1.化学品及び会社情報 | |||
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化学品の名称 | 1,3-ビス[(2,3-エポキシプロピル)オキシ]ベンゼン | ||
化学品の英語名称 | 1,3-Bis[(2,3-epoxypropyl)oxy]benzene | ||
製品コード | R03-C-014-MHLW | ||
供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
電話番号 | 03-1234-5678 | ||
ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
推奨用途及び使用上の制限 | プラスチック添加剤(希釈剤) (NITE-CHRIPより引用) |
2.危険有害性の要約 | |||
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GHS分類 | |||
分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
物理化学的危険性 | - | ||
健康に対する有害性 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | |
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | ||
皮膚感作性 | 区分1A | ||
生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
発がん性 | 区分1B | ||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 区分3(気道刺激性) | ||
分類実施日 (環境有害性) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用 | ||
環境に対する有害性 | - | ||
GHSラベル要素 | |||
絵表示 | |||
注意喚起語 | 危険 | ||
危険有害性情報 | 皮膚刺激 強い眼刺激 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 呼吸器への刺激のおそれ | ||
注意書き | |||
安全対策 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 取扱い後は手をよく洗うこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 | ||
応急措置 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
保管 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 | ||
廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
他の危険有害性 | 情報なし |
3.組成及び成分情報 | |||
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化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
化学名又は一般名 | 1,3-ビス[(2,3-エポキシプロピル)オキシ]ベンゼン | ||
慣用名又は別名 | 1,3−ビス(オキシラン−2−イルメトキシ)ベンゼン レゾルシンジグリシジルエ−テル | ||
英語名 | 1,3-Bis[(2,3-epoxypropyl)oxy]benzene 1,3-Bis(oxiran-2-ylmethoxy)benzene Diglycidyl resorcinol ether | ||
濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
分子式 (分子量) | C12H14O4 (222.24) | ||
化学特性 (示性式又は構造式) | |||
CAS番号 | 101-90-6 | ||
官報公示整理番号(化審法) | 7-1284 | ||
官報公示整理番号(安衛法) | 情報なし | ||
GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | 情報なし |
4.応急措置 | |||
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吸入した場合 | 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ||
皮膚に付着した場合 | 多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 | ||
眼に入った場合 | 水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 | ||
飲み込んだ場合 | 情報なし | ||
急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 吸入:咳。咽頭痛。 皮膚:吸収される可能性あり。発赤。痛み。 眼:充血。痛み。 | ||
応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 情報なし | ||
医師に対する特別な注意事項 | 情報なし |
5.火災時の措置 | |||
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適切な消火剤 | 水噴霧、泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素 | ||
使ってはならない消火剤 | 棒状注水 | ||
火災時の特有の危険有害性 | 可燃性。 火災の場合、有害物質(一酸化炭素)が放出される可能性がある。 | ||
特有の消火方法 | 周囲の容器を水噴霧で冷却する。 安全にできるのであれば、危険区域から損傷していない容器を移動する。発火源を遮断する。 | ||
消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、密閉型防護服を着用する。 |
6.漏出時の措置 | |||
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人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 自給式呼吸器を着用する。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 必要に応じて適切な保護服または適切な化学防護服を着用すること。 漏洩区域外に避難する。 適切な保護対策がされていない場合は漏洩区域に入ってはいけない。 | ||
環境に対する注意事項 | 環境汚染を引き起こすおそれがある。 漏出物が地面や河川や下水に流出することを避ける。 | ||
封じ込め及び浄化の方法及び機材 | 粉末の場合は、粉じんが飛散しないようにして取り除く。 漏れた液やこぼれた液を、ふた付きの容器にできる限り集める。 残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる。 地域規則に従って保管・処理する。 | ||
