化学品の名称 | 3−フェニルアクリルアルデヒド | ||
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化学品の英語名称 | 3-Phenylacrylaldehyde | ||
製品コード | R05-A-035-JNIOSH | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | 石けん香料 (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R6.3.29、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | |
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | ||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | ||
皮膚感作性 | 区分1A | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
分類実施日 (環境有害性) | - | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 警告 | ||
危険有害性情報 | 皮膚に接触すると有害 皮膚刺激 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 呼吸器への刺激のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 | ||
応急措置 | 皮膚に付着した場合:多量の水/石けんで洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | - |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 3−フェニルアクリルアルデヒド | ||
慣用名又は別名 | シンナムアルデヒド 3−フェニルプロペナール ケイ皮アルデヒド | ||
英語名 | 3-Phenylacrylaldehyde Cinnamaldehyde | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C9H8O (-) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 104-55-2 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 3-1148 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪いときは医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
皮膚に付着した場合 | 汚染された衣類を脱がせる。皮膚に付着した部分を多量の水/石けんで洗うこと。皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
飲み込んだ場合 | 気分が悪いときは医師に連絡すること。 以上、GHS分類結果参照。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 皮膚:刺激。 眼:刺激。 以上、PubChem参照。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素。 以上、GESTIS参照。 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 以上、GESTIS参照。 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 火災の場合、有害物質(一酸化炭素、二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水スプレーで冷却する。可能であれば、容器を危険区域外に持ち出す。加熱により圧力が上昇し破裂する恐れがある。着火源となるものを遮断する。 以上、GESTIS参照。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
環境に対する注意事項 | 水域に対する危険性は低い。非常に多量に水、排水、下水、または地中に入った場合は、自治体に連絡する。 以上、GESTIS参照。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | すべての着火源を取り除く(現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。 危険でなければ漏れを止める。 少量の場合、ウエス、雑巾等でよく拭き取り適切な廃棄容器に回収する。 大量の場合、盛土等で囲って流出を防止する。 排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。 | ||
二次災害の防止策 | 火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱注意事項 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 容器を開けたままにしない。飛沫を避ける。接触を避ける。使用する場合は十分な換気を確保すること。床への浸透を避ける(鉄製パンの使用)。 機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。 周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 以上、GHS分類結果、GESTIS、日化協発行ガイドライン参照。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 蒸気またはミストの吸入を避ける。皮膚や眼への接触を避ける。接触した場合は洗浄する。休憩前や作業終了時には石鹸と水で皮膚を洗い、洗浄後は脂肪分の多いスキンケア製品を塗布する。衣服との接触を避ける。汚染された衣類は交換し、注意深く洗うこと。使用するときには飲食、喫煙をしないこと。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管する。容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管すること。光および熱を避けること。 以上、GHS分類結果、GESTIS参照。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | - | |||
濃度基準値 | ||||
八時間濃度基準値 | - | |||
短時間濃度基準値 | - | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2023年版) | - | |||
ACGIH(2023年版) | - | |||
