1.化学品等及び会社情報 | |||
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化学品等の名称 | 亜セレン酸ナトリウム (Disodium selenite) | ||
製品コード | H29-B-104 | ||
会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファックス番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | ガラス・顔料原料、軽金属の表面処理、陶磁器の着色 |
2.危険有害性の要約 | ||||
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GHS分類 | ||||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用 | |||
GHS改訂4版を使用 | ||||
物理化学的危険性 | - | |||
健康に対する有害性 | 急性毒性(経口) | 区分2 | ||
皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |||
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | |||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | |||
生殖毒性 | 区分2 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管) | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1 (皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、血液系、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) | |||
分類実施日 (環境有害性) | 環境に対する有害性はH26年度、政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)を使用 | |||
環境に対する有害性 | 水生環境有害性 (急性) | 区分1 | ||
水生環境有害性 (長期間) | 区分1 | |||
注) 上記のGHS分類で区分の記載がない危険有害性項目については、政府向けガイダンス文書で規定された「分類対象外」、「区分外」又は「分類できない」に該当する。なお、これらに該当する場合は後述の11項に記載した。 | ||||
GHSラベル要素 | ||||
絵表示 | ||||
注意喚起語 | 危険 | |||
危険有害性情報 | 飲み込むと生命に危険 皮膚刺激 強い眼刺激 遺伝性疾患のおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 中枢神経系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、血液系、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)の障害 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 | |||
注意書き | ||||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | |||
応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 漏出物を回収すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 | |||
保管 | 施錠して保管すること。 | |||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | |||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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単一製品・混合物の区別 | 単一製品 | ||
化学名又は一般名 | 亜セレン酸ナトリウム | ||
別名 | トリオキソセレン酸ナトリウム | ||
濃度又は濃度範囲 | 100% | ||
分子式 (分子量) | H2O3Se.2Na (172.94) | ||
化学特性 (示性式又は 構造式) | |||
CAS番号 | 10102-18-8 | ||
官報公示整理番号 (化審法) | 1-507 | ||
官報公示整理番号 (安衛法) | 情報なし | ||
分類に寄与する不純物及び 安定化添加物 | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。医療機関に連絡する。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 口をすすぐ。吐かせる(意識がある場合のみ)。直ちに医師に連絡すること。 | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:胃痙攣、咳、下痢、めまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、咽頭痛、嘔吐、脱毛 皮膚:発赤、痛み 眼:発赤、痛み 経口摂取:胃痙攣、嘔吐 | ||
応急措置をする者の保護 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する。 | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、二酸化炭素、乾燥砂、特殊粉末消火薬剤 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
特有の危険有害性 | 特定の条件下で可燃性。火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 | ||
特有の消火方法 | 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
消火を行う者の保護 | 消火作業の際は、適切な保護具や耐火服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び 緊急措置 | 関係者以外の立ち入りを禁止する。 作業者は適切な保護具(有毒粒子用フィルター付マスク等)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。 | ||