二次災害の防止策 | 情報なし |
7.取扱い及び保管上の注意 | |||
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取扱い | |||
技術的対策 | 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 容器を接地しアースをとること。 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること。 火花を発生させない工具を使用すること。 静電気放電に対する措置を講ずること。 | ||
安全取扱注意事項 | 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 裸火禁止。 | ||
接触回避 | 「10. 安全性及び反応性」を参照。 | ||
衛生対策 | 取扱い後は手をよく洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 | ||
保管 | |||
安全な保管条件 | 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。 強酸化剤、強塩基、強酸およびアミンから離しておく。 冷所。 暗所に保管。 | ||
安全な容器包装材料 | 消防法及び国連危険物輸送勧告モデル規則で規定されている容器を使用する。 |
8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
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許容濃度等については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGHIの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
管理濃度 | 未設定 | |||
許容濃度等 | ||||
日本産衛学会(2021年版) | 未設定 | |||
ACGIH(2022年版) | 未設定 | |||
設備対策 | 取り扱いの場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設ける。 作業場では全体換気を行う。 設備は局所排気装置を用いる。 | |||
保護具 | ||||
呼吸用保護具 | 作業者が粉塵に暴露される場合は呼吸保護具(防じんマスク等)の着用を検討する。 防じんマスクの選択については、以下の点に留意する。 -酸素濃度が18%未満の場所では使用しない。また、有害なガスが存在する場所においては防じんマスクを使用せず、その他の呼吸用保護具の利用を検討すること。 -防じんマスクは、日本工業規格(JIS T8151)に適合した、作業に適した性能及び構造のものを選ぶ。その際、取扱説明書等に記載されているデータを参考にする。 | |||
手の保護具 | 保護手袋を着用する。 | |||
眼の保護具 | 保護眼鏡を着用する。 | |||
皮膚及び身体の保護具 | 保護衣を着用する。 |
9.物理的及び化学的性質 | |||
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物理的状態 | |||
物理状態 | 固体 (20℃、1気圧) (GHS判定) | ||
色 | 黄色 | ||
臭い | 特異臭、フェノール臭 | ||
融点/凝固点 | 32〜33 ℃(ICSC(2005)、GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022)) 42.5 ℃(PubChem(2022)) | ||
沸点、初留点及び沸騰範囲 | 172 ℃(0.0001 kPa)(ICSC(2005)) 342 °F(0.8 mm Hg)(PubChem(2022)) 208〜210 ℃(危険物災害等支援システム(2022)) | ||
可燃性 | 可燃性(ICSC(2005)) | ||
爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
引火点 | 113 ℃(Closed cup)(ICSC(2005)) 177 ℃(Open cup)(GESTIS(2022)) 350 °F(Open cup)(PubChem(2022)) | ||
自然発火点 | データなし | ||
分解温度 | データなし | ||
pH | データなし | ||
動粘性率 | データなし | ||
溶解度 | 水にほとんど溶けない(GESTIS(2022)) 水: <0.1 mg/mL(64° F)(PubChem(2022)) | ||
n-オクタノール/水分配係数 | Log Kow: 1.23((EST))(環境省リスク評価書第9巻(2011)) | ||
蒸気圧 | 7.82x10-4 mmHg(25℃(EST))(環境省リスク評価書第9巻(2011)) | ||
密度及び/又は相対密度 | 1.21 g/cm3(25℃)(GESTIS(2022)) | ||
相対ガス密度 | 7.7 (空気=1)(ICSC(2005)) | ||
粒子特性 | データなし |
10.安定性及び反応性 | |||
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反応性 | 「危険有害反応可能性」を参照。 | ||
化学的安定性 | 情報なし | ||
危険有害反応可能性 | 可燃性。爆発性過酸化物の生成が推測される。 酸、アミン、塩基および強酸化剤と反応する。 | ||
避けるべき条件 | 熱 | ||
混触危険物質 | 酸、アミン、塩基、強酸化剤 | ||
危険有害な分解生成物 | 爆発性過酸化物 |
11.有害性情報 | ||||
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急性毒性 | ||||
経口 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 2,570 mg/kg (環境省リスク評価書第9巻 (2011)、DFGOT vol.7 (1996))、2.57 g/kg (2,570 mg/kg) (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on October 2019)) (2) ラットのLD50: 2,200〜3,000 mg/kg (NTP TR257 (1986)) | |||
経皮 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 (1) はばく露時間が不明であり、純度が低いため (純度60%)、参考データとした。 【参考データ等】 (1) ウサギのLD50: 0.64 mL/kg (774.4 mg/kg) (PATTY (6th, 2012)) | |||
吸入: ガス | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 | |||
吸入: 蒸気 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
