1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 4-オキシラニル-1,2-エポキシシクロヘキサン | ||
化学品の英語名称 | 7-oxa-3-oxiranylbicyclo[4.1.0]heptane | ||
製品コード | R04-C-001-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 難燃剤原料,塗料原料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | |
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
発がん性 | 区分1B | ||
生殖毒性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | ||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(生殖器(女性)) | ||
分類実施日 (環境有害性) | マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版) | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 皮膚に接触すると有毒 吸入すると有害 皮膚刺激 強い眼刺激 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 呼吸器への刺激のおそれ 眠気またはめまいのおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による生殖器(女性)の障害のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
保管 | 施錠して保管すること。 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 4-オキシラニル-1,2-エポキシシクロヘキサン | ||
慣用名又は別名 | 4−ビニルシクロヘキセンジオキシド | ||
英語名 | 7-oxa-3-oxiranylbicyclo[4.1.0]heptane 4-Vinylcyclohexene dioxide | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C8H12O2 (140.18) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 106-87-6 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-2328 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。呼吸困難な場合は酸素吸入をさせる。呼吸が止まっている場合は人工呼吸を行う。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を石鹸と多量の水で10分以上洗浄する。医師の診察を受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
眼に入った場合 | 流水で10分間洗浄する。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続けること。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。負傷者に意識がある場合は、コップ1杯の水(約200ml)を飲ませる。無理に吐かせない。医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:呼吸器への刺激、高濃度では肺病変のリスク。 皮膚:中等度の刺激。長時間の接触により重度の刺激。 眼:損重度の刺激・傷。 経口摂取:強い胃腸障害を伴う接触粘膜の刺激・損傷が予想される。 以上、GESTIS参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、耐アルコール泡消火薬剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 周囲に注意喚起し、避難させる。漏出区域に入るときは保護具を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水源への影響はまだ分類されていないが、地面や河川、下水への流出を避ける。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | こぼれた液体を吸収剤(例:珪藻土、バーミキュライト、砂)で吸収し、規則に従って廃棄する。その後、換気し、漏出した場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 容器を開けたままにしない。使用前に取扱説明書を入手する。すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わない。使用時は十分な換気をすること。 以上、GESTIS、GHS分類結果参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 皮膚や衣類への接触を避ける。蒸気やミストの吸入を避ける。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管するか、権限のある者のみが管理する。容器を密閉して乾燥した換気の良い場所に保管すること。アルコール、アミンおよび他の活性水素化合物から離しておく。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2022年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | TLV-TWA: 0.1 ppm(Skin) | |||
