、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)樹脂、スチレンブタジエンメタクリレート(MBS)樹脂合成原料、化成品原料、合成ゴム(SBR,NBRなど)の原料 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | 可燃性/引火性ガス (化学的に不安定なガスを含む) | 区分1 | ||
高圧ガス | 液化ガス | |||
健康に対する有害性 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分1B | |||
発がん性 | 区分1A | |||
生殖毒性 | 区分1B | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (生殖器 (女性)) 区分2 (心臓、血液系、肝臓) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | - | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 極めて可燃性又は引火性の高いガス 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ 強い眼刺激 呼吸器への刺激のおそれ 眠気又はめまいのおそれ 遺伝性疾患のおそれ 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による生殖器 (女性)の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による心臓、血液系、肝臓の障害のおそれ | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 漏洩ガス火災の場合:漏えいが安全に停止されない限り消火しないこと。 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
保管 | 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 1,3-ブタジエン | ||
別名 | ジビニル ビニルエチレン ブタジエン(1,3-) | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | C4H6 (54.09) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 106-99-0 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 2-17 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 凍傷の場合:多量の水で洗い流し、衣服は脱がせない。医療機関に連絡する。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 水で口をすすぎ、医師の診断/手当てを受けること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳、咽頭痛、めまい、頭痛、嗜眠、かすみ眼、吐き気、 意識喪失 皮膚:液体に触れた場合:凍傷 眼:発赤、痛み、かすみ眼、その他(「皮膚」参照) | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 供給源を遮断する。それが不可能でかつ周辺に危険が及ばなければ、燃え尽きるにまかせる。その他の場合は、水噴霧、粉末消火薬剤、二酸化炭素を用いて消火する。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 引火性がきわめて高い。 気体/空気の混合気体は爆発性である。 熱せられたり火災に巻き込まれると、爆発的に重合するおそれがある。 火災時に刺激性、毒性のガスを発生するおそれがある。 | ||
特有の消火方法 | ガスの滞留しない場所で風上より消火し、漏洩防止措置を施す。 ガス漏れを止められないときは、漏洩ガスの火災は消火しない。 水を噴霧して容器類を冷却する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服(耐熱性)を着用する |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(自給式呼吸器付化学保護衣等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 危険でなければ漏れを止める。 すべての発火源を取り除く。 液体に向けて水を噴射してはならない。 散水や水噴霧等により拡散させ、ガスを吸収する措置を取る。 ガスが拡散するまでその場所を隔離する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 あらゆる接触を避ける。 (妊娠中の)女性へのばく露を避ける。 容器は丁寧に取扱い、取り付け作業等では漏えいに注意する。 使用後はバルブを完全に閉め、口金キャップを取り付け、保護キャップを付ける。 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 耐火設備で保管する。 容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 日光から遮断し、換気の良い涼しい場所で保管すること。 食品や飼料から離しておく。 | ||
安全な容器包装材料 | 高圧ガス保安法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 未設定 | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 2 ppm、4.4 mg/m3 | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | ||
手の保護具 | 保温用手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 顔面シールドを着用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 気体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色のガス... [注:液化した圧縮ガスとして出荷される24°F未満の液体](HSDB (2017)) | ||
臭い | 芳香臭 (HSDB (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 0.45 ppm (HSDB (2017)) | ||
pH | 情報なし | ||
融点・凝固点 | -108.966℃ (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | -4℃ (ICSC (J) (2000)) | ||
引火点 | -76℃ (ICSC (J) 2000) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | > 25 (酢酸ブチル= 1) (HSDB (2017)) | ||