吸入: 粉じん及びミスト | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | 【分類根拠】 (1)〜(5) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) において刺激性スコア5 (最大8) を示し、中等度の刺激性を示した (PATTY (6th, 2012))。 (2) 本物質は皮膚、粘膜に対し、刺激性を有する (DFGOT vol.7 (1996))。 (3) ヒトにおいて本物質への接触は重度の皮膚刺激性を示す (DFGOT vol.7 (1996))。 (4) 本物質は中等度から強度の皮膚刺激性を有する (HSDB (Access on October 2019))。 (5) 本物質は皮膚と粘膜に対し強度の刺激性を有する (GESTIS(Access on October 2019))。 【参考データ等】 (6) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。 | |||
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚、粘膜に対し、刺激性を有する (DFGOT vol.7 (1996))。 (2) ウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) において刺激性スコア45 (最大110) を示し、重度の刺激性を示した (PATTY (6th, 2012)、REACH登録情報 (Access on November 2019))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。 | |||
呼吸器感作性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
皮膚感作性 | 【分類根拠】 (1)〜(3) より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において、陽性と判定され、EC3の値は2%未満と推定された (REACH登録情報 (Access on November 2019))。 (2) ヒトにおいて本物質への接触は重度の皮膚刺激を示し、感作性を示す可能性がある (DFGOT vol.7 (1996))。 (3) 本物質は皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on October 2019))。 【参考データ等】 (4) EU-CLP分類でSkin Sens. 1B (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。 | |||
生殖細胞変異原性 | 【分類根拠】 (1)、(2) より証拠の重み付けに従い、区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス小核試験で陰性と陽性の報告があるが、証拠の重み付けにより、総合的に陽性と評価される (DFGOT vol.7 (1996)、IARC 71 (1999)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on October 2019))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の染色体異常試験、及びマウスリンフォーマ試験で陽性、哺乳類培養細胞の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (同上)。 | |||
発がん性 | 【分類根拠】 (1)より、最新のCLPの評価を重視し、(2)〜(6)で動物2種で悪性腫瘍が確認されていることから、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類からEU CLPの分類が変更されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)国外の評価機関による既存分類結果として、EUではCarc.1Bに(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))分類している。 (2)ラットを用いた2年間(103週間)強制経口投与(5日/週)による発がん性試験(追加試験を含めて、12.5〜50 mg/kg/day)において、雌雄とも前胃に良性及び悪性腫瘍(扁平上皮乳頭腫・扁平上皮がん)の発生が高頻度にみられた(CLH Report (2018)、ECHA RAC Opinion (2018)、IARC 71 (1999)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、NTP RoC (14th, 2016)、DFG MAK (1996)、NTP TR257 (1986)、Patty (6th, 2012)、HSDB (Accessed Sep. 2021))。 (3)マウスを用いた2年間(103週間)強制経口投与(5日/週)による発がん性試験(50,100 mg/kg/day)において、雌雄とも前胃に良性及び悪性腫瘍(扁平上皮乳頭腫・扁平上皮がん)の発生が高頻度にみられ、雌には肝臓腫瘍(肝細胞がん、肝細胞がん又は腺腫(組合せ))の発生頻度の有意な増加もみられた(CLH Report (2018)、ECHA RAC Opinion (2018)、IARC 71 (1999)、AICIS (旧NICNAS) IMAP (2015)、NTP RoC (14th, 2016)、DFG MAK (1996)、NTP TR257 (1986)、Patty (6th, 2012)、HSDB (Accessed Sep. 2021))。 (4)(3)の肝臓腫瘍については、対照群の背景データでの発生頻度や異なる統計手法によっては有意差が消失すること等を考慮し、本物質投与に関連した腫瘍発生ではないと判断されている(CLH Report (2018)、ECHA RAC Opinion (2018))。 (5)ECHAのRACはNTPの発がん性試験結果の個別データを解析し、(2)のラットの試験では前胃の悪性腫瘍(扁平上皮がん)の低、中及び高用量群における最初の死亡例はそれぞれ76週、61週及び42週目に生じており(補正後発生率:最大100%(対照群:0%))、かつ中用量群を中心に少なくとも20匹の遠隔部位(リンパ節、膵臓、肝臓、脾臓、肺、脳)に転移性腫瘍を生じると解析した。(3)のマウスの試験でも、同様に低及び高用量群で高頻度の前胃の原発性腫瘍(補正後発生率:最大70%)とは別に24匹の遠隔部位(肺、肝臓、リンパ節、脾臓、副腎、腎臓)に転移性腫瘍を認めている(ECHA RAC Opinion (2018))。 (6)ラット、マウスの2種・両性に認められた前胃の悪性腫瘍から接触部位発がん性(site of contact carcinogenicity)を示す物質の可能性がある。ヒトには前胃はないが、食道、口腔などげっ歯類と同様の組織を有する部位は存在する。吸入・経皮経路での発がん性に関する信頼性ある情報がないため、他経路でも接触部位発がんを生じる可能性は否定できない(CLH Report (2018)、ECHA RAC Opinion (2018))。 (7)本物質はジグリシジルエーテル化合物のグループに属し、DNA反応性のエポキシド基を持つ電子親和性化合物である。同じグループのフェニルグリシジルエーテル(PDGE、CAS番号 122-60-1)とのリードアクロスも考慮された。PDGEは本物質の2つのグリシジルエーテル側鎖のうちの1つを有し、リードアクロスには適切と考えられた。当該物質のEU及び本邦での発がん性分類はそれぞれCarc. 1B(CLP分類結果 (Accessed Sep. 2021))及び区分2である(政府によるGHS分類結果:2017年分類)。 (8)なお、IARCではグループ2Bに(IARC 71 (1999))、NTPではRに(NTP RoC (16th, 2016))、日本産業衛生学会では第2群Bに(産衛誌62巻 (2020):1991年提案)それぞれ分類している。 | |||