設備対策 | 作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 緊急時(例:意図しない物質の放出)には、呼吸保護具を着用する。 状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、日本工業規格(JIS T8152)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”は、物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 以上、GESTIS参照。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。ブチルゴムが適している。天然ゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、フッ素ゴム、PVCは適さない。 以上、GESTIS参照。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 必要に応じて、保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 無色 | ||
臭い | データなし | ||
融点/凝固点 | -108.9 ℃(GESTIS(2022)、ICSC(2018)) <-55 ℃(ICSC(2018)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 227 ℃(GESTIS(2022)、ICSC(2018)) | ||
可燃性 | 難燃性(GESTIS(2023)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 107 ℃ (Closed cup)(GESTIS(2022)) 110 (o.c.)(ICSC(2018)) | ||
自然発火点 | 393 ℃(ICSC(2018)) | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水: (可溶)(GESTIS(2022)) 水: 18.3 g/100 mL(20℃)(ICSC(2018)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 1.3(ICSC(2018)) | ||
蒸気圧 | 0,13 hPa(20℃)(GESTIS(2022)) <0.13 kPa(20℃)(ICSC(2018)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1,09 g/cm3(20℃)(GESTIS(2022)) 1.1 (ICSC(2018)) | ||
相対ガス密度 | 4,84 (GESTIS(2022)) 4.8 (ICSC(2018)) | ||
粒子特性 | 該当しない |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 酸、塩基と、重合する。 火災または爆発の危険を生じる。 燃焼すると、刺激性の煙および刺激性のフュームを生成する。 アルコール、アミンなどの活性水素化合物と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 加熱、高温、裸火。 | ||
混触危険物質 | 強酸、強アルカリ、アルコール、アミン、活性水素化合物(ICSC) | ||
危険有害な分解生成物 | 一酸化炭素 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | ラットLD50値:2830mg/kg(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992)および2130mg/kg(NTP TR 362, 1989)に基づき、区分5とした。 | |||
経皮 | ウサギLD50値:680mg/kg(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992、NTP TR 362, 1989)に基づき、区分3とした。 | |||
吸入: ガス | GHSの定義による液体。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、旧分類で分類に使用したデータはミストによる試験と判断し、急性毒性(吸入:粉じん、ミスト)の項目で分類を実施した。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 (1)より、区分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度(0.76 mg/L)より高いため、ミストと判断した。新たな知見に基づき分類結果を変更した。旧分類からEUで急性毒性(吸入)のGHS区分が変更されたことに伴い、急性毒性項目を見直した(2022年度)。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50(4時間):800 ppm(4.6 mg/L)(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2018)、ACGIH (7th, 2001)、NTP TR362 (1987)) 【参考データ等】 (2)ラットのLC50(8時間):> 128 ppm(4時間換算値:> 256 ppm (>1.47 mg/L))(CLH Report (2019)、AICIS IMAP (2018)、ACGIH (7th, 2001) (3)EUでは区分4に分類されている(CLP分類結果 (Accessed July 2022))。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | ACGIH(7th, 2001)およびNTP TR 362(1989)のウサギの皮膚に適用した試験において浮腫および紅斑が認められたとの記述、ならびにPATTY(4th, 1994)のウサギを用いたDraize testにおいて重度の刺激性が認められたとの記述から、区分2とした。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | ACGIH(7th, 2001)のウサギの眼に適用した試験において重度の刺激性(highly irritating)が認められたとの記述から、区分2Aとした。 | |||
呼吸器感作性 | データなし。 | |||