設備対策 | 作業場所には適切な換気設備を設置する。取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け、標識を付けること。床排水溝がある場合はトラップを設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 必要に応じて状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用する。 防毒マスクの選択については、以下の点に留意する。 -防毒マスクは、電動ファン又は面体が国家検定合格品であることを確認し、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 -濃度に対応した・・・用吸収缶を使用する 注) ”…”の吸収缶は国家検定合格品又は日本産業規格(JIS T8152)に適合した物質に対応した吸収缶を記載します。SDS作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 -作業者が粉じんにばく露される環境で防毒マスクを使用する場合には、防じん機能付き吸収缶を使用する -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。 | |||
手の保護具 | 適切な不浸透性の保護手袋を着用する。 保護手袋の選択については、厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル」を参照のこと。 | |||
眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 適切な保護衣または化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 液体 | ||
色 | 黄色みがかった色 | ||
臭い | シナモン様臭 | ||
融点/凝固点 | -7.5 ℃(Merck(2013)、HSDB in PubChem(2023)) -8 ℃(Ullmann(2011)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 253 ℃(Ullmann(2011)) 120.0/222.4/246.0 (10 mmHg/400 mmHg/760 mmHg(一部分解))(Merck(2013)) 246.0 ℃(一部分解)(SAX(2000)) | ||
可燃性 | 可燃性、低引火性(GESTIS(2023)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 105 ℃(密閉式)(GESTIS(2023)) 120 ℃(密閉式)(HSDB in PubChem(2023)) 248 °F(SAX(2000)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | 21.25 mm2/s(20℃)(GESTIS(2023)) 22.12 mPa*s(GESTIS(2023)) | ||
溶解度 | 水: 2.865 g/L(25℃)(GESTIS(2023)) 水: 1.42×10+3 mg/L(25℃)(推定値)(Howard(1997)) アルコール、エーテル、クロロホルム、オイル類: (混和)(Merck(2013)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | log Kow: 1.9(GESTIS(2023)) log Kow: 1.90(Howard(1997)、HSDB in PubChem(2023)) | ||
蒸気圧 | 2.89×10-2 mmHg(25℃)(Howard(1997)、HSDB in PubChem(2023)) 3.85/130 Pa(25℃/76.1℃)(GESTIS(2023)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.050 g/cm3(20℃)(Ullmann(2011)) 1.048〜1.052 g/cm3(25/25℃)(Merck(2013)、SAX(2000)) | ||
相対ガス密度 | 4.6 (空気=1)(HSDB in PubChem(2023)) 4.56 (GESTIS(2023)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 加熱により分解し、刺激性の煙とフュームを発生する。 水酸化ナトリウムと接触すると遅れて発火することがある。 | ||
避けるべき条件 | 火気、加熱、高温、静電気、火花、爆発性混合気の形成 | ||
混触危険物質 | 水酸化ナトリウム | ||
危険有害な分解生成物 | 情報なし |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない(国連分類基準の区分5)。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:2,200 mg/kg(JECFA (1967)、NTP TR514 (2004)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)) (2)ラットのLD50:3,400 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、データの信頼性が高い(1)の値を採用し、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:1,260 mg/kg(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。なお、REACH登録情報ではKey Studyに採用されている。 (2)ウサギのLD50:620 mg/kg(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。なお、用いた性は不明であり、またREACH登録情報ではSupporting dataとされている。 【参考データ等】 (3)ラットのLD50(OECD TG 402):> 2,000 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=1)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、閉塞、4時間適用、14日観察)において、限局性壊死、紅斑および浮腫がみられたが、14日以内に回復し、皮膚一次刺激指数(PDII)は3.25(>3で区分2)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (2)再構築ヒト表皮モデル(EpiDerm)を用いたin vitro 皮膚刺激性試験(OECD TG 439)において、細胞生存率R=4.1%(<50%で区分2)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 【参考データ等】 (3)本物質40 mg及び48 mgを含むワセリン軟膏(濃度不明)をヒトの皮膚に48時間閉塞条件で適用した結果、重度の刺激性を生じたとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)。 (4)本物質3%溶液(媒体:フタル酸ジエチル:エタノール(3:1))により、ボランティア10/63例に皮膚刺激が生じ、本物質8%ワセリン軟膏により、ボランティア5/5例に重度の皮膚刺激が生じたとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (5)皮膚刺激性試験において、本物質の原液をウサギに適用した場合には重度の刺激性、3〜5%溶液をマウスとモルモットに適用した場合には軽度の刺激性、1%溶液をウサギに適用した場合には刺激はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)より、区分2Aとした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n= 3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP、14日観察)において、みられた刺激性影響は14日後に完全回復した(角膜混濁スコア:1/1/1、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:2/2/2、結膜浮腫スコア:1.7/1/1)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 【参考データ等】 (2)本物質8%溶液をヒトの眼に適用したところ、軽度の刺激が生じたが、角膜への影響はみられなかったとの報告があるが、詳細は不明である(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)。 (3)本物質原液をウサギの眼に適用したところ、刺激性影響がみられ、7日後までに完全回復しなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (4)ウサギを用いた眼刺激性試験(0.125%、1%、1.25%、溶媒不明)において、0.125%および1%溶液では軽度の結膜刺激が生じたが、1.25%溶液では重度の結膜浮腫と多量の分泌物がみられた。1.25%溶液を除いて、1週間後には回復性を示したとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (5)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、21日観察)において、最低限から軽度の刺激性がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (6)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 492、EpiOcularモデル)において、平均組織生存率は4.1%(予測不能に該当)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)本物質は消費者製品の接触性アレルゲンとしてよく知られ、香粧品中アレルゲンとして高頻度の発生が報告されているList A物質に該当する(SCCS (2012))。 (2)健康なボランティアおよび香料に対する皮膚アレルギーの疑いのある被験者を対象とした複数のヒト反復パッチテスト(HRIPT)において、本物質は1%未満の濃度では感作性の報告の数は少ない一方、低濃度(0.2%以下)の適用でも陽性のアレルギー反応を示した症例は存在し、濃度3%以上ではアレルギーよりも皮膚刺激性影響が優先的に現れるとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (3)マウス(n=4匹/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429相当、適用濃度:0.1〜10.0%)において、EC3値は0.2%(EC3値<2%で区分1A)と算出されたとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、SCCS (2012))。 【参考データ等】 (4)マウス(n=4匹/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429相当)において、刺激指数(SI値)は1.4(0.5%)、0.9(1.0%)、1.9(2.5%)、7.1(5%)、15.8(10%)であり、EC3値は3.1%(区分1Bに相当する結果)と算出されたとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、SCCS (2012))。 (5)モルモットを用いたMaximisation試験において、本物質は0.75%の濃度で試験した動物の90〜100%で陽性反応を示し、3%の濃度では強い感作性影響がみられたとの報告があるが、詳細は不明である(AICIS IMAP (2016))。 (6)本物質に職業および消費者ばく露後に皮膚感作性を生じた多くの症例がある。また、消費者製品の香料成分として本物質がアレルギー反応の原因物質として特定される多くの症例研究があるとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (7)DFGでShに分類されている(List of MAK and BAT values (2022))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウス骨髄細胞を用いた2つの小核試験(単回経口及び腹腔内投与、最大500 mg/kg)で陰性(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))、ラット及びマウスの骨髄、肝臓、前胃組織を用いた小核試験(強制経口投与、550〜1,650 mg/kg(ラット)、850〜2,250 mg/kg(マウス):最高用量は2種とも致死量)において、骨髄では両種とも陰性であったが、肝細胞(ラット、マウス)、前胃粘膜細胞(ラット)で陽性の結果が示された。この陽性の結果は本物質を大量経口投与した結果、胃と肝臓が高濃度にばく露されたことに起因した擬陽性で、本物質に染色体異常誘発性があるとは考えられなかった(AICIS IMAP (2016))。この他、ラット及びマウスの肝細胞を用いた不定期DNA合成試験(経口投与、最大1,000 mg/kg)で陰性の報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG471)、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG473)及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG476)で、いずれも陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)本物質のうち、trans-シンナムアルデヒド(CAS登録番号:14371-10-9)について、ラット及びマウスを用いた2年間混餌投与(検体はマイクロカプセルに封入)による発がん性試験では、いずれも4,100 ppm(約200 mg/kg/day)まで腫瘍の発生増加は認められず、ラット及びマウスの雌雄いずれも発がん性の証拠はないとされた(NTP TR514 (2004)、AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (2)本物質は、trans-シンナムアルデヒドを97%以上含み、cis-シンナムアルデヒド(CAS登録番号:57194-69-1)を1%以下含む混合物である。