安全データシート
p‐フェニレンジアミン
作成日 2002年11月18日
改訂日 2012年3月30日
1.化学品及び会社情報
化学品の名称p‐フェニレンジアミン(p-Phenylenediamine)
製品コード23B5580
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
FAX番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急時の電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限アゾ染料・白毛染料・ゴム加硫促進剤・写真現像薬原料
 

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
健康に対する有害性急性毒性(経口)区分3
急性毒性(吸入:粉じん及びミスト)区分3
皮膚腐食性/刺激性区分2
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性区分2B
呼吸器感作性区分1
皮膚感作性区分1A
特定標的臓器毒性(単回ばく露)区分1(心臓、筋肉、腎臓)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉)
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分1
水生環境有害性 (長期間)区分1
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」に該当する。なお、健康有害性については後述の11項に、環境有害性については12項に、「分類対象外」、「区分外」または「分類できない」の記述がある。
GHSラベル要素
絵表示どくろ健康有害性環境
注意喚起語危険
危険有害性情報飲み込むと有毒
吸入すると有毒
皮膚刺激
眼刺激
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
臓器の障害(心臓、筋肉、腎臓)
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(肝臓、神経系、腎臓) 
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(心臓、筋肉)
長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること。
保護手袋を着用すること。
換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
応急措置吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。
  汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
  皮膚刺激又は発しんが生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
  眼の刺激が続く場合:医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
  口をすすぐこと。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
  特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
  気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
保管換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
廃棄内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
他の危険有害性粉塵の発生、堆積を避ける。

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名p‐フェニレンジアミン
別名p-ジアミノベンゼン、1,4-ベンゼンジアミン 、p-アミノアニリン、p-Diaminobenzene、1,4-Benzenediamine、p-Aminoaniline
濃度又は濃度範囲100%
分子式 (分子量)C6H8N2(108.14)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号106-50-3
官報公示整理番号(化審法)(3)-185、(5)-4998
官報公示整理番号(安衛法)(3)-185、(5)-4998
分類に寄与する不純物及び安定化添加物データなし。

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
ばく露した場合:医師に連絡すること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。医療機関に連絡する。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
皮膚刺激又は発しんが生じた場合、気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師に連れて行く。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐ。水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。
直ちに医師に連絡すること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状吸入 : 咳、めまい、頭痛、息苦しさ。腹痛、紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、痙攣、嗜眠、息切れ、嘔吐、脱力感。
  粉塵を吸入すると、喘息様反応を引き起こすことがある。喘息の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。
  反復または長期の吸入により、喘息を引き起こすことがある。
皮膚 : 発赤。吸収される可能性あり!反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。
眼 : 眼を刺激する。発赤、痛み、まぶたの腫脹、かすみ眼、場合によっては視力の永久喪失。
経口摂取 :腹痛、紫色(チアノーゼ)の唇や爪、紫色(チアノーゼ)の皮膚、痙攣、嗜眠、息苦しさ、息切れ、嘔吐、脱力感。経口摂取後、口腔、咽喉の腫脹が観察されることがある。
全経路:血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成することがある。死に至ることがある。腎臓に影響を与え、腎臓障害を生じることがある。
応急措置をする者の保護データなし。
医師に対する特別注意事項暴露の程度によっては、定期検診を勧める。
喘息の症状は 2〜3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。
この物質により中毒を起こした場合は、特別の処置が必要である。指示のもとに適切な手段をとれるようにしておく。