環境に対する注意事項 | 周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない。 こぼれた物質を密閉式 容器内に掃き入れる。湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。 残留分を注意深く集め、安全な場所に移す。 |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 | ||
安全取扱い注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 裸火禁止。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
接触回避 | 「10.安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 施錠して保管すること(毒劇物)。 強酸、食品や飼料から離しておく。 密封して保管する。 排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する。 | ||
安全な容器包装材料 | 国連輸送法規で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | |||
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管理濃度 | 未設定 | ||
許容濃度 | |||
日本産衛学会(2017年度版) | 0.1 mg/m3 (セレン及びセレン化合物(Se として,セレン化水素,六フッ素化セレンを除く)) | ||
ACGIH(2017年版) | TLV-TWA: 0.2 mg/m3 (Selenium compounds, as Se) | ||
設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所換気装置を使用する。 | ||
保護具 | |||
呼吸用保護具 | 局所排気又は呼吸用保護具を使用する。 | ||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | ||
眼の保護具 | 安全眼鏡、顔面シールド、又は粉末の場合には眼用保護具と呼吸用保護具を併用する。 | ||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
形状 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 白色 (HSDB (2017)) | ||
臭い | 無臭 (GESTIS (2017)) | ||
臭いのしきい(閾)値 | 情報なし | ||
pH | 9 (GESTIS (2017)) | ||
融点・凝固点 | 710℃(分解) (HSDB (2017)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 情報なし | ||
引火点 | 情報なし | ||
蒸発速度(酢酸ブチル=1) | 情報なし | ||
燃焼性(固体、気体) | 特定の条件下で可燃性 (ICSC (J) (1998)) | ||
燃焼又は爆発範囲 | 情報なし | ||
蒸気圧 | 4.74E-18 mmHg(25℃) [換算値 6.31842E-16 Pa(25℃)] (SRC PhysProp (2017)) | ||
蒸気密度 | 情報なし | ||
比重(相対密度) | 3.1(水= 1) (HSDB (2017)) | ||
溶解度 | 水:89.8 g/100 g (HSDB (2017)) アルコールに不溶 (HSDB (2017)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | 情報なし | ||
自然発火温度 | 情報なし | ||
分解温度 | 710℃(分解) (HSDB (2017)) | ||
粘度(粘性率) | 情報なし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
危険有害反応可能性 | 高温面や炎に触れると分解して、有毒なガスを生成する。水溶液は弱塩基である。強酸と反応し、中毒の危険をもたらす。 | ||
避けるべき条件 | 高温、混触危険物質との接触 | ||
混触危険物質 | 強酸 | ||
危険有害な分解生成物 | 火災時に刺激性あるいは有毒なヒュームやガスを放出する。 |
11.有害性情報 | |||
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急性毒性 | |||
経口 | GHS分類: 区分2 ラットのLD50値として、4.8〜7.0 mg Se/kg (本物質換算値: 10.5〜15.3 mg/kg) (ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012))、10.5〜13.2 mg Se/kg (本物質換算値: 23.0〜28.9 mg/kg) (NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告に基づき、区分2とした。 | ||
経皮 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
吸入:ガス | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:蒸気 | GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。 | ||
吸入:粉じん及びミスト | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトにおいてセレン化合物は職業上のばく露で皮膚刺激性を示したとの記載 (ATSDR (2003)) や、再生ヒト表皮を用いたin vitro皮膚刺激性試験 (OECD TG 439準拠) で本物質は刺激性物質であったとの記載 (ECHA登録情報 (Access on November 2017)) から、区分2とした。 | ||
眼に対する重篤な損傷性又は 眼刺激性 | GHS分類: 区分2 ヒトにおいてセレン化合物は職業上のばく露で眼刺激性を示したとの記載 (ATSDR (2003)) から、区分2とした。なお、ウシ角膜を用いる混濁度及び透過性試験 (OECD TG 437準拠) で本物質は腐食性ではなかったとの記載 (ECHA 登録情報 (Access on November 2017)) がある。 | ||
呼吸器感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 | ||