皮膚感作性 | ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)およびIARC 60(1994)にアレルギー性接触皮膚炎の1症例についての記述があるが、いずれも同一症例の記述であり、判定基準に適合しないことから、データ不足のため分類できない。 | |||
生殖細胞変異原性 | in vivo試験の結果はなく、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験および遺伝子突然変異試験、ならびに細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性の結果がある(ACGIH 7th, 2001、DFGOT vol.1, 1992、IARC 60, 1994、NTP DB, 2005)が、元文献を調査した結果、in vitroの変異原性試験は複数の指標で強い陽性であるとは断定できないことから、分類できないとした。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、動物種2種において発がん性の証拠があることから区分1Bとした。新たな知見に基づき分類結果を変更した。旧分類からEU、DFGで新たな分類がされたため、発がん性項目を見直した(2022年度)。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた経皮投与(5日/週、105週間)による2年間発がん性試験において、雌雄ともに低及び高用量群で皮膚の扁平上皮癌及び基底細胞腺腫とがんを組合せた発生率の増加がみられ、発がん性を示す明らかな証拠と報告されている。なお、投与群の数例の動物では皮膚悪性腫瘍の肺や他臓器への転移がみられた(NTP TR362 (1989)、IARC 60 (1994)、ACGIH (7th, 2001))、AICIS IMAP (2016))。 (2)マウスを用いた経皮投与(5日/週、103週間)による2年間発がん性試験において、雌雄ともに低用量以上で皮膚の扁平上皮癌の用量依存的な増加、雌では中用量以上で卵巣腫瘍(顆粒膜細胞腫瘍/良性の混合腫瘍/黄体腫)を組合せた発生率の増加、細気管支-肺胞上皮の腺腫とがんを組合せた発生率の増加がみられ、発がん性を示す明らかな証拠と報告されている。なお、高度の退形成性細胞を含む皮膚悪性腫瘍がみられる動物ではリンパ節や内臓への転移がみられた(NTP TR362 (1989)、IARC 60 (1994)、ACGIH (7th, 2001))、AICIS IMAP (2016))。 (3)国内外の評価機関による既存分類結果として、EUでは(1)、(2)より2種の雌雄ともに適用部位皮膚に良性及び悪性腫瘍がみられたこと、適用部位から離れた遠隔部位(マウスの卵巣)に腫瘍発生がみられたこと、腫瘍発生までの潜伏期間と投与量に逆相関がみられること、全身毒性や皮膚に非腫瘍性病変が重篤でない用量から腫瘍がみられたことから、Carc. 1B(CLP分類結果 (Accessed July 2022))、DFGでカテゴリー2(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed July 2022))にそれぞれ分類されている。その他、IARCでグループ2B(IARC 60 (1994))、日本産業衛生学会で第2群B(2021)、ACGIHでA3(ACGIH (7th, 2001))、NTPでR(NTP RoC 15th. (2021))に分類されている。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)〜(6)より、動物実験で生殖毒性が認められており、区分1Bとした。(1)〜(4)より、本物質をヒトに妥当ではないばく露経路で投与したラット、サルで卵巣への有害影響が認められており、(5)より、ラット、マウスを用いた経口及び経皮経路による反復ばく露試験では、主に全身毒性がみられる高用量で雌雄生殖器に有害性影響がみられる。また(6)より、想定される作用機序から実験動物での知見はヒトにも当てはまる可能性は排除できないとされている。 【根拠データ】 (1)雌サル4頭(1頭/用量)に本物質、80〜250 mg/kg/dayを15日間筋肉注射した結果、原始卵胞〜二次卵母細胞までの卵胞細胞が160 mg/kg/dayで50%減少、250 mg/kg/dayでほぼ完全に消失したとの報告がある(CLH Report (2018))。 (2)雌サル8頭の片側卵巣を切除し、反対側の卵巣の隣接部位に本物質200 mgを含む生分解性繊維を移植留置した。30日後に剖検した結果、処置群では原始卵胞の約70%減少及び抗ミューラー管ホルモン(AMH:卵胞数の血清マーカー)の83%低下がみられた。次に雌サル29頭の両側卵巣の周囲に本物質200 mgを含む生分解性繊維を移植留置した(卵巣は非切除)。外科処置4ヵ月後に、AMHは処置前のベースライン値(14.1 ng/mL)と比べ56%低下(6.24 ng/L)し、うち3例では3 ng/mL以下に低下していたとの報告がある(CLH Report (2018))。 (3)雌ラットに本物質80 mg/kg/dayを30日間腹腔内投与した結果、卵巣の原始卵胞の大半が破壊された。卵胞や原始卵胞は胎児の発生過程で形成され、原始卵胞・一次卵胞の破壊は卵巣機能の喪失を生じる(早期閉経状態)との報告がある((CLH Repot (2018))、AICIS IMAP (2016))。 (4)別の雌ラットに最大80 mg/kgを反復腹腔内投与した結果、卵胞数と着床胚数の減少、着床率の低下を生じた(AICIS IMAP (2016)、CLH Repot (2018))。 (5)ラット及びマウスを用いた13週間経口投与試験、13週間及び2年間経皮投与試験において、雌雄生殖器官に有害影響(精巣の変性、卵巣・子宮の萎縮等)がみられた。これらの影響は全身毒性がある用量でみられたが、全身毒性による二次的影響ではないと考えられ、(6)において提唱されている作用機序はヒトにも当てはまると考えられるとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2019))。 (6)サル、ラットでみられた本物質の卵巣への有害影響は間接的な作用機序(視床下部-下垂体系を介する等)ではなく、直接的な作用でアポトーシス誘導による自然な退縮を促進する機序、酸化的傷害が提唱されており、他にも本物質が卵細胞のKIT受容体を阻害し、卵細胞を自然消滅させるように働く機序も指摘されている(EU CLP CLH (2019)、AICIS IMAP (2016))。KITシグナルパスウェイはヒトの卵細胞の成熟にも関与している可能性のあることから、実験動物での知見はヒトにも当てはまる可能性は排除できない(EU CLP CLH (2019))。 【参考データ等】 (7)EUではRepr. 1Bに分類されている(CLP分類結果 (Accessed July 2022))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | ACGIH(7th, 2001)のラットを用いた吸入ばく露試験において気道刺激性が認められたとの記述から、区分3(気道刺激性)とした。また、NTP TR 362(1989)のラットおよびマウスを用いた単回経口投与および経皮投与試験において活動性の低下やよろめき歩行が認められたとの記述から、麻酔作用を有すると判断し、区分3(麻酔作用)とした。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2の用量範囲において子宮及び卵巣への影響がみられることから区分2(生殖器(女性))とした。なお、旧分類で分類された免疫系影響は、長期間の試験において影響がみられていないことから、標的臓器と判断しなかった。新たな知見に基づき分類結果を変更した(2022年度)。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた13週間反復経皮投与試験(5日/週)において、5 mg/mouce(ガイダンス換算値:180 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で皮膚影響(皮脂腺の過形成、重層扁平上皮のアカントーシス及び過角化)、卵巣、子宮に萎縮性変化がみられたとの報告がある(NTP TR362 (1989)、CLH Report (2018))。 (2)マウスを用いた2年間反復経皮投与試験(5日/週)の中間評価(15ヵ月投与)において、2.5 mg/mouce(ガイダンス換算値:125 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で皮膚影響(皮脂腺の過形成、扁平上皮のアカントーシス・過角化、扁平上皮の乳頭腫又は癌)、卵巣影響(萎縮、上皮の過形成、顆粒膜細胞腫、卵巣乳頭状嚢胞腺腫)がみられたとの報告がある(NTP TR362 (1989)、CLH Report (2018))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた2年間反復経皮投与試験(5日/週)において、15及び30 mg/rat(ガイダンス換算値:37.5及び75 mg/kg/day、区分2の範囲)で皮膚影響(皮脂腺の過形成、重層扁平上皮のアカントーシス及び過角化、扁平上皮癌又は基底細胞腺腫/癌)がみられたとの報告がある(NTP TR362 (1989)、CLH Report (2018))。 (4)ラットを用いた強制経口投与による13週間反復経口投与試験(5日/週)において、125 mg/kg/day(90日換算値:90.3 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で前胃の組織変化(重層扁平上皮のび漫性過形成及び過角化)がみられたとの報告がある(NTP TR362 (1989)、CLH Report (2018))。 (5)マウスを用いた強制経口投与による13週間反復経口投与試験(5日/週)において、62.5及び125 mg/kg/day(ガイダンス換算値:45.1及び90.3 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で前胃の組織変化(重層扁平上皮のび漫性過形成及び過角化)、腎臓重量高値がみられたとの報告がある(NTP TR362 (1989)、CLH Report (2018))。 (6)マウス(雄)に5日間反復経皮投与(2.5〜10 mg/mouce)後に免疫系への影響を検討した試験で、5及び10 mg/mouce投与群で免疫抑制作用(末梢血リンパ球減少、マイトジェン刺激に対するin vitroリンパ球増殖反応低下、抗体PFC反応抑制)がみられたとの報告がある(NTP TR392 (1989)、ACGIH (7th, 2001))。 | |||
誤えん有害性* | データなし。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データがなく分類できない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データがなく分類できない。 | ||
残留性・分解性 | 化審法分解度試験:難分解性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
生態蓄積性 | 化審法分解度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2810 | |||
品名(国連輸送名) | その他の毒物(有機物)、n.o.s | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | V | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 153 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)、リスクアセスメント対象物(法第57の3) 作業場内表示義務(法第101条の4) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 該当しない | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第20条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 R5.3.31: 急性毒性(吸入:蒸気)項目、発がん性項目、生殖毒性項目を見直した。 |