異性体の構成比から異性体混合物の本物質と純粋なtrans-異性体はほぼ同じ活性を有すると考えられる(AICIS IMAP (2016)、NTP TR514 (2004))。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 (1)では発生影響が報告されているが、(2)では母体毒性の認められた用量でも胎児への影響は低体重のみと軽微であり、(3)(4)では影響が認められておらず、異なる結果が得られていることから分類できないとした。 【根拠データ】 (1)妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠7〜17日)において、明瞭な母動物毒性がない高用量(250 mg/kg/day)で、児動物に骨化遅延などの骨格異常、腎臓の変異頻度の増加がみられた。(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)、Mantovani et al.(1989))。 (2)妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠5〜19日、125〜500 mg/kg/day))において、母動物毒性がみられた500 mg/kg/dayで、胎児に軽微な影響(低体重)がみられたのみであったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (3)ラットを用いた強制経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP:87.5〜350 mg/kg/day)において、最高用量の350 mg/kg/dayまで親動物の全身毒性、生殖毒性及び出生児の発生・発育への有害影響は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (4)妊娠マウスを用いた強制経口投与による発生毒性毒性試験(妊娠6〜13日、1,200 mg/kg/day)において、産児を自然分娩させたが、分娩は正常で母動物毒性、出生児の生後の発育ともに異常は見られなかったとの報告がある(Patty 6th. (2012)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 【参考データ等】 (5)妊娠ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠7〜17日)において、母体への55 mg/kg/day投与で胎児に外表奇形(鼻、舌、頭蓋・顔面)の頻度増加(詳細不明)、母体への275 mg/kg/day投与で筋骨格系の異常の頻度増加(詳細不明)がみられたとの報告があるがある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 (1)〜(3)より、区分3(気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)本物質の噴霧溶液(125〜800 mM)を吸入後に10人全例が咳を生じ、咳の回数を記録した結果、この反応には明瞭な用量相関がみられた。本物質はTRPA-1(transient receptor potential ankyrin-1)受容体の特異的なアゴニストであり、気道の化学物質感受性亢進のため咳を誘発することが明らかになった(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 (2)マウスに霧状にした本物質を1分間鼻部ばく露により吸入させた結果、顕著な気道刺激性がみられ、ED25(呼吸数を25%低下させる濃度)は241 mg/Lと算出された。気管挿管による吸入ばく露では有意な刺激性影響はみられなかった(AICIS IMAP (2016))。 (3)ラット、ウサギを用いた経口及び経皮経路による単回ばく露試験でみられた症状や剖検所見からは、消化管、眼、皮膚への刺激性以外に、本物質の標的臓器を特定可能な特異性の高い共通的な所見はみられなかった(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2)より、経口経路では区分に該当しない。ただし、他経路では分類に十分な情報がなくデータ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による12週間反復投与毒性試験において、最高用量の200 mg/kg/day(90日換算:約185 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)まで有害影響はみられなかったとの報告がある(AICIS IMAP (2016))。 (2)ラットを用いた混餌投与による16週間反復投与毒性試験において、最高用量の10,000 ppm(500 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で肝臓(肝細胞の軽度肥大)と胃(前胃扁平上皮の軽度過角化)に組織変化がみられた。NOAELは200 mg/kg/dayとされたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023)、NTP TR514 (2004))。 【参考データ等】 (3)本物質のtrans異性体であるtrans-Cinnamaldehydeを被験物質としたラットを用いた混餌投与による2年間発がん性試験において、最高用量の4,100 ppm(200 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)まで非腫瘍性病変は認められなかった(NTP TR514 (2004)、AICIS IMAP (2016))。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)動粘性率(40℃)は17.29 mm2/s と報告されている(REACH登録情報 (Accessed Dec. 2023))。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データなし。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データなし。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | - | |||
品名(国連輸送名) | - | |||
国連分類 | - | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 該当しない | |||
航空規制情報 | 該当しない | |||
陸上規制情報 | 消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 該当しない | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第594条の2) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | - | |||
毒物及び劇物取締法 | - | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害防止用保護具の選定マニュアル第1版」 |