燃焼性(固体、気体) | 可燃性ガス (HSDB (2017)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 1.1-16.3 vol% (空気中) (ICSC (J) (2000)) | ||
蒸気圧 | 273.6 kPa(2,052 mmHg)(25℃) (HSDB (2017)) | ||
蒸気密度 | 1.87(空気= 1) (HSDB (2017)) | ||
比重(相対密度) | 1.9 at 20℃ (HSDB (2017)) | ||
溶解度 | 水:735 mg/L (20℃) (HSDB (2017)) メタノール、エタノールに微溶、四塩化炭素などの有機溶媒に可溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow = 1.99 (HSDB (2017)) | ||
自然発火温度 | 420℃ (HSDB (2017)) | ||
分解温度 | 情報なし | ||
粘度(粘性率) | 20℃における101.325 kPaのガス:0.00754 cP; -40℃での液体:0.33 cP (HSDB (2017)) |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 高温では化学的に不安的である。 | ||
危険有害反応可能性 | 特定の状況下(空気への暴露)で過酸化物を生成して爆発的に重合を開始することがある。加温すると重合することがあり、火災や爆発の危険を伴う。銀やその合金により、衝撃に敏感な化合物を生じる。加圧下急速に加熱すると爆発的に分解する。酸化剤他多くの物質と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 加圧状態での急速な加熱 | ||
混触危険物質 | 銀やその合金、酸化剤等 この気体の配管材料は銅を63%以上含有してはならない。 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に刺激性、毒性のガスを発生するおそれがある。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義におけるガスである。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義におけるガスである。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 区分外 ラットの4時間吸入試験のLC50値として、129,000 ppm (ACGIH (7th, 2001)、EU-RAR (2002)、NITE有害性評価書 (2008)、ATSDR (2012)) との報告に基づき、区分外とした。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義におけるガスである。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義におけるガスである。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、液化1,3-ブタジエンの接触により、皮膚に凍傷を起こした事例報告がある (NITE有害性評価書 (2008), ATSDR (2012))。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | GHS分類: 区分2 本物質 (ガス) をマウスに90,000〜140,000 ppm、ウサギに 150,000〜250,000 ppm ばく露させた眼刺激性試験で、結膜炎又は流涙を生じたとの報告 (EU-RAR (2002)) や、本物質 (ガス) に2,000 ppmで7時間、又は4,000 ppmで6時間ばく露された労働者に眼刺激がみられたとの事例 (ATSDR (2012)、EU-RAR (2002)) があり、ヒトと動物に眼刺激性を示すと考えられることから、区分2とした。なお、常温でブタジエンはガス状であるため通常の眼刺激性試験を行うことはできないとの記載がある (EU-RAR (2002))。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分1B In vivoでは、マウスの優性致死試験で陽性、マウスの相互転座試験で陽性、マウスの骨髄細胞、末梢血を用いた小核試験で陽性、ラットの骨髄細胞、末梢血を用いた小核試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いる染色体異常試験で陽性、ラットの骨髄細胞を用いる染色体異常試験で陰性、マウススポットテストで陽性、トランスジェニックマウス遺伝子突然変異試験では骨髄細胞、脾臓細胞で陽性、マウスの脾臓Tリンパ球を用いた遺伝子突然変異試験で陽性、マウスの生殖細胞を用いた小核試験、染色体異常試験で陽性、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陽性、マウス、ラットの肝臓、肺、精巣を用いたDNA損傷試験で陽性、マウス、ラットの肝臓を用いた不定期DNA合成試験で陰性である (NITE有害性評価書 (2008)、CICAD 30 (2001)、ATSDR (2012)、EU-RAR (2002)、CaPSAR (1999)) 。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (NITE有害性評価書 (2008)、ATSDR (2012)、EU-RAR (2002)) 。以上より、ガイダンスに従い区分1Bとした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 区分1A スチレン-ブタジエンゴム製造産業での疫学研究から、職業ばく露による白血病の過剰が示され、ブタジエンへの累積ばく露量との間に用量相関関係のあることが明らかにされた。また、ブタジエンモノマー産業からの研究で職業ばく露による白血病と悪性リンパ腫の過剰が示された (IARC 100F (2012))。一方、実験動物ではラット及びマウスの吸入ばく露による発がん性試験で、両種の雌雄いずれにも複数の臓器に腫瘍発生の増加が認められた (IARC 100F (2012))。IARCはヒト、実験動物ともに発がん性の十分な証拠があるとして、本物質をグループ1に分類した (IARC 100F (2012))。その他、NTPがKに (NTP RoC (14th, 2016))、EPAがCaHに (IRIS (2002))、EUがCarc. 1Aに (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))、日本産業衛生学会が第1群に (許容濃度の勧告 (2016): 2001年提案) それぞれ分類している。以上より、区分1Aとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分1B 雄マウスに200〜5,000 ppm を5日間吸入ばく露後に無処置雌と交配させた試験では、200 ppm以上で子宮内胎児死亡を示した雌数の増加がみられた (ATSDR (2012))。