1.化学物質等及び会社情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質等の名称 | 無水酪酸、(Butyric anhydride) | ||
製品コード | 22A4174 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
緊急時の電話番号 | 03-1234-5678 | ||
FAX番号 | 03-1234-5678 | ||
メールアドレス | |||
推奨用途及び使用上の制限 | 酪酸エステル、医薬品、可塑剤、香料、皮なめし剤等 | ||
2.危険有害性の要約 | |||
---|---|---|---|
GHS分類 | |||
分類実施日 | H23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用 |
物理化学的危険性 | 引火性液体 | 区分4 | |
---|---|---|---|
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性・刺激性 | 区分1 | |
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | 区分1 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 区分2(肺 ) | ||
環境に対する有害性 | 水生環境急性有害性 | 区分3 | |
水生環境慢性有害性 | 区分外 | ||
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。 | |||
ラベル要素 | |||
絵表示又はシンボル | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 可燃性液体 | ||
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 | |||
重篤な眼の損傷 | |||
肺の障害のおそれ | |||
水生生物に有害 | |||
注意書き | |||
【安全対策】 | |||
炎や高温のものから遠ざけること。 | |||
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
環境への放出を避けること。 | |||
【応急措置】 | |||
飲み込んだ場合、口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 | |||
皮膚又は髪に付着した場合、直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぎ又は取り除くこと。皮膚を流水又はシャワーで洗うこと。 | |||
吸入した場合、呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | |||
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | |||
ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合、眼に入った場合、飲み込んだ場合、吸入した場合は、直ちに医師に連絡すること。 | |||
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯すること。 | |||
火災の場合には適切な消火方法をとること。 | |||
【保管】 | |||
換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 | |||
施錠して保管すること。 | |||
【廃棄】 | |||
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。 | |||
国・地域情報 | |||
3.組成及び成分情報 | |||
---|---|---|---|
化学物質 | |||
化学名又は一般名 | 無水酪酸 | ||
別名 | |||
分子式 (分子量) | C8H14O3 | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 106-31-0 | ||
官報公示整理番号(化審法・安衛法) | (2)-627 | ||
分類に寄与する不純物及び安定化添加物 | 情報なし。 | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
4.応急措置 | |||
---|---|---|---|
吸入した場合 | 被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
皮膚に付着した場合 | 直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、又は取り去ること。 | ||
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。 | |||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
水と石鹸で洗うこと。 | |||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 | ||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐこと。 | ||
気分が悪い時は、医師に連絡すること。 | |||
予想される急性症状及び遅発性症状 | |||
最も重要な兆候及び症状 | |||
応急措置をする者の保護 | |||
医師に対する特別注意事項 | |||
5.火災時の措置 | |||
---|---|---|---|
消火剤 | 泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類 | ||
使ってはならない消火剤 | データなし。 | ||
特有の危険有害性 | 引火性の高い液体および蒸気。 | ||
極めて燃え易い、熱、火花、火炎で容易に発火する。 | |||
静電気で引火するおそれがある。 | |||
加熱により容器が爆発するおそれがある。 | |||
特有の消火方法 | 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
容器が熱に晒されているときは、移動しない。 | |||
安全に対処できるならば着火源を除去すること。 | |||
消火を行う者の保護 | 適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。 | ||
6.漏出時の措置 | |||
---|---|---|---|
人体に対する注意事項、保護具および緊急措置 | 全ての着火源を取り除く。 | ||
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。 | |||
関係者以外の立入りを禁止する。 | |||
密閉された場所に立入る前に換気する。 | |||
環境に対する注意事項 | 環境に放出しないこと。 | ||
