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安全データシート
(JIS Z7253:2019準拠)
N-エチルメタトルイジン
作成日 2008年11月06日
改訂日 2020年03月13日
1.化学品等及び会社情報
化学品の名称N-エチルメタトルイジン (N-Ethyl-3-methylaniline)
製品コードR01-B-098
会社名○○○○株式会社
住所東京都△△区△△町△丁目△△番地
電話番号03-1234-5678
ファックス番号03-1234-5678
電子メールアドレス連絡先@検セ.or.jp
緊急連絡電話番号03-1234-5678
推奨用途及び使用上の制限色素原料、写真薬原料 (NITE-CHRIPより引用)

2.危険有害性の要約
GHS分類
分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性引火性液体区分4
健康に対する有害性急性毒性 (経口)区分4
急性毒性 (吸入: 粉塵、ミスト)区分4
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)区分1 (血液系)
分類実施日
(環境有害性)
H30年度、政府向けGHS分類ガイダンス (平成25年度改訂版 (Ver.1.1))
環境に対する有害性水生環境有害性 (急性)区分3
水生環境有害性 (長期間)区分3
GHSラベル要素
絵表示感嘆符健康有害性
注意喚起語危険
危険有害性情報可燃性液体
飲み込むと有害
吸入すると有害
長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害
水生生物に有害
長期継続的影響によって水生生物に有害
注意書き
 安全対策熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
取扱後はよく手を洗うこと。
この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
 応急措置火災の場合:消火するために適切な消火剤を使用すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。
飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
 保管換気の良い場所で保管すること。
 廃棄内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性情報なし

3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別単一製品
化学名又は一般名N-エチルメタトルイジン
別名N-エチル-3-メチルアニリン
濃度又は濃度範囲情報なし
分子式 (分子量)C9H13N (135.21)
化学特性 (示性式又は構造式)構造式
CAS番号102-27-2
官報公示整理番号
(化審法)
3-187
官報公示整理番号
(安衛法)
情報なし
分類に寄与する不純物及び安定化添加物情報なし

4.応急措置
吸入した場合空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。
皮膚に付着した場合大量の水で洗うこと。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。
飲み込んだ場合口をすすぐこと。気分が悪いときは医師に連絡すること。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状情報なし
応急措置をする者の保護情報なし
医師に対する特別な注意事項情報なし

5.火災時の措置
適切な消火剤小火災: 粉末消化剤、二酸化炭素、散水
大火災: 粉末消化剤、二酸化炭素、耐アルコール泡消化剤、散水
使ってはならない消火剤情報なし
特有の危険有害性蒸気が加熱により、空気との爆発性混合気を生成するおそれがある; 屋内、屋外または下水溝で爆発のおそれがある。
火災時に刺激性、腐食性および/または毒性のガスを発生するおそれがある。
消火水や希釈水は腐食性および/または毒性があり、汚染を引き起こすおそれがある。
特有の消火方法危険でなければ、容器を火災の場所から移動する。
消火水をせき止め、後で廃棄する; 物質を拡散させてはいけない。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も大量の水を用いて容器を冷却する。
消火を行う者の保護自給式呼吸器、防護服 (耐熱性) を着用する。

6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置関係者以外の立ち入りを禁止する。
作業者は適切な保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
環境に対する注意事項周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。
封じ込め及び浄化の方法及び機材すべての着火源を取り除く (現場での喫煙、火花や火炎の禁止)。
適切な保護衣を着けていないときは、破損した容器や漏洩物に触れてはいけない。
危険でなければ、漏れを止める。
排水溝、下水溝、地下室や狭い場所への流入を防ぐ。
乾燥した土、砂や不燃性物質で吸収し、あるいは覆って容器に移す。
容器内に水を入れてはいけない。

7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項熱,高温のもの,火花,裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
接触回避「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
保管
安全な保管条件施錠して保管すること (毒劇物)。
換気の良い場所で保管すること。
安全な容器包装材料消防法、国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8.ばく露防止及び保護措置
許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。
管理濃度未設定
許容濃度
日本産衛学会 (2019年度版)未設定
ACGIH (2019年版)未設定
設備対策取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。
高温下や、ミストが発生する場合は換気装置を使用する。
保護具
呼吸用保護具緊急時には呼吸用保護具を着用する。
手の保護具保護手袋を着用する。
眼の保護具保護眼鏡を着用する。
皮膚及び身体の保護具保護衣を着用する。

9.物理的及び化学的性質
物理的状態
物理状態液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
明るい琥珀色 (HSDB (Access on October 2019))
臭い特異臭 (GESTIS (Access on October 2019))
融点/凝固点データなし
沸点、初留点及び沸騰範囲221℃ (HSDB (Access on October 2019))
可燃性可燃性 (GESTIS (Access on October 2019))
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界データなし
引火点89℃ (c.c.) (GESTIS (Access on October 2019))
自然発火点500℃ (GESTIS (Access on October 2019))
分解温度データなし
pHデータなし
動粘性率データなし
溶解度水:1.131 g/L (20℃) (GESTIS (Access on October 2019))
エタノール、エーテルに可溶 (HSDB (Access on October 2019))
n-オクタノール/水分配係数log Kow = 2.66 (EST) (PHYSPROP Database (2019))
蒸気圧0.06 hPa (20℃) (GESTIS (Access on October 2019))
密度及び/又は相対密度0.9 g/cm3 (20℃) (GESTIS (Access on October 2019))
相対ガス密度4.67 (GESTIS (Access on October 2019))
粒子特性該当しない

