| 1.化学品等及び会社情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品の名称 | 硫酸コバルト(II)七水和物 | ||
| 化学品の英語名称 | Cobalt(II) sulfate heptahydrate | ||
| 製品コード | R06-C-159-JNIOSH | ||
| 供給者の会社名 | ○○○○株式会社 | ||
| 住所 | 東京都△△区△△町△丁目△△番地 | ||
| 電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| ファクシミリ番号 | 03-1234-5678 | ||
| 電子メールアドレス | 連絡先@検セ.or.jp | ||
| 緊急連絡電話番号 | 03-1234-5678 | ||
| 推奨用途及び使用上の制限 | 磁性体用,金属石けん・顔料原料,塗料・インキ乾燥剤,防錆材原料,飼料添加物,メッキ薬,触媒(NITE-CHRIPより引用) | ||
| 2.危険有害性の要約 | |||
|---|---|---|---|
| GHS分類 | |||
| 分類実施日 (物化危険性及び健康有害性) | 令和6年度(2024年度)、ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) ※一部、平成25年度(2013年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 物理化学的危険性 | - | ||
| 健康に対する有害性 | 急性毒性 (経口) | 区分4 | |
| 呼吸器感作性 | 区分1 | ||
| 皮膚感作性 | 区分1 | ||
| 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ||
| 発がん性 | 区分1B | ||
| 生殖毒性 | 区分1B | ||
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | 区分1(呼吸器)、区分2(男性生殖器) | ||
| 分類実施日 (環境有害性) | 平成25年度(2013年度)、ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) | ||
| 環境に対する有害性 | - | ||
| GHSラベル要素 | |||
|---|---|---|---|
| 絵表示 | ![]() ![]() | ||
| 注意喚起語 | 危険 | ||
| 危険有害性情報 | 飲み込むと有害 吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ 遺伝性疾患のおそれの疑い 発がんのおそれ 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ 長期にわたる、又は反復ばく露による呼吸器の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による男性生殖器の障害のおそれ | ||
| 注意書き | |||
| 安全対策 | 取扱い後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 | ||
| 応急措置 | 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”・・・”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”・・・”を適切に置き換えてください。 口をすすぐこと。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 気分が悪いときは、医師の診察/手当てを受けること。 | ||
| 保管 | 施錠して保管すること。 | ||
| 廃棄 | 内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。 | ||
| 他の危険有害性 | 情報なし | ||
| 3.組成及び成分情報 | |||
|---|---|---|---|
| 化学物質・混合物の区別 | 化学物質 | ||
| 化学名又は一般名 | 硫酸コバルト(II)七水和物 | ||
| 慣用名又は別名 | 硫酸コバルト(II)・七水和物 硫酸第一コバルト・7水和物 | ||
| 英語名 | Cobalt(II) sulfate heptahydrate | ||
| 濃度又は濃度範囲 | 情報なし | ||
| 分子式 (分子量) | CoO4S.7H2O (281) | ||
| 化学特性 (示性式又は構造式) | ![]() | ||
| CAS番号 | 10026-24-1 | ||
| 官報公示整理番号 (化審法) | 既存1-270 | ||
| 官報公示整理番号 (安衛法) | - | ||
| GHS分類に寄与する成分(不純物及び安定化添加物も含む) | - | ||
| 4.応急措置 | |||
|---|---|---|---|
