| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | N−({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−フルオロフェニル}カルバモイル)−2,6−ジフルオロベンズアミド(別名フルフェノクスロン) | ||
| 化学品の英語名称 | N-[[4-[2-chloro-4-(trifluoromethyl)phenoxy]-2-fluorophenyl]carbamoyl]-2,6-difluorobenzamide | ||
| 製品コード | R06-S71-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 農薬(殺虫剤)(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和2年度(2020年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 生殖毒性 | 区分2、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分 | |
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分2(血液系) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 令和3年度(2021年度)、ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) | ||
| 環境に対する有害性 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 | |
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 警告 | ||
| 危険有害性情報 | 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 授乳中の子に害を及ぼすおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による血液系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 | ||
| 応急措置 | ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは,医師の診察/手当てを受けること。 漏出物を回収すること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | N−({4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−フルオロフェニル}カルバモイル)−2,6−ジフルオロベンズアミド | ||
| 慣用名又は別名 | フルフェノクスロン | ||
| 英語名 | N-[[4-[2-chloro-4-(trifluoromethyl)phenoxy]-2-fluorophenyl]carbamoyl]-2,6-difluorobenzamide | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | C21H11ClF6N2O3 (488.8) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 101463-69-8 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | - | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | 4-(13)-259 | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせる。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きにし、保温して安静にする。 呼吸困難の場合は、負傷者に酸素を吸入させる。 医師に連絡をする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 身体を保護しながら汚染された衣類を脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水と石鹸で十分に洗浄すること。 炎症がある場合、または広範囲に接触した場合:医師の手当てを受けること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 水で15〜20分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。症状が続く場合には、医師に連絡すること。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 口をすすぎ、水分を吐き出す。 意識がある場合は、コップ1杯の水(約200ml)を飲ませる。 医師に連絡をする。 自然嘔吐の場合、被害者をうつぶせの姿勢にし、頭を足より低くする。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 情報なし | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素 以上、GESTIS参照。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 火災の場合、有害なガス(亜硝酸ガス(一酸化窒素)、塩化水素、フッ化水素、一酸化炭素および二酸化炭素)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 特有の消火方法 | 可能であれば、容器を危険区域から出す。 発火源を遮断すること。 流出水を下水システムに流入させないこと。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火設備を用意すること。 自給式呼吸装置を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 防塵マスクを着用すること。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 環境への放出を避けること。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 漏出物を回収すること。 粉じんを発生させないように拾い集めること。 その後換気し、漏出箇所を洗浄すること。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 妊娠中及び授乳期中は接触を避けること。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 可燃性。 容器を開けたままにしないこと。 再充填、移し替え、または開放して使用する場合は、十分な換気を保証しなければならない。 ラベルの付いた容器にのみ充填すること。 粉じんの発生を避けること。粉じんの発生を避けることができない場合は、定期的に回収しなければならない。 清掃に送風機を使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 食品容器は使用しないこと。 容器にラベルを貼ること。 できるだけ元の容器で保管すること。 容器は密閉して保管すること。 乾燥した場所に保管すること。 この物質は、危険な化学反応の可能性がある物質と一緒に保管してはならない。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | - | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2024年度版) | (吸入性粉じん)2 mg/m3 (総粉じん)8 mg/m3 (第3種粉じん) | |||
| ACGIH (2024年版) | PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified | |||
| 設備対策 | 他の使用物質に応じて換気手段を選択する。 粉じんが飛散する可能性がある場合は、作業室に十分な換気を設けること。 床に排水溝がないこと。 作業場に洗浄設備があること。 可能であれば密閉式器具を使用すること。 出口で粉じんを吸引除去する。 容器やパイプラインにラベルを貼ること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 粉じんが発生する場合、必要に応じて保護マスクや呼吸用保護具を着用する。 | |||
| 手の保護具 | ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、FKM、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルなどが、保護する手袋素材として適している。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | サイドガード付きの保護眼鏡を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | エプロンまたは白衣を着用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | 白色 | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 167 ℃ (GESTIS (2024)) 169〜172 ℃ 分解 (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | データなし | ||