皮膚感作性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、セレンを取扱う実験技術者がばく露から6ヵ月で指間にそう痒性の小胞を生じ、2年後に顔や首の湿疹や流涙、2ヵ月中に2度の喘息発作を起こしてパッチテストで本物質とセレンに陽性を示した事例 (ATSDR (2003)) の記載がある。EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1, H317 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。 | ||
生殖細胞変異原性 | GHS分類: 区分2 In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性、ラット、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性、ラットの末梢血を用いた染色体異常試験で陰性である (ATSDR (2003)、環境省リスク評価第14巻 (2016))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (ATSDR (2003)、環境省リスク評価第14巻 (2016))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 | ||
発がん性 | GHS分類: 分類できない セレン及びセレン化合物はIARCでグループ3に (IARC Suppl. 7 (1987))、EPAでD (not classifiable as to human carcinogenicity) に分類されている (IRIS (1991))。したがって、分類できないとした。 | ||
生殖毒性 | GHS分類: 区分2 ヒトでは高含量のセレンを含む食事の摂取により精子運動能の低下など精子の質に影響するとの報告がある一方、影響なしとする報告もある (ATSDR (2003))。セレン酸を含む飲料水を摂取したイタリアの女性で自然流産の増加傾向 (相対リスク [RR]=1.73; 95% CI=0.62-4.80) が窺われたが、統計的に有意な増加ではなかった。また、セレンばく露群の出生児はセレン非ばく露群の出生児と比較して体重、身長に差はなく、先天性異常発生率の増加もなかった (ATSDR (2003))。 実験動物では雄ウサギに本物質を0.001 mg Se/kg/dayで6週間 (1回/週) 強制経口投与した結果、血清テストステロン値の有意な減少と精子形態異常 (先体欠損) の割合の増加がみられたとの報告、雄ラットに本物質を0.234 mg Se/kg/dayで12〜14週間飲水投与した結果、精巣肥大がみられたとの報告など雄の性機能に有害影響を及ぼす報告がある (ATSDR (2003))。また、ラットに本物質やセレン酸ナトリウム (CAS番号 13410-01-0) を経口投与した試験で、体重増加抑制、発情周期の延長、黄体数・着床数、生存胎児数、出生児数の減少、出生児の低体重などが報告されている (環境省リスク評価第14巻 (2016)、NITE初期リスク評価書 (2008))。 以上、本物質を用いた動物試験結果、及び関連化合物であるセレン酸ナトリウムの分類結果 (平成28年度: 区分2 (生殖毒性)) を踏まえ、本項は区分2とした。 | ||
特定標的臓器毒性(単回ばく露) | GHS分類: 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管) ヒトでは、本物質約400 mg/kgを含む微生物用培養液を飲んだ23歳の女性が、吐き気、嘔吐、腹痛、吐血などの重度の胃腸炎の症状と急性腎不全を起こして入院し、心電図で心拍数増加、腎生検では近位尿細管上皮の壊死が認められたが、4週間の血液透析治療の後に回復したとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。また、自殺企図により本物質11mg Se/kg (本物質換算値: 24 mg/kg) を経口摂取した56歳の男性が、嘔吐、下痢、腹痛、重度の胃腸炎の症状を示したとの報告 (PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)) 及び本物質1.7 gを経口摂取した患者が重症の胃腸炎と一過性の心電図の変化を生じ、血中ビリルビン濃度の軽微な上昇がみられたとの報告 (HSDB (Access on August 2017)) がある。さらに、本物質ではないが、亜セレン酸 (CAS番号 7783-00-8) と硝酸及び硝酸銅を含む酸化皮膜処理剤ガンブルー (gun blue) の故意又は誤飲でグラム単位のセレンを摂取したことによる急性セレン中毒症で、重症の胃腸障害、神経系障害、呼吸不全症候群、心筋梗塞、腎不全がみられたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。また、15歳の少女が、自殺企図によるセレン酸ナトリウム (CAS番号 13410-01-0) 約22 Se mg/kg (セレン酸ナトリウムの換算値: 約52.6 mg/kg) の経口摂取後に下痢及び脳波の異常を呈し、また血中ビリルビン濃度とアルカリホスファターゼ活性の上昇がみられたとの報告がある (ATSDR (2003)、HSDB (Access on September 2016))。 以上の本物質及び他のセレン化合物のヒトでの経口摂取の影響の情報から、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管) とした。 | ||
特定標的臓器毒性(反復ばく露) | GHS分類: 区分1 (皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、血液系、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) ヒトについては、本物質ではないが、食品のセレン濃度が高い中国湖北省恩施地域における脱毛や爪の形態変化を伴ったセレン中毒の報告 (環境省リスク評価第14巻 (2016)、IRIS (1991)、ATSDR (2003)) があり、さらにヘモグロビンの低下、斑状歯、皮膚病変、中枢神経系への影響 (末梢の麻痺、肢端触覚異常、四肢の痛み) が報告されている (IRIS (1991))。 本物質は水溶性であり、経口摂取により同様のセレン中毒を引き起こすと考えられる。 実験動物については、ラットに本物質を4〜13週間混餌投与した複数の試験で、区分1に該当する用量 (亜セレン酸ナトリウムとして90日換算: 0.0044〜1.88 mg/kg/day) で、肝臓 (小葉中心性び漫性小結節、類洞の拡張、肝細胞壊死、単核細胞の門脈浸潤など)、腎臓 (腎乳頭の変性、壊死)、血液系 (ヘモグロビン濃度の減少、脾臓の腫大)、精巣 (重量低下、精子の形態異常、精巣上体内精子数の減少) への影響がみられ (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))、また、モルモットに60日間混餌投与した試験で血液毒性 (貧血、リンパ球減少) が区分1の用量 (15 ppm= 0.75 mg Se/kg/日; 亜セレン酸ナトリウム90日ばく露換算: 1.09 mg/kg/day) で、ラットに2年間混餌投与した試験でも区分1相当量 (0.1 mg/kg/day) で肝臓 (肝臓実質の変性、過形成)、腎臓 (腎炎) への影響が認められたと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))。 以上より、区分1 (皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、血液系、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) とした。 | ||
