職場のあんぜんサイト

安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
マレイン酸ジブチル
作成日 2024年3月29日
化学品の名称マレイン酸ジブチル
化学品の英語名称Dibutyl maleate
製品コードR05-A-041-JNIOSH
供給者の会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファクシミリ番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限ゲル化抑制剤,塗料・接着剤原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用
物理化学的危険性-
健康に対する有害性皮膚感作性区分1B
分類実施日
(環境有害性)
-
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示感嘆符
注意喚起語警告
危険有害性情報アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
注意書き
 安全対策粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。
皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。
特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。
注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
 保管-
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性-

3.組成及び成分情報
化学物質・混合物の区別化学物質
化学名又は一般名マレイン酸ジブチル
慣用名又は別名ジブチル=マレアート
英語名Dibutyl maleate
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C12H20O4 (228)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号105-76-0
官報公示整理番号(化審法)2-1107/2-1142
官報公示整理番号(安衛法)情報なし
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む)情報なし

4.応急措置
吸入した場合新鮮な空気のある場所に移動させる。できるだけ早く、グルココルチコイド吸入用スプレーで繰り返し深呼吸させる。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
皮膚に付着した場合汚染された衣服を脱がせる。皮膚に付着した部分を水と石けんで丁寧に洗浄する。炎症が続く場合は医師の診察/手当を受けること。
以上、GESTIS参照。
眼に入った場合流水で10分間洗浄する。医師の診察/手当てを受ける。
以上、GESTIS参照。
飲み込んだ場合口をすすぐ。水を少しずつ飲ませる。医師の診察/手当てを受けること。
以上、GESTIS参照。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入:粘膜の灼熱感、咳嗽性炎症、肺損傷。
皮膚:灼熱感とチクチク感、紅斑の(遅れた)発生、アレルギー性皮膚反応の可能性。
眼:結膜に対する灼熱感、炎症 (発赤/腫れ)。
経口摂取:粘膜への刺激、胃腸の不調、胃腸管への遅発性腐食作用の可能性。
以上、GESTIS参照。
応急措置をする者の保護に必要な注意事項情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素。
以上、GESTIS参照。
使ってはならない消火剤情報なし
火災時の特有の危険有害性火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。
以上、GESTIS参照。
特有の消火方法周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。
以上、GESTIS参照。
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置保護具を着用する。
以上、GESTIS参照。
環境に対する注意事項水域に対する危険性がある。水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。多量の場合は、自治体に連絡する。
以上、GESTIS参照。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
危険でなければ漏れを止める。
少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。
大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
二次災害の防止策付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱注意事項保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。補給または移送には排気装置付きの漏れ防止装置を使用すること。圧縮空気で輸送してはならない。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策皮膚への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。蒸気またはミストの吸入を避ける。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。
以上、GESTIS参照。
保管
安全な保管条件容器を密閉し、室温で保管すること。
以上、GESTIS参照。
安全な容器包装材料国連輸送法規、消防法で規定されている容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度-
濃度基準値
八時間濃度基準値-
短時間濃度基準値-
許容濃度等
日本産衛学会(2023年版)-
ACGIH(2023年版)-
設備対策作業場所には換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。床に排水溝を設けないこと。
以上、GESTIS参照。
保護具
呼吸用保護具必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。
防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。
−防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。
−濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する
注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。
−作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する
−酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。
手の保護具適切な不浸透性の保護手袋を着用する。
保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。
眼の保護具サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。
以上、GESTIS参照。
皮膚及び身体の保護具適切な保護衣または化学防護服を着用する。
以上、GESTIS参照。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体
無色〜黄色みがかった色
臭い特徴的な臭い
融点/凝固点-85 ℃(SAX(2000))
<-85 ℃(Lewis(2001))
<-60 ℃(SIDS(2002))
沸点、初留点及び沸騰範囲281 ℃(Howard(1997))
141〜143 ℃(10mmHg)(HODOC(1989))
227〜280 ℃(988hPa)(SIDS(2002))
可燃性可燃性、低引火性(GESTIS(2023))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点140.5 ℃(開放式)(Lewis(2001))
141 ℃(開放式)(GESTIS(2023))
141 ℃(Lange(2017))
自然発火点265 ℃(GESTIS(2023))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水: 8.71 mg/L(25℃)(Howard(1997))
水: 0.17 g/L(20℃)(GESTIS(2023))
水: 0.173 g/L(20℃)(SIDS(2002))
n-オクタノール/水分配係数log Kow: 4.16(Howard(1997))
log Kow: 3.38(20℃)(SIDS(2002))
蒸気圧0.0027 hPa(20℃)(GESTIS(2023))
<0.01 hPa(20℃)(SIDS(2002))
密度及び/又は相対密度0.9964 g/cm3(20/20℃)(SAX(2000))
0.9950 g/cm3(20℃)(Lange(2017))
相対ガス密度7.9 (SAX(2000))
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性加熱により分解し、刺激性の煙とフュームを発生する。
避けるべき条件火気、加熱、高温、静電気、火花、爆発性混合気の形成。
混触危険物質酸化性物質と反応する可能性がある。
危険有害な分解生成物情報なし

11.有害性情報
急性毒性
経口本物質を含む短鎖マレイン酸エステル類について、AICIS Evaluation statement (2021)で新たな評価が実施されたため、本物質の分類を検討した(2023年度)。