5.火災時の措置
消火剤水噴霧、粉末消火薬剤
使ってはならない消火剤情報なし。
特有の危険有害性当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。
当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。
特有の消火方法消火作業は、風上から行う。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
関係者以外は安全な場所に退去させる。
消火を行う者の保護消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
必要に応じた換気を確保する。
環境に対する注意事項この物質を環境中に放出してはならない。
漏出物を回収すること。
封じ込め及び浄化の方法及び機材漏出したものをすくいとり、または掃き集めて紙袋またはドラムなどに回収する。
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。
こぼれた物質を容器内に掃き入れる。湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。
残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。
おがくず他可燃性吸収剤に吸収させてはならない。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
火花を発生しない安全な用具を使用する。
回収物の収納容器は、内容物の処分を行うまで密封しておく。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項裸火禁止。
作業環境管理を厳密に!
粉塵の堆積を防ぐ。密閉系、粉塵防爆型電気および照明設備。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
汚染された衣服は(火災の危険があるため)、多量の水ですすぎ洗いする。
環境への放出を避けること。
換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
保護手袋、保護衣。
安全眼鏡、顔面シールド、または眼用保護具と呼吸用保護具の併用。
臭気と許容濃度との関係は不明である。
20℃で気化したとき、空気は汚染されても有害濃度に達しないか、達してもきわめて遅い。しかし噴霧もしくは拡散すると、かなり急速に有害濃度に達する。
空気中で粒子が細かく拡散して爆発性の混合気体を生じる。強力な酸化剤と接触すると火災および爆発の危険性がある。
衛生対策取扱い後は手などをよく洗うこと。
保管
安全な保管条件換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
窒素シールをして保管する。酸性物質と一緒に保管しない。
容器包装材料鉄製の容器はさける。

8.ばく露防止及び保護措置
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会(2010年度版)0.1mg/m3
ACGIH(2011年版)TWA:0.1mg/m3
STEL:-
設備対策蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
密閉系、粉塵防爆型電気および照明設備。
保護具
呼吸器の保護具呼吸器用保護具を着用すること。
個人用保護具:有毒粒子用P3フィルター付マスク。
安全眼鏡、顔面シールド、または眼用保護具と呼吸用保護具の併用。
手の保護具保護手袋を着用すること。
眼の保護具安全眼鏡、顔面シールド、または眼用保護具と呼吸用保護具の併用。
皮膚及び身体の保護具保護手袋、保護衣、眼用保護具、呼吸用保護具とを着用すること。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状板結晶(エーテルより再結晶)(有機化合物辞典 (1985))
白色〜僅かに赤色(Merck (14th, 2006))
臭いデータなし。
臭いのしきい(閾)値データなし。
pHデータなし。
融点・凝固点139-147℃(ICSC(1997))
沸点、初留点及び沸騰範囲267℃(ICSC(1997))
引火点156℃(CC)(ICSC(1997))
蒸発速度(酢酸ブチル=1)データなし。
燃焼性(固体、気体)可燃性。(ICSC(J) (1997))
燃焼又は爆発範囲1.5vol%(下限)(空気中)(ICSC(J) (1997))
蒸気圧0.005mmHg(25℃)(環境省リスク評価 第3巻 (2004))
蒸気密度3.73(air=1)(ICSC(1997))
比重(相対密度)1.1(水=1)(ICSC(J) (1997))
溶解度水:4g/100mL(25℃)(ICSC(1997))
アルコール、クロロホルム、エーテルに可溶 (Merck (14th, 2006))
n-オクタノール/水分配係数logKow=-0.30(EXP)(SRC Phys Prop (Access on Oct. 2011))
自然発火温度400℃(ICSC(1997))
分解温度データなし。
粘度(粘性率)データなし。

10.安定性及び反応性
反応性強力な還元剤で、酸化剤、強塩基と激しく反応する。
安定性空気にばく露すると濃赤色になる。
粉末又は、顆粒状で空気と混合すると粉じん爆発の可能性がある。
危険有害反応可能性強力な還元剤で、酸化剤、強塩基と激しく反応する。
避けるべき条件空気にばく露。粉じんの空中への拡散。
混触危険物質強酸化剤、強酸、酸無水物、強塩基。
危険有害な分解生成物燃焼の際は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などが生成される。