生殖毒性 | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | 【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。(1)、(2) より、吸入ばく露の場合には気道刺激性を示すと考えられることから、区分3 (気道刺激性) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質のミストは眼と気道を刺激する可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on October 2019))。 (2) 本物質はウサギの皮膚及び眼に強い刺激性を示したとの記載がある (DFGOT vol.7 (1996))。 【参考データ等】 (3) ラットの単回経口投与試験において、呼吸困難と中枢神経系抑制がみられた。影響がみられた最小用量の記載はないが、LD50値である2,570 mg/kg付近でみられたとすると区分2超に相当する (DFGOT vol.7 (1996))。 | |||
特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 【分類根拠】 (1)、(2) より、実験動物への経口経路の結果、区分1及び区分2の範囲では刺激性によると考えられる前胃の病変がみられたのみであることから、区分に該当しないと判断した。他の経路についてはデータがないことから分類できない。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験において、前胃の病変がみられ、100 mg/kg/day (90日換算: 72 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雄で体重増加抑制、200 mg/kg/day (90日換算: 144 mg/kg/day、区分2超) の雄で死亡 (1/10例)、肝臓の軽微〜軽度の小葉中心性脂肪変性 (対照群と高用量群のみ検査)、雌で体重増加抑制がみられた (NTP TR257 (1986)、DFGOT vol.7 (1996))。 (2) マウスを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験において、前胃の病変がみられ、400 mg/kg/day (90日換算: 289 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で死亡 (雄: 9/10、雌: 7/10)、肝臓の限局性壊死、脂肪変性 (対照群と高用量群のみ検査) がみられた (同上)。 | |||
誤えん有害性* | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 | |||
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 |
12.環境影響情報 | |||
---|---|---|---|
生態毒性 | |||
水生環境有害性 短期(急性) | データ不足のため分類できない。 | ||
水生環境有害性 長期(慢性) | データ不足のため分類できない。 | ||
残留性・分解性 | 情報なし | ||
生態蓄積性 | 情報なし | ||
土壌中の移動性 | 情報なし | ||
オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていない。 |
13.廃棄上の注意 | |||
---|---|---|---|
化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 | ||
容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 |
14.輸送上の注意 | ||||
---|---|---|---|---|
本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
国際規制 | ||||
国連番号 | 2811 | |||
品名(国連輸送名) | 毒性固体(有機物)、n.o.s. | |||
国連分類 | 6.1 | |||
副次危険 | - | |||
容器等級 | - | |||
海洋汚染物質 | 該当しない | |||
MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
国内規制 | ||||
海上規制情報 | 船舶安全法の規定に従う。 | |||
航空規制情報 | 航空法の規定に従う。 | |||
陸上規制情報 | 道路法、消防法の規定に従う。 | |||
特別な安全上の対策 | 道路法、消防法の規定によるイエローカード携行の対象物 | |||
その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
緊急時応急措置指針番号* | 154 | |||
* 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2020 Emengency Response Guidebook (ERG 2020)」(一般社団法人日本化学工業協会によって和訳されている(発行元:日本規格協会)に掲載されている。 |
15.適用法令 | ||||
---|---|---|---|---|
法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
労働安全衛生法 | 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) | |||
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和4年度までの対象) | |||
毒物及び劇物取締法 | 該当しない | |||
消防法 | 第4類 引火性液体 第三石油類 非水溶性(法第2条第7項危険物別表第1・第4類) | |||
大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) | |||
船舶安全法 | 毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1) | |||
航空法 | 毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1) |
16.その他の情報 | ||||
---|---|---|---|---|
参考文献 | ||||
9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・ERG 2020版 緊急時応急措置指針−容器イエローカードへの適用 ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 |