| 可燃性 | データなし | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | 184 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | データなし | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:4.0×10-6 g/L (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) シクロヘキサノン:95 g/L (25℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | log Kow:6.16 (GESTIS (2024)) | ||
| 蒸気圧 | 6.52×10-9 mPa (HSDB in PubChem (2024)) 4.89×10-14 mmHg (20℃) (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.57 g/mL (HSDB in PubChem (2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 通常の取扱い条件下では危険有害反応を起こさない。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 感染性物質、放射性物質、爆発性物質。 強酸化性物質。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 火災等の場合は、毒性の強い分解生成物が発生する可能性がある。 | ||
| 11.有害性情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 急性毒性 | ||||
| 経口 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015)) (2)ラットのLD50:> 3,000 mg/kg(OECD TG 401、GLP)(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015)) | |||
| 経皮 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402、GLP)(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015)) | |||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 | |||
| 吸入: 蒸気 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 吸入: 粉じん及びミスト | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 5.1 mg/L(OECD TG 403、GLP)(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015)) 【参考データ等】 (2)ラットのLC50(ばく露時間不明):> 3.3 mg/L(EFSA (2011)) | |||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、7日観察)において、全例で刺激性変化はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、ECHA RAC Opinion (2011)、CLH Report (2009)、農薬抄録 (2015))。 | |||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、7日観察)において、全例で結膜発赤がみられたが、2日目までに回復したとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、ECHA RAC Opinion (2011)、CLH Report (2009)、農薬抄録 (2014))。 | |||
| 呼吸器感作性 | データ不足のため分類できない。 | |||
| 皮膚感作性 | (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:1%溶液)において、パッチ除去24、48時間後の陽性率はともに0%(0/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015))。 (2)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(皮内投与:5%溶液)において、感作率は0%(0/10例)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2011)、CLH Report (2009))。 | |||
| 生殖細胞変異原性 | (1)〜(7)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(GLP、腹腔内投与、2日間)において陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (2)ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(GLP、単回経口投与)において陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (3)In vivo/in vitro試験系として実施されたラットの肝細胞を用いた不定期DNA合成試験において陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (4)細菌復帰突然変異試験において2件陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (5)ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験において陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (6)ほ乳類培養細胞又はヒトリンパ球を用いた4件の染色体異常試験のうち、1件で陽性の結果であったが、他は陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (7)本物質はin vivoで遺伝毒性を有さないものと考えられる(JMPR (2014))。 【参考データ等】 (8)ECHAのRACとしては、本物質は変異原性活性を示さず、分類の必要はないとの考えである(RAC Opinion (2011))。 | |||
| 発がん性 | (1)〜(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)国内外の分類機関による既存分類結果として、EPAでNL(Not Likely To Be Carcinogenic To Humans)に分類されている(EPA Annual Cancer Report (2019): 2006年分類)。 (2)ラットを用いた発がん性試験(2年間混餌投与)において、最高用量の50,000 ppm(雄/雌:2,290/2,900 mg/kg/day)まで、発がん性の証拠は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2014) 、JMPR Report (2014))。 (3)マウスを用いた発がん性試験(2年間混餌投与)において、最高用量の10,000 ppmまで、発がん性の証拠は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、JMPR Report (2014)、農薬抄録 (2015))。 (4)(3)とは別のマウスの発がん性試験(2年間混餌投与)において、50,000 ppm投与群の雌で脾臓の血管肉腫の頻度増加がみられたが、同時に血管腫(良性腫瘍)の増加を伴わないことから検体投与による影響とは考えられなかった。また、投与群の雄で肝細胞がんの頻度増加がみられたが、対照群の肝腫瘍発生頻度が偶然低かったためで、検体投与に関連したものではないと考えられた(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、JMPR Report (2014))。 | |||