11.有害性情報
急性毒性
経口ラットのLD50値は80 mg/kgおよび98 mg/kg(いづれもDFGMAK-Doc.6(1994))である。GHS分類:区分3
経皮ウサギのLDLo値は5000 mg/kg(IUCLID (2000))によりLD50値は5000 mg/kg超と判断される。GHS分類:区分外
吸入:ガスGHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミストラットのLC50値は0.92 mg/L/4h(環境省リスク評価 第3巻 (2004))である。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.0291 mg/L)を超えていることから粉塵の基準値を適用した。GHS分類:区分3
皮膚腐食性及び刺激性ウサギに本物質の2.5または25%ワセリン、10%オイル、50%水溶液を適用したドレイズ試験において、2.5%の濃度で軽度の刺激性(slightly irritant)、10〜50%では中等度の刺激性(moderately irritant)を示したが回復がみられ、皮膚刺激指数は1.4〜3.4であった(BUA 97(1995))との結果から区分2に相当する。なお、ヒトでは6人のボランティアに本物質50%軟膏を適用した結果、軽微な刺激性(only slight irritation)であった(DFGMAK-Doc.6(1994))と報告されている。GHS分類:区分2
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性ウサギに本物質を希釈せずに適用したドレイズ試験において、刺激性スコア(AOIに相当)は17(最大110)であり、軽度の刺激性(slightly irritant)との結果(BUA 97(1995))、さらにウサギに30 mgを適用した別の試験で結膜の発赤および浮腫、角膜混濁が見られたが、7日以内に回復し、刺激性あり(irritant)との結果(BUA 97(1995))から区分2Bに相当する。なお、ヒトで本物質を含む染毛剤が眼に入ると、眼球、眼瞼、結膜に重度の反応が起き、場合によっては虹彩炎や虹彩毛様体炎を伴う角膜上皮のびらんを生じ、重度の角膜潰瘍により不可逆的視覚障害や失明に至ることもある(ACGIH (2001))と記載されているが、染毛剤の成分が識別されていないので、本物質との関連の程度は不明である。GHS分類:区分2B
呼吸器感作性職業ばく露によりアレルギー性喘息の発症、直接的な刺激により咽頭に炎症を起こした労働者の報告があり、僅かな量でも、3ヶ月〜10年のばく露により喘息を起こすおそれがあるとの記載(ACGIH(2001))や、本物質は皮膚および気道に対し感作を示し、喘息になるおそれがあるとの記載(PATTY (5th, 2001))から区分1に相当する。GHS分類:区分1
皮膚感作性日本産業衛生学会で、感作性物質(皮膚:1群)(産衛学会勧告(2011))としていることから区分1Aである。20匹のモルモットを用いたパッチテストで、全動物で陽性を示したとの報告(DFGMAK-Doc.6(1994))、ヒトのマキシマイゼーション試験で、陽性率が100%であったとの報告(ECETOC TR 77(1999))を含め、ヒトおよび動物とも「感作性あり」との試験報告が複数ある。また、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会では本物質をスタンダードアレルゲンとし(Japanese Standard Allergens (2008))、Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)に接触アレルギー物質として掲載されている(Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006))。GHS分類:区分1A
生殖細胞変異原性ラットの腹腔内投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性(NTP TR 174 (1979) )、ラットの経口およびマウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(IARC 16 (1978)、DFGMAK-Doc.6(1994))で陰性の結果により区分外に該当する。なお、in vitro試験ではエームス試験で陽性(IARC 16 (1978))、マウスリンフォーマ試験で陽性(ACGIH (2001))の結果が得られている。GHS分類:区分外
発がん性IARCでグループ3(IARC suppl.7(1987))、ACGIHでA4(ACGIH (2001))分類されていることから「分類できない」。なお、ラットの8ヵ月間経口投与試験、マウスの2年間経皮投与(週2回投与)試験で、いずれも腫瘍は認められず(IARC 16(1978)、DFGMAK-Doc.6(1994))、また、本物質の二塩酸塩のラットおよびマウスに2年間混餌投与による発がん性試験で、雌雄ラットおよび雌マウスで軽度の体重増加抑制が観察されのみで、両動物種雌雄とも死亡率に投与の影響はなく、いずれの部位においても試験物質投与と腫瘍発生率との間に統計学的に有意な関連は認められず、その結果、ラットおよびマウスでは、本物質の混餌投与により発がん性の確かな証拠は得られなかった(NTP TR 174 (1979) )と結論付けている。GHS分類:分類できない
生殖毒性ラットの妊娠6日〜15日に経口投与した試験で、親動物に体重増加抑制や死亡が認められた用量で、仔の奇形または変異の増加は見られなかった(ACGIH (2001))との報告があるが、性機能および生殖能に対する影響に関した情報がないためデータ不足で分類できない。GHS分類:分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)ヒトで本物質摂取により、呼吸困難から、顔面、首、舌または咽喉に浮腫を生じ、時に血中CPKの上昇、乏尿、尿細管変性がみられ、横紋筋融解症となり最終的に急性腎不全に至った症例が、死亡例を含め複数の報告がある(DFGMAK-Doc.6(1994))。一方、マウスにガイダンス値区分1に相当する70 mg/kg bwを経鼻胃管投与後24時間以内に血中CPKの有意な上昇、24時間後に急性横紋筋融解と骨格筋の極細線維の壊死が観察された(DFGMAK-Doc.6(1994))。以上からヒトおよび動物の知見に基づき、区分1(心臓、筋肉、腎臓)に相当する。GHS分類:区分1(心臓、筋肉、腎臓)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)ヒトにおいて、本物質を含む市販の染毛剤を規則的に使用し、肝腫大と脾臓の肥大が見られ、入院後死亡までの11週間に進行性神経障害を発症した症例(ACGIH (2001))、本物質を含む染毛剤の5年間に亘る職業ばく露を受け、黄疸と肝臓の亜急性萎縮により死亡した症例(ACGIH (2001))、また、本物質を含む染毛剤を使用し消化器と神経症状が観察された症例、さらに本物質を含む染毛剤を1年半使用し中枢神経系に病理学的変化が認められた症例(DFGMAK-Doc.6(1994))の報告により、区分1(肝臓、神経系)とした。また、本物質を含む染毛剤を使用し、慢性腎不全、尿毒症、腎臓の極小化、糸球体の硝子化を伴い死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))、本物質を含む染毛剤を使用により、腎不全、尿毒症、乏尿、脈管炎、筋痛、腎臓肥大、糸球体腎炎を発症し、3週間後に死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))の報告により、区分1(腎臓)に該当する。一方、動物試験ではウサギの90日間の経口投与試験において、10 mg/kgの用量で心筋実質の変化(浮腫、筋線維の膨化、細胞質の均質化、横紋の消失)が認められ(ACGIH (2001))、用量は区分2のガイダンス値内であることから区分2(心臓、筋肉)に該当する。以上より、分類結果は区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉)となる。GHS分類:区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉)
吸引性呼吸器有害性データなし。GHS分類:分類できない