10.安定性及び反応性
反応性情報なし
化学的安定性情報なし
危険有害反応可能性発熱反応で酸を中和する。
避けるべき条件混触危険物質との接触
混触危険物質イソシアネート、ハロゲン化有機物、過酸化物、フェノール、エポキシド、無水物、酸ハロゲン化物
危険有害な分解生成物可燃性水素ガス、水素化物

11.有害性情報
急性毒性
経口【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 787 mg/kg (HSDB (Access on October 2019))
経皮【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト【分類根拠】
(1) より、区分4とした。
なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (約0.95 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 2.4 mg/L (US EPA Screening-Level Hazard Characterization_ Monocyclic Aromatic Amines Category (Sept 2009))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギに本物質を4時間閉塞適用した皮膚刺激性試験でごく軽度刺激性 (slightly irritating) と報告されている (US EPA Screening-Level Hazard Characterization_ Monocyclic Aromatic Amines Category (Sept 2009))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性【分類根拠】
(1)より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (0.1 mL) をウサギの眼に適用した眼刺激性試験で反応は72時間以内に回復した (US EPA Screening-Level Hazard Characterization_ Monocyclic Aromatic Amines Category (Sept 2009))。
呼吸器感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) ウサギに本物質 (感作: 原液 0.3 ml、惹起: 50%) を投与した皮膚感作性試験法 (ビューラー法)において感作性は認められなかった (US EPA Screening-Level Hazard Characterization_ Monocyclic Aromatic Amines Category (Sept 2009))。
生殖細胞変異原性【分類根拠】
In vivoデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性の報告がある (US EPA Screening-Level Hazard Characterization_ Monocyclic Aromatic Amines Category (2009))。
発がん性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1) で、チアノーゼがみられたとの情報があるが、血液検査の結果の記載はなく、血液系を標的臓器とするには不十分と判断した。他に情報がないことから分類できないとした。

【参考データ等】
(1) ラットの単回経口投与試験において、500 mg/kg (区分2相当) で10例中9例にチアノーゼが認められたが死亡例はなかった。なお、原典には100 mg/kgではチアノーゼは認められなかったと記載されている。 (HSDB (Access on October 2019)、原典: Chemfirst Inc; Acute Oral Toxicity Study of N-ethyl-meta-toluidine in Rats, Final Report; 06/01/97; EPA Document No. 88970000227S)。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)【分類根拠】
(1) より、区分1 (血液系) とした。

【根拠データ】
(1) ラットに2週間吸入ばく露 (6時間/日、5日間/週) した試験において、5.6 ppm (90日換算: 0.0034 mg/L、区分1の範囲) 以上でメトヘモグロビン増加がみられ、32.8 ppm (90日換算: 0.02 mg/L、区分1の範囲) 以上で溶血性貧血及びこれに関連した脾臓、肝臓及び骨髄での造血亢進がみられた (previous HPV-IS; available from U.S. EPA ChemView (Access on October 2019))。
誤えん有害性*【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12.環境影響情報
生態毒性
水生環境有害性 (急性)魚類 (ファットヘッドミノー) 96時間LC50 = 49.5 mg/L (AQUIRE (2018)、Brooke, L.T. et al. (1984)) であることから、区分3とした。
水生環境有害性 (長期間)慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく、急性毒性区分3であることから、区分3とした。
オゾン層への有害性当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。

13.廃棄上の注意
残余廃棄物廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。
廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。
汚染容器及び包装容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。
国際規制
国連番号2754
国連品名N-ETHYLTOLUIDINES
国連危険有害性クラス6.1
副次危険-
容器等級II
海洋汚染物質該当しない
MARPOL73/78附属書K及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質該当しない
国内規制
海上規制情報船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報航空法の規定に従う。
陸上規制情報道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定に従う。
特別な安全上の対策道路法、毒物及び劇物取締法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物
その他 (一般的) 注意輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
緊急時応急措置指針番号*153
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2016 Emengency Response Guidebook (ERG 2016)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。

15.適用法令
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。
労働安全衛生法該当しない
化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)該当しない
毒物及び劇物取締法劇物(指定令第2条)【6 N−アルキルトルイジン及びその塩類】
消防法第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1)【5 第三石油類非水溶性液体】
道路法車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 N−エチル−m−トルイジン】
航空法毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】2754 N−エチルトルイジン】
船舶安全法毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】2754 N−エチルトルイジン】
港則法その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ N−エチルトルイジン】

16.その他の情報
参考文献
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。
NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP)
International Chemical Safety Cards (ICSC)
Hazardous Substances Data Bank (HSDB)
GESTIS Substance database (GESTIS)
ERG 2016版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用