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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
ジシクロペンタジエニル鉄 (別名: フェロセン)
作成日 2002年12月25日
改訂日 2006年08月03日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称ジシクロペンタジエニル鉄 (別名: フェロセン) (Ferrocene)
製品コードR01-B-012
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限触媒 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性-
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2
発がん性区分2
生殖毒性区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)区分2 (呼吸器)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分2 (血液系)
分類実施日
(環境有害性)
H20年度、政府向けGHS分類ガイダンス (H20.9.5版) (R1年度、分類実施中)
環境に対する有害性-
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性
注意喚起語警告
危険有害性情報飲み込むと有害
強い眼刺激
発がんのおそれの疑い
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
呼吸器の障害のおそれ
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害のおそれ
注意書き
 安全対策使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
 保管施錠して保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名ジシクロペンタジエニル鉄
別名フェロセン
ジ-2,4-シクロペンタジエンー1-イル鉄
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C10H10Fe (186.03)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号102-54-5
官報公示整理番号
(化審法)
3-2568
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡すること。
皮膚に付着した場合洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状吸入: 咽頭痛
皮膚: 発赤
眼: 充血、痛み
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤水噴霧、粉末消火薬剤、アルコール耐性泡消火薬剤、二酸化炭素
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性可燃性
特有の消火方法情報なし
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材個人用保護具: 空気中濃度に応じた粒子用フィルター付マスク
こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。
湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項裸火禁止。
粉じんの拡散を防ぐ。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること。
強酸化剤から離しておく。
安全な容器包装材料情報なし

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)TLV-TWA: 10 mg/m3 (Inhalable Paticulate Matter)*
TLV-TWA: 0.3 mg/m3 (Respirable Paticulate Matter)*
* Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified
設備対策粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具緊急時には呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
橙色 ICSC (2004)
臭い樟脳臭 (GESTIS (Access on May 2019))
融点/凝固点173℃ (ICSC (2004))
沸点、初留点及び沸騰範囲249℃ (ICSC (2004))
可燃性可燃性 (ICSC (2004))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界該当しない
引火点該当しない
自然発火点該当しない
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率該当しない
溶解度水:< 0.1 mg/mL (HSDB (Access on November 2019)
アルコール、エーテル、ベンゼンに可溶 (Merck (13th, 2001))
n-オクタノール/水分配係数log Pow = 2.66 (GESTIS (Access on May 2019))
蒸気圧0.0066kPa (40℃) (HSDB (Access on November 2019))
密度及び/又は相対密度1.49 g/cm3 (20℃) (GESTIS (Access on May 2019))
相対ガス密度該当しない
粒子特性データなし

10.安定性及び反応性
反応性「危険有害反応可能性」を参照。
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性燃焼すると、有毒なヒュームを生成する。
過塩素酸アンモニウム及びテトラニトロメタンと 激しく反応する。
硝酸水銀(II)と反応する。
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質強酸化剤
危険有害な分解生成物有毒なヒューム

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50 : 1,320 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2019))
経皮【分類根拠】 
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50 : > 3,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on July 2019))
吸入: ガス【分類根拠】 
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】 
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】 
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。なお、新たなデータが得られたことにより区分を変更した。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404準拠のウサギ皮膚刺激性試験の平均スコアが、紅斑:0.56、浮腫:0であり、皮膚一次刺激指数 (PII) が0.5であったと報告されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。

【参考データ等】
(2) 本物質は眼、皮膚、気道を刺激する可能性がある (PATTY (6th, 2012))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1) より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 405準拠の眼刺激性試験において結膜の軽度の刺激を示したが、7日後、全て消失した。24、48、72時間後の角膜混濁、虹彩、結膜の平均スコアはそれぞれ0、0、2.5であったが、結膜の反応は24時間で回復と報告されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。

【参考データ等】
(2) 本物質は皮膚、眼、気道を刺激する可能性がある (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2019))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。なお、新しい情報が得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) OECD TG 406 (モルモットマキシマイゼーション試験) に準拠したモルモット皮膚感作性試験で皮膚反応は認められず、感作性陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on June 2019))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
(1)、(2) よりin vivo、in vitroを含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。新たなデータが得られたため、旧分類から分類結果が変更となった。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス小核試験で陰性の結果であった (REACH登録情報 (Access on July 2019))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の結果であった (PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on May 2019))。
発がん性【分類根拠】
分類に利用可能なデータはなく、国際機関による既存分類もないため、分類できないとした。

【参考データ等】
(1) 本物質を2年間筋肉注射 (総投与量: 5,175 mg/kg) した試験 (動物種不明) で、注射部位に腫瘍が認められた (PATTY (6th, 2012))。
生殖毒性【分類根拠】
(1) より 区分2とした。なお、新たな情報を追加したことから旧分類から分類結果が変更となった。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与での反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において親動物毒性 (体重増加抑制、赤血球数減少、ヘモジデリン沈着等) がみられる用量で明らかな生殖影響 (受精率の低下、着床前及び着床後胚損失) がみられている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。

【参考データ等】
(2) イヌを用いた強制経口投与 (カプセル投与) での6ヵ月間反復投与毒性試験において、100及び300 mg/kg/dayで精巣の低形成がみられている (ACGIH (7th, 2001) 、PATTY (6th, 2012))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
データ不足のため分類できない。(1) の記載があるが、出典の情報がなく、詳細が確認できない。旧分類はPATTY (5th, 2001) の同様の記載に基づいて区分3 (気道刺激性) としていたが、分類根拠としては不十分と判断した。他に気道刺激性を支持する情報がないため、分類結果を変更した。

【参考データ等】
(1) 本物質は皮膚、眼、気道を刺激する可能性がある (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2019))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1)、(2) より、実験動物への吸入ばく露により区分1の範囲で鼻腔に病変がみられていることから、区分1 (呼吸器) とした。なお、旧分類での用量換算及び標的臓器を見直し、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラット、マウスに蒸気3〜30 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.002〜0.02 mg/L、区分1の範囲) を13週間吸入ばく露 (6時間/日、5日/週) した結果、鼻、喉頭、気管、肺、肝臓への鉄沈着、用量依存的な鼻腔の病変 (壊死、炎症、化生、再生) がみられ、10 mg/m3以上で肝臓重量増加等がみられた (PATTY (6th, 2012))。
(2) ラット、マウスに蒸気2.5〜40 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.0004〜0.006 mg/L、区分1の範囲) を2週間吸入ばく露 (6時間/日) した結果、鼻甲介の炎症、体重増加抑制がみられた (PATTY (6th, 2012))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)データがなく分類できない。
水生環境有害性 (長期間)データがなく分類できない。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号該当しない
国連品名該当しない
国連危険有害性クラス該当しない
副次危険該当しない
容器等級該当しない
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報該当しない
航空規制情報該当しない
陸上規制情報該当しない
特別な安全上の対策該当しない
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*該当しない
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)【260 ジシクロペンタジエニル鉄】 
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)【260 ジシクロペンタジエニル鉄】
危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法該当しない

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用