回収・中和 | 不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化学品廃棄容器に入れる。 | ||
封じ込め及び浄化方法・機材 | 危険でなければ漏れを止める。 | ||
二次災害の防止策 | すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。 | ||
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | |||
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
---|---|---|---|
取扱い | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
局所排気・全体換気 | 『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。 | ||
安全取扱い注意事項 | 熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 | ||
容器を密閉しておくこと。 | |||
涼しい所に置くこと。 | |||
容器を接地すること。アースをとること。 | |||
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器等を使用すること。 | |||
火花を発生させない工具を使用すること。 | |||
静電気放電に対する安全対策を講じること。 | |||
取扱い後はよく手を洗うこと。 | |||
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。 | |||
適切な保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。 | |||
接触回避 | データなし。 | ||
保管 | |||
技術的対策 | 消防法の規制に従う。 | ||
保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。容器を密閉しておくこと。 | ||
施錠して保管すること。 | |||
容器包装材料 | データなし。 | ||
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
---|---|---|---|
管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標) | |||
日本産衛学会 | 未設定 | ||
ACGIH | 未設定 | ||
設備対策 | この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には,適切な洗眼器と安全シャワーを設置すること。 | ||
ばく露を防止するため、作業場には適切な全体換気装置、局所排気装置を設置すること。 | |||
保護具 | |||
呼吸器の保護具 | 適切な呼吸器保護具を着用すること。 | ||
手の保護具 | 適切な保護手袋を着用すること。 | ||
眼の保護具 | 適切な眼の保護具を着用すること。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣を着用すること。 | ||
衛生対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
9.物理的及び化学的性質 | |||
---|---|---|---|
物理的状態 | |||
形状 | 液体(Merck (14th, 2006)) | ||
色 | 無色(HSDB (2002)) | ||
臭い | |||
pH | データなし | ||
融点・凝固点 | -75 ℃ : Lide (90th, 2009) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 200 ℃ : Lide (90th, 2009) | ||
引火点 | 54 ℃ (CC) : HSDB (2002) | ||
自然発火温度 | 279 ℃ : HSDB (2002) | ||
蒸気密度 | 5.4 (空気= 1) : HSDB (2002) | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | データなし | ||
比重(密度) | 0.9668 (20 ℃/4 ℃) : Lide (90th, 2009) (データなし) | ||
溶解度 | 4560 mg/L : SRC (Access on Sept. 2010) | ||
エーテルに可溶 : HSDB (2002) | |||
オクタノール・水分配係数 | 1.39 : SRC (Access on Sept. 2010) | ||
分解温度 | データなし | ||
粘度 | データなし | ||
10.安定性及び反応性 | |||
---|---|---|---|
安定性 | 法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる | ||
危険有害反応可能性 | データなし | ||
避けるべき条件 | データなし | ||
混触危険物質 | データなし | ||
危険有害な分解生成物 | データなし | ||
その他 | |||
11.有害性情報 | |||
---|---|---|---|
急性毒性 | |||
経口 | ノルマル酪酸のラットLD50値は、8790, 2940, 2000 mg/kg bw(いずれもPATTY (5th, 2001))。健康有害性に関しては本物質の加水分解物であるノルマル酪酸(CAS;107-92-6)も参照のこと。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
経皮 | ノルマル酪酸のウサギLD50値は530 mg/kg bw(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
吸入 | 吸入(ガス): | GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外) | |
吸入(蒸気): | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
吸入(ミスト): | ノルマル酪酸のデータにおいて、ラットで2.4 mg/L /8h(saturated vapour)の投与で死亡なしとのデータがある(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
皮膚腐食性・刺激性 | ヒトの皮膚に本物質の蒸気が触れた場合に皮膚を刺激する(HSDB(2002))。ノルマル酪酸のデータにおいて、モルモットを用いた試験において(閉塞式/10mg/24h、開放式/500mg/24h)、重度の反応(a severe reaction)がある(PATTY (5th, 2001))。ウサギを用いた試験において(OECD TG 404,GLP準拠)、corrosiveとの報告がある(IUCLID(2000))。(GHS分類:区分1) | ||