| 生殖毒性 | (1)〜(3)より、区分2とし、授乳影響を追加した。なお、(1)では母体毒性が軽度である用量で児動物の生存率低下などがみられている。また、(2)、(3)より、哺育中の雌ラットの乳汁中に本物質が排泄され、母乳を介して児動物の死亡率増加などを誘発している可能性が考えられた。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、母動物に影響がない用量(雄動物には腎臓重量増加(P)、体重増加抑制(F1))で、児動物に離乳児体重の低下、肝比重量増加がみられた。また、母動物に脱毛のみがみられた最高用量では、離乳児生存率の低下(F1及びF2)、音響驚愕反応の遅延(F1)、体重低下(F2)などがみられた。なお、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 (2)ラットを用いた経口投与試験(交配2週間前から分娩までの約10週間)において、20,000 ppmで授乳中のラットが乳汁中に本物質を450 ± 377 ppm(分娩後1日)、9.4 ± 6.1 ppm(分娩後14日)の濃度で排泄するとの報告がある(CLH Report (2009))。本物質は授乳中のラットの乳汁中に排泄されること、体脂肪中に蓄積することが示された(JMPR (2014))。 (3)(1)の二世代生殖試験において、710 ppm以上の濃度で4つの世代(F1a、F1b、F2a、F2b)の児動物で死亡率増加及び全同腹児死亡の増加がみられた。RACの見解として、この影響の誘発には出生児への乳汁ばく露が必須要因となるとしており、上記(2)より、本物質は投与された母動物の乳汁中から分娩後に検出されている。本物質の投与により母体のトリグリセリド(TG)レベルが低下し、乳汁中の脂肪含量の減少を生じ、乳汁の品質低下が児動物の死亡率増加の原因となったと説明が可能であるとして、RACは「授乳影響」の追加提案を支持した(RAC Opinion (2011))。 【参考データ等】 (4)EU CLP分類では、Lact.(授乳影響)に分類されているCLP分類 (Accessed Oct. 2020))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | (1)〜(7)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、5,000 mg/kg(区分該当しない範囲)で死亡例及び症状みられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015))。 (2)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)において、3,000 mg/kg(区分該当しない範囲)で雌1匹に死亡例及び嗜眠、流涙、血涙症等がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015))。 (3)マウスを用いた単回経口投与試験(GLP)において、5,000 mg/kg(区分該当しない範囲)で死亡例はなく、立毛がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015))。 (4)マウスを用いた単回経口投与試験(GLP)において、3,000 mg/kg(区分該当しない範囲)で死亡例及び症状みられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015))。 (5)ラットを用いた単回経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例及び症状みられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015))。 (6)マウスを用いた単回経皮投与試験(GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で死亡例及び症状みられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015))。 (7)ラットを用いた単回吸入(粉じん)ばく露試験(OECD TG 403、GLP、4時間)において、5.1 mg/L(区分該当しない範囲)で死亡例及び症状がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2014)、農薬抄録 (2015))。 | |||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | (1)〜(4)より、区分2(血液系)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、500 ppm以上(32.9 mg/kg/day(雄)、39.3 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雌に平均赤血球直径の増加及びヘモグロビン(Hb)の減少がみられ、区分に該当しない範囲の高用量群では雌雄ともに血液影響(貧血等)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2009)、農薬抄録 (2015))。 (2)イヌを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、500 ppm以上(18.9 mg/kg/day(雄)、21.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雌雄にスルフヘモグロビン及びメトヘモグロビンの増加・大腿骨骨髄過形成の増加、雄にHb 濃度低下、赤血球数(RBC)、ヘマトクリット(Ht) 及びMCHC の減少、雌にリンパ球比率減少・肝クッパー細胞の色素沈着増加などがみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2009)、JMPR (2014)、農薬抄録 (2015))。 (3)イヌを用いた混餌投与による1年間経口投与試験において、500 ppm以上(19 mg/kg/day(雄)、19 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雌雄にスルフヘモグロビンの増加、雄にMCV、メトヘモグロビン及び血小板数(PLT)の増加、RBC及びMCHC 減少、雌に白血球数(WBC)増加などがみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2014)、CLH Report (2009)、JMPR (2014)、農薬抄録 (2015))。 (4)血液毒性は溶血性貧血と考えられる(JMPR Report (2014))。 【参考データ等】 (5)本物質製造工場での作業者の医学的監視記録からは、本物質にばく露された可能性がある作業者における皮膚アレルギーの1症例以外、異常な健康影響の症例はみられなかったとの報告がある(JMPR Report (2014))。 (6)マウスの90日間亜急性毒性試験及び2年間発がん性試験、及びラットの2年間発がん性試験では、区分2までの用量範囲で毒性所見はみられなかった(食安委 農薬評価書 (2014)、農薬抄録 (2015)、CLH Report (2009))。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.00005087 mg/L(農薬抄録, 2015)であることから、区分1とした。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | 急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.00001 mg/L(農薬抄録, 2015)から、区分1とした。 | ||
| 残留性・分解性 | 情報なし | ||
| 生態蓄積性 | 情報なし | ||
| 土壌中の移動性 | 情報なし | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 3077 | |||
| 品名(国連輸送名) | 環境有害物質、固体、他に品名が明示されていないもの | |||
| 国連分類 | 9 | |||
| 副次危険 | - | |||
| 容器等級 | III | |||
| 海洋汚染物質 | 該当する | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う | |||
| 航空規制情報 | 航空法の規定に従う | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | 171 | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | - | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第二種指定化学物質(法第2条第3項、施行令第2条別表第2)【19 1−[4−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−フルオロフェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素(別名フルフェノクスロン)】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 水道法 | 水質基準(平15省令101号) 【12 フッ素及びその化合物】【38 塩化物イオン】 | |||
| 水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条)【25 ふつ素及びその化合物】 | |||
| 土壌汚染対策法 | 第2種特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)【22 ふっ素及びその化合物】 | |||
| 下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4) 【26 ふっ素及びその化合物】 | |||
| 船舶安全法 | 有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
| 航空法 | 有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||