吸引性呼吸器有害性 | GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。 |
12.環境影響情報 | |||
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生態毒性 | |||
水生環境有害性(急性) | 甲殻類 (ヨコエビ科)の96時間LC50 = 0.676 mg/L (ECETOC TR91 (2003))であることから、区分1とした。 | ||
水生環境有害性(長期間) | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中動態が不明であり、甲殻類 (ヨコエビ科)の96時間LC50 = 0.676 mg/L (ECETOC TR91 (2003))であることから、区分1とした。 | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
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残余廃棄物 | 特別管理産業廃棄物に該当する。 特別管理産業廃棄物処理基準に従って処理を行うか、特別管理産業廃棄物の許可業者に運搬又は処分を委託する。 | ||
汚染容器及び包装 | 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制ならびに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
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該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、12項の環境影響情報とに基づいて、修正が必要な場合がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2630 | |||
国連品名 | SELENATES or SELENITES | |||
国連危険有害性クラス | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | J | |||
海洋汚染物質 | 該当する | |||
MARPOL73/78附属書K及び IBCコードによるばら積み 輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、毒物及び劇物取締法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 151 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2008 Emengency Response Guidebook (ERG 2008)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
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法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9)(セレン及びその化合物) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)(セレン及びその化合物) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)(セレン及びその化合物) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(セレン及びその化合物) | |||
毒物及び劇物取締法 | 毒物(指定令第1条)(セレン化合物及びこれを含有する製剤) | |||
道路法 | 車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)(亜セレン酸ナトリウム) | |||
水道法 | 有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101号)(セレン及びその化合物)(ナトリウム及びその化合物) | |||
港則法 | その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)(亜セレン酸塩) | |||
航空法 | 毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)(亜セレン酸塩) | |||
船舶安全法 | 毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)(亜セレン酸塩) | |||
下水道法 | 水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)(セレン及びその化合物) | |||
水質汚濁防止法 | 有害物質(法第2条、施行令第2条、排水基準を定める省令第1条)(セレン及びその化合物) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)(セレン及びその化合物) | |||
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | 産業廃棄物(法第2条第5項、施行令第2条の4)(セレン及びその化合物を含有する特定有害産業廃棄物) | |||
労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)(セレン及びその化合物(セレン化水素を除く)) | |||
土壌汚染対策法 | 特定有害物質(法第2条第1項、施行令第1条)(セレン及びその化合物) |
16.その他の情報 | ||||
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参考文献 | 各データ毎に記載した。 | |||
[注意] 本SDSはJIS Z7253:2012 に準拠して作成しています。 |