| 吸入した場合 | 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 意識がないが呼吸がある場合は、横向きに安定した姿勢で寝かせ、低体温症から保護する。 気分が悪い時や呼吸に関する症状が現れた場合は、医師の診察/手当てを受けること。 気道への刺激や呼吸困難の兆候がある場合: 気道/呼吸器疾患の刺激が発生した場合:できるだけ早く、グルココルチコイド吸入スプレーを吸入する。 呼吸が止まっている場合は、呼吸補助具(蘇生バッグなど)や口鼻蘇生法で人工呼吸を行う。口対口蘇生法は緊急事態の場合にのみ行う。医師に連絡すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 皮膚に付着した場合 | 直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。 皮膚に付着した部分を流水またはシャワーで洗い流したのち、水と石けん(鹸)で丁寧に洗浄する。 刺激がある場合:医師の診察/手当てを受けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 眼に入った場合 | 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 飲み込んだ場合 | 意識がある場合は、コップ1〜2杯の水を飲ませる。 口をすすぎ、吐き出す。 自然嘔吐の場合は、嘔吐物が呼吸器に侵入するのを防ぐため、頭を胸より低くし、うつぶせの姿勢にする。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状 | 急性: 粘膜への刺激、皮膚および気道への感作作用 慢性: 反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。反復または長期の吸入により喘息を引き起こすことがある。 心臓、甲状腺および骨髄に影響を与えることがある。 心筋障害、甲状腺腫および赤血球増加症を生じることがある。 ヒトで発がん性を示す可能性がある。ヒトの生殖に毒性影響を及ぼす可能性があることが示されている。ヒトの新生児に奇形を引き起こす可能性があることが示されている。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 応急措置をする者の保護に必要な注意事項 | 救助者は、状況に応じて適切な眼、皮膚の保護具を着用する | ||
| 医師に対する特別な注意事項 | 情報なし | ||
| 5.火災時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 適切な消火剤 | 周辺火災に応じて水噴霧、粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素を使用する。 | ||
| 使ってはならない消火剤 | 火災が周辺に広がる恐れがあるため、直接の棒状注水を避ける。 | ||
| 特有の危険有害性 | 周囲の火災に含まれると、有害物質が放出される可能性がある。 | ||
| 特有の消火方法 | 火災の場合:区域から退避させ、爆発の危険性があるため、離れた距離から消火すること。 消火活動は風上から行う。 火災場所の周辺には関係者以外の立ち入りを規制する。 危険でなければ火災区域から容器を移動する。 | ||
| 消火を行う者の特別な保護具及び予防措置 | 消火作業の際は、適切な自給式の呼吸器用保護具、眼や皮膚を保護する防護服 (耐熱性) を着用する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 6.漏出時の措置 | |||
|---|---|---|---|
| 人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置 | 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 影響を受ける周囲に警告すること。 個人用保護具を着用すること(「個人用保護具」の章を参照)。 周囲を換気し、こぼれた場所を洗浄する。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 環境に対する注意事項 | 発がん性物質および生殖細胞変異原性物質は、密閉装置でのみ使用する必要がある。 容器とパイプラインにラベルを貼ること 水、排水、下水、または地中への浸透を防ぐ。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 封じ込め及び浄化の方法及び機材 | この物質を環境中に放出してはならない こぼれた物質を密閉容器内に収集する。 湿らせてもよい場合は、粉じんを避けるために湿らせてから掃き入れる。 廃棄物をシンクやゴミ箱に入れたり置いたりしない。 収集容器にはラベルを貼ること。容器は換気の良い場所に保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 二次災害の防止策 | 情報なし | ||
| 7.取扱い及び保管上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 取扱い | |||
| 技術的対策 | 毎日掃除すること。 「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。 粉じんを発生させないこと。避けられない粉じんの発生は、定期的に収集すること。 掃除中に粉じんを起こさないこと。 清掃にブロワーを使用しないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 安全取扱い注意事項 | 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 使用前に取扱説明書を入手すること。 密閉状態での加熱又は鈍性化剤の減少を避けること。 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。 作業場所を清潔に保つこと。 この物質は、作業に必要な量を超えて持ち込まない。 容器を開けたままにしないこと。 補充または移し替えには、排気口付きの漏れ防止機器を使用すること。 こぼれないようにすること。 ラベルの付いた容器にのみ注入すること。 粉じんを発生させないこと。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 接触回避 | 感染性、放射性、爆発性の物質。 ガス。 強酸化性物質。 硝酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムを含有する製剤 有機過酸化物および自己反応性物質。 危険な化学反応が起こりうる物質と一緒に保管しない。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 衛生対策 | この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 取扱い後はよく手を洗うこと。 眼、皮膚、衣類への接触を避けること。接触した場合は患部を洗浄する。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 シャワー付きの洗面所と、可能であれば、私服と作業服用の独立した収納を備えた部屋を用意すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 保管 | |||