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性(急性)魚類(メダカ)の96時間LC50 = 0.066 mg/L(環境省生態影響試験, 2001)から、区分1とした。GHS分類:区分1
水生環境有害性(長期間)慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(4週間でのBODによる分解度:5%(既存点検, 2002))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.043 mg/L (環境省生態影響試験, 2001)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(4週間でのBODによる分解度:5%(既存点検, 2002))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 0.066 mg/L(環境省生態影響試験, 2001)であることから、区分1
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
汚染容器及び包装容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。
国際規制 海上輸送はIMOの規則に、航空輸送はICAO/IATAの規則に従う。
国連番号1673
国連品名フェニレンジアミン
国連危険有害性クラス6.1
容器等級V
海洋汚染物質該当
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報毒劇法の規定に従う。
特別安全対策移送時にイエローカードの保持が必要。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号153

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法変異原性が認められた既存化学物質
名称等を表示すべき危険有害物(法第57条、施行令第18条別表第9)
名称等を通知すべき危険有害物(法第57条の2、施行令第18条の2別表第9)
リスクアセスメントを実施すべき危険有害物(法第57条の3)
毒物及び劇物取締法劇物
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質
船舶安全法毒物類・毒物
航空法毒物類・毒物

16.その他の情報
参考文献各データ毎に記載した。
<モデルSDSを利用するときの注意事項>
本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。