また、雄マウスに65 ppm を4週間、又は12.5 ppm を10週間吸入ばく露後に、いずれも無処置雌と交配させた2つの試験において、前者では早期胎児死亡の増加、後者では後期胎児死亡の増加と外脳症及び骨格異常がみられた (ATSDR (2012))。一方、妊娠ラット又は妊娠マウスの器官形成期 (妊娠6〜15日) に最大1,000 ppm を吸入ばく露した発生毒性試験では、1,000 ppm ばく露群でもラットで異常はみられず、マウスでも軽微な影響 (胎児体重の低値、過剰肋骨、骨化遅延) がみられただけであった (ATSDR (2012)、NITE有害性評価書 (2008)、EU-RAR (2002))。しかし、妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に最大8,000 ppm を吸入ばく露した発生毒性試験では、200 ppm以上で母動物に体重増加抑制、1,000 ppm以上で胎児に骨格異常 (波状肋骨) の頻度増加、8,000 ppm ではさらに胎児に頭蓋骨・脊椎骨・胸骨・長骨・肋骨を含む重大な骨格異常 (major skeletal defects) の頻度増加がみられた (ATSDR (2012)、NITE有害性評価書 (2008)、EU-RAR (2002))。 以上、雄マウスに吸入ばく露後に無処置雌と交配させた3つの試験において、親動物に一般毒性影響のない用量で胎児死亡の増加がみられ、うち1試験では外表奇形及び骨格異常がみられた。骨格異常は妊娠ラットの器官形成期に高濃度をばく露した発生毒性試験でも検出されている。よって、本項は区分1Bとした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) ヒトでは、ゴム製造工場での作業中に本物質にばく露した労働者が鼻と喉の刺激を訴え、咳と眠気も一部に認められたが、これらの症状はばく露が終わるとともに消失したとの報告がある (EU-RAR (2002)、ATSDR (2012))。また、ボランティアによる試験で、10,000 ppm、5分間のばく露で、鼻と喉の軽微な刺激と乾燥がみられたとの報告がある (EU-RAR (2002))。実験動物ではマウスの単回吸入ばく露試験で、100,000 ppmでは影響がみられなかったが、150,000 ppmで軽度の麻酔作用がみられ、200,000 ppmでは6〜12分のばく露で興奮に続いて麻酔状態に至ったとの報告 (ACGIH (7th, 2001))、及びラットの単回吸入ばく露試験で、129,000 ppm、1時間のばく露で深麻酔状態に至ったとの報告 (EU-RAR (2002)) がある。また、ウサギの単回吸入ばく露試験で、250,000 ppm、25〜30分のばく露で、麻酔状態を経て死亡したが、非常に短時間のばく露の場合には、急速に回復したとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。更に、本物質は50年以上前から、比較的弱い中枢神経抑制性物質として知られて来たとの記述がある (ACGIH (7th, 2001))。以上の情報から区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (生殖器 (女性))、区分2 (心臓、血液系、肝臓) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、マウスを用いた2年間吸入毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である6.25 ppm以上で卵巣萎縮、20 ppm以上で生存率減少、区分2のガイダンス値の範囲内である62.5 ppm以上で胸腺萎縮、心筋の鉱質化、大球性貧血、肝臓の小葉中心性壊死、区分2のガイダンス値の範囲を超える625 ppmで骨髄萎縮、精巣萎縮等がみられたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2008)、NTP TR434 (1993))。 したがって、区分1 (生殖器 (女性))、区分2 (心臓、血液系、肝臓) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義におけるガスである。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性(長期間) | データ不足のため分類できない。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 1010 | |||
国連品名 | BUTADIENES, STABILIZED or BUTADIENES AND HYDROCARBON MIXTURE, STABILIZED, containing more than 40% butadienes | |||
国連危険有害性クラス | 2.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、高圧ガス保安法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、高圧ガス保安法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 116P (P: 爆発的な重合を起こすおそれ) | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
化審法 | 優先評価化学物質(法第2条第5項) 旧第2種監視化学物質(旧法第2条第5項) | |||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達) 危険物・可燃性のガス(施行令別表第1第5号) 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質、特定第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1、施行令第4条) | |||
高圧ガス保安法 | 液化ガス(法第2条3) 可燃性ガス(一般高圧ガス保安規則第2条1) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2) | |||
港則法 | その他の危険物・高圧ガス(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) | |||
航空法 | 高圧ガス(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
船舶安全法 | 高圧ガス(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
大気汚染防止法 | 揮発性有機化合物(法第2条第4項)(環境省から都道府県への通達) 自主管理指針対象物質(環境庁通知) 有害大気汚染物質、優先取組物質(中央環境審議会第9次答申) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |