1.化学物質等及び会社情報 | |||
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化学物質等の名称 | 1‐アリルオキシ‐2,3‐エポキシプロパン、(1-Allyloxy-2,3-epoxypropane) | ||
製品コード | 21B3078 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | シランカップリング剤の原料、アクリルゴムのコモノマー、アクリル繊維や羊毛の改質、接着材、塗料用樹脂、ポリウレタンゴゴムの耐寒、耐油化、ポリエーテルゴムのコモノマー等 。 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 | H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 |
物理化学的危険性 | 火薬類 | 分類対象外 | |
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可燃性・引火性ガス | 分類対象外 | ||
可燃性・引火性エアゾール | 分類対象外 | ||
支燃性・酸化性ガス類 | 分類対象外 | ||
高圧ガス | 分類対象外 | ||
引火性液体 | 区分3 | ||
可燃性固体 | 分類対象外 | ||
自己反応性化学品 | 区分外 | ||
自然発火性液体 | 区分外 | ||
自然発火性固体 | 分類対象外 | ||
自己発熱性化学品 | 分類できない | ||
水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | ||
酸化性液体 | 分類対象外 | ||
酸化性固体 | 分類対象外 | ||
有機過酸化物 | 分類対象外 | ||
金属腐食性物質 | 分類できない | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分4 | |
急性毒性(経皮) | 区分外 | ||
急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | ||
急性毒性(吸入:粉じん) | 分類対象外 | ||
急性毒性(吸入:ミスト) | 分類できない | ||
皮膚腐食性・刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分2A | ||
呼吸器感作性 | 分類できない | ||
皮膚感作性 | 区分1 | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 分類できない | ||
生殖毒性 | 区分2 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓) | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | 区分1(上気道) | ||
吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | ||
環境に対する有害性 | |||
分類実施日 | 急性毒性:H22.2.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用 | ||
慢性毒性:H18.3.31、GHS分類マニュアル(H18.2.10)を使用 | |||
水生環境急性有害性 | 区分3 | ||
水生環境慢性有害性 | 区分3 |
ラベル要素 | |||
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絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 引火性の液体および蒸気 | ||
飲み込むと有害 | |||
吸入すると生命に危険 | |||
皮膚刺激 | |||
強い眼刺激 | |||
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ | |||
遺伝性疾患のおそれの疑い | |||
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い | |||
中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓の障害 | |||
長期にわたる、または、反復ばく露により上気道の障害 | |||
水生生物に有害 | |||
長期的影響により水生生物に有害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 | |||
容器を密閉しておくこと。 | |||
静電気的に敏感な物質を積みなおす場合、容器を接地すること、アースをとること。 | |||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。 | |||
火花を発生させない工具を使用すること。 | |||
静電気放電に対する予防措置を講ずること。 | |||
適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
呼吸用保護具を着用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
適切な個人用保護具を使用すること。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
【応急措置】 | |||
皮膚または髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | |||
火災の場合には適切な消火方法をとること。 | |||
飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。 | |||
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
吸入した場合、直ちに医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
眼に入った場合、眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
皮膚に付着した場合、皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露またはばく露の懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
ばく露した場合、医師に連絡すること。 | |||
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
【保管】 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 1‐アリルオキシ‐2,3‐エポキシプロパン | ||
別名 | アリルグリシジルエーテル、(Allyl glycidyl ether)、アリル2,3‐エポキシプロピルエーテル、(Allyl 2,3-epoxypropyl ether)、2‐(プロパ‐2‐エンオキシメチル)オキシラン、(2-(Prop-2-enoxymethyl)oxirane)、2‐(アリルオキシメチル)オキシラン、(2-(Allyloxymethyl)oxirane) | ||
分子式 (分子量) | C6H10O2(114.14) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 106-92-3 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | (2)-393 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | データなし | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
直ちに医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。 皮膚を流水、シャワーで洗うこと。 | ||
多量の水と石鹸で洗うこと。 | |||
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。 | |||
皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 | ||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | 吸入:灼熱感、息切れ、頭痛、し眠、感覚鈍麻、吐き気、嘔吐。 | ||
皮膚:皮膚の乾燥、発赤、痛み、水疱。 | |||
眼:発赤、痛み、かすみ眼、重度の熱傷。 | |||
経口摂取 : 灼熱感、頭痛、感覚鈍麻、し眠、吐き気、嘔吐。 | |||
最も重要な兆候及び症状 | 蒸気を吸入すると、肺水腫を引き起こすことがある。急激にばく露すると中枢神経系の機能低下を引き起こすことがある。意識低下を引き起こすことがある。 | ||
応急措置をする者の保護 | 許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 | ||
医師に対する特別注意事項 | 肺水腫の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。ばく露の程度によっては、定期検診を勧める。アルコール飲料の使用により有害作用が増大する。 | ||
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状放水、水噴霧 | ||
特有の危険有害性 | 極めて燃え易く、熱、火花、火炎で容易に発火する。 | ||
消火後再び発火するおそれがある。 | |||
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
容器が熱に晒されているときは、移動させない。 | |||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境中に放出してはならない。 | ||
回収・中和 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 危険でなければ漏れを止める。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 消防法の規制に従う。 | ||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。 | |||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
使用前に取扱説明書を入手すること。 | |||
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 | |||
皮膚と接触しないこと。 | |||
飲み込まないこと。 | |||
眼に入れないこと。 | |||
接触回避 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
混触危険物質 | 『10.安定性及び反応性』を参照。 | ||
保管条件 | 容器を密閉して冷乾所にて保存すること。 | ||
消防法の規制に従う。 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定 (2009年版) | ||
ACGIH | TWA 1ppm (2009年版) | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
消防法の規制に従う。 | |||
ばく露を防止するため、装置の密閉化又は防爆タイプの局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。 | |||
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体 | ||
色 | 無色 | ||
臭い | 特徴臭 | ||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -100℃ : ICSC (1999) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 154℃ : ICSC (1999) | ||
引火点 | 57℃ (開放式) : Sax (11th 2004) | ||
自然発火温度 | データなし | ||
燃焼性(固体、ガス) | データなし | ||
爆発範囲 | データなし | ||
蒸気圧 | 4.7mmHg (25℃) : HSDB (2005) | ||
蒸気密度 | データなし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 0.9698 (20℃,4℃) : HSDB (2005) | ||
溶解度 | 水 : 14g/100mL : ICSC (1999) | ||
アセトン、トルエン、オクタン : 混和 : HSDB (2005) | |||
オクタノール・水分配係数 | log P=0.34 : 既存化学物質安全性点検データ | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
粉じん爆発下限濃度 | データなし | ||
最小発火エネルギー | データなし | ||
体積抵抗率(導電率) | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | 爆発性過酸化物を生成することがあると推測される。容易に重合することがある。燃焼すると分解し、有毒なガスを生じる。強力な酸化剤、酸、塩基と激しく反応する。 | ||
避けるべき条件 | 燃焼 | ||
混触危険物質 | 強力な酸化剤、酸、塩基 | ||
危険有害な分解生成物 | 爆発性過酸化物 | ||
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ラットのLD50値が830-1600 mg/kg (PATTY (5th, 2001))、あるいは1600 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) より区分4とした。 | ||
経皮 | ウサギ LD50: 2550 mg/kg(ACGIH (2001)に基づき、分類JIS基準の区分外(国連GHS分類の区分5に相当)とした。なお、ウサギに500 mg/kgの経皮投与により死亡のデータ(DFGOT 7 (1996))があるが、情報源はこのDFGOTの記載のみである。一方、上記分類に用いたACGIHに記載のデータ(2550 mg/kg)は、DFGOTを含めその他多数の評価文書に引用されていることから、証拠としての重みで勝ると判断して分類に用いた。 | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義による液体である。 | |
吸入(蒸気): | 2件のラットLC50値(308 ppm/7h = 407 ppm/4h(PATTY(5th,2001))、および670 ppm/8h = 950 ppm/4h(ACGIH (2001)))の区分が異なるので、危険性の高い方の区分2とした。なお、試験濃度が飽和蒸気濃度(6200 ppm)の90%以下であるため、分類には気体の基準値を適用した。 | ||
吸入(ミスト): | データなし | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ウサギを用いた試験で軽度〜重度の刺激性の結果(PATTY (5th 2001))、また別の試験で中等度の刺激性の結果(CERI・NITE有害性評価書 No.68 (2005))があり、さらにEU分類がXi; R37/38である(EU-Annex1 (access on May. 2009))ことに基づいて区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷・刺激性 | ウサギを用いた試験で強度の刺激性を示したが、その後障害を残すことなく回復したとの結果(CERI・NITE有害性評価書 (2005))、また、ウサギを用いた別の試験では重度であるが可逆性の結膜炎、虹彩炎および角膜混濁の報告(ACGIH (7th, 2001))に基づき区分2Aとした。なお、EU分類はXi; R41(EU-Annex1 (access on May. 2009))である | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし | ||
皮膚感作性:エポキシ化合物を取り扱って皮膚炎を示したヒトに対するパッチテストで、20 人中2人が本物質に陽性反応を示した(CERI・NITE有害性評価書 (2005))こと、皮膚炎をおこしたガラス封止材の製造作業者がパッチテストで、原料中に不純物として含まれていた本物質に陽性の反応を示した(CERI・NITE有害性評価書 (2005))こと、さらに23人の職業性皮膚炎の作業者のうち4人が本物質に感作性反応を示した(PATTY ( 5th, 2001))ことがそれぞれ報告されている。少なくとも複数の施設におけるパッチテストにより陽性結果が示されていることから区分1とした。 | |||
生殖細胞変異原性 | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)における陽性結果(NTP DB (access on May,2009))に基づき区分2とした。なお、マウスに経皮投与による優性致死試験とマウスに吸入ばく露による小核試験の結果はいずれも陰性(CERI・NITE有害性評価書 (2005))、また、in vitro試験ではエームス試験、およびCHO細胞あるいはRL4細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陽性(CERI・NITE有害性評価書 (2005))が報告されている。 | ||
発がん性 | ラットおよびマウスに2年間吸入ばく露した試験(NTP TR376 (1990))では気道上皮由来の腫瘍が観察されているが、NTPは雌ラットでは発がん性の証拠はなく、雄ラットと雌マウスでは発がん性の証拠は曖昧であったとしている。しかし、雄マウスでは、高用量(10 ppm)群の動物の鼻道において、3例に気道上皮腺腫、4匹に異形成、7匹に気道上皮基底細胞の限局性過形成が認められたことから、ある程度発がん性の証拠があるとしている。ACGIHが、ラットおよびマウスの2年間吸入試験の結果に基づき、A4に分類しているが(ACGIH (7th, 2001)、EUがカテゴリー3(EU-Annex1 (access on May. 2009))としていることから分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | ラットを用い8週間吸入ばく露後に交配させた生殖毒性試験(CERI・NITE有害性評価書 (2005))において、親の動物への一般毒性の発現は不明であるが、ばく露群の雄と同居させた無処置雌の妊娠成立数が用量依存的(30 ppm以上)に減少し、雄の授精能力の低下が認められたことから区分2とした。また、雄動物の死亡(2/20)が見られる高濃度群(200 ppm)では精子形態異常発現率の増加、雌の妊娠黄体数の減少が見られている。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露) | ラットとマウスの急性経口毒性試験(LD50: ラット830〜1600 mg/kg、マウスに390 mg/kg)において、協調不能、運動失調、運動低下などの症状に次いで努力呼吸と中枢神経系抑制を来たしたとの記述(PATTY (5th. 2001))、マウスの吸入毒性試験(蒸気:0.96 - 3.6 mmg/L)の所見にも中枢神経系の抑制が記載(NITE初期リスク評価書(2005))があり、試験濃度から判断し区分1(中枢神経系)とした。また、上記の経口毒性試験では時に肝臓に限局性壊死が見られた(PATTY (5th. 2001))こと、また、マウスの急性吸入毒性試験(LC50: 270ppm/4h [=1.3 mg/L/ 4h])では、時に肝臓に限局性の炎症細胞と中等度のうっ血が観察された(PATTY (5th. 2001))こと、そして吸入経路の試験濃度がガイダンス値区分1相当しているので区分1(肝臓)とした。マウスの急性吸入毒性試験(LC50: 270ppm/4h [=1.3 mg/L/ 4h])で刺激による肺の炎症反応と肺炎が組織学的に確認された(PATTY (5th. 2001))こと、ラットに500 ppm/7h(2.334 mg/L/4h)以上の吸入ばく露により肺水腫の所見(NITE初期リスク評価書(2005))があること、また、マウスを用いた別の試験[蒸気: 0.96 - 3.6 mmg/L]では呼吸困難など呼吸器に強い刺激症状が認められている(NITE初期リスク評価書(2005))ことなどより、区分1(呼吸器系)とした。またラットの吸入ばく露試験の300ppm/7h(1.8mg/L/4h)で腎臓のうっ血が認められ(NITE初期リスク評価書(2005))、「急性の経口及び経皮による主な標的臓器は腎臓である」との記述(PATTY (5th. 2001))から区分1(腎臓)とした。 | ||
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露) | ラットに13週間吸入ばく露(NTP TR376 (1990))により、組織学的病変として全ばく露群(4〜200 ppm(0.019〜0.95 mg/L))で気道上皮と嗅上皮を含む鼻道の扁平上皮化生が見られ、その程度はばく露濃度に依存し、30 ppm(0.14 mg/L)以上では鼻道に糜爛が生じ、上気道にも扁平上皮化生が見られた。マウスでも13週間吸入ばく露( NTP TR376 (1990))により10〜30 ppm(0.048〜0.14 mg/L)の濃度で気道上皮と嗅上皮を含む鼻道の扁平上皮化生を示し、30 ppm(0.14 mg/L)では上皮の糜爛が見られた。さらにラットに400 ppm(1.9 mg/L/7時間;90日間、6時間換算値1.12mg/L)以上を50日間ばく露させた試験(ACGIH (2001))では、気管支肺炎、肺気腫、気管支拡張、肺炎等が報告されているが、ガイダンス値範囲を超えた高濃度における所見である。以上の結果から、反復吸入ばく露による有害影響の発現濃度はガイダンス値範囲区分1に相当し、発生部位が気道上皮と嗅上皮を含む上気道に限られているので、区分1(上気道)とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
水生環境急性有害性 | 魚類(キンギョ)での96時間LC50 = 30mg/L(NITE初期リスク評価書, 2005, 他)であることから、区分3とした。 | ||
水生環境慢性有害性 | 急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=0.34(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:37%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。 | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | |||
---|---|---|---|
国際規制 | |||
海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
UN No. | 2219 | ||
Proper Shipping Name. | ALLYL GLYCIDYL ETHER | ||
Class | 3 | ||
Packing Group | L | ||
Marine Pollutant | Not Applicable | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | ||
UN No. | 2219 | ||
Proper Shipping Name. | Allyl glycidyl ether | ||
Class | 3 | ||
Packing Group | L | ||
国内規制 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 2219 | ||
品名 | アリルグリシジルエーテル | ||
クラス | 3 | ||
容器等級 | L | ||
海洋汚染物質 | 非該当 | ||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | ||
国連番号 | 2219 | ||
品名 | アリルグリシジルエーテル | ||
クラス | 3 | ||
等級 | 3 | ||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | ||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | |||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | |||
重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号 | 129 | ||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
化審法 | 第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-385) | ||
労働安全衛生法 | 変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)(政令番号:14) | ||
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号) | |||
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9) 名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9) リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-29) | ||
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | ||
船舶安全法 | 引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1) | ||
航空法 | 引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1) | ||
16.その他の情報 | |||
---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 |