【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 3,730 mg/kg (AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、Patty 6th. (2012)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))
経皮【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット(SD)のLD50:> 2,000 mg/kg (OECD TG402、GLP)(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))
(2)ラット(Wistar)のLD50:> 2,000 mg/kg (OECD TG402、GLP)(AICIS Evaluation Statement (2021))
(3)ウサギのLD50:9,880 mg/kg (AICIS Evaluation Statement (2021))
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間、エアロゾル):> 5,000 mg/m3(5 mg/L)(OECD TG403、GLP)(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、Patty 6th. (2012)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、8日観察)において、みられた刺激症状は8日以内に完全回復した(紅斑・痂皮スコア:1.3/0.7/0.7、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、1時間後に2例で軽微〜軽度の結膜発赤、1例で軽微な結膜浮腫、1例で軽微な角膜混濁がみられたが、いずれも48時間以内に完全回復したとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、1時間後に全例で結膜充血がみられたが、24時間以内に消失したとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1)より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406相当、皮内投与:10%溶液)において、24、48時間後の陽性率はそれぞれ80%(16/20例)、70%(14/20例)であったとの報告がある(SIAR (2002)、 AICIS Evaluation Statement (2021)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウスの骨髄赤血球を用いた小核試験(OECD TG474,GLP)で陰性の報告がある。(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR(2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験(OECD TG 471,GLP)で陰性、CHO細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473)では10 mM (2.28 mg/mL)を超える高濃度(5mg/mL)で陽性、マウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG476)で陰性の報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
(1)より、本物質の試験結果だけでは分類は困難であり、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性/生殖毒性スクリーニング試験(OECD TG422、GLP、30〜300 mg/kg/day)において、中用量(95 mg/kg/day)群と高用量(300 mg/kg/day)群で児動物の死亡率の有意な増加がみられたが、高用量群の児の死亡は心臓、腎臓及び肝臓に病変がみられた1例の母動物の哺育行動欠如に起因しており、特異的な生殖毒性と考えられないことから、児動物の死亡率増加の有意性と用量反応関係は不明確であったとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。

【参考データ等】
(2)AICISは、マレイン酸エステル(ジメチル(CAS登録番号:624-48-6)、ジブチル(CAS登録番号:105-76-0)、モノブチル(CAS登録番号:925-21-3))のデータ及び無水マレイン酸(CAS登録番号:108-31-6)の情報からのリードアクロスに基づき、マレイン酸エステルのグループ化合物は経口ばく露後に受胎能、性機能又は発生への重大な影響を生じることは考えにくいと判断している(AICIS Evaluation Statement (2021))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた単回経口投与試験において、3,730 mg/kg(区分に該当しない範囲)では死亡例はみられなかったとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(2)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)では投与後6時間まで紅涙、投与翌日及び第2日に中程度の紅斑が雄5匹中5匹、雌5匹中3匹にみられた。また、剖検では異常はみられなかったとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
(3)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(OECD TG403、GLP)において、5 mg/L(区分に該当しない範囲)で影響はみられなかったが、剖検により肺に小出血痕(雄:5匹中4匹、雌:5匹中3匹)がみられたとの報告がある(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2)より、影響は区分に該当しない範囲の用量に限られることから、経口経路では区分に該当しない。ただし、他経路では分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた90日間強制経口投与試験(OECD TG408、GLP)において、300 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で腎臓影響(皮質尿細管の好塩基性化を伴う慢性進行性腎症、皮髄境界部/髄質の石灰化等)がみられたとの報告がある。95 mg/kg/day(区分2の範囲)以下の群では腎臓影響は軽微で、NOAELは95 mg/k/dayと報告されている(AICIS Evaluation Statement (2021))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性/生殖毒性スクリーニング試験(OECD TG422、GLP)では、300 mg/kg/day(90日換算:133〜166 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で全身状態低下、肝臓影響(重量増加、アルブミン・総タンパク・ビルリビンの高値)、腎臓影響(重量増加、尿細管病変(拡張、上皮の好塩基性化、上皮の増殖、核肥大))がみられ、全身影響のNOAELは95 mg/kg/day(90日換算:42〜53 mg/kg/day、区分2の範囲)と報告されている(AICIS Evaluation Statement (2021)、SIAR (2002)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2023))。

【参考データ等】
(3)AICISは、マレイン酸エステルのグループ化合物の中で利用可能な試験データがある物質(ジメチル(CAS登録番号:624-48-6)、ジブチル(CAS登録番号:105-76-0)、モノブチル(CAS登録番号:925-21-3))では、経口経路による反復投与後に重篤な毒性影響が生じることはないと判断している。ジブチル、モノブチルの試験結果の多くで腎臓影響がみられたが、明瞭な腎臓影響は区分に該当しない範囲に限られたため、マレイン酸エステルグループに対する特定標的臓器毒性(反復ばく露)として腎臓影響は採用されないと指摘している(AICIS Evaluation Statement (2022))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 短期(急性)データなし。
水生環境有害性 長期(慢性)データなし。
残留性・分解性情報なし
生態蓄積性情報なし
土壌中の移動性情報なし
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。

13.廃棄上の注意
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号3082
品名(国連輸送名)環境有害性物質(液体)、n.o.s.
国連分類9
副次危険-
容器等級V
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*171
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)-
毒物及び劇物取締法-
消防法第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類)
船舶安全法有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)
航空法有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
・International Chemical Safety Cards (ICSC)
・Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
・GESTIS Substance database (GESTIS)
・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用
・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」
・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」