| 安全な保管条件 | 施錠して保管すること。 国又は都道府県の規則に従って保管すること。 容器を密閉しておくこと。 容器にはラベルを貼付すること。 できるだけ元の容器に保管すること。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 安全な容器包装材料 | 破損や漏れの無い密閉可能な容器を使用する。 | ||
| 8.ばく露防止及び保護措置 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 許容濃度については日本産衛学会の「許容濃度の勧告」及びACGIHの「TLVs and BEIs」について記載しています。 | ||||
| 管理濃度 | 0.02 mg/m3 (コバルトとして) | |||
| 濃度基準値 | ||||
| 八時間濃度基準値 | - | |||
| 短時間濃度基準値 | - | |||
| 許容濃度 | ||||
| 日本産衛学会 (2023年度版) | 0.05 mg/m3 (コバルト及びコバルト化合物として) | |||
| ACGIH (2024年版) | TLV-TWA:0.02 mg/m3 (コバルトとして,Inhalable paticulate matter) (コバルト及び無機コバルト化合物)(DSEN; RSEN) | |||
| 設備対策 | 粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器または局所換気装置を使用する。 作業場は、可能であれば物理的に分離する必要がある。 作業場は換気をすること。 床に排水溝を設置しない。 作業場での洗濯設備を設置する。 取り扱い場所の近くに洗浄のための設備を設ける。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 保護具 | ||||
| 呼吸用保護具 | 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 緊急時には、呼吸保護具を着用する。 フィルター装置の使用限界を超える濃度、体積18%未満の酸素濃度、または不明な状況では、絶縁装置を使用すること。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 手の保護具 | 必要に応じて適切な不浸透性の保護手袋を使用すること。着用する前に締まり具合を確認すること。手袋は取り外す前に十分に洗浄し、換気の良い場所に保管すること。 布製または革製の手袋は不適切である。 以下の情報は、塩の飽和水溶液に有効である。 次の材料は保護手袋に適している(透過時間>= 8時間): 天然ゴム/天然ラテックス-NR(0,5 mm)(非粉末およびアレルゲンフリー製品を使用)、ポリクロロプレン-CR(0,5 mm)、ニトリルゴム/ニトリルラテックス-NBR(0,35 mm)、ブチルゴム-ブチル(0,5 mm)、フッ素炭素ゴム-FKM(0,4 mm)、ポリ塩化ビニル-PVC(0,5 mm) 記載されている時間は、22°Cでの測定と一定の接触によって示されている。温められた物質や体温などによる温度の上昇や、膨張による有効層厚の弱化により、透過時間が大幅に短縮される可能性がある。層の厚さが1.5倍に増減すると、透過時間が2倍/半減する。このデータは純物質にのみ適用される。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 眼の保護具 | 必要に応じて安全眼鏡、保護面、安全ゴーグルなどの眼用保護具を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 皮膚及び身体の保護具 | 身体の保護リスクに応じて、不浸透性の適切な防護服または適切な化学防護服を着用する。 以上、GESTIS参照。 | |||
| 9.物理的及び化学的性質 | |||
|---|---|---|---|
| 物理的状態 | |||
| 物理状態 | 固体 | ||
| 色 | カーマイン(わずかに紫味の赤色) | ||
| 臭い | 無臭 | ||
| 融点/凝固点 | 96.8 ℃ (ICSC (2001)) | ||
| 沸点、初留点及び沸騰範囲 | 420 ℃ (ICSC (2001)) | ||
| 可燃性 | 不燃性 | ||
| 爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界 | データなし | ||
| 引火点 | データなし | ||
| 自然発火点 | データなし | ||
| 分解温度 | 735 ℃ (GESTIS (2024)) | ||
| pH | 4 (20℃、100 g/L) (GESTIS (2024)) | ||
| 動粘性率 | データなし | ||
| 溶解度 | 水:60.4 g/100 mL (3℃) (ICSC (2001)) 水:383,000 mg/1,000 g (25℃) (MOE初期評価第11巻 (2013)) | ||
| n-オクタノール/水分配係数 | データなし | ||
| 蒸気圧 | 0 Pa (20℃) (ECHA CHEM (2024)) | ||
| 密度及び/又は相対密度 | 1.95 g/cm3 (20℃) (GESTIS(2024)) | ||