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 | ヒトの眼に本物質の蒸気が触れた場合に眼を刺激する(HSDB(2002))。ノルマル酪酸のデータにおいて、ウサギを用いた試験において(5%超の水溶液の滴下)、重度の角膜熱傷(Severe corneal burns)がある(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:区分1) | ||
呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
皮膚感作性:ノルマル酪酸のデータにおいて、ヒトの試験において(皮下注射、2週間、指標は白血球あるいは好酸球浸潤)感作性はない(PATTY (5th, 2001))が、通常の試験ではないので分類に採用しなかった。(GHS分類:データがなく分類できない。) | |||
生殖細胞変異原性 | ノルマル酪酸のデータにおいて、in vitro試験としてエームス試験で陰性、染色体異常試験で陰性(PATTY (5th, 2001) )。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
発がん性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
生殖毒性 | ノルマル酪酸のデータにおいて、妊娠ラットの器宮形成期に経口投与した試験で、母獣の死亡率が高く、体重増加も著しく抑制されたが、仔に対する影響はなかった(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | 本物質自身のデータはないが、ノルマル酪酸のウサギの吸入ばく露試験(エアロゾル)で、40mg/L/1.5h(4時間換算{直15mg/L/4h)の用量で気管支炎、肺気腫の兆候が見られた(PATIY(5th、2001))。他のウサギの吸入試験で0.4mg/L/1.4h(4時間換算値0.24mg/L)の用量で肺のうっ血、浮種、無気肺、肺水腫が見られた(IUCLID(2000))。(GHS分類:区分2(肺)) | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | ノルマル酪酸のデータにおいて、ラットを用いた試験において(混餌投与、35週まで、投与量が不明)、体重増加抑制、胃の組織に乳頭腫症や過角化症が認められた(PATTY (5th, 2001))。(GHS分類:データがなく分類できない。) | ||
吸引性呼吸器有害性 | データなし。(GHS分類:分類できない) | ||
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性有害性) | 本物質は水中で速やかに加水分解してn-酪酸 (CAS No. 107-92-6) となる (水中での半減期 = 1.679分 (pH = 8)、16.789分 (pH = 7) (HYDROWIN))。無水イソ酪酸のデータは無いが、イソ酪酸の藻類 (セネデスムス) 72時間EC50 = 45 mg/L (無水イソ酪酸換算 = 39.9 mg/L) (IUCLID, 2000) である。(GHS分類:区分3) | ||
水生環境有害性(長期間有害性) | 本物質は水中で速やかに加水分解してn-酪酸 (CAS No. 107-92-6) となる (水中での半減期 = 1.679分 (pH = 8)、16.789分 (pH = 7) (HYDROWIN))。n-酪酸は急性毒性区分3であるが、急速分解性があり (OECD TG301Cによる28日間分解度 > 60% (IUCLID, 2000))、生物濃縮性が無いと予想される (LogPow = 1.24 (PHYSPROP Database, 2011))。(GHS分類:区分外) | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。(GHS分類:分類できない) | ||
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
残余廃棄物 | 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。 | ||
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。 | |||
汚染容器及び包装 | 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 | ||
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | |||
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報に基づく修正の必要がある。 | ||||
国連番号 | 2739 | |||
品名 | 無水酪酸 | |||
Proper Shipping Name | BUTYRIC ANHYDRIDE | |||
クラス | 8 | |||
PG | L | |||
海洋汚染物質 | 非該当 | |||
国際規制 | 海上規制情報 | IMOの規定に従う。 | ||
航空規制情報 | ICAO・IATAの規定に従う。 | |||
国内規制 | 陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | ||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
特別安全対策 | 移送時にイエローカードの保持が必要。 | |||
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。 | ||||
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 | ||||
重量物を上積みしない。 | ||||
緊急時応急措置指針番号 | 156 | |||
15.適用法令 | |||
---|---|---|---|
消防法 | 第4類引火性液体、第二石油類水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1) | ||
船舶安全法 | 腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1〉 | ||
航空法 | 腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表) | ||
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
<モデルSDSを利用するときの注意事項> 本モデルデータシートは作成年月日時点における情報に基づいて記載されておりますので、事業場においてSDSを作成するに当たっては、新たな危険有害性情報について確認することが必要です。さらに、本データシートはモデルですので、実際の製品等の性状に基づき追加修正する必要があります。また、特殊な条件下で使用するときは、その使用状況に応じた情報に基づく安全対策が必要となります。 |