| 相対ガス密度 | データなし | ||
| 粒子特性 | データなし | ||
| 10.安定性及び反応性 | |||
|---|---|---|---|
| 反応性 | 不燃性である。他の使用する物質に応じて、火災および爆発防止対策を選択すること。 消火対策は、周囲の状況に合わせて選択すること。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 化学的安定性 | 通常の取扱い条件下では安定である。 | ||
| 危険有害反応可能性 | 不燃性物質。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。 100℃以上で分解する。 有毒なイオウ酸化物のフュームを生じる。 粉じんは、強酸化剤と反応する。 火災や爆発の危険を生じる。 以上、GESTIS、ICSC参照。 | ||
| 避けるべき条件 | 直射日光を避け、冷暗所に保管する。 | ||
| 混触危険物質 | 接触すると爆発する危険性: アセチレン、過塩素酸ニトロシル、アルミニウム粉末(熱)。 有機過酸化物: 分解。 この物質は危険な反応を示す可能性がある:アセトアルデヒド;マグネシウム; 以上、GESTIS参照。 | ||
| 危険有害な分解生成物 | 周囲の火災に含まれると、有害物質(硫黄酸化物)が放出される可能性がある。 以上、GESTIS参照。 | ||
| 11.有害性情報 | |||
|---|---|---|---|
| 急性毒性 | |||
| 経口 | 硫酸コバルト無水物のラットLD50値である420 mg/kg(NTP TR 471(1998))から分子量換算した761 mg/kg に基づき、区分4とした。 | ||
| 経皮 | データ不足のため分類できない | ||
| 吸入: ガス | GHSの定義における固体である。 | ||
| 吸入: 蒸気 | GHSの定義における固体である。 | ||
| 吸入: 粉じん及びミスト | データ不足のため分類できない | ||
| 皮膚腐食性及び皮膚刺激性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性 | データ不足のため分類できない。 | ||
| 呼吸器感作性 | 本物質の情報に限定するとデータ不足である。しかし、コバルト及びその化合物に関しては、DFGOT vol.23(2006)には、硬質金属の生産、加工処理とダイアモンド研磨の作業現場における作業者の実態調査からヒトに対する呼吸器感作性を有すると結論づけられるとの記述があることから、区分1とした。 | ||
| 皮膚感作性 | DFGOT vol.23(2006)には、2件のヒトに対するマキシマイゼーション法により、それぞれ、25例中10例、987例中42例で陽性反応がみられたとの記述がある。また。モルモットを用いた試験が3件報告されており、いずれも陽性対象が不明であるが、陽性(陽性率100%)との記載がある。よって、区分1とした。 | ||
| 生殖細胞変異原性 | in vivoでは、塩化コバルトのデータではあるが、マウス骨髄細胞の小核試験及び染色体異常試験で陽性である(CICAD 69(2006))。また、コバルトに関するデータではあるが、DNAの酸化的損傷をラット肝臓、腎臓及び肺で調べた試験で陽性である(CICAD 69(2006))。in vitroでは、本物質を用いた細菌の復帰突然変異試験で陽性(CICAD 69(2006)、NTP DB(Access on August 2013))、本物質ではないが、コバルト化合物及びコバルト金属を用いた染色体異常試験、小核試験で陽性と報告されている(CICAD 69(2006))。以上より、本物質を用いたin vivoデータはないが、関連物質である塩化コバルトではin vivo陽性であり、in vitroでも本物質を含めコバルトは全体的に陽性であるため、区分2とした。 | ||
| 発がん性 | 【分類根拠】 ヒトの発がん性に関する情報はない。動物試験では、(1)より2種の動物の雌雄で悪性を含む腫瘍の発生増加が認められることから区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2024年度)。 【根拠データ】 (1)ラット及びマウスを用いた2年間吸入ばく露による発がん性試験において、ラット及びマウスを用いた2年間吸入ばく露(粒子)による発がん性試験において、ラットは雌雄に肺腫瘍(雌は細気管支肺胞上皮腺腫と細気管支肺胞上皮がん、雄は両者の組み合わせ)と副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)の発生増加、マウスは雌雄に肺腫瘍(細気管支肺胞上皮腺腫と細気管支肺胞上皮がん)の発生増加が認められた(NTP TR471 (xxxx)、IARC 131 (2023)、ATSDR (2023)、AICIS IMAP (2014)、MOE初期評価 (2013)、厚労省初期リスク評価書 (2010)など)。 (2)二価の可溶性コバルト化合物は、実験動物において発がん性の十分な証拠があることに加え、作用機序の面でそれらの化合物では発がん性のキーとなる性質を示す強い証拠がヒトの細胞と実験系で得られていることから、グループ2Aに分類された(IARC 131 (2023))。 (3)生体内でコバルトイオンを遊離するコバルト金属およびコバルト化合物(水への溶解度に関係なく)が、同様の作用機序を介して細胞死、DNA損傷、がんなどの同様の種類の影響を引き起こすことから、コバルトイオンが毒性と発がん性の主な原因であることを示している(NTP (2021)、IARC 131 (2023))。 【参考データ等】 (4)国内外の評価機関による発がん性分類では、本物質を含む可溶性コバルト(II)塩に対しIARCでグループ2A(IARC 131 (2023))に、本物質の無水物である硫酸コバルト (II) (CAS登録番号 10124-43-3) に対しEUでCarc. 1B(CLP分類 (Accessed June 2024))に、コバルト及び(無機)コバルト化合物に対しACGIHでA3(ACGIH (2019))、日本産業衛生学会で2B(産衛学会許容濃度等の勧告 (2023))、DFGでカテゴリー2(List of MAK and BAT values (2023))に分類されている。 | ||
| 生殖毒性 | 【分類根拠】 実験動物データも本物質自体の生殖影響に関する情報は限られているが、本物質投与に関連した毒性影響は生体に吸収後のコバルトイオンに起因するものと考えられる。したがって、他の水溶性コバルト化合物の情報も本分類に利用することとした。ヒトへの影響については、(5)のように塩化コバルトの催奇形性は認められないと報告されている。(1)、(3)、(4)より水溶性コバルト化合物は雄に精巣毒性及び精子への有害影響を生じ、雌を受胎させる能力(授精能)を低下させる。(2)から、母動物に顕著な毒性がない用量でラット、マウスに胎児毒性及び催奇形性を生じる報告がある。以上、本物質を含む水溶性コバルト化合物では経口経路で雄生殖器官への有害影響や授精能の低下、並びに母動物毒性のない用量で催奇形性を示すことが報告されているため、本項は区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)本物質をマウスに13週間吸入ばく露した試験では、3 mg/m3以上で精子の運動性低下、30 mg/m3で精巣及び精巣上体重量減少、異常精子の比率の増加が認められた(環境省リスク評価第11巻(2013)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。 (2)硫酸コバルト(II)(CAS:10124-43-3)を妊娠ラットに妊娠期間を通して強制経口投与した結果、母動物に軽微な影響(肝臓、副腎、脾臓の相対重量増加)がみられた100 mg/kg/dayよりも低い用量(25, 50 mg/kg/day)で、胎児の体重低値に加え、骨格・内臓の発達遅延、奇形(主に頭蓋、脊柱、腎盂、尿細管、卵巣、精巣に奇形)の増加がみられた。本物質50 mg/kg/dayを妊娠マウスの器官形成期(妊娠6〜15日)に強制経口投与した場合も、胎児に骨格の発育遅延、奇形(主に眼瞼、腎臓、頭蓋、脊椎)発生率の増加がみられた(環境省リスク評価第11巻(2013))。 (3)塩化コバルト(II)(CAS:7646-79-9)を雄マウスに12週間飲水投与後に無処置雌と交配させた結果、200 ppm(25 mg/kg/day)以上で吸収胚数及び生存胎児数減少、400 ppm(47 mg/kg/day)以上で妊娠雌数及び着床部位数の減少が認められた。雄には精巣・精巣上体等の重量減少、精巣及び精巣上体における精子数の減少、精子形成能の低下が認められており、妊娠雌数の減少は雄の授精能の低下に起因すると考えられている(環境省リスク評価第11巻(2013)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、厚労省初期リスク評価書(2009))。 (4)塩化コバルト(II)を雄マウスに72 mg Co/kg/dayで10週間飲水投与後に無処置雌と交配させた結果、投与群では妊娠動物数の減少、1腹当たりの生存胎児数の減少、及び同着床前死亡の増加がみられた。以上の結果は、雄の精子濃度の減少による受精率の低下による影響と考えられた。飲水投与し交配後の雄を6週間休薬させた回復群では、精子濃度は回復しなかったが、精子の運動量及び運動速度は正常レベルまで回復した(厚労省初期リスク評価書(2009))。 【参考データ等】 (5)ヒトにおける催奇形性は認められないとの報告、また出産時に抗貧血剤として塩化コバルトを服用した女性から産まれた新生児に臨床学的な変化は認められなかったとの報告がある(厚労省初期リスク評価書(2009))。 (6)EU CLPではRepr. 1Bに分類されている。 | ||
| 特定標的臓器毒性 (単回ばく露) | データ不足のため分類できない。 | |||
|---|---|---|---|---|
| 特定標的臓器毒性 (反復ばく露) | ラット及びマウスに本物質のエアロゾルを0.0003-0.03 mg/L の濃度で13週間吸入ばく露した結果、区分1のガイダンス値の範囲内である0.0003 mg/L からラットとマウスに喉頭の扁平上皮化生、0.003 mg/L 以上でラットに肺の炎症、0.01 mg/L 以上でラットとマウスに鼻腔の嗅上皮の変性等が認められた。また、区分2のガイダンス値の範囲内(0.03 mg/L)においてマウスに精巣萎縮、精巣及び精巣上体重量の低下がみられた(NTP TOX 5(1991)、CICAD 69(2006))。以上より、区分1(呼吸器)、区分 2(男性生殖器)に分類した。 | |||
| 誤えん有害性* | データ不足のため分類できない。 | |||
| * JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。 | ||||
| 12.環境影響情報 | |||
|---|---|---|---|
| 生態毒性 | |||
| 水生環境有害性 短期(急性) | データなし。 | ||
| 水生環境有害性 長期(慢性) | データなし。 | ||
| 残留性・分解性 | - | ||
| 生態蓄積性 | 化審法濃縮度試験:低濃縮性(化学物質安全性点検結果等(分解性・蓄積性)) | ||
| 土壌中の移動性 | - | ||
| オゾン層への有害性 | 当該物質はモントリオール議定書の附属書A〜C及びEに列記されていない。 | ||
| 13.廃棄上の注意 | |||
|---|---|---|---|
| 化学品(残余廃棄物)、当該化学品が付着している汚染容器及び包装の安全で、かつ、環境上望ましい廃棄、又はリサイクルに関する情報 | 廃棄においては、関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。 都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。 廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。 容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。 空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。 | ||
| 14.輸送上の注意 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 本物質のGHS分類結果に基づく国際規制の分類等は、以下の通りと推定されるが、該否は製品によって異なる場合がある。輸送危険物の分類は、容器等級を含め、荷送人が責任をもって判断することとされているため、輸送の際には、個々の貨物について、製品の状態、形状等も考慮し、輸送モード (航空、船舶) を規制する法規に沿って事業者が判断する必要がある。 | ||||
| 国際規制 | ||||
| 国連番号 | 該当しない | |||
| 品名(国連輸送名) | 該当しない | |||
| 国連分類 | 該当しない | |||
| 副次危険 | 該当しない | |||
| 容器等級 | 該当しない | |||
| 海洋汚染物質 | 該当しない | |||
| MARPOL73/78附属書U及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質 | 該当しない | |||
| 国内規制 | ||||
| 海上規制情報 | 該当しない | |||
| 航空規制情報 | 該当しない | |||
| 陸上規制情報 | 該当しない | |||
| 特別な安全上の対策 | 該当しない | |||
| その他 (一般的) 注意 | 輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。 | |||
| 緊急時応急措置指針番号* | - | |||
| * 北米緊急時応急措置指針に基づく。米国運輸省が中心となって発行した「2024 Emengency Response Guidebook」に掲載されている。 | ||||
| 15.適用法令 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。 | ||||
| 労働安全衛生法 | 特定化学物質第2類物質(施行令別表第3第2号・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2号) 【13の2 コバルト又はその無機化合物】 特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害予防規則第2条第1項第2、5号) 【13の2 コバルト又はその無機化合物】 特定化学物質特別管理物質(特定化学物質障害予防規則第38条の4) 【コバルト又はその無機化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【172 コバルト及びその化合物】 名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【12 コバルト及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年3月31日まで)【172 コバルト及びその化合物】 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2、施行令別表第9)(令和7年4月1日以降) 【12 コバルト及びその化合物】 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3) 作業環境評価基準(法第65条の2第2項) 【12の2 コバルト及びその無機化合物】 特殊健康診断対象物質・現行取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第1項) 【3 コバルト又はその無機化合物】 特殊健康診断対象物質・過去取扱労働者(法第66条第2項、施行令第22条第2項) 【13の2 コバルト及びその無機化合物】 | |||
| 労働基準法 | 疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1) 【コバルト及びその化合物】 | |||
| 化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) | 第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1) 【156 コバルト及びその化合物】 | |||
| 毒物及び劇物取締法 | - | |||
| 大気汚染防止法 | 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申) 【60 コバルト及びその化合物】 | |||
| 16.その他の情報 | ||||
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| 参考文献 | ||||
| 9項、11項については各データ毎に記載。その他の各項については以下を参照。 ・NITE化学物質総合情報提供システム(NITE-CHRIP) ・International Chemical Safety Cards (ICSC) ・Hazardous Substances Data Bank (HSDB) ・GESTIS Substance database (GESTIS) ・2024 Emengency Response Guidebook ・一般社団法人日本化学工業協会 編「GHS対応ガイドライン ラベル及び表示・安全デ−タシ−ト作成指針」 ・厚生労働省「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル第1版」 | ||||